Oracleでは、永続的データ、生成されるクラス、およびAPIの互換性について、現在のバージョンのWebLogic ServerとWebLogic Server 9.2以降の全バージョンの、バイナリおよびソース・レベルでの互換性をサポートしようと考えています。ただし、完全な互換性を維持できない場合もあります。そのような場合について、『Oracle WebLogic Serverアップグレード・ガイド』で詳しく説明しています。
WebLogic Server 12c リリース1 (12.1.1)はJava EE 6と互換性があります。この互換性があるため、あるオペレーティング・システム・プラットフォームでJava EE 6に準拠したアプリケーションを開発し、そのアプリケーションを別のプラットフォームに本番環境としてデプロイできます。その際、Java EE 6アプリケーションのコードを変更する必要はありません。OracleはこのようなJava EE 6アプリケーションの移植に関する互換性をWebLogic Serverの1つのリリース・レベルの範囲内で保証しています。
1つの例外を除き、WebLogic Server 12c リリース1 (12.1.1)にアップグレードする場合、アプリケーションを再コンパイルしてクラスを新しく生成する必要はありません。
現在のバージョンのEJBGenユーティリティは、JDK 5.0以降メタデータ・アノテーション・スタイルの「EJBGen」タグのみを認識し、以前のJavadocスタイルのタグは認識しません。つまり、Javadocスタイルのタグを使用するソース・ファイルは、同等のアノテーションを使用するようにアップグレードしてから、更新されたバージョンのEJBGenを使用して再コンパイルする必要があります。
同一の管理ドメイン内のWebLogic Serverインスタンスはすべて、メジャーおよびマイナー・バージョンが同じである必要があります。1つのドメイン内でサーバーのバージョンを混在させることはできません。WebLogic Serverリリース12.1.1から、最初の2桁がメジャー・バージョンを、3桁目がマイナー・バージョンを示します。ドメイン内のすべてのサーバーは、バージョン12.1.1にする必要があります。
管理ドメイン内のサーバー・インスタンスは、管理サーバーと管理対象サーバーのパッチ・セット・レベルが管理対象サーバーより高い場合、様々なパッチ・セット・レベルにできます。ドメイン自体は、一番古いバージョン番号のままにする必要があり(アップグレードは禁止)、新しいバージョンに追加された属性を構成に含めることはできません。
クラスタ内のすべてのサーバー・インスタンスは同じパッチ・セット・レベルにある必要があります。たとえば、クラスタ内のすべてのサーバーはバージョン12.1.1.1にして、クラスタ内でバージョン12.1.1.1や12.1.1.2を混在させることはできません。
クラスタまたはドメイン内のサーバー・インスタンスはハードウェアおよびオペレーティング・システムが「サポートされるシステム構成」ページ(http://www.oracle.com/technetwork/middleware/ias/downloads/fusion-certification-100350.html
)にリストされている任意のハードウェアおよびオペレーティング・システム上で実行できます。ただし、クラスタ・サーバー・インスタンスが異なるハードウェアおよびオペレーティング システムで実行されている場合は、ロード・バランシングおよびパフォーマンスに影響がある可能性があります。
WebLogic Server 9.xから12.1.1へ移動する場合は、構成ファイルに変更を加える必要があります。WebLogic Serverのバージョン9.0以降では、アップグレード・ツールによって、構成ファイルが自動的に変換されます。
WebLogic Server 12c リリース1 (12.1.1)にデプロイされるWebLogic Server 9.x、10.0、10.3.xのアプリケーションは、変更しなくても動作します。ただし、仕様への準拠や不具合の修正を目的としてAPIの動作が変更されている場合があります。特定の状況では、これらの変更によってアプリケーションの動作が変わる可能性があります。
WebLogic Server 12c リリース1 (12.1.1)とWebLogic Server 9.x、10.0、10.3.xの間の相互運用性は、次のシナリオでサポートされています。
WebLogic Server 9.x、10.0、10.3.xクライアントは、IIOP、T3、T3S、HTTPおよびHTTPSを使用してWebLogic Server 12.1.1サーバーがホストするRMIベースのアプリケーションを呼び出すことができます。JMSアプリケーションは、T3、T3S、HTTP、およびHTTPSを使用して呼び出すことができます。
Weblogic Server 12.1.1クライアントは、IIOP、T3、T3S、HTTPおよびHTTPSを使用してWebLogic Server 9.x、10.0および10.3.xサーバーがホストするRMIベースのアプリケーションを呼び出すことができます。JMSアプリケーションは、T3、T3S、HTTP、およびHTTPSを使用して呼び出すことができます。
WebLogic Server 12.1.1 Webサーバー・プラグインは、9.x、10.0および10.3.xの最新のパッチ・セット・リリースのサーバーにプロキシできます。