この章では、WebLogic Serverのアプリケーション・デプロイメントについて説明します。
この章の内容は以下のとおりです。
アプリケーション・デプロイメントという用語は、WebLogic Serverドメインにおいて、アプリケーションまたはモジュールをクライアント・リクエストの処理に使用できるようにするプロセスを指します。アプリケーション・デプロイメントは、一般的に次のタスクを伴います。
アプリケーションおよびモジュールのデプロイメント準備
本番デプロイメントのためのアプリケーションの構成
新しい環境にデプロイするためのアプリケーションのエクスポート
weblogic.deployerによるアプリケーションおよびモジュールのデプロイ
本番環境でのアプリケーションの再デプロイ
デプロイされたアプリケーションの管理
WebLogic Serverは、Java EE 6仕様を実装しています。Java EE 6には、デプロイメント仕様JSR-88が含まれています。この仕様には、アプリケーションをアプリケーション・サーバーに構成およびデプロイする際に、デプロイメント・ツールおよびアプリケーション・サーバー・プロバイダで使用する標準APIが記述されています。
WebLogic Serverは、Java EEデプロイメント仕様に準拠するように、JSR-88サービス・プロバイダ・インタフェース(SPI)プラグインとモデル・プラグインの双方を実装しています。WebLogic Serverに対してJava EEアプリケーションおよびモジュールを構成、デプロイ、および再デプロイするには、(APIのWebLogic Server拡張を使用せずに) WebLogic Serverプラグインとともに基本的なJava EEデプロイメントAPIデプロイメント・ツールを使用できます。Java EEデプロイメントAPI構成プロセスで生成されたWebLogic Server構成は、図7-1に示すように、デプロイメント・プランおよび1つまたは複数の生成されたWebLogic Serverデプロイメント記述子ファイル内に格納されます。
WebLogic Serverデプロイメント記述子は、WebLogic Server構成データを格納するために、必要に応じて生成されます。
Java EEデプロイメントAPIのデプロイメント・ツールで生成されたWebLogic Serverデプロイメント・プランにより、構成セッション中にアプリケーションのために生成されたWebLogic Serverデプロイメント記述子が識別されます。
Java EEデプロイメントAPIは、Java EE準拠のアプリケーション・サーバーで使用するためのアプリケーションおよびモジュールを構成する、簡単かつ標準化された方法を提供しますが、この仕様では以前のWebLogic Serverで利用できた多くのデプロイメント機能に対応していません。そのため、WebLogic Serverでは、Java EEデプロイメントAPI仕様に重要な拡張を行い、『Oracle WebLogic Serverへのアプリケーションのデプロイ』のWebLogic Serverのデプロイメント機能に関する項で説明されている機能をサポートしています。
この項では、Java EEアプリケーションおよびモジュール、ならびにJSPおよびHTMLファイルを迅速にデプロイするための基本的な手順について説明します。また、システム管理者に向けて、ツールに関するヒントを示します。このページに記載のデプロイメント手順は、開発環境のみでの使用をお薦めします。本番環境での使用はお薦めしません。WebLogic Serverでアプリケーションを開発およびデプロイする方法の詳細は、『Oracle WebLogic Serverアプリケーションの開発』および『Oracle WebLogic Serverアプリケーションのデプロイ』を参照してください。
これらの高速な手順を実行する前に、『Oracle WebLogic Serverインストレーション・ガイド』を完了します。
Java EEアプリケーションまたはモジュールをデプロイするには:
Java EEアプリケーションまたはモジュールに、名前を指定されたJDBCデータ・ソースやJMSキューなどの追加リソースが必要でないことを確認してください。アプリケーションに外部リソースが必要な場合は、そのアプリケーションをデプロイする前にターゲットWebLogic Serverでそれらの外部リソースの構成を行う必要があります。
Java EEアプリケーションまたはモジュールのアーカイブ・ファイルまたは展開されたアーカイブ・ディレクトリを、サンプル・サーバー・ドメインのディレクトリの/autodeploy
ディレクトリ、つまり以下のディレクトリにコピーします。WL_HOME
/samples/domains/wl_server/autodeploy
サンプルWebLogic Serverインスタンスを起動します。Windowsの場合は、「スタート」メニューのショートカット「サンプル・サーバーの起動」から起動することができます。
Javaクライアント、またはアプリケーションの構成済みURIを使用してアプリケーションにアクセスします。
システム管理者は、次のツールを使用して作業を開始できます。
管理コンソール
管理コンソールは、WebLogic Serverドメイン、サーバー・インスタンス、および実行中のアプリケーションと関連リソースを構成およびモニターできる、ブラウザ・ベースのWebアプリケーションです。管理コンソールはまた、新しいサーバー・インスタンスとクラスタの作成、およびアプリケーション記述子のチューニングにも使用できます。詳細は、Oracle WebLogic Server管理コンソール・オンライン・ヘルプを参照してください。
インストール時に提示した資格証明を使用して管理コンソールにログインした後、「ヘルプ」ボタンまたは「操作ガイド」リンクをクリックすると詳細情報が表示されます。
構成ウィザード
WebLogic Server構成ウィザードを使用すると、新しいドメインの作成と、ドメインの構成を自動化するためのテンプレートの作成を行えます。詳細は、『構成ウィザードによるドメインの作成』を参照してください。
単純なJSPまたはHTMLファイルをデプロイするには:
JSPファイルが、タグ・ライブラリやその他の外部リソースを参照していないことを確認してください - そうしたリソースは、これらの高速な手順の対象外となる追加のデプロイメント手順を必要とします。HTMLファイルには、このような制限はありません。
JSPまたはHTMLファイルをWL_HOME
/samples/server/examples/build/mainWebApp
ディレクトリにコピーします。
サンプルWebLogic Serverインスタンスを起動します。Windowsの場合は、「スタート」メニューのショートカット「サンプル・サーバーの起動」から起動することができます。
Webブラウザで次のURLを使用して、JSPまたはHTMLファイルをリクエストします。
http://localhost:port/myFile
ここで:
localhost
はWebLogic Serverが実行されているマシンのホスト名です。
port
はWebLogic Serverがリクエストをリスニングしているポートの番号(デフォルトでは7001)です。
myF ile
はステップ2でコピーしたJSPまたはHTMLファイルの、.jspまたは.html拡張子までを含めた完全な名前です。
JSPまたはHTMLファイルはあらかじめサンプル・サーバーをターゲットとするよう構成されたディレクトリから自動デプロイされています。デフォルトではmainWebAppがデプロイされており、mainWebApp展開ディレクトリに独自のJSPおよびHTMLファイルを入れて、それらを迅速に表示またはテストできます。
表7-1 WebLogic Serverでのアプリケーションのデプロイのためのロードマップ
主要なタスク | サブタスクと追加情報 |
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アプリケーション・デプロイメントについてもっとよく知る |
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アプリケーションのパッケージ化 |
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デプロイメント・ツールの使用について |
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詳細なトピック |
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リファレンス |
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