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Oracle® Fusion Middleware Oracle WebLogic Serverコマンド・リファレンス
12c リリース1 (12.1.1)
B65928-02
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3 weblogic.Serverコマンド・ライン・リファレンス

この章では、weblogic.Serverクラスの使用方法について説明します。

weblogic.Serverクラスは、WebLogic Serverインスタンスのメイン・クラスです。Javaコマンドでweblogic.Serverを呼び出すことで、サーバー・インスタンスを起動します。クラスは、コマンド・プロンプト(シェル)で直接呼び出すことも、スクリプトまたはノード・マネージャから間接的に呼び出すこともできます。

以下の理由から、java weblogic.Serverは主に初期の開発時に使用し、本番システムを起動する標準のメカニズムとしては使用しないことをお薦めします。

ここでは、以下の項目について説明します。

スクリプトを使用してWebLogic Serverインスタンスを起動する方法については、『Oracle WebLogic Serverサーバーの起動と停止の管理』の起動スクリプトによる管理サーバーの起動に関する項と起動スクリプトによる管理対象サーバーの起動に関する項を参照してください。

ノード・マネージャを使用してWebLogic Serverインスタンスを起動する方法については、『Oracle WebLogic Serverノード・マネージャ管理者ガイド』のノード・マネージャを使用したサーバーの制御に関する項を参照してください。

weblogic.Serverユーティリティの環境要件と構文

この節では、サーバー・インスタンスを起動する前に設定する必要のある環境について説明します。次に、weblogic.Serverを呼び出すための構文を示します。

環境

weblogic.Serverコマンドの環境を設定するには、次の手順に従います。

  1. 『Oracle WebLogic Serverインストレーション・ガイド』の説明に従って、WebLogic Serverソフトウェアをインストールおよび構成します。

  2. 必要な場合は、「クラスパスの変更」の説明に従って、CLASSPATH環境変数を変更します。

  3. Java仮想マシン(JVM)をPATH環境変数に追加します。「サポート対象の構成」のリストにある任意のJVMを使用できます。

    PATH環境変数にJVMを追加しない場合は、JVMが提供するJava実行可能ファイルのパス名を指定する必要があります。

クラスパスの変更

インストール後、WebLogic Serverのクラスパスはすでに設定されていますが、WebLogic Serverにパッチを追加する、使用するDerbyのバージョンを更新する、Log4jロギングのサポートを追加するなどの理由でクラスパスを変更することもできます。

クラスパスを変更せずにすべてのWebLogic Serverドメインにパッチを適用するには、パッチのJARファイルにweblogic_sp.jarという名前を付け、そのファイルをWL_HOME/server/libディレクトリにコピーします。commEnv.cmd/shスクリプトによって、JARファイルのweblogic_spがクラスパスに自動的に組み込まれます。

パッチ・ファイルにweblogic_sp.jarという名前を付けない場合、または以下に示すようなJARファイルをクラスパスでweblogic.jarの前に確実に追加したい場合、次の手順に従います。

  • すべてのドメインで、WL_HOME/common/bincommEnv.cmd/shスクリプトを編集し、使用するJARファイルをWEBLOGIC_CLASSPATH環境変数の先頭に追加します。

  • 特定のWebLogic Serverドメインにパッチを適用するには、そのドメインのbinディレクトリにあるsetDomainEnv.cmd/shスクリプトを編集し、そのJARファイルをPRE_CLASSPATH環境変数の先頭に追加します。


    注意:

    setDomainEnvは、startWebLogicスクリプトなどの他のスクリプトがソースとなるように設計されています。setDomainEnvは、インタラクティブ・シェル内から直接呼び出さないでください。そうすることにより、使用するドメインで予期できない問題が発生する可能性があります。


Oracle WebLogic Serverに付属しているオープン・ソースかつ100% Javaのデータベース管理システムであり、サンプル・アプリケーションやサンプル・コードで使用されるDerbyを使用する場合は、次のファイルをクラスパスに指定します。

  • WL_HOME/common/derby/lib/derbyclient.jar: クライアント側のドライバ用

  • WL_HOME/common/derby/lib/derbynet.jarおよびWL_HOME/common/derby/lib/derby.jar: Derbyネットワーク・サーバー実行用

WebLogic Enterprise Connectivityを使用している場合は、以下のファイルをクラスパスに指定します。

WL_HOME/server/lib/wlepool.jar

WL_HOME/server/lib/wleorb.jar 

Log4jロギングを使用する場合、以下のファイルをクラスパスに指定します。

WL_HOME/server/lib/log4j.jar 

サーバーを実行するシェル環境によって、パス要素を区切るための文字が決まります。Windowsでは、通常はセミコロン(;)を使用します。BASHシェルでは、通常はコロン(:)を使用します。

構文

weblogic.Serverを呼び出すための構文は次のとおりです。

java [options] weblogic.Server [-help]

java weblogic.Server -helpコマンドは、よく使用されるオプションのリストを返します。

デフォルト動作

「環境」のとおりに必要な環境を設定してから、オプションを指定せずにコマンドjava weblogic.Serverを入力すると、WebLogic Serverは次のように動作します。

  1. domain_name/configディレクトリ内でconfig.xmlというファイルを探します。

  2. domain_name/configディレクトリにconfig.xmlが存在する場合、WebLogic Serverは次のように動作します。

    1. config/config.xmlでサーバー・インスタンスが1つだけ定義されている場合、そのサーバー・インスタンスを起動します。

      たとえば、WL_HOME\samples\domains\medrecからjava weblogic.Serverを発行すると、WebLogic ServerはMedRecサーバーを起動します。

    2. config/config.xmlで複数のサーバー・インスタンスが定義されている場合、

      • 管理サーバーが定義されている場合は、その名前のサーバーを探します。

      • 管理サーバーが定義されていない場合は、myserverというサーバー構成を探します。サーバー構成が見つかった場合は、myserverインスタンスを起動します。

      • myserverというサーバーが見つからない場合、WebLogic Serverはweblogic.Serverプロセスを終了してエラー・メッセージを生成します。

  3. カレント・ディレクトリにconfig.xmlファイルがない場合、WebLogic Serverは作成するかどうかを尋ねます。yと回答すると、WebLogic Serverは次のように動作します。

    1. myserverという名前のサーバー構成を作成して、config/config.xmlファイルにその構成を格納します。

      指定するオプションはすべてconfig.xmlファイルに保持されます。たとえば、-Dweblogic.ListenPort=8001と指定すると、WebLogic Serverはconfig.xmlファイルに8001を保存します。指定しないオプションについては、サーバー・インスタンスはデフォルト値を使用します。

      構成ファイルのバックアップ・コピーを作成するようにWebLogic Serverを構成できます。そうすることで、構成の変更を元に戻す必要がある場合や、万一構成ファイルが破損した場合に、リカバリしやすくなります。詳細は、『Oracle WebLogic Serverドメイン構成の理解』の構成ファイルのアーカイブに関する項を参照してください。

    2. 指定されたユーザー名とパスワードを使用して、管理者権限を持つユーザーを作成します。このユーザーの定義を、他の基本的なセキュリティ関連のデータと一緒にdomain_name/securityDefaultAuthenticatorInit.ldiftDefaultRoleMapperInit.ldift、およびSerializedSystemIni.datファイルに格納します。

      WebLogic Serverはユーザー名とパスワードを暗号化してserver_name/security/boot.propertiesファイルに格納します。これにより、以後サーバーをインスタンス化するときにはログイン・プロンプトが回避されます。詳細は、『Oracle WebLogic Serverサーバーの起動と停止の管理』の起動IDファイルに関する項を参照してください。

    3. 以後サーバーをインスタンス化するときに使用できる2つのスクリプト、bin/startWebLogic.cmdおよびbin/startWebLogic.shを作成します。テキスト・エディタを使用して、サーバーを本番モードと開発モードのどちらで起動するかなどの起動オプションを変更することができます。startWebLogicスクリプトには、各オプションを説明するコメントが含まれています。

    サーバーは新しいドメインの管理サーバーとして起動されます。このドメインには他のサーバーはなく、また、デプロイメントもサード・パーティ製ソリューションもありません。それらは任意のWebLogicドメインに追加するのと同じように追加できます。

weblogic.Server構成オプション

weblogic.Serverオプションを使用すると、サーバー・インスタンスの属性を構成できます。サーバー・インスタンスの起動時には、一般に以下の属性が使用されます。

WebLogic Serverには、サーバーの保存済み構成を一時的にオーバーライドするための起動オプションも用意されています。これらの起動オプションについては、「サーバーの構成をオーバーライドするオプション」を参照してください。

「weblogic.Serverコマンド・ラインを使用したドメインの作成」で説明するとおりに新しいドメインを作成する場合以外は、すべての起動オプションが現在のサーバーのインスタンス化に適用され、既存のconfig.xmlファイルに保持されている値は変更されません。config.xmlファイルを変更するには、管理コンソールまたはWebLogic Scripting Tool (WLST)を使用します。『Oracle WebLogic Scripting Tool』のWLSTオフラインを使用したドメインの作成に関する項を参照してください。

設定したWebLogic Server属性値の確認方法については、「コマンド・ラインで設定した属性値の確認」を参照してください。

JVMパラメータ

表3-1に、サーバー・インスタンスが動作するJava仮想マシン(JVM)を構成するために、よく使用されるオプションを示します。JVMオプションの完全なリストについては、ご使用のJVMのドキュメントを参照してください。WebLogic Serverで使用されるJVMのリストについては、「サポート対象の構成」を参照してください。

表3-1 JVMパラメータを設定するためのよく使用されるオプション

オプション 説明
-Xms and -Xmx

Javaヒープ・メモリーの最小値と最大値を指定します(MB単位)。

たとえば、デフォルトの256MBのJavaヒープ・メモリーをWebLogic Serverに割り当ててサーバーを起動するとします。そのためには、java -Xms256mおよび-Xmx512mオプションを使用してサーバーを起動します。

パラメータに割り当てられたこれらの値は、WebLogic Serverのパフォーマンスに大きく影響する可能性があり、ここでは一般的なデフォルト値としてのみ紹介しています。本番環境では、実際のアプリケーションや環境に合った適切なメモリー・ヒープ・サイズを慎重に判断する必要があります。

-classpath 

このオプションで指定する最低限の内容は、「クラスパスの変更」で説明されています。

この引数を使用するかわりに、CLASSPATH環境変数を使用してクラスパスを指定できます。

-client
-server 

一部のJVMがHotSpot仮想マシンを起動するために使用します。この機能を使用するとパフォーマンスが向上します。WebLogic Serverで使用されるJVMのリストについては、「サポート対象の構成」を参照してください。

-Dfile.encoding=Canonical Name weblogic.Server

Linuxブラウザで特殊文字を表示するには、JVMのfile.encodingシステム・プロパティをISO8859_1に設定します。例:

java -Dfile.encoding=ISO8859_1 weblogic.Server

詳細なリストについては、Java SE 1.6の「Supported Encodings」 (http://download.oracle.com/javase/6/docs/technotes/guides/intl/encoding.doc.html)を参照してください。


構成データの場所

すべてのサーバー・インスタンスは、構成データにアクセスできる必要があります。表3-2に、このデータの場所を指定するためのオプションを示します。

表3-2 構成データの場所を指定するためのオプション

オプション 説明
-Dweblogic.home=WL_HOME

WebLogicホーム・ディレクトリの場所を指定します。WebLogicホーム・ディレクトリには必要不可欠な情報が格納されています。

デフォルトでは、weblogic.Serverはクラスパス内の値に基づいてWebLogicホーム・ディレクトリの場所を判別します。

-Dweblogic.RootDirectory=path

サーバーのルート・ディレクトリを指定します。『Oracle WebLogic Serverドメイン構成の理解』のサーバーのルート・ディレクトリに関する項を参照してください。

デフォルトでは、ルート・ディレクトリは起動コマンドを発行するディレクトリ。

-Dweblogic.management.GenerateDefaultConfig=true

config.xmlファイルの作成時にweblogic.Serverクラスが確認を求めないようにします。

weblogic.Serverを空のディレクトリで呼び出した場合にだけ有効。「デフォルト動作」を参照してください。

-Dweblogic.Domain=domain

ドメインの名前を指定します。

weblogic.Serverを使用してドメインを作成する場合、このオプションを使用するとドメインに特定の名前を指定できます。

また、このオプションでは、7.0より前のリリースのWebLogic Serverで要求され、現在のリリースでも引続きサポートされるディレクトリ構造をサポートします。7.0より前のリリースでは、構成ファイルが以下のパス名に格納されている必要がありました。

.../config/domain_name/config.xml

ここで、domain_nameは、ドメインの名前です。

ドメインの構成ファイルがそのパス名に準拠していて、config/domain_name以外のディレクトリからweblogic.Serverコマンドを呼び出す場合、-Dweblogic.Domain=domain引数を指定すると、WebLogic Serverはconfig/domain_name/config.xmlに一致するパス名内でconfig.xmlファイルを探します。


管理対象サーバーが構成データを取得する方法については、表3-3-Dweblogic.management.serverエントリを参照してください。

管理コンソールには、コマンド・ラインで設定した値は表示されません。設定した属性値の確認方法については、「コマンド・ラインで設定した属性値の確認」を参照してください。

以下の例では、SimpleManagedServerという名前の管理対象サーバー・インスタンスを起動します。管理対象サーバーはその構成データを管理サーバーに問い合せるため、config.xmlファイルの指定は有効ではありません。WebLogic Serverの複数のインスタンスで、同じルート・ディレクトリを使用することもできます。ただし、サーバー・インスタンスでルート・ディレクトリを共有する場合、すべての相対ファイル名は一意でなければなりません。この例では、SimpleManagedServerはSimpleServerとルート・ディレクトリを共有しています。コマンドは、WL_HOME\server\bin\setWLSEnv.cmdの実行後にD:\ディレクトリから発行されます。

D:\> java -Dweblogic.Name=SimpleManagedServer 
 -Dweblogic.management.server=http://localhost:7001
 -Dweblogic.RootDirectory=c:\my_domains\SimpleDomain weblogic.Server

サーバーの構成をオーバーライドするオプション

ほとんどの場合、ドメインのconfig.xmlファイルに保存されている構成を起動オプションでオーバーライドする必要はありません。ただし、その必要が生じる場合もまれにあります。


ヒント:

起動オプションを使用して構成値をオーバーライドした場合、サーバー・インスタンスはそのライフ・サイクルにわたってその値を使用します。管理コンソール、WebLogic Scripting Tool、または他のユーティリティを使用してこの値を変更しても、変更した値は、オーバーライド・オプションを使用せずにサーバーを再起動するまでオーバーライドされたままになります。


たとえば、本番環境で、ドメインのconfig.xmlファイルの変更を禁止するポリシーが設定されているにもかかわらず、一時的なリスニング・ポートを使用して管理サーバーを再起動する必要があるとします。この場合、weblogic.Serverコマンドを使用して管理サーバーを起動するときに、-Dweblogic.ListenPort=7501という起動オプションを指定することで現在のサーバー・セッションのリスニング・ポートを変更できます。サーバー・インスタンスは、config.xmlファイルからその構成MBeanを初期化しますが、リスニング・ポートの値として7501を使用します。その後、起動オプションを渡さずに管理サーバーを再起動すると、サーバー・インスタンスはconfig.xmlファイルの値である8010を再び使用します(図3-1を参照)。

図3-1 config.xml値のオーバーライド

図3-1の説明が続きます
「図3-1 config.xml値のオーバーライド」の説明

以下のオブジェクトを使用して、サーバーの構成を一時的にオーバーライドします。

サーバー通信

表3-3に、サーバーの通信方法を構成するためのオプションを示します。

表3-3 サーバー通信を構成するためのオプション

オプション 説明
-Dweblogic.management.server=
[protocol://]Admin-host:port 

サーバー・インスタンスを管理対象サーバーとして起動し、そのサーバー・インスタンスを構成および管理する管理サーバーを指定します。

ドメインの構成ファイルでは、サーバー構成が管理サーバーと管理対象サーバーのどちらであるかを指定しません。サーバー・インスタンスが管理サーバーと管理対象サーバーのどちらの役割を果たすかについては、インスタンスの起動に使用するオプションで決定します。起動コマンドで-Dweblogic.management.serverオプションを省略した場合、サーバーは管理サーバーとして起動されます(ただし、特定のドメイン内でアクティブな管理サーバー・インスタンスは1つのみです)。管理サーバーを実行したら、他のすべてのサーバー構成は、起動コマンドに-Dweblogic.management.serverオプションを指定して、管理対象サーバーとして起動する必要があります。

protocolには、HTTPHTTPST3、またはT3Sを指定します。T3SおよびHTTPSプロトコルの場合は、管理対象サーバーと管理サーバーでSSLを有効にして、管理サーバーのSSLリスニング・ポートを指定する必要があります。

注意: 指定するプロトコルに関係なく、管理対象サーバーの構成を最初にダウンロードするときはHTTPまたはHTTPSが使用されます。RMIサブシステムが初期化されると、サーバー・インスタンスはT3またはT3Sプロトコルを使用できます。

Admin-hostには、localhostまたは管理サーバーが動作するマシンのDNS名またはIPアドレスを指定します。

portには、管理サーバーのリスニング・ポートを指定します。ドメイン全体の管理ポートを設定した場合は、portにはドメイン全体の管理ポートを指定する必要があります。

管理サーバーへの接続を構成する方法の詳細は、『Oracle WebLogic Serverサーバーの起動と停止の管理』の管理対象サーバーから管理サーバーへの接続の構成に関する項を参照してください。

-Dweblogic.ListenAddress=host 

このサーバー・インスタンスがリクエストをリスニングするアドレスを指定します。hostの値は、サーバー・インスタンスをホストするコンピュータのDNS名またはIPアドレスのいずれかでなければなりません。

この起動オプションは、config.xmlファイルで指定されたリスニング・アドレス値をオーバーライドします。オーバーライドは現在のサーバーのインスタンス化に適用され、config.xmlファイルの値は変更されません。管理コンソールまたはWLSTを使用してconfig.xmlファイルを変更します。

詳細は、Oracle WebLogic Server管理コンソール・ヘルプのリスニング・アドレスの構成に関する項および『Oracle WebLogic Scripting Tool』のWLSTオフラインを使用したドメインの作成に関する項を参照してください。

-Dweblogic.ListenPort=portnumber 

サーバー・インスタンスのプレーン・テキスト(非SSL)リスニング・ポートを指定し、有効にします。

この起動オプションは、config.xmlファイルで指定されたリスニング・ポート値をオーバーライドします。オーバーライドは現在のサーバーのインスタンス化に適用され、config.xmlファイルの値は変更されません。管理コンソールまたはWLSTを使用してconfig.xmlファイルを変更します。

デフォルトのリスニング・ポートは7001です。

詳細は、Oracle WebLogic Server管理コンソール・ヘルプのリスニング・ポートの構成に関する項および『Oracle WebLogic Scripting Tool』のWLSTオフラインを使用したドメインの作成に関する項を参照してください。

-Dweblogic.ssl.ListenPort=portnumber 

WebLogic ServerインスタンスがSSL接続リクエストをリスニングするポートを指定し、有効にします。

この起動オプションは、config.xmlファイルで指定されたSSLリスニング・ポート値をオーバーライドします。オーバーライドは現在のサーバーのインスタンス化に適用され、config.xmlファイルの値は変更されません。管理コンソールまたはWLSTを使用してconfig.xmlファイルを変更します。

デフォルトのSSLリスニング・ポートは7002です。

詳細は、Oracle WebLogic Server管理コンソール・ヘルプのリスニング・ポートの構成に関する項および『Oracle WebLogic Scripting Tool』のWLSTオフラインを使用したドメインの作成に関する項を参照してください。

-Dweblogic.management.discover={true|false}

注意:このオプションはWebLogic Server 9.0で削除されました。

管理サーバーに障害が発生し、再起動された後、そのサーバーがドメインの管理を回復するかどうかを指定します。

true値の場合、管理サーバーはすべての管理対象サーバーと通信し、管理サーバーが動作していることを通知します。

false値の場合、管理サーバーは、ドメインで現在アクティブな管理対象サーバーと通信できません。

ヒント: falseの値は、単一サーバーの開発環境でのみ指定してください。falseを指定すると、ドメイン内のサーバー・インスタンスが持つデプロイ済みモジュールのセットに整合性がなくなる可能性があります。

WebLogic Server 9.0では、このコマンドは非推奨になりました。管理サーバーが実行を停止して、そのドメインの管理対象サーバーが実行を続けた場合、各管理対象サーバーは、ServerMBean属性のAdminReconnectIntervalSecsで指定される間隔で管理サーバーに定期的に再接続しようとするからです。詳細は、『Oracle WebLogic Serverサーバーの起動と停止の管理』の管理対象サーバーと再起動された管理サーバーに関する項を参照してください。


管理コンソールには、コマンド・ラインで設定した値は表示されません。設定した属性値の確認方法については、「コマンド・ラインで設定した属性値の確認」を参照してください。

SSL

各WebLogic Serverインスタンスではweblogic.management.configuration.SSLMBeanのインスタンスを使用して、SSL構成を表現します。

次の表で、-Dweblogic.security.SSLで始まるすべてのオプションは、サーバーのSSLMBeanの構成を変更します。たとえば、-Dweblogic.security.SSL.ignoreHostnameVerificationオプションでは、SSLMBeanignoreHostnameVerification属性の値を設定します。

表3-4に、Secure Sockets Layer (SSL)を使用して通信するようにサーバーを構成するためのオプションを示します。


注意:

WebLogic Serverバージョン12.1.1の時点で、JSSEはサポートされるSSL実装のみです。CerticomベースのSSL実装は削除され、WebLogic Serverでサポートされません。


表3-4 SSLを構成するためのオプション

オプション 説明
-Dweblogic.security.SSL.
ignoreHostnameVerification=true 

ホスト名検証を無効にします。これによって、WebLogic Serverに付属のデモ用デジタル証明書を使用できるようになります。

デフォルトでは、WebLogic ServerインスタンスがSSLクライアントである場合(SSLを介して他のサーバーやアプリケーションに接続しようとする場合)、WebLogic Serverは、SSLサーバーから返されるデジタル証明書のホスト名が、SSLサーバーへ接続するときに使用するURLのホスト名と一致していることを検証します。ホスト名が一致しない場合は接続が中断されます。

このオプションを使用するか、またはconfig.xmlファイル内のサーバーの構成を変更することで、ホスト名検証を無効にすると、サーバー・インスタンスはSSLクライアントである場合にホスト名を検証しません。

注意: 本番環境ではデモ用のデジタル証明書の使用やホスト名検証の無効化はお薦めしません。

この起動オプションは、config.xmlファイルで設定されたホスト名検証をオーバーライドします。オーバーライドは現在のサーバーのインスタンス化に適用され、config.xmlファイルの値は変更されません。管理コンソールまたはWLSTを使用してconfig.xmlファイルを変更します。

詳細は、『Oracle WebLogic Serverの保護』のホスト名検証の使用に関する項を参照してください。

-Dweblogic.security.SSL.HostnameVerifier=
hostnameverifierimplementation 

カスタム・ホスト名検証クラスの名前を指定します。このクラスはweblogic.security.SSL.HostnameVerifierインタフェースを実装する必要があります。

-Dweblogic.security.SSL.sessionCache.ttl=
sessionCacheTimeToLive 

SSLセッション・キャッシングに対するサーバー・セッションのデフォルトの存続時間を変更します。

sessionCacheTimeToLive値で、SSLセッションの存続時間(ミリ秒単位)を指定します。デフォルト値は90000ミリ秒(90秒)。つまり、クライアントが90秒以内に(同じセッションIDを使用して)サーバーに再びアクセスすると、WebLogic Serverは既存のSSLセッションを使用します。サーバーの起動スクリプトで -Dweblogic.security.SSL.sessionCache.ttlを設定するとこの値を変更できます。

sessionCache.ttlの場合、

  • 最小値は1

  • 最大値はInteger.MAX_VALUE

  • デフォルト値は90000

-Dweblogic.security.SSL.CertificateCallback=callback-handler

証明書のコールバック・ハンドラのクラスを指定します。このクラスでは、WebLogic Serverへのセキュアな接続リクエストで渡されたエンドユーザー証明書を含む詳細を評価します。

証明書に含まれる詳細に応じて、コールバック・ハンドラは、認証が成功したかどうかを判定するtrueまたはfalseを返します。

注意: WebLogic Serverでの証明書のコールバック実装を使用する場合、セキュア・ポートを介してリクエストを受信するたびにコールバックが生成されます。その結果、証明書コールバックを使用することで、考慮の必要があるパフォーマンス・オーバーヘッドが発生する可能性があります。詳細は、『Oracle WebLogic Serverの保護』のエンド・ユーザー証明書の妥当性の確認に関する項を参照してください。

-Dweblogic.management.pkpassword=pkpassword 

暗号化されたフラット・ファイルからSSL秘密鍵を取得するためのパスワードを指定します。

このオプションは、秘密鍵を暗号化されたフラット・ファイルに格納する場合に使用します。

-Dweblogic.security.SSL.trustedCAKeyStore=
path 

非推奨

WebLogic Server 8.1より前のリリースで利用可能だったSSL機能を使用するようにサーバー・インスタンスを構成する場合、この引数を使用してサーバーまたはクライアントで信頼される認証局を指定します。pathの値は、Sun JKSキーストア・ファイル(キーおよび証明書のリポジトリを格納)への相対パス名または絶対パス名でなければなりません。

8.1より前のリリースで利用可能だったSSL機能をサーバー・インスタンスで使用し、この引数を指定しない場合は、WebLogic Serverまたはクライアントは、JAVA_HOME\jre\lib\securityで指定されているすべての証明書を信頼します。

オラクル社は本番デプロイメントでのデモ用証明権限の使用はお薦めしません。

詳細は、『Oracle WebLogic Serverの保護』のSSLの構成に関する項を参照してください。

-Dweblogic.security.SSL.protocolVersion=protocol

SSL接続に使用するプロトコルを指定します。

protocol値には、次のいずれかを指定できます。

  • SSL3 - SSL V3.0メッセージのみが送信され、受け付けられます。

  • TLS1 - TLS V1メッセージのみが送信され、受け付けられます。

  • ALL — SSL V3.0またはTLS V1(あるいはその両方)のメッセージのみが送信されて受理されます。(これがデフォルトです。)

詳細は、『Oracle WebLogic Serverの保護』のweblogic.security.SSL.protocolVersionシステム・プロパティの使用に関する項を参照してください。

-Dweblogic.security.SSL.minimumProtocolVersion=protocol

SSL接続に使用する最小プロトコル・バージョンを指定します。

protocol値には、次のいずれかを指定できます。

  • SSLv3 — SSL接続で有効化される最小プロトコル・バージョンとして、SSL V3.0を指定します。

  • TLSv1 — SSL接続で有効化される最小プロトコル・バージョンとして、TLS V1.0を指定します。

  • TLSvx.y — SSL接続で有効化される最小プロトコル・バージョンとして、TLS Vx.yを指定します。ここで、xは1以上9以下の値、yは0以上9以下の値となります。

詳細は、『Oracle WebLogic Serverの保護』のweblogic.security.SSL.minimumProtocolVersionシステム・プロパティの使用に関する項を参照してください。


管理コンソールには、コマンド・ラインで設定した値は表示されません。設定した属性値の確認方法については、「コマンド・ラインで設定した属性値の確認」を参照してください。

追加のSSL属性を設定する

起動コマンドから追加のSSL属性を設定するには、次の手順に従います。

  1. 起動オプションから構成できるSSL属性を確認するには、Oracle WebLogic Server MBeanリファレンスSSLMBeanに関する項およびServerMBeanに関する項を参照してください。Javadocには、各属性の有効な値も示されています。

    SSLMBeanおよびServerMBeanがセッター・メソッドとして公開している各属性は、起動オプションで設定できます。

  2. SSLMBeanに属性を設定するには、起動コマンドに次のオプションを追加します。

    -Dweblogic.ssl.attribute-name=value 
    

    ここで、attribute-nameは、MBeanのセッター・メソッドの名前からset接頭辞を除いたものです。

  3. ServerMBeanに属性を設定するには、起動コマンドに次のオプションを追加します。

    -Dweblogic.server.attribute-name=value 
    

    ここで、attribute-nameは、MBeanのセッター・メソッドの名前からset接頭辞を除いたものです。

たとえば、SSLMBeanは次のセッター・メソッドでそのEnabled属性を公開します。

setEnabled()

MedRecServerというサーバー・インスタンスでSSLを有効にするには、MedRecServerの起動時に次のコマンドを使用します。

java -Dweblogic.Name=MedRecServer
     -Dweblogic.ssl.Enabled=true weblogic.Server

管理コンソールには、コマンド・ラインで設定した値は表示されません。設定した属性値の確認方法については、「コマンド・ラインで設定した属性値の確認」を参照してください。

セキュリティ

表3-5に、一般的なセキュリティ・パラメータを構成するためのオプションを示します。

表3-5 一般的なセキュリティ・パラメータのオプション

オプション 説明
-Dweblogic.management.username=username 

サーバー・インスタンスを実行するユーザー名を指定します。

WebLogic Server 12.1.1以降、起動ユーザー名・プロパティweblogic.management.usernameは非推奨になっており、今後のリリースでは削除されます。WebLogic Serverを本番モードで起動するためのコマンドで、ユーザー名を指定することはできなくなりました。

かわりに、boot.propertiesファイルを使用してWebLogic Serverの起動ユーザー名を指定することをお薦めします。boot.propertiesファイルの詳細は、『Oracle WebLogic Serverサーバーの起動と停止の管理』の起動IDファイルに関する項を参照してください。

ユーザー資格証明を指定するためのその他の方法の詳細は、『Oracle WebLogic Serverサーバーの起動と停止の管理』のサーバーの起動と停止を行うためのユーザー資格証明の指定に関する項を参照を参照してください。

-Dweblogic.management.password=password 

ユーザー・パスワードを指定します。

WebLogic Server 12.1.1以降、起動パスワード・システム・プロパティweblogic.management.passwordは非推奨になっており、今後のリリースでは削除されます。WebLogic Serverを本番モードで起動するためのコマンドで、パスワードを指定することはできなくなりました。

かわりに、boot.propertiesファイルを使用してWebLogic Serverの起動パスワードを指定することをお薦めします。boot.propertiesファイルの詳細は、『Oracle WebLogic Serverサーバーの起動と停止の管理』の起動IDファイルに関する項を参照してください。

ユーザー資格証明を指定するためのその他の方法の詳細は、『Oracle WebLogic Serverサーバーの起動と停止の管理』のサーバーの起動と停止を行うためのユーザー資格証明の指定に関する項を参照を参照してください。

-Dweblogic.system.StoreBootIdentity=true 

サーバーのルート・ディレクトリにboot.propertiesファイルを作成します。このファイルには、サーバーの起動に使用したユーザー名とパスワードの暗号化バージョンが格納されます。

この引数をサーバーのServerStartMBeanで指定しないでください。詳細は、『Oracle WebLogic Serverサーバーの起動と停止の管理』のノード・マネージャを使用してサーバーを起動するときのユーザー資格証明の指定に関する項を参照してください。

この引数を起動スクリプトに追加しないことを推奨します。そうではなく、boot.propertiesファイルを作成する場合にのみ使用してください。

詳細は、『Oracle WebLogic Serverサーバーの起動と停止の管理』の起動IDファイルに関する項を参照してください。

-Dweblogic.system.
BootIdentityFile=filename 

ユーザー名とパスワードを格納する起動IDファイルを指定します。

filenameの値は、有効な起動IDファイルの完全修飾のパス名である必要があります。例:

-Dweblogic.system.BootIdentityFile=
WL_HOME\mydomain\servers\myserver\security
\boot.properties

ファイル名、サーバー・インスタンス、またはWLST SHUTDOWNコマンドを指定しない場合は、サーバーのルート・ディレクトリにあるboot.propertiesファイルを使用します。

起動IDファイルがない場合は、サーバーの起動時にユーザー名とパスワードの入力を求められます。

-Dweblogic.system.RemoveBootIdentity=true 

サーバーの起動後に起動IDファイルを削除します。

-Dweblogic.security.anonymous
UserName=name 

匿名ユーザーにユーザーIDを割り当てます。デフォルトでは、すべての匿名ユーザーは<anonymous>という文字列で識別されます。

WebLogic Server 6.xのセキュリティ動作をエミュレートするには、nameの値にguestを指定して、セキュリティ・レルムにguestという名前のユーザーを作成します。

詳細は、『Oracle WebLogic Serverロールおよびポリシーによるリソースの保護』のユーザー、グループおよびセキュリティ・ロールに関する項を参照してください。

-Djava.security.manager
-Djava.security.policy[=]=filename 

Javaセキュリティ・マネージャを有効にして、Java 2セキュリティ・ポリシーが含まれるファイル名を(相対パスまたは完全修飾パス名を使用して)指定する標準Java EEオプション。

WebLogic Serverのサンプル・ポリシー・ファイルを使用するには、WL_HOME\server\lib\weblogic.policyを指定します。

-Djava.security.policy==filename (二重の等号記号(==)に注意)を使用すると、ポリシー・ファイルはデフォルトのセキュリティ・ポリシーをオーバーライドします。この結果、JACCが有効にされるときにサーブレットおよびEJB認可に使用されるポリシー・ファイルが無視されます。単一の等号記号(=)を使用すると、ポリシー・ファイルは既存のセキュリティ・ポリシーに付加されます。

詳細は、『Oracle WebLogic Serverセキュリティのプログラミング』のJavaセキュリティ・マネージャを使用したWebLogicリソースの保護に関する項を参照してください。

-Dweblogic.security.
fullyDelegateAuthorization=true 

デフォルトでは、EJBまたはWebアプリケーションのデプロイメント記述子でセキュリティ制約が定義されている場合を除いて、管理コンソールから、EJBまたはWebアプリケーションに対してロールとセキュリティ・ポリシーを設定することはできません。

WebLogic Serverの起動時にこのオプションを使用すると、この問題はオーバーライドされます。

この起動オプションは、<unchecked>タグまたは<restricted>タグを使用するEJBまたはEJBメソッド、または<auth-constraint>タグにrole-nameが指定されていないWebアプリケーションでは機能しません。

-Dweblogic.management.
anonymousAdminLookupEnabled=true 

ユーザー資格証明を指定しないでMBeanHomeインタフェースを取得できるようにします。MBeanHomeインタフェースはWebLogic Server JMX APIの一部です。

ユーザー資格証明を指定しないでMBeanHomeを取得すると、インタフェースは、WebLogic Server MBeanの認可プロセスで保護されるように明示的にマークされていないMBean属性の値に対する読取り専用アクセスをユーザーに付与します。

この起動オプションは、管理コンソールの「domain_name 」>「 セキュリティ 」>「 全般」ページにある「匿名Adminのルックアップを有効化」設定をオーバーライドします。

デフォルトでは、MBeanHome APIは、デフォルトのセキュリティ・ロールのいずれかを持つWebLogicユーザーに対してのみMBeanへのアクセスを許可します。詳細は、『Oracle WebLogic Serverロールおよびポリシーによるリソースの保護』のユーザー、グループおよびセキュリティ・ロールに関する項を参照してください。

-Dweblogic.security.
identityAssertionTTL=seconds 

IDアサーション・キャッシュがサブジェクトを格納する秒数を構成します。

IDアサーション・プロバイダ(X.509証明書またはその他のトークン)を使用する場合、サブジェクトはサーバーにキャッシュされます。この結果、<run-as>タグを使用したサーブレットとEJBメソッドのパフォーマンスと、IDアサーションが使用されるがキャッシュされないその他の場所のパフォーマンス(XMLドキュメントの署名と暗号化など)が大幅に向上します。このキャッシングにより、目的のセマンティクスに違反する場合もあります。

デフォルトでは、サブジェクトはキャッシュに300秒間保持されます(最大許容値)。-1に設定するとキャッシュを無効化できます。

値を大きくするとIDアサーションのパフォーマンスが大幅に向上しますが、構成済み認証プロバイダの変更に対するIDアサーション・プロバイダの応答が遅くなります。たとえば、ユーザーのグループの変更は、サブジェクトがキャッシュからフラッシュされて再作成されるまで反映されなくなります。

-Djava.security.manager 
-Djava.security.policy=
<insert the location of your policy file here> 

-Djavax.security.jacc.PolicyConfigurationFactory
.provider=weblogic.security.jacc.simpleprovider
.PolicyConfigurationFactoryImpl

-Djavax.security.jacc.policy.provider=
weblogic.security.jacc.simpleprovider
.SimpleJACCPolicy

-Dweblogic.security.jacc.RoleMapperFactory.provider=
weblogic.security.jacc.simpleprovider
.RoleMapperFactoryImpl

セキュリティ・レルムでJACCプロバイダを使用するには、この5つのシステム・プロパティを定義する必要があります。これらのプロバイダを使用する場合、JACCは外部アプリケーションに対するEJBおよびサーブレット・コンテナの認可決定を処理します。内部アプリケーションに対する認可決定は、WebLogicセキュリティ・フレームワークの認可によって処理されます。JACC認可ではJava SEセキュリティを使用する必要があるので、Java EEセキュリティ・マネージャとポリシー・ファイル(サーバー起動プロパティのjava.security.managerjava.security.policyで指定する)を使用してWebLogic Serverを起動する必要があります。詳細は、『Oracle WebLogic Serverセキュリティのプログラミング』のJavaセキュリティ・マネージャを使用したWebLogicリソースの保護に関する項を参照してください。

WebLogic JACC実装は、ポリシー・オブジェクトがデフォルトのsun.security.provider.PolicyFileクラスであると予測します。

起動時に、WebLogic ServerはJACC起動プロパティで指定されたクラスを検索してインスタンス化しようとし、それらを検索またはインスタンス化できない場合(起動プロパティで指定されたファイルが無効なクラスである場合など)は起動に失敗します。

-Dweblogic.security.ldap.
maxSize=<max bytes>

組込みLDAPサーバーで使用されるデータ・ファイルのサイズを制限します。データ・ファイルが指定されたサイズを超えると、削除済みのエントリによって占有されていたスペースがデータ・ファイルから削除されます。

-Dweblogic.security.ldap.
changeLogThreshold=<number of entries>

組込みLDAPサーバーで使用される変更ログ・ファイルのサイズを制限します。変更ログ・ファイルのエントリ数が指定されたエントリ数を超えると、すべての管理対象サーバーに送信されたエントリをすべて削除することによって変更ログが切り詰められます。

-Dweblogic.security.providers.authentication.ldap.socketTimeout=seconds

LDAPサーバーへのLDAP認証プロバイダ接続のタイムアウト値を設定します。複数のLDAPサーバーがLDAPServerMBean.Host属性に指定されている場合、ソケット・タイムアウトは、実行される各LDAPサーバー接続試行に個別に適用されます。デフォルト値は0で、これは接続ときにソケット・タイムアウトが設定されないことを意味します。

注意: LDAPServerMBean.ConnectTimeout属性によって、実行されるすべての接続試行に対してタイムアウト制限が設定されます。通常、ソケット・タイムアウトは、接続タイムアウトと並列接続遅延と連動して使用されます。詳細は、『Oracle WebLogic Serverの保護』のLDAP認証プロバイダのフェイルオーバーの構成に関する項を参照してください。


管理コンソールには、コマンド・ラインで設定した値は表示されません。設定した属性値の確認方法については、「コマンド・ラインで設定した属性値の確認」を参照してください。

メッセージの出力とロギング

表3-6に、サーバー・インスタンスのメッセージの出力を構成するためのオプションを示します。

表3-6 メッセージの出力を構成するためのオプション

オプション 説明
-Dweblogic.Stdout="filename" 

サーバーとJVMの標準出力ストリームをファイルにリダイレクトします。パス名を、完全修飾で指定するか、WebLogic Serverのルート・ディレクトリからの相対で指定します。

詳細は、Oracle WebLogic Server管理コンソール・ヘルプのJVMの出力のリダイレクトに関する項を参照してください。

-Dweblogic.Stderr="filename" 

サーバーとJVMの標準エラー・ストリームをファイルにリダイレクトします。パス名を、完全修飾で指定するか、WebLogic Serverのルート・ディレクトリからの相対で指定します。

詳細は、『Oracle WebLogic Serverログ・ファイルの構成とログ・メッセージのフィルタ処理』のJVMの出力のリダイレクトに関する項を参照してください。

-Dweblogic.
AdministrationMBeanAuditingEnabled=
{true | false} 

ユーザーが構成を変更したときやドメイン内のリソースの管理操作を呼び出したときに、管理サーバーから構成監査ログ・メッセージが送信されるようにするかどうかを指定します。

デフォルトによって、管理サーバーは構成監査メッセージを送信しません。

Oracle WebLogic Server管理コンソール・ヘルプの構成監査の有効化に関する項を参照してください。


管理コンソールには、コマンド・ラインで設定した値は表示されません。設定した属性値の確認方法については、「コマンド・ラインで設定した属性値の確認」を参照してください。

ロギング属性を設定する

各WebLogic Serverインスタンスではweblogic.management.configuration.LogMBeanのインスタンスを使用して、ロギング・サービスの構成を表現します。

起動コマンドからLogMBean属性の値を設定するには、次の手順に従います。

  1. 起動オプションから構成できるログ属性を確認するには、Oracle WebLogic Server MBeanリファレンスLogMBeanに関する項を参照してください。Javadocには、各属性の有効な値も示されています。

    LogMBeanがセッター・メソッドとして公開している各属性は、起動オプションで設定できます。

  2. 起動コマンドに次のオプションを追加します。

    -Dweblogic.log.attribute-name=value 
    

    ここで、attribute-nameは、MBeanのセッター・メソッドの名前からset接頭辞を除いたものです。

LogMBeanは次のセッター・メソッドでそのFileName属性を公開します。

setFileName() 

MedRecServerインスタンスのローカル・ログ・ファイルの名前を指定するには、MedRecServerの起動時に次のコマンドを使用します。

java -Dweblogic.Name=MedRecServer
     -Dweblogic.log.FileName="C:\logfiles\myServer.log"
     weblogic.Server

管理コンソールには、コマンド・ラインで設定した値は表示されません。設定した属性値の確認方法については、「コマンド・ラインで設定した属性値の確認」を参照してください。

クラスタ

表3-7に、クラスタの追加属性を構成するためのオプションを示します。

表3-7 クラスタ属性を構成するためのオプション

オプション 説明
-Dweblogic.cluster.multicastAddress

クラスタリングされたサーバーが、クラスタ関連の通信の送信および受信に使用するマルチキャスト・アドレスを指定します。デフォルトでは、クラスタリングされたサーバーはconfig.xmlファイルで定義されたマルチキャスト・アドレスを参照します。このオプションを使用してconfig.xmlの値をオーバーライドします。

注意: 管理コンソールには、コマンド・ラインで設定した値は表示されません。設定した属性値の確認方法については、「コマンド・ラインで設定した属性値の確認」を参照してください。

マルチキャスト・アドレスの設定方法に関係なく、クラスタ内のすべてのサーバーは同じマルチキャスト・アドレスで通信する必要があります。


デプロイメント

表3-8に、デプロイメントの追加属性を構成するためのオプションを示します。

表3-8 デプロイメント属性を構成するためのオプション

オプション 説明
-Dweblogic.deployment.IgnorePrepareStateFailures=true

静的デプロイメントPrepareの失敗に関係なく、サーバーのRunningへの遷移を許可することにより、デフォルトのデプロイメント動作がオーバーライドされます。

注意: このサーバー・レベルのフラグは、HttpSessionReplicationまたはSFSBレプリケーションの問題のように、クラスタ内に矛盾したデプロイメントの動作をする場合があります。


他のサーバー構成のオプション

表3-9に、サーバー・インスタンスの追加属性を構成するためのオプションを示します。

表3-9 サーバー属性を構成するためのオプション

オプション 説明
-DserverType={"wls" | "wlx"}

サーバーの種類を指定します。これによってサーバー実行時に起動する一連のサービスが確認されます。

デフォルトは「wls」です。これによってEJB、JMS、コネクタ、クラスタリング、デプロイメント、および管理を含むすべてのWebLogic Serverサービスが起動されます。

「wlx」オプションでは、次のサービスを除いてサーバー・インスタンスを開始します。これによって軽量な実行時フット・プリントになります。

  • Enterprise JavaBeans (EJB)

  • Java EEコネクタ・アーキテクチャ(JCA)

  • Java Message Service (JMS)

WebLogicドメインで軽量なランタイム・インスタンスを開始する例については、「weblogic.Serverコマンド・ラインを使用したWebLogic Server実行時フット・プリントの制限」を参照してください。ランタイムの軽量化の詳細は、『Oracle WebLogic Serverサーバーの起動と停止の管理』のWebLogic Server起動時のランタイム範囲の制限に関する項を参照してください。

-Dweblogic.Name=servername 

起動するサーバー・インスタンスの名前を指定します。指定する名前は、ドメインのconfig.xmlファイルで定義されているサーバーの名前を参照していなければなりません。

-Dweblogic.ProductionModeEnabled=
{true | false}

この属性はWebLogic Server 9.0で非推奨になりました。

サーバーが本番モードで起動するかどうかを決定します。

trueを指定すると、WebLogic Serverはdomain_name/autodeployディレクトリにあるアプリケーションを自動的にデプロイおよび更新できなくなります。

このオプションを指定しない場合、値はfalseと見なされます。

本番モードを有効にするには、WLSTを使用してDomainMBean.isProductionModeEnabledtrueに設定するか、管理コンソールを使用します。Oracle WebLogic Server管理コンソール・ヘルプの本番モードへの変更に関する項を参照してください。

注意: 本番モードは、管理コンソールまたはconfig.xmlで、あるいはstartWebLogicスクリプトにproduction引数を指定して(startWebLogic.cmd productionなど)、有効化してください。管理サーバーの場合は、コマンド・ラインからは本番モードのみを有効にします。

注意: 管理サーバーのコマンド・ラインからProductionModeEnabledを設定すると、この値はすべての管理対象サーバーに伝播されますので注意してください。

-Dweblogic.management.startupMode=MODE 

MODEの引数は、次のいずれかを表します。

  • STANDBY: サーバーを起動してスタンバイ(STANDBY)状態にします。『Oracle WebLogic Serverサーバーの起動と停止の管理』のSTANDBY状態に関する項を参照してください。

    この起動引数を使用するには、ドメイン全体の管理ポートを使用するようにドメインを構成する必要があります。

    管理ポートの詳細は、『Oracle WebLogic Serverサーバー環境の構成』の管理ポートと管理チャネルに関する項およびOracle WebLogic Server管理コンソール・ヘルプのドメイン全体の管理ポートの構成に関する項を参照してください。

  • ADMIN: サーバーを起動して管理(ADMIN)状態にします。『Oracle WebLogic Serverサーバーの起動と停止の管理』のADMIN状態に関する項を参照してください。

この起動モード・オプションを指定すると、config.xmlファイルのすべての起動モード設定がオーバーライドされます。オーバーライドは現在のサーバーのインスタンス化に適用され、config.xmlファイルの値は変更されません。管理コンソールまたはWLSTを使用してconfig.xmlファイルを変更します。

コマンド・ラインまたはconfig.xmlのいずれかで、この値を指定しない場合、デフォルトでは実行中(RUNNING)状態で起動されます。

-Dweblogic.apache.xerces.maxentityrefs=
numerical-value 

WebLogic XMLパーサーが解決するXMLドキュメント内のエントリ数を制限します。

このオプションを指定しない場合、WebLogic ServerでインストールされるXMLパーサーは、XMLドキュメントに含まれているエントリ数に関係なく、XMLドキュメント内の10,000エントリの参照を解決します。

-Dweblogic.jsp.windows.caseSensitive=true 

Windows上のJSPコンパイラが、出力ファイル名の作成時に大文字小文字を保持します。

『Oracle WebLogic Server Webアプリケーション、サーブレット、JSPの開発』のWebLogic JSPコンパイラの使用に関する項を参照してください。

-Dweblogic.servlet.optimisticSerialization=
true

optimistic-serializationが有効になっている場合、リクエストがサーブレット・コンテキストを超えてディスパッチされるときにgetAttribute(name)のコンテキストとリクエスト属性がシリアライズおよびデシリアライズされません。

つまり、複数のWebアプリケーションに共通する属性は、共通の親クラスローダーにスコープ指定(アプリケーション・スコープ指定)するか、2つのWebアプリケーションが同じアプリケーションに属していない場合はシステムのクラスパスに配置する必要があります。

optimistic-serializationがオフ(デフォルト値)になっている場合、WebLogic ServerはClassCastExceptionの発生を回避するためにgetAttribute(name)のコンテキストおよびリクエストの属性をシリアライズおよびデシリアライズします。

optimistic-serialization値は、WebAppContainerMBeanでドメイン・レベルで指定することもできます。この値は、すべてのWebアプリケーションに適用されます。weblogic.xmlに値を指定した場合、その値によってドメイン・レベルの値がオーバーライドされます。

デフォルト値はfalseです。

-Dweblogic.jdbc.qualifyRMName=false

設定すると、WebLogic Server 11 g R1 (10.3.1)より前のJTA登録名をドメイン名で修飾しないという動作を復元します。

-Dweblogic.ScatteredReadsEnabled=true

および

-Dweblogic.GatheredWritesEnabled=true

それぞれがTrueに設定されている場合、ネットワーク・スループットの高い環境のI/Oで効率が向上します。

これらのコマンド・オプションを一緒に使用して、Oracle Exalogicと併用するためにWebLogic Serverのパフォーマンスを最適化します。詳細は、『Oracle Exalogicエンタープライズ・デプロイメント・ガイド』のOracle WebLogic Server 11gリリース1(10.3.4)でのExalogic固有の拡張機能の有効化に関する項を参照してください。

-Dweblogic.replication.enableLazyDeserialization=true

Trueに設定されている場合、セッションのレプリケーションの効率が向上します。

このコマンド・オプションを使用して、Oracle Exalogicと併用するためにWebLogic Serverのパフォーマンスを最適化します。詳細は、『Oracle Exalogicエンタープライズ・デプロイメント・ガイド』のOracle WebLogic Server 11gリリース1(10.3.4)でのExalogic固有の拡張機能の有効化に関する項を参照してください。

-Dweblogic.resourcepool.max_test_wait_secs=seconds

接続テストが失敗したとWebLogic Server が判断するまでの待機する時間(秒単位)。デフォルトでは、10秒の値はサーバー・インスタンスに割り当てられます。0に設定すると、サーバー・インスタンスは、無限に待機します。

-Dweblogic.wsee.client.ssl.usejdk=true

Trueに設定されている場合、WlsSSLAdapterJdkSSLAdapterに切り替えます。

デフォルトでは、WebLogic Server Webサービスは、SSLアダプタのweblogic.wsee.connection.transport.https.WlsSSLAdapterクラスを使用します。このフラグをTrueに設定すると、weblogic.wsee.connection.transport.https.JdkSSLAdapterではなくJdkSSLAdapterを強制的に使用します。

USE_JDK_SSL_PROPERTYを定義するweblogic.wsee.connection.transport.https.HTTPSClientTransportクラスはJAX-RPCでのみ使用されます。このプロパティはJAX-WSでは現在サポートされていません。


管理コンソールには、コマンド・ラインで設定した値は表示されません。設定した属性値の確認方法については、「コマンド・ラインで設定した属性値の確認」を参照してください。

weblogic.Serverコマンド・ラインを使用したサーバー・インスタンスの起動

サーバー・インスタンスを起動する簡単な方法は次のとおりです。

  1. コマンド・シェルで、次のスクリプトを実行して必要な環境を設定します。

    WL_HOME\server\bin\setWLSEnv.cmd (Windowsの場合)

    WL_HOME/server/bin/setWLSEnv.sh (UNIXの場合)

    ここで、WL_HOMEは、WebLogic Serverのインストール先ディレクトリです。

  2. コマンド・シェルで、ドメイン・ディレクトリのルート(通常はMW_HOME\user_projects\domains\DOMAIN_NAME)に移動します。たとえば、WL_HOME\samples\domains\medrecディレクトリに移動します。

  3. 管理サーバーを起動するには、以下のコマンドを入力します。

    java weblogic.Server 
    

    注意:

    使用するパスワードは8文字以上の文字列である必要があります(大文字と小文字は区別されます)。スペース文字は使用できません。詳細は、『構成ウィザードによるドメインの作成』のWebLogicドメインの作成に関する項を参照してください。


  4. ドメインの管理サーバーがすでに動作していて、config.xmlファイルで管理対象サーバーをすでに定義している場合は、管理対象サーバーを次のように起動できます。

    java -Dweblogic.Name=managed-server-name 
    -Dweblogic.management.server=url-for-Administration-Server 
    weblogic.Server 
    

    たとえば、MedRecドメインでMedRecManagedServerという管理対象サーバーを作成する場合、次のコマンドを入力できます。

    java -Dweblogic.Name=MedRecManagedServer 
    -Dweblogic.management.server=localhost:7011 
    weblogic.Server 
    

注意:

マルチサーバー・ドメインでデモ用の証明書を使用している場合、引数url-for-Administration Serverのように管理サーバーのホスト・マシンの完全修飾DNS名を指定すると、管理対象サーバー・インスタンスの起動が失敗します。制限事項とその解決策については、『Oracle WebLogic Serverの保護』のCertGen使用方法の制限事項に関する項を参照してください。


weblogic.Serverコマンド・ラインを使用したWebLogic Server実行時フット・プリントの制限

WebLogic Serverには、次のサービスのサブセットを起動の対象から除外することで実行時フット・プリントを軽量化する起動オプションが用意されています。除外されるサービスは次のとおりです。

軽量なランタイム・インスタンスが任意のWebLogicドメインで開始されます。軽量なランタイム・インスタンスを開始する簡単な方法は次のとおりです。

  1. コマンド・シェルで、ドメインのbinディレクトリに移動します。例:

    cd DOMAIN_HOME\bin
    
  2. setDomainEnvスクリプトを実行します。

  3. 軽量なランタイム・インスタンスを開始するには、次のコマンドを入力します。

    java weblogic.Server -DserverType="wlx"
    

詳細は、『Oracle WebLogic Serverサーバーの起動と停止の管理』のWebLogic Server起動時のランタイム範囲の制限に関する項を参照してください。

weblogic.Serverコマンド・ラインを使用したドメインの作成

weblogic.Serverを使用して、単一のサーバー・インスタンスを含むドメインを作成できます。weblogic.Serverを使用してドメインに管理対象サーバー・インスタンスを追加したり、既存のドメインを変更したりすることはできません。

「デフォルト動作」で説明されているように、weblogic.Serverconfig.xmlファイルが見つからない場合、新しいファイルを作成するかどうかを尋ねます。指定するコマンド・オプションは、該当する属性がある場合はconfig.xmlファイルに保持されます。たとえば、-Dweblogic.Nameおよび-Dweblogic.Domainオプションでは、サーバー構成の名前とドメインの名前を指定します。weblogic.Serverconfig.xmlファイルを見つけられない場合、これらの両方の値はconfig.xmlに保持されます。一方、-Dweblogic.system.BootIdentityFileオプションは、サーバー・インスタンスを起動するためのユーザー資格証明が含まれるファイルを指定しますが、config.xmlファイルに保持される属性ではありません。

簡単なサンプル・ドメインとサーバーを作成してインスタンス化するには、次の手順に従います。

  1. コマンド・シェルで、次のスクリプトを実行して必要な環境を設定します。

    WL_HOME\server\bin\setWLSEnv.cmd (Windowsの場合)

    WL_HOME/server/bin/setWLSEnv.sh (UNIXの場合)

    ここで、WL_HOMEは、WebLogic Serverのインストール先ディレクトリです。

  2. コマンド・シェルで、空のディレクトリを作成します。

  3. 空のディレクトリで、次のコマンドを入力します。

    java -Dweblogic.Domain=SimpleDomain -Dweblogic.Name=SimpleServer
    -Dweblogic.management.username=weblogic  -Dweblogic.management.password=welcome1
    -Dweblogic.ListenPort=7001 weblogic.Server
    

このコマンドを入力すると、WebLogic Serverは新しいconfig.xmlファイルを作成するかどうかをたずねてきます。yと入力すると、SimpleDomainというドメインがインスタンス化されます。ドメインの管理サーバーは次のように構成されます。

この節で説明したようにweblogic.Serverコマンドを入力すると、次のファイルが作成されます。

コマンド・ラインで設定した属性値の確認

起動オプションではサーバーのローカル構成MBeanの属性値を設定するため、管理コンソールにはコマンド・ラインで設定した値は表示されません。サーバーのローカル構成MBeanの値を表示するには、次のようにWLSTを使用します。

  1. 『Oracle WebLogic Scripting Tool』で対話モードまたはスクリプト・モードでWLST使用の主な手順に関する項に説明されている手順を実行します。

    >java weblogic.WLST
    
  2. WebLogic Serverインスタンスを起動し(『Oracle WebLogic Serverサーバーの起動と停止の管理』のサーバーの起動と停止に関する項を参照)、connectコマンドを使用してWLSTをサーバーに接続します。connectコマンドの詳細は、『WebLogic Scripting Toolコマンド・リファレンス』のconnectに関する項を参照してください。

    wls:/(offline)> connect('username','password','t3s://localhost:7002')
    Connecting to weblogic server instance running at t3s://localhost:7002 as username weblogic ...
    
    wls:/mydomain/serverConfig>
    
  3. たとえば、あるクラスタ・メンバーが使用しているマルチキャスト・アドレスを調べるには、WLSTをそのサーバー・インスタンスに接続して、以下のコマンドを入力します。

    wls:/mydomain/serverConfig> cd('Clusters/cluster_name')
    wls:/mydomain/serverConfig/Clusters/mycluster> cmo.getMulticastAddress()
    
    '239.192.0.0'
    
  4. サーバー・インスタンスが標準出力に出力するメッセージの重大度レベルを調べるには、WLSTをそのサーバー・インスタンスに接続して、以下のコマンドを入力します。

    wls:/mydomain/serverConfig> cd('Servers/server_name/Log/server_name')
    wls:/mydomain/serverConfig/Servers/myserver/Log/myserver>cmo.getStdoutSeverity()
    
    'Notice'
    

WLSTの使用の詳細は、『Oracle WebLogic Scripting Tool』を参照してください。構成MBeanの詳細は、『Oracle WebLogic Server JMXによるカスタム管理ユーティリティの開発』のWebLogic Server MBeansの理解に関する項を参照してください。