この章では、Oracle Database管理に伴う問題およびタスクについて詳しく説明します。この章は次の項で構成されています:
関連項目: 『Oracle Database管理者ガイド』 『Oracle Database 2日でデータベース管理者』 『Oracle Database 2日でReal Application Clustersガイド』 『Oracle Real Application Clusters管理およびデプロイメント・ガイド』 |
次の各項で、Oracleソフトウェアの操作の概要について説明します。
Oracle Databaseは、オブジェクトおよびeXtensible Markup Language(XML)機能を使用するリレーショナル・データベースです。リレーショナル・データベースでは、すべてのデータが、行と列で構成される2次元の表に格納されます。Oracle Databaseを使用すると、高いパフォーマンス、信頼性およびスケーラビリティを保持しながら、データの格納、更新および効率的な検索を実行できます。
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データベースを管理する主要なツールはWebインタフェースであるOracle Enterprise Manager Database Control (Database Control)です。Oracle Databaseソフトウェアをインストールし、データベースを作成またはアップグレードしてネットワークを構成すると、データベースの管理にDatabase Controlを使用できます。また、Database Controlは、パフォーマンス・アドバイザ用およびSQL*Loader、Recovery ManagerなどのOracleユーティリティ用のインタフェースも提供します。
関連項目: Database Controlの概要は『Oracle Database 2日でデータベース管理者』を参照 |
Oracle Database Recovery Manager (RMAN)を使用して、Oracle Database Applianceでデータベースをバックアップおよびリカバリできます。
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新規アプリケーションをデプロイする場合、この項はスキップできます。既存のデータベースからOracle Database Applianceにデータをロードまたは移行する場合は、次のドキュメントを参照してください。
データ・ロードに関する情報は『Oracle Databaseユーティリティ』を参照
Oracle Automatic Storage Management (Oracle ASM)へのデータの移行方法の概要は『Oracle Automatic Storage Management管理者ガイド』のRMANを使用したOracle ASMデータ移行の実行に関する項を参照
Oracle Clusterwareでは、Oracle Real Application Clustersに必要なクラスタ・テクノロジが提供されます。さらに、Oracle Clusterwareでは、アプリケーションおよびプロセスはOracle Clusterwareに登録するリソースとして管理されます。アプリケーションを管理するためにOracle Clusterwareに登録するリソースの数は、アプリケーションによって異なります。1つのプロセスでのみ構成されるアプリケーションは、ほとんどの場合、1つのリソースでのみ表されます。複数のプロセスまたはコンポーネント上に構築されたより複雑なアプリケーションでは、複数のリソースが必要な場合があります。
関連項目: Oracle Clusterwareを使用したアプリケーションの可用性の向上に関する情報は『Oracle Clusterware管理およびデプロイメント・ガイド』を参照 |
Oracle Real Application Clusters One Node(Oracle RAC One Node)は、クラスタ内の1つのノードで実行されるOracle Real Application Clusters(Oracle RAC)データベースの単一インスタンスです。インスタンスを停止および起動するかわりに、Oracle RAC One Nodeのオンライン・データベース再配置を使用して、Oracle RAC One Nodeインスタンスを別のサーバーに再配置できます。
Oracle RAC One Nodeデータベースの管理は、Oracle RACデータベースまたはシングル・インスタンス・データベースとは若干異なります。管理者管理型のOracle RAC One Nodeデータベースでは、一方のノードが主要ノードで、もう一方のノードが候補ノードになり、主要ノードがエラーになったりサービスを停止した場合にサービスを引き受けることができます。候補ノードは汎用サーバー・プール内にあります。データベースおよびデータベース・サービスも汎用プール内にあります。
関連項目: Oracle RAC One Nodeの管理の詳細は『Oracle Real Application Clusters管理およびデプロイメント・ガイド』を参照 |
Oracle Real Application Clusters(Oracle RAC)は、2つ以上の個々のコンピュータをリンクして1つのシステムとして機能させるテクノロジです。Oracle Database Appliance上にデプロイされたOracle RACによって、クラスタの各コンピュータ(またはノード)はOracleデータベースへのアクセスを共有できます。一方のクラスタ・ノードがエラーまたはオフラインになっても、もう一方のクラスタ・ノードは引き続き稼働し、Oracle RACデータベース全体が使用可能なままになります。各ノードは、1つのコンピュータとしてアプリケーションに表示されます。
関連項目: Oracle RACの管理に関する情報は『Oracle Real Application Clusters管理およびデプロイメント・ガイド』を参照 |
この項の内容は次のとおりです。
Oracle Appliance Manager (oakcli
)を使用して、Oracle Database Applianceで複数のデータベースを作成および管理できます。また、この機能を使用して、異なるデータベース構成を使用して複数のホームによって複数のデータベースを管理することもできます。Oracle Database Applianceは、Oracle Database 11gリリース2バージョン11.2.0.2.5および11.2.0.3.3に対して複数のOracleホームをサポートしています。
複数のOracleホームを使用すると、Oracle Databaseの複数のリリースを同時に実行できます。たとえば、Oracle Database 11gリリース2 (11.2.0.2.5)データベースから新規リリースにアプリケーションを移動する前に、11.2.0.3.3をインストールしてこの上でアプリケーションをテストできます。
Oracleホームは、Oracle Databaseバイナリをインストールするディレクトリで、ここからデータベースを実行します。Oracle Appliance Managerでは、Oracle Flexible Architecture (OFA)ガイドラインに準拠したOracle Database Oracleホームが自動的に作成されます。
oakcli
を使用してOracle Database Applianceで複数のホームを作成する場合、コマンドにより、Oracle Grid Infrastructureが使用するクローニング・プロセスが開始されます。現在のリリースでは、ユーザーoracle
がすべてのOracleホームを所有しています。
注意: 前のリリースからアップグレードしない場合は、11.2.0.2.5 Oracle Database Applianceデプロイメント・ファイルをダウンロードしてください。詳細は、ノート888888.1を参照してください。
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oakcli
を使用すると、複数のOracleホーム機能を使用してOracle Database Applianceで複数のデータベースを作成、管理およびアップグレードできます。oakcli
コマンドを使用すると、ユーザー入力を最小限に抑えながらデータベースを作成できます。追加オプションなしでこのコマンドを使用すると、デフォルトのホームでデータベースが作成されます。また、-oh
または-version
属性を使用して別のホームでデータベースを作成することもできます。
注意: 新規データベースは既存のOracleホームと新規Oracleホームの両方で作成できます。 |
oakcli create databaseコマンドを使用して、Oracle Database Applianceでデータベースを追加作成します。
表5-1 oakcli create databaseコマンド・パラメータ
パラメータ | 説明 |
---|---|
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oakcli
create
db_config_params
-conf
filename
コマンドを使用して、Oracle Database Applianceで複数のデータベースを構成するための構成ファイルを作成します。filename
は、生成する構成ファイルの名前です。
ダイアログのポイントごとにデフォルトのオプションが用意されています。デフォルトの(1)を受け入れるか、2を入力し、別の値を指定します。
デプロイメント・タイプ(Oracle RAC、Oracle RAC One NodeおよびOracle Enterprise Edition)
dbconsoleの設定(Y/N)
DBクラス(大、中および小)
デフォルトのパラメータは、次のとおりです。
DB Block Size
DB Language
DB Territory
データベース構成を再使用して同一のプロファイルで追加データベースを作成するには、oakcli
create
db_config_params
-conf
file_name
コマンドを使用します。file_name
は、構成ファイルの名前です。このコマンドを使用すると、データベースをクローニングできるデータベース構成パラメータ・ファイルが生成されます。
次の例は、oakcli create db_config_paramsコマンドの構成ダイアログを示しています。filenameはmyfileです。
# oakcli create db_config_params -conf myfile.out Specify the Database Block Size (1. 8192 2. Others) [1]: Selected value is: 8192 Specify the Database Language (1. AMERICAN 2. Others) [1]: Selected value is: AMERICAN Specify the Database Characterset (1. AL32UTF8 2. Others) [1]: Selected value is: AL32UTF8 Specify the Database Territory (1. AMERICA 2. Others) [1]: Selected value is: AMERICA Specify the Component Language (1. en 2. Others) [1]: Selected value is: en Successfully generated the Database parameter file 'myfile.out'
構成時に、Oracle Database Applianceに2つの管理アカウントが作成されます。1つはGrid Infrastructureインストール所有者grid
(UID 1000)で、もう1つはOracle Databaseインストール所有者oracle
(UID 1001)です。
grid
ユーザーは、Oracle ASMシステム権限グループasmadmin
(GID 1006)、asmdba
(GID 1004)、asmoper
(GID 1005)、およびOracle Databaseシステム権限グループracoper
(GID 1003) (OPERデータベース・システム権限)、およびOracleインベントリ・システム権限グループoinstall
(GID 1001)のメンバーです。
oracle
ユーザーは、Oracle ASMシステム・アクセス権限グループasmdba
、およびOracle Databaseシステム権限グループdba
(OSDBAシステム権限)、racoper
(OPERデータベース・システム権限)、およびOracleインベントリ・システム権限グループoinstall
のメンバーです。これらのユーザー名、UID、グループ名およびGIDは事前構成されており、変更できません。すべてのデータベースのORACLE_HOMESはoracle
ユーザーによって所有されていることに注意してください。
関連項目:
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管理者管理データベースのデータベース・リソースを確認すると、そのOracle Databaseと同じ名前で定義されたサーバー・プールが表示されます。このサーバー・プールは、Oracleで定義される特別なサーバー・プールの一部で、Genericと呼ばれます。Oracle RACは、Genericサーバー・プールを管理して管理者管理データベースをサポートします。Oracle Server Control Utility (SRVCTL)またはOracle Database Configuration Assistant (DBCA)を使用して管理者管理型データベースを追加または削除すると、汎用のメンバーであるサーバー・プールが作成または削除されます。SRVCTLまたはOracle Clusterware Control Utility (CRSCTL)コマンドを使用して、汎用サーバー・プールを変更することはできません。
注意: 現在、Oracle Database Applianceは管理者管理型データベースのみをサポートしています。 |
関連項目:
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コマンドライン・ユーティリティrconfig
を使用すると、ConvertToRAC.xml
ファイルで提供する値に応じて、シングル・インスタンス・データベースをOracle RACまたはOracle RAC One Nodeに変換できます。
関連項目: シングル・インスタンスのデータベースを変換する手順は『Oracle Real Application Clustersインストレーションおよび構成ガイド』の付録C「シングル・インスタンスのOracle DatabaseからOracle RACおよびOracle RAC One Nodeへの変換」を参照 |
Oracle Databaseには、複数のデータベース・インスタンスを実行する複数CPUサーバーでCPU割当てを管理する方法が用意されています。この方法はインスタンス・ケージングと呼ばれます。インスタンス・ケージングとOracle Resource Manager(リソース・マネージャ)が連携して、複数インスタンス間で必要なサービス・レベルをサポートします。
関連項目:
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状態モニターを使用して、Oracle Database Applianceのステータスを判断します。状態モニター・チェック(チェッカ、ヘルス・チェックまたはチェックとも呼ばれます)では、データベースの様々なレイヤーとコンポーネントが検証されます。ヘルス・チェックでは、ファイルの破損、物理ブロックおよび論理ブロックの破損、UNDOおよびREDOの破損、データ・ディクショナリの破損などが検出されます。ヘルス・チェックにより、結果のレポートが生成されます。多くの場合、レポートには、問題解決に関する推奨事項が記載されています。ヘルス・チェックは次の2つの方法で実行できます。
リアクティブ - 障害診断インフラストラクチャでは、クリティカル・エラーの内容に応じてヘルス・チェックを自動的に実行できます。
マニュアル - DBMS_HM PL/SQLパッケージまたはOracle Enterprise Managerインタフェースのいずれかを使用して、ヘルス・チェックを実行します。ヘルス・チェックは定期的に実行できます。そうでない場合、Oracleサポート・サービスがサービス・リクエストについて共同で作業している際にヘルス・チェックの実行を依頼する場合があります。
関連項目: 状態モニターの使用方法に関する情報は『Oracle Database管理者ガイド』の状態モニターを使用したヘルス・チェックの実行に関する項を参照 |