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Oracle® Database Applianceスタート・ガイド
リリース2.3 for Linux x86-64
B69545-01
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6 Oracle Database Applianceの高可用性について

この章では、Oracle Database Applianceの高可用性機能について説明します。この章の内容は次のとおりです。

Oracle Database Applianceおよび高い冗長性

Oracle Database Applianceは、4Uのラックマウント型エンクロージャで構成されます。4Uエンクロージャには、24個のフロント・マウント型のホットプラグ3.5インチ型デュアル・ポートSAS GEN-2ディスク・スロットが含まれています。これらのディスク・スロットのうち4個は、73 GBソリッド・ステート・ディスク(SDD)用です。これらのディスクはOracleソフトウェアに使用されます。他の20個のディスク・スロットは、標準ハード・ディスク・ドライブ(HDD)用です。Oracle Database Applianceの各システムには、2つの冗長な2Uフォーム・ファクタのサーバー・ノード(システム・コントローラSC0およびSC1)があります。

各サーバー・ノードは、Oracle Database Applianceシャーシにプラグインし、他とは独立して動作します。あるサーバー・ノード上の障害によって、他のノード上のサービスは中断されません。残存しているノードでは、Oracle Clusterwareのクラスタ・フェイルオーバー・イベントを使用してサービスが完全に中断されるのを阻止します。

冗長なクラスタをサポートするために、各サーバー・ノード・モジュールには、ディスク・ミッドプレーンを介して2つのサーバー・ノード・モジュール間で内部接続されたデュアル・ポートのイーサネット・コントローラが用意されています。この内部接続によって、外部ケーブルが必要なくなります。

各サーバー・ノードは、24のフロント・マウント型ディスクに完全にアクセスできます。シャーシ、ディスク・バックプレーンおよびファンへの電源は完全冗長のAC/DC電源です。電源、ファンおよびディスクは、すべてホットスワップ可能です。

Oracle Database Applianceでは、オーバーサブスクリプション(O-S)を備えたA249 1200Wの電源を使用します。O-Sを使用すると、電源障害の場合に単一の1200Wの電源で稼働するように特定のOracle Database Applianceを構成できます。

図6-1 Oracle Database Applianceのアーキテクチャ概要

図6-1の説明が続きます
「図6-1 Oracle Database Applianceのアーキテクチャ概要」の説明

Oracle Database Applianceのストレージ・デバイスについて

次の各項で、Oracle Appliance Managerユーティリティを使用したストレージ・ディスク管理の実行方法について説明します。

ストレージ・ドライブのメンテナンスについて

Oracle Database Applianceストレージ・ハードウェアには、両方の操作ファイル(オペレーティング・システム、Oracle Grid Infrastructureホーム、Oracle Databaseホーム、Oracle Appliance Managerユーティリティ、およびその他のツール)、ユーザー・データ(データベース・ファイル)およびREDOログ・ファイル用に統合されたストレージが含まれています。各サーバーの操作ファイルは、ミラー化された500 GBの内部システム・ディスクに格納されています。ユーザー・データは、いずれかのサーバーにアクセスできる共有ストレージ・ベイ内の20台の600 GBディスクに格納されています。データベースREDOログ・ファイルは、共有ストレージ・ベイ内の4台の73 GB SSDに格納されています。

Oracle Database Applianceには、Oracle Appliance Managerストレージ管理ユーティリティが含まれています。Oracle Appliance Managerでは、システム内のすべてのストレージ・デバイスの構成およびレイアウトを追跡します。ストレージ・デバイスに障害がある場合、その障害を検出し、アラートを電子メールで送信します。アラートを受信したら、障害のあるディスクを削除し、置き換えます。Oracle Appliance Managerでディスクが置き換えられたことを検出すると、ディスク・サイズおよびその他の特性(たとえばファームウェア・レベル)を検証し、障害のあるディスク上の表と一致するように新しいディスク上にパーティション表を再構築し、新しいパーティションをミラー化されたボリュームまたはOracle Automatic Storage Management (Oracle ASM)ディスク・グループに戻します。

Oracle ASMでは、データおよびログ・ファイルのディスクの冗長性が提供されます。オペレーティング・システムのボリューム・マネージャでは、システム・ディスクのディスクの冗長性が提供されます。

各サーバーのサーバー・システム・ディスクは、ミラー化されるため、単一のシステム・ディスク障害は許可されます。障害のあるシステム・ディスクを置き換える必要がある場合、オペレーティング・システムのボリューム・マネージャでは、残りのディスク上のイメージからミラー化されたシステム・ディスクを再構築します。

Oracle ASMは、HDDストレージ上の+DATAと+RECOのディスク・グループ、およびSSDストレージ上の+REDOディスク・グループのすべてのデータ・ファイルおよびログ・ファイルの3方向ミラー化(高冗長性)を提供するように構成されます。ユーザー・データHDDディスクまたはログ・ファイルSSDで障害が発生した場合、Oracle ASMでは欠落したデータを残りのディスク上で再作成することで、高い冗長性を自動的にリストアします。障害のあるディスクが置き換えられると、Oracle ASMでは、新しいディスクにデータを自動的に再分散し、ディスクの入力/出力が最適化されたことを確認します。


注意:

NASを除いて、Oracle Database Appliance上で標準データベース・ファイルに対して外部ストレージを構成することはできません。

Oracle Database Applianceのストレージ構成について

次の各項では、Oracle Database Applianceのストレージ構成について説明します。

Oracle Database Applianceのマルチパス・ディスク・レイアウト

図6-2では、Oracle Database Applianceのマルチパス・ディスク・レイアウトについて説明しています。

図6-2 Oracle Database Applianceのマルチパス・ディスク・レイアウト

図6-2の説明が続きます
「図6-2 Oracle Database Applianceのマルチパス・ディスク・レイアウト」の説明

Oracle Database Applianceのディスクへのエクスパンダ接続

ディスクへのエクスパンダの接続性は、次の構造にあります。

  • エクスパンダ1は列1および列2のディスクに接続します。

  • エクスパンダ2は列3および列4のディスクに接続します。

Oracle Appliance Managerおよびストレージ・デバイス・ステータスについて

Oracle Appliance Managerコマンドライン・インタフェースを使用して、ストレージ・システムの手動のステータス・チェックを実行します。

Oracle Appliance Managerのストレージ・コマンド・リファレンス

OAKCLIコマンドは、パス/opt/oracle/oak/bin/にあります。OAKCLIコマンドは、Oracle Database Applianceのストレージ・デバイスに関するステータス情報を提供します。すべてのOAKCLIコマンドは、ディレクトリ/opt/oracle/oak/log/servername/oakに記録されます。servernameはサーバーの名前(node1またはnode2)です。

権限およびセキュリティ

ストレージ構成を変更するには、rootユーザーでコマンドを実行します。root以外のユーザーでログインしている場合、ストレージ情報を表示できますが、構成を変更できません。

Oracle Appliance Managerのストレージ・コマンドのサマリー

表6-1 Oracle Appliance Managerのストレージ・コマンド・オプション

オプション 目的

oakcli locate[-h] [disk diskname on|off]

指定したASMディスクを検索します。

-hoakcli locateのオプションを出力します。

disk disknameは指定した名前のASMディスクを配置します

onは指定したディスクのLEDをオンにします

offは指定したディスクのLEDをオフにします

oakcli show controller

コントローラを表示します。

oakcli show core_config_key

登録済のコア・キーによって定義されているように、アクティブなコアの構成を表示します

oakcli show disk

ディスクを表示します。

oakcli show diskgroup

ディスク・グループを表示します。

oakcli show expander

エクスパンダを表示します。

oakcli show -h

oakcli showコマンドのオプションを表示します

oakcli show storage

ストレージ・デバイス・ステータスを表示します

oakcli show version -detail

アプライアンス上のソフトウェアおよびファームウェアの詳細な出力パッチ・バージョンを提供します。


Oracle Database Applianceの電源オン

次の手順を実行するには、図1-1「Oracle Database Applianceのフロント・パネル」および図1-2「Oracle Database Applianceのバック・パネル」を参照してください。


注意:

次の順序で各手順を実行してください。各手順が完了するまで待ってから、次の手順に進みます。

  1. 2つのシステム電源コードを、接地された電源コンセントおよびシステムのバック・パネルにある電源導入口に接続します。サーバー・ノードのフロント・パネルにあるサービス・プロセッサ(SP)ステータスの緑色のLEDは、Oracle Database Applianceがゆっくり点滅して電源投入されていることを示しています。

  2. SPステータスのLEDが、サーバー・ノードの電源がスタンバイ状態であることを示すまで待ちます。

    電源がスタンバイ状態のときは、サーバー・ノードのフロント・パネルにあるSPステータスの緑色のLEDが点灯し、ゆっくりした点滅から安定した点灯に変わります。サーバー・ノードのフロント・パネルにある電源/OKの緑色のLEDが点灯し、スタンバイ点滅に変わります。電源コードを挿入してから電源/OKのLEDがスタンバイ点滅に到達するまでにかかる時間は、最大で5分です。電源がスタンバイ状態であるということは、サーバー・ノードのサービス・プロセッサはアクティブであるが、ノードのホストがオフであることを示します。

  3. SPステータスのLEDが安定した緑色の状態になったら、各サーバー・ノードのフロント・パネルにある「Power」ボタンを一度押します。オペレーティング・システムが起動するまで待ちます。

    Oracle Database Applianceの冷却ファンが起動します。BIOSのロード中、サーバーOKステータスの緑色のLEDが点滅し、オペレーティング・システムが起動すると、ゆっくりした点滅から安定した点灯に変わります。オペレーティング・システムは、ロードするのに約5分かかります。

Oracle ILOMを使用したOracle Database Applianceの管理

Oracle Integrated Lights Out Manager (Oracle ILOM)は、Oracle Database Applianceサーバー上に事前インストールされたシステム管理ファームウェアです。Oracle ILOMによって、サーバー上にインストールされたコンポーネントをアクティブに管理および監視できます。Oracle ILOMでは、Simple Network Management Protocol (SNMP)およびOracle Intelligent Platform Management Interface (Oracle IPMI)のインタフェースに加えて、ブラウザベースのインタフェースおよびコマンドライン・インタフェースも提供されています。


注意:

Oracle Database Applianceに付属しているデフォルトのOracle ILOM管理者アカウントはrootで、パスワードはchangemeです。Oracle Database Appliance上のソフトウェア・デプロイメントが完了するまで、デフォルト・パスワードを変更しないでください。デプロイメントが完了する前にパスワードを変更すると、構成エラーが発生する可能性があります。

デプロイ後は、『Oracle Database Applianceオーナーズ・ガイド』に示すように、このパスワードを変更することをお薦めします。

このデフォルトの管理者アカウントがすでに変更されているときに、Oracle ILOMにアクセスする必要がある場合、システム管理者に連絡して、管理者権限を持つOracle ILOMユーザー・アカウントを依頼してください。



関連項目: