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Oracle® Database Applianceスタート・ガイド
リリース2.3 for Linux x86-64
B69545-01
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7 Oracle Database Applianceのトラブルシューティング

この章では、Oracle Database Applianceのトラブルシューティング方法に関する情報について説明します。この章は次の項で構成されています:

Oracle Database Applianceの診断および検証ツールについて

Oracle Database Applianceには、サポートの問題の迅速な解決に役立つ診断および検証ツールが含まれています。アプライアンスに問題が発生した場合、このツールを使用して、環境が適切に構成されていること、およびベスト・プラクティスが有効であることを確認します。サービス・リクエストを送信する場合、このツールを使用して、関連するログ・ファイルをOracleサポート・サービスにアップロードします。

Oracle Database Applianceの検証ツール・コマンド・リファレンス

この項では、Oracle Database Applianceの検証ツールのリファレンスを示します。

Oracle Database Applianceの検証ツールの概要

コマンドoakcli validateを使用して、Oracle Database Applianceのステータスを検証します。

コマンドは次の構文を使用します。check1およびcheck2はカンマ区切りのチェックのリストにある2つのシステム・チェックで、output_file_nameは検証出力ファイルに指定する名前です。

oakcli validate -h 
oakcli validate [-V | -l | -h]
oakcli validate [-v] [-f output_file_name] [-a | -d | -c check1[,check2]]

権限およびセキュリティ

oakcli validateコマンドはrootユーザーとして実行する必要があります。

Oracle Database Applianceの検証ツール・オプションのサマリー

表7-1 Oracle Database Applianceの検証ツール・オプション

オプション 目的

-a

DiskCalibrationなど、すべてのシステム・チェックを実行します。このコマンドを使用して、デプロイメントの前にシステムの準備状況を検証することをお薦めします。DiskCalibrationシステム・チェックによりパフォーマンスの問題が発生する可能性があるため、実行中のシステム上で、このオプションを使用してoakcli validateを実行しないでください。

-c

カンマ区切りのチェックのリストを実行します。このコマンドを使用して、特定のチェックまたはチェックのリストを実行します。

-d

デフォルトのシステム・チェックを実行します。表7-2で説明されているように、デフォルトのシステム・チェックは、DiskCalibrationNetworkComponentsOSDiskStorageおよびSystemComponentsです。

-f

出力ファイルを作成します。-fフラグの後に、ファイルの名前を指定します。検証コマンドの出力内容は、このファイルに書き込まれます。出力内容をファイルに送信するよう指定しない場合、ページ表示(stdout)に送信されます。

-h

ヘルプ情報を出力します。

-l

すべてのシステム・チェック・オプションをリストし、オプションについて説明します。

-v

詳細出力を行います。

-V

検証ツール・バージョンを出力します。


表7-2 Oracle Database Applianceのシステム・チェック

チェック 目的

DiskCalibration

/opt/oracle/oak/orionを使用したストレージ・ディスクのパフォーマンスのインストール前チェック。

デプロイ済のシステム上でDiskCalibrationコマンドを実行するとパフォーマンスの問題が発生するため、Oracle Database ApplianceにOracleソフトウェアをデプロイした後でこのチェックを実行しないでください。

NetworkComponents

パブリックおよびプライベートのネットワーク・ハードウェア・コンポーネントを検証します。

OSDiskStorage

オペレーティング・システム・ディスクおよびファイル・システム情報を検証します。

SystemComponents

Oracle ILOMセンサー・データの読取りに基づいて、システム・コンポーネントを検証します。


Oracle Database Applianceの検証ツール・コマンドの例

次の項で、すべての検証コマンド・オプションのリストおよび説明を示します。

$ ./oakcli validate -l

すべてのシステム・チェックを実行します。

$ ./oakcli validate -a

ディスク測定のシステム・チェックを実行します。

$ ./oakcli validate -c DiskCalibration

ハードウェア・システム・コンポーネントおよびネットワーク・コンポーネントを検証するシステム・チェックを実行します。

$ ./oakcli validate -c SystemComponents,NetworkComponents

Oracle Database Applianceのシステム・トラブルシューティング

Oracle Database Applianceの構成中にエラーが発生した場合、次のメッセージおよび処置を確認してください。

Error Encountered in Step 11 Validation VIP appears to be up on the network
原因: このメッセージが表示される可能性が高いのは、前のデプロイをクリーンアップせずにエンドユーザー・バンドルを再デプロイしようとする場合です。このエラーが発生するのは、アプライアンスに割り当てられたアドレスに既存のVIPが構成されていることが原因です。
処置: 両方のクラスタ・ノードでcleanupDeploy.plを実行してから、Oracle Appliance Managerを再起動します。
Error: CRS-4402: The CSS daemon was started in exclusive mode but found an active CSS daemon on node oda2-1, number 1, and is terminating
原因: このエラーが発生するのは、Oracle Grid Infrastructure CSSデーモンがノードをスタンドアロン・クラスタ・ノードとして開始しようとしたが、起動時に他のクラスタ・ノードが実行されていることを検出し、クラスタに結合するためにクラスタ・モードに変更しようとした場合です。
処置: このエラーは無視してください。
Installation requires partitioning of your hard drive
原因: このメッセージは、2つのオペレーティング・システム・ディスクのうち1つがインストールされていないが、オペレーティング・システムを再イメージしようとしている場合に、ノード上で発生します。
処置: 両方のオペレーティング・システム・ディスクがインストールされ、使用可能であることを確認します。
Machine Check Exception ...This is not a software problem
原因: ハードウェア・システム・エラーがあります。
処置: Oracle ILOMリモート・コンソールにログインし、ハードウェア・エラーを特定します。
No volume control GStreamer plugins and/or devices found
原因: Oracle ILOMリモート・リダイレクション・コンソールのサウンド・カードに必要なオペレーティング・システムのプラグインがインストールされていません。
処置: このメッセージは無視してください。コンソールのボリューム・コントロールは必要ありません。
Reboot and Select proper Boot device Or Insert Boot Media in selected Boot device and press a key
原因: 1つまたは両方のオペレーティング・システム・ディスクが使用できません。このメッセージは、システムの再イメージ中に「デフォルトのハード・ディスク」を選択したが、そのディスクが使用できない場合に発生します。
処置: 両方のオペレーティング・システム・ディスクがインストールされ、使用可能であることを確認します。
The AoDB Linux installation tree in that directory does not seem to match your boot media
原因: このメッセージは、両方のオペレーティング・ディスクがインストールされ、オペレーティング・システム・ディスクを再イメージするよう選択した場合に、ノード上で発生します。「デフォルト(BIOS設定を使用)」をイメージ化オプションに選択しているが、1つまたは両方のディスクが使用できない場合に発生します。
処置: 両方のオペレーティング・システム・ディスクが使用可能であることを確認します。
ERROR: Gateway IP is not pingable
原因: Windowsプラットフォームでは、Oracle Appliance Managerコンフィギュレータはポート7でエコー・サービスを使用してゲートウェイに接続します。エコー・サービスが無効である場合、おそらくセキュリティ上の理由により、pingが失敗します。
処置: ネイティブ・プラットフォームのpingコマンドを実行します。pingが成功した場合、コンフィギュレータの検証出力は無視できます。
ACFS Resources Failed to Start After Applying 2.2 Infra Patch
原因: Oracle Database Applianceオペレーティング・システムのアップグレードには、Oracle Enterprise LinuxのOracle Unbreakable Enterprise Kernel (Oracle UEK)へのアップグレードが含まれます。Oracle Automatic Storage Management Cluster File System (ACFS)はOracle Linuxのすべてのバージョンでサポートされているわけではないため、オペレーティング・システムのアップグレードが成功すると、Oracle ACFSが事実上無効になる可能性があります。

Oracle Database Appliance 2.2へのアップグレードには、—infra—giおよび—databaseという3つのオプションがあります。—infraオプションには、Oracle Enterprise LinuxからOracle UEKへのアップグレードが含まれます。—infraで2.2にアップグレードする前、オペレーティング・システムは11.2.0.2.x Grid Infrastructureを備えたOracle Enterprise Linuxです。—infraでのアップグレード後、オペレーティング・システムは、Oracle UEK、およびOracle UEKと互換性のない11.2.0.2.x ACFSです。

たとえば、Oracle Linux 2.6.32-300.11.1.el5uekにアップグレードすると、reco.acfsvol.acfsおよびora.registry.acfsが一時的にOFFLINE状態になります。これは、2.6.32-300.11.1.el5uekがOracle 11.2.0.2.x ACFSをサポートしていないためです。ただし、Oracle Grid Infrastructureを11.2.0.3.2にアップグレードすると、これらのコンポーネントは再度オンラインになります。

処置: —giオプションを使用してOracle Database Appliance 2.2にアップグレードします。このバージョンのソフトウェアには、Oracle UEKと連携して動作するOracle ACFSモジュールが含まれるOracle Grid Infrastructure 11.2.0.3.2が含まれます。

詳細は、My Oracle Supportのノート1369107.1を参照してください。

https://support.oracle.com/CSP/main/article?cmd=show&type=NOT&id=1369107.1

Oracle ILOM構成のトラブルシューティング

この項では、インストール中に発生する可能性があるOracle Integrated Lights Out Manager (Oracle ILOM)のトラブルシューティング問題について説明します。

Oracle ILOMの一般的なトラブルシューティングのガイドライン

Oracle ILOMの構成でエラーが発生した場合、次のタスクを最初に実行してください。

  1. 必要なJDKバージョンがサーバーにインストールされていることを確認します。jdk-6u24-linux-i586.rpmなどの32ビットJDKが必要です。JDKをダウンロードするには、次の場所にアクセスしてください。http://www.oracle.com/technetwork/java/javase/downloads/index.html.

  2. 環境をチェックして、リモート・コンソールが起動できるように、必要なJavaアプリケション(たとえば、Java Web Start、javaws)がインストールされていることを確認します。

Oracle ILOMのエラー・メッセージおよび処置

次に、Oracle Integrated Lights Out Managerリモート・コンソールの使用時に発生するメッセージを示します。

Cannot redirect CD-ROM image
原因: リモート・コンソールにログインしようとすると、「CD-ROMイメージのリダイレクションは、ご使用のクライアントOSでサポートされていません」というエラー・メッセージを示した、「CD-ROMイメージをリダイレクトできません」というタイトルのメッセージ・ウィンドウが表示されます。このエラーは、リモート・コンソールに必要なJava Development Kit (JDK)がインストールされていない場合に発生します。CD-ROMのリダイレクションには、32ビットJDKが必要です。リモート・コンソールは、32ビットJDKおよび64ビットJDKの両方で動作します。
処置: 使用しているリモート・コンソールのバージョンに必要なJDKキットをインストールします。JDKをダウンロードするには、次のURLにアクセスしてください。

http://www.oracle.com/technetwork/java/javase/downloads/index.html.

Class fault.memory.intel.dimm_ue Error
原因: ノードがオフラインであるためOracle ILOMリモート・コンソールを開くと、class fault.memory.intel.dimmエラーが発生します。このエラーは、デュアル・インライン・メモリー・モジュール(DIMM)が失敗していることを示しています。
処置: 失敗したDIMMを置き換える方法に関する手順は、『Oracle Database Applianceサービス・マニュアル』のメモリー・モジュール(DIMM)の提供に関する項を参照してください。
Error encountered in Step 14 RunRootScripts Error code(1)
原因: デプロイメント・スクリプトでは、デフォルトのBMCパスワードは"changeme"と予期されていますが、デプロイメントの開始前にデフォルトのパスワードが変更されていました。
処置: Oracle Appliance Managerの拡張デプロイメントGUIインタビューで、新しいBMCパスワードを入力します。
System Status Faulted in System Overview
原因: システム・エラーが発生しました。
処置: 「View」をクリックして、システム・エラーの詳細を確認します。
Reboot and Select proper Boot Device
原因: システムをリセットして、システム起動ファイルを読み込む必要があります。
処置: 次のIPMIツール・コマンドを入力して、システムをリセットします。servernameはシステムの名前です。
ipmitool -U root -P changeme -H servername chassis power off
ipmitool -U root -P changeme -H servername chassis power on
You have chosen to open jnipgenerator-16 which is a: JNLP file
原因: リモート・コンソールを開くのに必要なアプリケーションが、システムにインストールされていません。リモート・コンソールを起動すると、このメッセージが表示されます。「OK」をクリックして、デフォルトのブラウザで開くと、Javaコンソールのソース・コードが表示されます。
処置: リモート・コンソール・インタフェースが起動できるように、欠落したJavaアプリケション(たとえばjavaws)をインストールします。

Oracleサポート・サービス用のログ・ファイルのパッケージ化

システム・フォルトが発生した場合、ディレクトリ/opt/oracle/oak/bin内のコマンドoakcli manage diagcollectを使用して、Oracle Database Applianceからログ・ファイル情報を収集します。Applianceに格納されたログ・ファイル情報が収集され、Oracleサポート・サービスに送信可能な単一のログ・ファイルに情報がパッケージ化されます。ファイルの場所は、コマンド出力で指定されます。

Oracleソフトウェアのアンインストールおよびストレージの再初期化

Oracle Grid InfrastructureおよびOracle Real Application Clustersをアンインストールする必要がある場合、Oracle Appliance ManagerユーティリティcleanupDeploy.plを使用して、アンインストールを実行します。


注意:

このコマンドを実行すると、ストレージが再初期化され、既存のデータは破棄されます。

Oracleソフトウェアをアンインストールするには、次の手順を実行します。

  1. rootとしてログインします。

  2. ディレクトリを/opt/oracle/oak/onecmdに変更します。

  3. コマンドcleanupDeploy.plを実行します。次に例を示します。

    # ./cleanupDeploy.pl