この章では、Oracle Application Expressのインストールの概要を示し、インストール前に考慮する問題について説明します。
トピック:
インストール・プロセスには、次の4つのステップが含まれます。
インストールの計画: Oracle Application Expressのインストールに必要なステップの概要については、この章を参照してください。計画フェーズでは、完全開発環境とランタイム環境のいずれをインストールするかを決定する必要もあります。
完全開発環境では、アプリケーションを開発するためにアプリケーション・ビルダー環境に完全にアクセスできます。変更できないアプリケーションを実行する本番実装に対しては、ランタイム環境を選択することをお薦めします。詳細は、「Oracle Application Expressランタイム環境について」を参照してください。
インストール要件の確認: ソフトウェアをインストールするために満たす必要がある最小のシステム要件については、「Oracle Application Expressのインストールの要件」を参照してください。
ソフトウェアのインストール: 必要なインストール・ステップは、使用するHTTPサーバーによって異なります。使用可能なオプションには、Oracle Application Expressリスナー、埋込みPL/SQLゲートウェイまたはOracle HTTP Serverとmod_plsqlがあります。
バージョン1.5.x、1.6.x、2.0.x、2.2.x、3.0.x、3.1.x、3.2.xまたは4.0xのOracle Application Expressをご使用の場合は、このマニュアルに記載されているどのインストール例に従っても、Oracle Application Expressインスタンスがバージョン4.1にアップグレードされ、新しいスキーマにOracle Application Express 4.1のデータベース・オブジェクトが作成され、アプリケーションのメタデータが新しいバージョンに移行されます。
Oracle Application Expressでは、テストおよび本番インスタンス用にOracle Application Expressのランタイム・バージョンのみをインストールする機能がサポートされています。このランタイム環境により、インストールするフットプリントと権限を最小限に抑えることができます。また、ランタイム・インスタンスでは開発者が本番アプリケーションを不注意で更新することが避けられるため、アプリケーションのセキュリティが向上します。
Oracle Application Expressランタイム環境では、本番アプリケーションは実行できますが、管理用のWebインタフェースは提供されません。ランタイム環境に含まれるのは、アプリケーションの実行に必要なパッケージのみです。このため、ランタイム環境はより堅牢な環境となります。Oracle Application Expressランタイム環境は、SQL*PlusまたはSQL DeveloperおよびAPEX_INSTANCE_ADMIN
APIを使用して管理します。詳細は、『Oracle Application Expressアプリケーション・ビルダー・ユーザーズ・ガイド』のランタイム環境の管理に関する項を参照してください。
既存のインスタンスに対して開発者インタフェースの削除または追加を行うスクリプトが提供されます。
Oracle Application Expressを実行するには、Oracle Application Express Listener、Oracle HTTP Serverとmod_plsql
または埋込みPL/SQLゲートウェイに対するアクセス権が必要です。
トピック:
Oracle Application Expressリスナーは、Oracle Application Expressエンジンと直接通信するため、mod_plsql
プラグインは不要です。Oracle HTTP Serverは、mod_plsql
プラグインを使用してOracle Database内のOracle Application Expressエンジンと通信します。Oracle Application ExpressリスナーおよびOracle HTTP Serverは、WebサーバーとOracle Database内のOracle Application Expressオブジェクト間の通信ブローカとして機能します。具体的には、ブラウザ・リクエストを、SQL*Net
接続経由でデータベースのストアド・プロシージャ・コールにマップします。次の図に、Oracle HTTP Serverおよびmod_plsql
を使用するOracle Application Expressアーキテクチャを示します。
この3層のアーキテクチャは、次のコンポーネントで構成されます。
Webブラウザ
Oracle Application ExpressリスナーまたはOracle HTTP Server(Apache)とmod_plsql
Oracle Application Expressを含むOracle Database
Oracle Application ExpressリスナーまたはOracle HTTP Server(Apache)とmod_plsql
の主な利点は、中間層とデータベース層を分離できることです。このアーキテクチャは、Oracle Real Application Clusters(Oracle RAC)環境に適しています。
Oracle HTTP ServerまたはOracle Application Server構成では、imagesはファイル・システム上の別名/i/
で参照される場所に格納されています。以前のリリースからOracle Application Expressをアップグレードする場合は、次のファイルを確認してテキスト別名/i/
を検索することで、ファイル・システム上でimagesディレクトリを特定できます。
Oracle Database 11gで配布されたOracle HTTP Serverの場合: dads.conf
ファイルを確認します。
Oracle Application Server 10gの場合: marvel.conf
ファイルを確認します。
Oracle XML DB HTTP Serverおよび埋込みPL/SQLゲートウェイは、Oracle Database 11gとともにインストールされます。Webサーバーを使用したOracle Database、さらに動的なアプリケーションの作成に必要なインフラストラクチャを利用できます。埋込みPL/SQLゲートウェイは、Oracle DatabaseのOracle XML DB HTTP Serverで実行され、mod_plsql
のコア機能を含みます。次の図に、埋込みPL/SQLゲートウェイを使用するOracle Application Expressアーキテクチャを示します。
前述の図に示すとおり、埋込みPL/SQLゲートウェイは、WebブラウザおよびOracle Database(埋込みPL/SQLゲートウェイとOracle Application Expressを含む)の単純な2層アーキテクチャで構成されます。
埋込みPL/SQLゲートウェイの利点は次のとおりです。
構成が容易
データベースに含まれている
別のサーバーをインストールする必要がない
埋込みPL/SQLゲートウェイは、XML DB HTTPプロトコル・リスナーの一部としてデータベースで実行されます。XML DB HTTPプロトコル・リスナーおよび埋込みPL/SQLゲートウェイによって、Oracle HTTP Serverおよびmod_plsql
と同等なコア機能が提供されます。HTTPリスナーはOracle Application Expressがインストールされているデータベースと同じデータベースで実行されるため、データベースから分離できません。このため、インターネット上で実行されるアプリケーションに埋込みPL/SQLゲートウェイを使用することはお薦めしません。また、埋込みPL/SQLゲートウェイでは、Oracle HTTP Serverおよびmod_plsql
のような構成の柔軟性および詳細なロギングは提供されません。
Oracle Real Application Clusters(Oracle RAC)環境でOracle Application Expressを実行する場合、Oracle Application ExpressリスナーまたはOracle HTTP Serverとmod_plsql
を使用することをお薦めします。Oracle Application ExpressリスナーまたはOracle HTTP Serverとmod_plsql
を使用すると、サービス名の書式で接続を指定できるため、1つのHTTPサーバーがすべてのノードにアクセスできるようになります。
Oracle RAC環境には埋込みPL/SQLゲートウェイ・オプションを選択しないことをお薦めします。埋込みPL/SQLゲートウェイではデータベース・インスタンスに組み込まれたHTTPサーバーを使用するため、Oracle RAC共有アーキテクチャを活用できません。
Oracle Application Expressのインストール方法は、使用するHTTPサーバーによって異なります。このセクションでは、各インストール例の概要について説明します。
トピック:
Oracle Technology Network(OTN)からOracle Application ExpressをダウンロードしOracle Application Expressリスナーを構成する場合は、この例のステップに従います。この例の必要なインストール・ステップは次のとおりです。
ステップ3: ADMINアカウントのパスワードの変更
ステップ4: プロセスの再起動
ステップ5: APEX_PUBLIC_USERアカウントの構成
ステップ8: セキュリティ上の考慮事項
ステップ10: JOB_QUEUE_PROCESSESの管理について
Oracle Technology Network(OTN)からOracle Application Expressをダウンロードし埋込みPL/SQLゲートウェイを構成する場合は、この例のステップに従います。この例の必要なインストール・ステップは次のとおりです。
ステップ3: ADMINアカウントのパスワードの変更
ステップ4: プロセスの再起動
ステップ5: 埋込みPL/SQLゲートウェイの構成
ステップ7: セキュリティ上の考慮事項
ステップ9: JOB_QUEUE_PROCESSESの管理について
ステップ10: SHARED_SERVERSパラメータの構成
Oracle Technology Network(OTN)からOracle Application ExpressをダウンロードしOracle Database 11gまたはOracle Application Server 10gで配布されたOracle HTTP Serverおよびmod_plsql
を構成する場合は、この例のステップに従います。この例の必要なインストール・ステップは次のとおりです。
ステップ3: ADMINアカウントのパスワードの変更
ステップ4: プロセスの再起動
ステップ5: Oracle Database 11gまたはOracle Application Server 10gで配布されたOracle HTTP Serverの構成
ステップ7: セキュリティ上の考慮事項
ステップ9: JOB_QUEUE_PROCESSESの管理について