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Oracle® Fusion Middleware Oracle Application Development Frameworkデスクトップ統合開発者ガイド
11gリリース2(11.1.2.1.0)
B66718-01
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2 ADFデスクトップ統合のサンプル・アプリケーションの概要

この章では、ADFデスクトップ統合モジュールのサンプル・アプリケーションであるMaster Price Listモジュールの概要を説明します。Master Price Listモジュールは、Fusion Order Demoアプリケーションのモジュールです。これには、Fusion Webアプリケーションに統合されたMicrosoft Excelワークブックがいくつか含まれています。

この章の内容は次のとおりです。

2.1 Master Price Listモジュールについて

Master Price Listモジュールを使用すると、エンド・ユーザーはストアフロント・タイプのWebアプリケーションを通じて販売される電子機器に関する情報(製品名、価格など)をダウンロードできます。エンド・ユーザーはダウンロード可能な情報を検索したり、価格情報の変更、および変更された情報のFusion Webアプリケーションへのアップロードを行うことができます。

Master Price Listモジュールを設定して実行する前に、開発環境を設定してください。開発環境を設定した後に、Master Price Listモジュールを含むFusion Order Demoアプリケーションをダウンロードできます。

2.2 Master Price Listモジュールの設定および実行

Master Price Listモジュールを実行できるように、第3章「開発環境の設定」の説明に従って開発環境を設定します。

開発環境を設定したら、Master Price Listモジュールを含むFusion Order Demoアプリケーションをダウンロードします。Fusion Order Demoアプリケーションのダウンロードの詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Application Development Framework Fusion開発者ガイド』の「アプリケーション・リソースのダウンロード方法」の項を参照してください。

Fusion Order Demoアプリケーションには、Infrastructureというディレクトリがあります。このディレクトリには、Fusion Order DemoアプリケーションとMaster Price Listモジュールが必要とするユーザーおよびデータを作成するスクリプトが含まれています。これらのスクリプトの実行方法の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Application Development Framework Fusion開発者ガイド』の「Fusion Order Demoスキーマのインストール方法」の項を参照してください。


注意:

旧バージョンのADFデスクトップ統合がシステムにインストールされている場合、次の作業を行います。
  1. ADFデスクトップ統合のアップグレード(詳細は3.7項「ADFデスクトップ統合のアップグレード」を参照)

  2. Fusion Order Demoスキーマのリフレッシュ(詳細は『Oracle Fusion Middleware Oracle Application Development Framework Fusion開発者ガイド』の「Fusion Order Demoスキーマのインストール方法」の項を参照)


Master Price Listモジュールを実行するには:

  1. JDeveloperでMasterPriceList.jwsファイルを開きます。

    このファイルは、Fusion Order Demoアプリケーションの抽出先ディレクトリのMasterPriceListサブディレクトリにあります。

  2. アプリケーション・ナビゲータで、「アプリケーション・リソース」アコーディオン・タイトルをクリックしてウィンドウを展開します。

  3. 「アプリケーション・リソース」ウィンドウで、「接続」 > 「データベース」 > 「FOD」を選択します。

  4. FOD接続を右クリックして、「プロパティ」を選択します。

  5. 「データベース接続の編集」ダイアログで、使用する環境の表2-1にある接続情報を変更します。

    表2-1 Master Price Listモジュールのデータベース接続プロパティ

    プロパティ 説明

    ホスト名

    データベースのホスト名。例:

    localhost

    JDBCポート

    データベースのポート。例:

    1521

    SID

    データベースのSID。例:

    ORCLまたはXE


    ユーザー名とパスワードfod/fusionは変更しないでください。これらはそのままにしておく必要があります。「接続のテスト」をクリックしてエラー・メッセージが表示された場合は、メッセージを無視します。

    「OK」をクリックして、ダイアログを閉じます。

  6. アプリケーション・ナビゲータで、「プロジェクト」・アコーディオン・タイトルをクリックしてウィンドウを展開します。

  7. 「モデル」を右クリックして、Model.jprのリビルドを選択します。

  8. ViewControllerを右クリックして、ViewController.jprのリビルドを選択します。

  9. ViewControllerプロジェクトを展開して、「Webコンテンツ」 > 「login.jspx」を選択します。

  10. login.jspxを右クリックして、「実行」を選択します。

  11. 「開始ビュー・アクティビティの選択」ダイアログで、「ログイン」を選択して「OK」をクリックします。

  12. 「ログイン」ページで、「ユーザー名」フィールドにsking「パスワード」フィールドにwelcome1とそれぞれ入力します。マネージャとしてログオンするには、「ユーザー名」フィールドにahunold「パスワード」フィールドにwelcome1とそれぞれ入力します。ユーザーの詳細は、2.3.1項「Master Price ListモジュールでのFusion Webアプリケーションへのログオン」を参照してください。

    2.3.3項「統合Excelワークブックのダウンロード」の説明に従って、統合Excelワークブックをダウンロードできます。2.4章「Master Price Listモジュールでの統合Excelワークブックの概要」の説明にあるように、ワークブックを開いてMaster Price ListモジュールがデプロイされるFusion Webアプリケーションに接続します。

2.3 Master Price ListモジュールでのFusion Webアプリケーションの概要

Master Price ListモジュールのFusion Webアプリケーションを使用すると、エンド・ユーザーは製品のリストを編集して検索したり、製品の検索や統合Excelワークブックのダウンロード、列のソートおよび再順序付けなどが行えます。

2.3.1 Master Price ListモジュールでのFusion Webアプリケーションへのログオン

エンド・ユーザーがJDeveloperでMaster Price List Fusion Webアプリケーションを実行する際、Master Price ListモジュールがOracle WebLogic Serverにデプロイされた後にデフォルトのブラウザでログイン・ページが開きます。

図2-1 Master Price List Fusion Webアプリケーションのログイン・ダイアログ

Fusion Webアプリケーションのログイン・ページ

Master Price Listモジュールには、Fusion Webアプリケーションにログオンするための2つのユーザー・プロファイルがあります。表2-2は、両方のユーザー・プロファイルの概要です。

表2-2 Master Price Listモジュールのユーザー・プロファイル

ログイン名 パスワード ロール 説明

sking

welcome1

管理者

情報にアクセスして変更できます。

ahunold

welcome1

マネージャ

情報にアクセスできますが、変更はできません。


ログインの資格証明が検証された後、エンド・ユーザーはMaster Price List Fusion Webアプリケーションのホーム・ページにリダイレクトされます。

2.3.2 Master Price ListモジュールでのFusion Webアプリケーションの概要

Master Price List Fusion Webアプリケーションは、製品の検索、一致する製品、製品の詳細、アクティブなディスカウントの4つのウィンドウに分けられます。

図2-2 Master Price List Fusion WebアプリケーションのWebインタフェース

MPL WebアプリケーションのWebインタフェース

製品の検索ウィンドウは、アプリケーション・リポジトリ内の製品を検索するタブがあります。製品の検索ウィンドウはアコーディオン型のウィンドウで、必要に応じて非表示にすることができます。

一致する製品ウィンドウには、製品の検索ウィンドウで設定した検索条件に応じて、製品が表形式で表示されます。デフォルトではすべての製品が表示されます。エンド・ユーザーは、一致する製品ウィンドウのツールバーを使用して、統合Excelワークブックのダウンロードや、昇順または降順による列のソート、列を非表示にするなど、様々な処理を行えます。

製品の詳細ウィンドウには、一致する製品ウィンドウで選択した製品の詳細な情報が表示されます。表で使用可能な属性の情報や、製品の仕入先、製品の現在の在庫状況、グラフによる各月の製品の販売といった補足情報が含まれます。

アクティブなディスカウントウィンドウは、独立したウィンドウです。使用可能な製品のディスカウントやディスカウントのコード、割引率が表示されます。

2.3.3 統合Excelワークブックのダウンロード

Master Price Listモジュールには、異なる要件を満たすために様々な統合Excelワークブックが用意されています。エンド・ユーザーは、ツールバーのExcelメニューから統合Excelワークブックをダウンロードできます。

図2-3 一致する製品ツールバーのExcelメニュー

Master Price ListモジュールのExcelメニュー

表2-3で各メニュー・オプションについて説明します。

表2-3 Excelダウンロード・メニューのオプション

メニュー・オプション 説明

読取り専用のスプレッドシートとしてエクスポート

すべての製品表データをスプレッドシートにエクスポートします。このスプレッドシートは、統合Excelワークブックではありません。

エクスポートされたファイルは、read_only_pricelist.xlsとして保存されます。

ライブ・スプレッドシートを使用して編集

共通データの編集および更新を可能にする統合Excelワークブックをダウンロードします。

ダウンロードされたファイルは、EditPriceList.xlsxとして保存されます。

拡張ライブ・スプレッドシートを使用して編集

すべてのデータの編集および更新を可能にする統合ワークブックをダウンロードします。

ダウンロードされたファイルは、AdvEditPriceList.xlsxとして保存されます。

ライブ・スプレッドシートを使用して表示および問合せ

すべての製品の表示、および必要に応じて製品の検索を可能にする統合ワークブックをダウンロードします。この統合Excelワークブックでは、データの編集や更新はできません。

ダウンロードされたファイルは、ReadOnlyPriceList.xlsxとして保存されます。


2.4 Master Price Listモジュールでの統合Excelワークブックの概要

Master Price Listモジュールには、EditPriceList.xlsxAdvEditPriceList.xlsxReadOnlyPriceList.xlsxという統合Excelワークブックが用意されています。すべてのワークブックは、エンド・ユーザーが次のことを実行できるようにします。

さらに、EditPriceList.xlsxAdvEditPriceList.xlsxのワークブックを使用して、エンド・ユーザーは次のことができます。

この章の次の項では、ワークブックの機能の詳細な情報と実装の詳細への参照を提供します。

2.4.1 統合ExcelワークブックからのFusion Webアプリケーションへのログオン

実行時には、Master Price Listモジュールの統合Excelワークブックで、Excelリボン・タブがレンダリングされ、エンド・ユーザーはこれを使用してFusion Webアプリケーションにログオンできます。図2-4は、EditPriceList.xlsxワークブックのリボンにある実行時のFusion Order Demoタブを示します。

図2-4 実行時のFusion Order Demoタブ

実行時のEditPriceList-DT.xlsxのFODタブ

EditPriceList.xlsxワークブックでは、エンド・ユーザーが「ログイン」をクリックするか、Fusion Webアプリケーションへの接続が必要なアクションを起動すると、Fusion Webアプリケーションにログオンするようにプロンプトが表示されます。EditPriceList.xlsxワークブックのワークシートStartupイベントはADF表コンポーネントのDownloadアクションを起動するため、エンド・ユーザーはEditPriceList.xlsxワークブックを起動した直後にログオンするよう求められます。

「ログイン」ボタンは、ワークブックのLoginアクションを起動します。「ログイン」ボタン(および図2-4の他のボタン)の構成の詳細は、8.3項「実行時リボン・タブの構成」を参照してください。

ワークブックのLoginアクションは、Fusion Webアプリケーションの認証プロセスを起動します。この機能の実装の詳細は、第11章「統合Excelワークブックの保護」を参照してください。

Master Price Listモジュールには、表2-2に示すように、アプリケーションにログインするための2つのユーザー・プロファイルがあります。

2.4.2 製品価格についてのデータ行のダウンロード

EditPriceList.xlsxワークブックでは、ADF表コンポーネントを使用して、Fusion Webアプリケーションからダウンロードされた製品価格情報をホストします。このコンポーネントを使用して、エンド・ユーザーは行を編集し、変更した行をFusion Webアプリケーションにアップロードできます。

次の項では、ダウンロード機能の実装方法の詳細を説明します。

ReadOnlyPriceList.xlsxワークブックでは、ADF読取り専用表コンポーネントを使用して、Fusion Webアプリケーションから製品価格情報をダウンロードします。エンド・ユーザーはこのデータを見ることはできますが、データを変更したり、変更をFusion Webアプリケーションに保存することはできません。

次の項では、ReadOnlyPriceList.xlsxワークブックのダウンロード機能を実装する方法の詳細を説明します。

2.4.3 ワークブック内の製品の単純検索

統合Excelワークブックには、エンド・ユーザーに検索フォームを提供するために構成されたADFコンポーネントがあります。エンド・ユーザーはフォームに検索語句を入力して、Fusion Webアプリケーション上で問合せを起動し、結果をワークブックにダウンロードできます。図2-5は、EditPriceList.xlsxワークブックでのこれらのコンポーネントの実行時のビューを示します。

図2-5 EditPriceList.xlsxワークブックでの単純検索フォームの実行時ビュー

単純検索フォームの実行時のビュー

次の項では、EditPriceList.xlsxワークブックで使用可能な単純検索フォームの実装方法について説明します。

2.4.4 Edit Price Listワークブック内の製品の拡張検索

EditPriceList.xlsxAdvEditPriceList.xlsxの各ワークブックには、構成済の検索機能があり、エンド・ユーザーはこれを使用してFusion Webアプリケーションからページを起動したり、検索条件の指定、または結果をワークブックのADF表コンポーネントにダウンロードすることができます。図2-6は、エンド・ユーザーが「拡張検索」ボタンをクリックすると起動できるFusion Webアプリケーションのページを示します。

図2-6 EditPriceList.xlsxワークブックの拡張検索ダイアログ

拡張検索ダイアログ

EditPriceList.xlsxワークブックで拡張検索機能を実装する方法の詳細は、8.6項「統合Excelワークブックの拡張検索フォームの作成方法」を参照してください。

2.4.5 Edit Price Listワークブック内の製品価格情報の変更

EditPriceList.xlsxワークブックおよびAdvEditPriceList.xlsxワークブックのエンド・ユーザーは、ADF表コンポーネントがFusion Webアプリケーションからダウンロードする製品価格情報を編集できます。UpdateComponentプロパティが構成されている実行時ADF表コンポーネントの列を使用して、エンド・ユーザーは値を変更したり、変更をFusion Webアプリケーションにアップロードできます。たとえば、エンド・ユーザーはProductIdProductNameCostPriceの列に表示される値を変更できます。

エンド・ユーザーは、他の列のセルに値を入力したり、表示される値を変更できます。ただし、ADF表コンポーネントはこれらの変更をFusion Webアプリケーションにアップロードしません。これは、これらの列のいくつかでは、Fusion Webアプリケーションからダウンロードされた値を使用してExcel式を評価した結果が表示されるためです。こうした列では、読取り専用形式を使用して、他の列と区別する必要があります。たとえば、Difference列にリスト価格から原価を差し引くExcel式の結果が表示される場合、読取り専用形式を使用して、他の入力列と簡単に区別できるようにします。

StatusChangedなど他の列は、ADF表コンポーネントに表示されて、アップロード操作や変更された列のステータス情報を提供します。

次の項では、この機能の実装方法の詳細を説明します。

2.4.6 Fusion Webアプリケーションへの変更済の製品情報のアップロード

EditPriceList.xlsxワークブックとAdvEditPriceList.xlsxワークブックを使用すると、エンド・ユーザーはADF表コンポーネントの変更済データをFusion Webアプリケーションにアップロードできます。アクション・セットが、ADF表コンポーネントのUploadアクションを起動する実行時「変更の保存」ボタン用に構成されています。この機能の実装の詳細は、7.8項「ADF表コンポーネントから変更をアップロードするためのADFコンポーネントの構成」を参照してください。


ヒント:

Fusion Order Demoタブのサーバーへのアップロードボタンを使用して、変更されたデータをアップロードすることもできます。