この項では、このマニュアルで説明するOracle TimesTen In-Memory Database 11gリリース2(11.2.2)の新機能を説明し、詳細情報へのリンクを示します。
DDLReplicationLevel
およびDDLReplicationAction
接続属性は、DDL文によって作成または削除されるどのオブジェクトがアクティブ・スタンバイ・ペアのレプリケーション・スキームに関連するデータベースに自動的にレプリケートされるかを制御します。このリリースでは、DDLReplicationLevel
接続属性の新しいレベル3 (デフォルトではない)により、CREATE VIEW
またはDROP VIEW
文、CREATE SEQUENCE
またはDROP SEQUENCE
文およびアクティブ・スタンバイ・ペアのキャッシュ・マネージャにOracleパスワードを設定するためのUidPwdSet
組込みプロシージャの実行結果のレプリケーションが追加されています。詳細は、DDLReplicationAction、DDLReplicationLevel、ttCacheUidPwdSetおよびttAdminに関する説明を参照してください。
ユーザー・エラー・ログ・メッセージの新しいRECOVERY
指定は、TimesTen自動リカバリのステータスを報告するメッセージに対応します。これはttDaemonLog
ユーティリティで制御できるカテゴリではないため、メッセージを無効にすることはできません。
Oracle Clusterwareを使用する場合は、ユーザー名またはパスワードの変更後、新しいttCWAdmin -reauthenticate
コマンドを実行して、この新しいユーザー名およびパスワードをOracle Clusterwareで保存できるようにする必要があります。詳細は、『Oracle TimesTen In-Memory Database開発者および管理者ガイド』のOracle Clusterwareを使用した場合のユーザー名またはパスワードの変更に関する説明を参照してください。「ttCWAdmin」も参照してください。
ttIsql edit
コマンドを使用してファイルを編集するか、またはテキスト・エディタでttIsql
コマンドを編集します。ttIsql edit
コマンドは、emacs
、gedit
またはvi
などのテキスト・エディタを起動します。詳細は、『Oracle TimesTen In-Memory Databaseオペレーション・ガイド』のttIsql editコマンドの使用に関する説明を参照してください。「ttIsql」も参照してください。
ttIsql
ユーティリティに、waitforresult
コマンドも含まれるようになりました。このコマンドは、結果が1以上の列の場合を除き、waitfor
コマンドと同様です。「ttIsql」を参照してください。
自動リフレッシュの処理に使用するキャッシュ・エージェントに対する再利用バッファのサイズを管理できます。自動リフレッシュ・キャッシュ・グループを含むアクティブ・スタンバイ・ペア・レプリケーション・スキームを使用する場合、レプリケーション・エージェントに対する再利用バッファのサイズも管理できます。「ttDBConfig」を参照してください。
同時書込み処理中の読取り最適化の制御を有効にするためのツールが追加されました。詳細は、「ttDbWriteConcurrencyModeGet」および「ttDbWriteConcurrencyModeSet」を参照してください。
TimesTenには、データベース・メトリックのスナップショットの収集および比較をサポートするために、ttStats
ユーティリティが追加されています。
cacheAWTMethod
の最初の接続属性の値をttDBConfig
組込みプロシージャによって設定できるようになりました。CacheParAwtBatchSize
パラメータを設定して、1つのバッチに含まれる行数に対するしきい値を構成できます。「ttDBConfig」を参照してください。
月末、四半期末、年度末のトランザクションなど、特定の時期に大規模なトランザクションを実行することがあります。また、短期間の間にOracle Databaseに対して大量のデータを変更または追加する状況もあります。読取り専用の自動リフレッシュ・キャッシュ・グループでは、自動リフレッシュ操作がこれらのいずれかの状況に適用された場合、TimesTenでは永続的な領域が不足する可能性があります。したがって、これらの状況に対して、自動リフレッシュ・トランザクション制限を設定して、大量のデータを分け、複数のより小さいトランザクションに対して適用し、コミットするようにできます。「ttCacheAutorefIntervalStatsGet」および「ttCacheAutorefreshXactLimit」を参照してください。
変更ログ表の長期間の使用や重いワークロードは、表領域の断片化につながります。変更ログ表の断片化による表領域の劣化を防ぐため、TimesTenでは表領域の断片化を計算して、表領域をデフラグし領域を再利用する方法を提供します。詳細は、「ttCacheAutorefreshLogDefrag」を参照してください。
このリリースでは、レコードを再利用するために、トランザクション・コミット・バッファに割り当てられるメモリーの量を指定できます。詳細は、接続属性の「CommitBufferSizeMax」および組込みプロシージャの「ttCommitBufferStats」および「ttCommitBufferStatsReset」を参照してください。
このリリースでは、AutorefreshLogDefrag
組込みプロシージャを使用して、キャッシュ自動リフレッシュ表のトリガー・ログ領域を圧縮できます。「ttCacheAutorefreshLogDefrag」を参照してください。
ttRepAdmin -duplicate
処理で、オプション-localIP
および-remoteIP
を使用して、複製の宛先にローカルIPアドレスまたはリモートIPアドレスを指定できるようになりました。「データベースの複製」を参照してください。
新しいIndex Advisorを使用して、特定のSQLワークロードのパフォーマンスを改善できる可能性のある索引に関する推奨を受け取ることができます。Index Advisorはいくつかの組込みプロシージャで構成されます。Index Advisorを構成するプロシージャは次のとおりです。
新しいツールであるTimesTenキャッシュ・アドバイザを使用することで、Oracle Databaseの顧客が、TimesTen Cacheを使用した場合に既存のOracle Databaseアプリケーションのパフォーマンスを向上できるかどうかを判断できます。Cache Advisorは、Oracle DatabaseアプリケーションのSQL使用率に基づき、TimesTenキャッシュ・グループの定義の推奨値を生成します。詳細は、「ttCacheAdvisor」
を参照してください。
結果を含めるためのキャッシュ・グリッド、キャッシュ・グループ、およびキャッシュ表を作成しないで、SQL問合せの結果をバックエンドのOracle DatabaseからTimesTenの単一表にロードできるようにする、新しいツールが追加されました。TimesTenには、ユーザーが指定するSELECT
文をOracle Databaseで実行し、その結果セットをTimesTenの表にロードするツールが用意されています。ttIsql
ユーティリティが機能拡張されてLoadFromOracle
コマンドが含まれるようになりました。さらに、今回のリリースには2つの新しい組込みプロシージャがこの機能の一部として含まれています。
ttComputeTabSizes
組込みプロシージャの使用により、表の現在の領域使用量を確認できる機能。
新しい自動パラレル・レプリケーションでは、パラレル・レプリケーションおよびトランザクションのアプリケーションによってレプリケーション・スキーム内の受信ノードを変更できるようになりました。パラレル・レプリケーションの詳細は、第1章「接続属性」を参照してください。
AWTキャッシュ表の変更について、対応するOracle Database表へのパラレル伝播を構成できます。パラレル伝播の詳細は、第1章「接続属性」を参照してください。
64ビット・システムでは、LogBufMB
接続属性およびLogFileSize
接続属性の最大値が64GBに増えました。