14.12. Sun Ray クライアントのファームウェアをダウングレードする方法

一般に、Sun Ray クライアントには常に最新のファームウェアをインストールすることをお勧めします。ただし、場合によってはファームウェアを以前のリリースにダウングレードする必要が生じます。

ファームウェアにはそれぞれ独自のバリアーレベル値があり、Sun Ray クライアントのブート時に、クライアントにインストールされているファームウェアよりも Sun Ray サーバーにインストールされているファームウェアのほうが新しいかどうかを判定するために使用されます。通常、Sun Ray クライアントのファームウェアバリアーレベルが Sun Ray サーバーのファームウェアバリアーレベルより低い場合は、Sun Ray クライアントのブート時にクライアントのファームウェアが自動的に更新されます。

Sun Ray クライアントのファームウェアをダウングレードするには、utfwadm コマンドの -F オプションを使用してバリアーレベルを操作し、ダウングレードを強制的に発生させます。このオプションを使用すると、クライアント固有の .parms エントリに BarrierLevel キーが設定されます。

特定の Sun Ray クライアントのファームウェアをダウングレードするには、次の手順を使用します。

  1. インストールするファームウェアが含まれている Sun Ray Software メディアパックをダウンロードして解凍し、Sun Ray サーバーからアクセスできるようにします。

    注記

    5.3 リリースより前の Sun Ray Software リリースでは、Sun Ray クライアントのファームウェアイメージが Sun Ray Software メディアパックに含まれていました。Sun Ray Software 5.3 以降では、ファームウェアイメージは分離されて Sun Ray Operating Software リリースに含まれるようになりました。

    http://www.oracle.com/technetwork/server-storage/sunrayproducts/downloads/index.html を参照してください。

  2. Sun Ray サーバーのスーパーユーザーになります。

  3. Sun Ray クライアントのファームウェアダウングレードを構成します。

    # utfwadm -AVF -e enetAddr -f firmware
    

    ここで、enetAddr はダウングレードする Sun Ray クライアントの MAC アドレス、firmware はファームウェアイメージの相対パスです。ファームウェアイメージは、Sun Ray Software メディアパックのファームウェアパッケージ内にあります。たとえば、Sun Ray Software 5.2 メディアパックでは、srss_4.3/Components/10-SRSS/Content/Sun_Ray_Core_Services_4.3/Solaris_10+/sparc/Packages/SUNWutfw/reloc/SUNWut/lib/firmware ディレクトリにあります。

    このコマンドは、外部の DHCP サーバーをサポートする (ネットワーク構成で utadm -L on を使用している) 共有ネットワーク (LAN) で構成されている Sun Ray サーバー用です。代替ネットワーク構成については、この手順の後の例を参照してください。

  4. Sun Ray クライアントの電源を再投入して、ファームウェアをダウングレードします。

注記

Sun Ray クライアントを更新して、Sun Ray サーバーにインストールされている最新のファームウェアに戻すには、サーバーで次のコマンドを使用してそのクライアントのエントリを .parms ファイルから削除し、Sun Ray クライアントの電源を再投入します。

# utfwadm -DV -e enetAddr
代替ネットワーク構成の例

代替ネットワーク構成には、次の utfwadm コマンド例を使用します。