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Oracle VM Server for SPARC 2.2 管理ガイド Oracle VM Server for SPARC (日本語) |
パート I Oracle VM Server for SPARC 2.2 ソフトウェア
1. Oracle VM Server for SPARC ソフトウェアの概要
3. Oracle VM Server for SPARC のセキュリティー
パート II オプションの Oracle VM Server for SPARC ソフトウェア
13. Oracle VM Server for SPARC 物理から仮想への変換ツール
14. Oracle VM Server for SPARC Configuration Assistant (Oracle Solaris 10)
15. Oracle VM Server for SPARC 管理情報ベース (Management Information Base、MIB) ソフトウェアの使用
Oracle VM Server for SPARC 管理情報ベースの概要
&Manager と Oracle VM Server for SPARC MIB
Oracle VM Server for SPARC MIB オブジェクトツリー
Oracle VM Server for SPARC MIB ソフトウェアのインストールと設定
Oracle VM Server for SPARC MIB ソフトウェアのインストールと設定 (タスクマップ)
Oracle VM Server for SPARC MIB ソフトウェアパッケージのインストール方法
Oracle VM Server for SPARC MIB モジュールを SMA にロードする方法
Oracle VM Server for SPARC MIB ソフトウェアパッケージを削除する方法
Oracle VM Server for SPARC MIB の問い合わせ
Oracle VM Server for SPARC MIB オブジェクトを取得する方法
Oracle VM Server for SPARC MIB 情報の取得
ドメインポリシーテーブル (ldomPolicyTable)
Oracle VM Server for SPARC MIB モジュールトラップの使用
Oracle VM Server for SPARC MIB トラップの説明
仮想コンソール端末集配信装置の変更 (ldomVccChange)
仮想コンソールグループの変更 (ldomVconsChange)
16. Logical Domains Manager の検出
このセクションでは、Oracle VM Server for SPARC MIB に問い合わせることによって論理ドメイン (ドメイン) を監視する方法を説明します。また、さまざまなタイプの MIB について説明します。
このセクションでは、次のトピックについて説明します。
Oracle VM Server for SPARC MIB に問い合わせる前に、使用するシェルの環境変数を設定する必要があります。この手順では、C シェル、Bourne シェル、および Korn シェルの環境変数を設定する方法を説明します。
% setenv PATH /usr/sfw/bin:$PATH % setenv MIBDIRS /opt/SUNWldmib/lib/mibs:/etc/sma/snmp/mibs % setenv MIBS +SUN-LDOM-MIB
$ PATH=/usr/sfw/bin:$PATH; export PATH $ MIBDIRS=/opt/SUNWldmib/lib/mibs:/etc/sma/snmp/mibs; export MIBDIRS $ MIBS=+SUN-LDOM-MIB; export MIBS
システムに多数のドメインがある場合、SNMP 要求への応答が可能になる前に、SNMP エージェントがタイムアウトする可能性があります。タイムアウト値を増やすには、-t オプションを使用して、より長いタイムアウト値を指定します。たとえば、次の snmpwalk コマンドはタイムアウト値を 20 秒に設定します。
# snmpwalk -t 20 -v1 -c public localhost SUN-LDOM-MIB::ldomTable
また、-t オプションを使用して、snmpget コマンドおよび snmptable コマンドのタイムアウト値も指定できます。
# snmpget -v version -c community-string host MIB-object
snmpwalk コマンドまたは snmptable コマンドを使用します。
# snmpwalk -v version -c community-string host MIB-object # snmptable -v version -c community-string host MIB-object
例 15-1 単一の Oracle VM Server for SPARC MIB オブジェクトの取得 (snmpget)
次の snmpget コマンドは ldomVersionMajor オブジェクトの値を問い合わせます。このコマンドは、ホスト localhost に snmpv1 (-v1) とコミュニティー文字列 (-c public) を指定します。
# snmpget -v1 -c public localhost SUN-LDOM-MIB::ldomVersionMajor.0 SUN-LDOM-MIB::ldomVersionMajor.0 = INTEGER: 1
例 15-2 ldomTable からのオブジェクト値の取得 (snmpwalk)
次の例は、snmpwalk コマンドを使用して ldomTable からオブジェクト値を取得する方法を示しています。
次の snmpwalk -v1 コマンドは、ldomTable テーブルのすべてのオブジェクトの値を返します。
# snmpwalk -v1 -c public localhost SUN-LDOM-MIB::ldomTable SUN-LDOM-MIB::ldomName.1 = STRING: primary SUN-LDOM-MIB::ldomName.2 = STRING: LdomMibTest_1 SUN-LDOM-MIB::ldomAdminState.1 = INTEGER: 0 SUN-LDOM-MIB::ldomAdminState.2 = INTEGER: 0 SUN-LDOM-MIB::ldomOperState.1 = INTEGER: active(1) SUN-LDOM-MIB::ldomOperState.2 = INTEGER: bound(6) SUN-LDOM-MIB::ldomNumVCpu.1 = INTEGER: 32 SUN-LDOM-MIB::ldomNumVCpu.2 = INTEGER: 2 SUN-LDOM-MIB::ldomMemSize.1 = INTEGER: 3968 SUN-LDOM-MIB::ldomMemSize.2 = INTEGER: 256 SUN-LDOM-MIB::ldomMemUnit.1 = INTEGER: megabytes(2) SUN-LDOM-MIB::ldomMemUnit.2 = INTEGER: megabytes(2) SUN-LDOM-MIB::ldomNumCrypto.1 = INTEGER: 8 SUN-LDOM-MIB::ldomNumCrypto.2 = INTEGER: 0 SUN-LDOM-MIB::ldomNumIOBus.1 = INTEGER: 2 SUN-LDOM-MIB::ldomNumIOBus.2 = INTEGER: 0 SUN-LDOM-MIB::ldomUUID.1 = STRING: c2c3d93b-a3f9-60f6-a45e-f35d55c05fb6 SUN-LDOM-MIB::ldomUUID.2 = STRING: af0b05f0-d262-e633-af32-a6c4e81fb81c SUN-LDOM-MIB::ldomMacAddress.1 = STRING: 00:14:4f:86:63:2a SUN-LDOM-MIB::ldomMacAddress.2 = STRING: 00:14:4f:fa:78:b9 SUN-LDOM-MIB::ldomHostID.1 = STRING: 0x8486632a SUN-LDOM-MIB::ldomHostID.2 = STRING: 0x84fa78b9 SUN-LDOM-MIB::ldomFailurePolicy.1 = STRING: ignore SUN-LDOM-MIB::ldomFailurePolicy.2 = STRING: ignore SUN-LDOM-MIB::ldomMaster.1 = STRING: SUN-LDOM-MIB::ldomMaster.2 = STRING:
次の snmpwalk コマンドは、snmpv2c と snmpv3 を使用して、ldomTable の内容を取得します。
# snmpwalk -v2c -c public localhost SUN-LDOM-MIB::ldomTable # snmpwalk -v 3 -u test -l authNoPriv -a MD5 -A testpassword localhost \ SUN-LDOMMIB::ldomTable
例 15-3 ldomTable からのオブジェクト値の表形式での取得 (snmptable)
次の例は、snmptable コマンドを使用して ldomTable からオブジェクト値を表形式で取得する方法を示しています。
次の snmptable -v1 コマンドは、ldomTable の内容を表形式で表示します。
# snmptable -v1 -c public localhost SUN-LDOM-MIB::ldomTable
次の snmptable コマンドは、snmpv2c を使用して、ldomTable の内容を表形式で表示します。
v2c または v3 snmptable コマンドの場合、-CB オプションを使用して、GETBULK ではなく GETNEXT 要求だけを指定し、データを取得することに注意してください。
# snmptable -v2c -CB -c public localhost SUN-LDOM-MIB::ldomTable
このセクションでは、Oracle VM Server for SPARC MIB から表またはスカラーオブジェクトの形式で取得できる情報について説明します。
ldomTable は、システムの各ドメインを表すときに使用されます。情報には、仮想 CPU、メモリー、暗号化装置、および I/O バスのリソース制約が含まれます。このテーブルには、汎用一意識別子 (UUID)、MAC アドレス、ホスト ID、障害ポリシー、マスタードメインなどのドメイン情報が含まれます。
表 15-1 ドメインテーブル (ldomTable)
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ldomEnvVarsTable は、すべてのドメインが使用する OpenBoot PROM 環境変数を示します。
表 15-2 環境変数テーブル (ldomEnvVarsTable)
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ldomPolicyTable は、すべてのドメインに適用される動的リソース管理 (DRM) ポリシーを示します。
表 15-3 ドメインポリシーテーブル (ldomPolicyTable)
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ldomSPConfigTable は、すべてのドメインのサービスプロセッサ (SP) 設定を示します。
表 15-4 サービスプロセッサ設定テーブル (ldomSPConfigTable)
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次のリソースをドメインに割り当てられます。
仮想 CPU (vcpu)
メモリー (mem)
暗号化装置 (mau)
仮想スイッチ (vsw)
仮想ネットワーク (vnet)
仮想ディスクサーバー (vds)
仮想ディスクサーバーデバイス (vdsdev)
仮想ディスク (vdisk)
仮想コンソール端末集配信装置 (vcc)
仮想コンソール (vcons)
物理 I/O デバイス (io)
次のスカラー MIB 変数は、リソースプールとそれらのプロパティーを表すために使用します。
表 15-5 CPU リソースプールのスカラー変数
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表 15-6 メモリーリソースプールのスカラー変数
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表 15-7 暗号化リソースプールのスカラー変数
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表 15-8 I/O バスリソースプールのスカラー変数
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ldomVcpuTable は、すべてのドメインが使用する仮想 CPU を示します。
表 15-9 仮想 CPU テーブル (ldomVcpuTable)
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ドメインのメモリー空間は、実メモリーとして参照されます。つまり、これは仮想メモリーです。ハイパーバイザで検出されるホストプラットフォームのメモリー空間は、物理メモリーとして参照されます。ハイパーバイザは、物理メモリーのブロックを割り当てて、ドメインで使用される実メモリーのブロックを形成します。
次の例では、要求された記憶域サイズが、単一の大きなメモリーブロックに割り当てられる代わりに、2 つのメモリーブロックに分けられることを示しています。たとえば、ドメインが 521M バイトの実メモリーを要求しているとします。メモリーには、{physical-address, real-address, size} 形式を使用して、ホストシステム上の 256M バイトの 2 つのブロックを物理メモリーとして割り当てられます。
{0x1000000, 0x1000000, 256}, {0x2000000, 0x2000000,256}
ドメインには、ゲストドメインに割り当てられる物理メモリーセグメントを 64 個まで構成できます。したがって、各メモリーセグメントを保持するには、表示文字列ではなく、補助テーブルが使用されます。表示文字列には、255 文字の制限があります。
ldomVmemTable は、ドメインが使用する仮想メモリーのプロパティーを示します。
表 15-10 仮想メモリーテーブル (ldomVmemTable)
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ldomVmemPhysBindTable は、すべてのドメインの物理メモリーセグメントを含む補助テーブルです。
表 15-11 仮想メモリーの物理バインディングテーブル (ldomVmemPhysBindTable)
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仮想ディスクサービス (vds) とこれに割り当てられた物理デバイス (vdsdev) によって、仮想ディスク機能が Oracle VM Server for SPARC テクノロジで実現できます。仮想ディスクサービスは、いくつかのローカルボリューム (物理ディスクまたはファイルシステム) をエクスポートします。仮想ディスクサービスが指定された場合、次のものが含まれます。
補助デバイス (vdsdev) の完全な /dev パス
サービスに追加されるデバイスの一意の名前 (ボリューム名)
1 つのディスクサービスには、1 つ以上のディスク、ディスクスライス、およびファイルシステムをバインドできます。各ディスクには、一意の名前とボリューム名があります。このボリューム名は、ディスクがサービスにバインドされるときに使用されます。Logical Domains Manager は、仮想ディスクサービスとその論理ボリュームから仮想ディスククライアント (vdisk) を作成します。
ldomVdsTable は、すべてのドメインの仮想ディスクサービスを示します。
表 15-12 仮想ディスクサービステーブル (ldomVdsTable)
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ldomVdsdevTable は、すべての仮想ディスクサービスが使用する仮想ディスクサービスデバイスを示します。
表 15-13 仮想ディスクサービスデバイステーブル (ldomVdsdevTable)
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ldomVdiskTable は、すべてのドメインの仮想ディスクを示します。
表 15-14 仮想ディスクテーブル (ldomVdiskTable)
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次の図は、仮想ディスクテーブルとドメインテーブルの間の関係を定義するために、インデックスがどのように使用されるかを示しています。インデックスは、次のように使用されます。
ldomVdsTable および ldomVdiskTable の ldomIndex は ldomTable を指します。
ldomVdsdevTable の VdsIndex は ldomVdsTable を指します。
ldomVdiskTable の VdsDevIndex は ldomVdsdevTable を指します。
図 15-3 仮想ディスクテーブルとドメインテーブルとの関係
Oracle VM Server for SPARC 仮想ネットワークサポートにより、ゲストドメインは物理 Ethernet デバイスを介して相互に通信したり、外部ホストと通信したりすることができます。仮想ネットワークには、次の主要コンポーネントが含まれています。
仮想スイッチ (vsw)
仮想ネットワークデバイス (vnet)
サービスドメイン上に仮想スイッチを作成したあとで、物理ネットワークデバイスを仮想スイッチにバインドできます。その後、通信に仮想スイッチサービスを使用するドメイン向けに、仮想ネットワークデバイスを作成できます。仮想スイッチサービスは、同じ仮想スイッチに接続することで、ほかのドメインと通信します。物理デバイスが仮想スイッチにバインドされている場合、仮想スイッチサービスは外部ホストと通信します。
ldomVswTable は、すべてのドメインの仮想スイッチサービスを示します。
表 15-15 仮想スイッチサービステーブル (ldomVswTable)
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ldomVnetTable は、すべてのドメインの仮想ネットワークデバイスを示します。
表 15-16 仮想ネットワークデバイステーブル (ldomVnetTable)
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Oracle VM Server for SPARC サービスドメインは、仮想ネットワーク端末サービス (vNTS) を提供します。vNTS は、仮想コンソール端末集配信装置 (vcc) と呼ばれる仮想コンソールサービスを幅広いポート番号とともに提供します。それぞれの仮想コンソール端末集配信装置は複数のコンソールグループ (vcons) を持ち、各グループにはポート番号が割り当てられています。各グループには複数のドメインを含めることができます。
ldomVccTable は、すべてのドメインの仮想コンソール端末集配信装置を示します。
表 15-17 仮想コンソール端末集配信装置テーブル (ldomVccTable)
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ldomVconsTable は、すべての仮想コンソールサービスの仮想コンソールグループを示します。
表 15-18 仮想コンソールグループテーブル (ldomVconsTable)
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ldomVconsVccRelTable には、ドメイン、仮想コンソール端末集配信装置、およびコンソールグループのテーブル間の関係を示すインデックス値を含まれています。
表 15-19 仮想コンソール関係テーブル (ldomVconsVccRelTable)
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次の図は、仮想コンソールテーブルとドメインテーブルの間の関係を定義するために、インデックスがどのように使用されるかを示しています。インデックスは、次のように使用されます。
ldomVccTable および ldomVconsVccRelTable の ldomIndex は ldomTable を指します。
ldomVconsVccRelTable の VccIndex は ldomVccTable を指します。
ldomVconsVccRelTable の VconsIndex は ldomVconsTable を指します。
図 15-4 仮想コンソールテーブルとドメインテーブルとの関係
ldomCryptoTable は、すべてのドメインが使用する暗号化装置を示します。暗号化装置は、モジュラー演算ユニット (Modular Arithmetic Unit、MAU) と呼ばれる場合があります。
表 15-20 暗号化装置テーブル (ldomCryptoTable)
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ldomIOBusTable は、すべてのドメインが使用する物理 I/O デバイスと PCI バスを示します。
表 15-21 I/O バステーブル (ldomIOBusTable)
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ldomCoreTable は、すべてのドメインのコア情報 (core-id、cpuset など) を示します。
表 15-22 コアテーブル (ldomCoreTable)
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Logical Domains Manager プロトコルは、メジャー番号とマイナー番号から構成される Logical Domains バージョンをサポートしています。Oracle VM Server for SPARC MIB には、Logical Domains バージョン情報を示すスカラー変数が設定されています。
表 15-23 Logical Domains バージョン情報のスカラー変数
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ldomVersionMajor と ldomVersionMinor の値は、ldm list -p コマンドによって表示されるバージョンと同等です。たとえば、次のように表示されます。
$ ldm ls -p VERSION 1.6 ... $ snmpget -v1 -c public localhost SUN-LDOM-MIB::ldomVersionMajor.0 SUN-LDOM-MIB::ldomVersionMajor.0 = INTEGER: 1 $ snmpget -v1 -c public localhost SUN-LDOM-MIB::ldomVersionMinor.0 SUN-LDOM-MIB::ldomVersionMinor.0 = INTEGER: 5