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Oracle VM Server for SPARC 2.2 管理ガイド Oracle VM Server for SPARC (日本語) |
パート I Oracle VM Server for SPARC 2.2 ソフトウェア
1. Oracle VM Server for SPARC ソフトウェアの概要
3. Oracle VM Server for SPARC のセキュリティー
物理ディスクスライスを仮想ディスクとしてエクスポートする方法
フルディスクとしてエクスポートされるファイルまたはボリューム
1 つのスライスディスクとしてエクスポートされるファイルまたはボリューム
CD または DVD をサービスドメインからゲストドメインにエクスポートする方法
primary ドメインから ISO イメージをエクスポートしてゲストドメインをインストールする方法
ZFS ボリュームまたは ZFS ファイルをゲストドメインに割り当てる方法
Logical Domains 環境でのボリュームマネージャーの使用
Solaris Volume Manager での仮想ディスクの使用
仮想ディスクでの Solaris Volume Manager の使用
パート II オプションの Oracle VM Server for SPARC ソフトウェア
13. Oracle VM Server for SPARC 物理から仮想への変換ツール
14. Oracle VM Server for SPARC Configuration Assistant (Oracle Solaris 10)
15. Oracle VM Server for SPARC 管理情報ベース (Management Information Base、MIB) ソフトウェアの使用
16. Logical Domains Manager の検出
仮想ディスクバックエンドは、仮想ディスクのデータの格納場所です。バックエンドには、ディスク、ディスクスライス、ファイル、またはボリューム (ZFS、Solaris Volume Manager、VxVM など) を使用できます。バックエンドは、バックエンドをサービスドメインからエクスポートする際に slice オプションを設定するかどうかに応じて、フルディスクまたは 1 つのスライスディスクのいずれかとしてゲストドメインに表示されます。デフォルトでは、仮想ディスクバックエンドは読み取りおよび書き込み可能なフルディスクとして排他的でない状態でエクスポートされます。
物理ディスクまたはディスク LUN は、常にフルディスクとしてエクスポートされます。この場合、仮想ディスクドライバ (vds および vdc) は仮想ディスクからの入出力を転送し、物理ディスクまたはディスク LUN へのパススルーとして動作します。
slice オプションを設定せずにそのディスクのスライス 2 (s2) に対応するデバイスをエクスポートすると、物理ディスクまたはディスク LUN はサービスドメインからエクスポートされます。slice オプションを指定してディスクのスライス 2 をエクスポートすると、ディスク全体ではなくこのスライスのみがエクスポートされます。
たとえば、物理ディスク c1t48d0 を仮想ディスクとしてエクスポートするには、そのディスクのスライス 2 (c1t48d0s2) をエクスポートする必要があります。
primary# ldm add-vdsdev /dev/dsk/c1t48d0s2 c1t48d0@primary-vds0
たとえば、ディスク pdisk をゲストドメイン ldg1 に割り当てます。
primary# ldm add-vdisk pdisk c1t48d0@primary-vds0 ldg1
フルディスクとは、8 つのスライスを持つ通常のディスクのことです。
確認するディスクが c0d1 の場合、次のようになります。
ldg1# ls -1 /dev/dsk/c0d1s* /dev/dsk/c0d1s0 /dev/dsk/c0d1s1 /dev/dsk/c0d1s2 /dev/dsk/c0d1s3 /dev/dsk/c0d1s4 /dev/dsk/c0d1s5 /dev/dsk/c0d1s6 /dev/dsk/c0d1s7
物理ディスクスライスは、常に 1 つのスライスディスクとしてエクスポートされます。この場合、仮想ディスクドライバ (vds および vdc) は仮想ディスクから入出力を転送し、物理ディスクスライスへのパススルーとして動作します。
物理ディスクスライスは、対応するスライスデバイスをエクスポートすることで、サービスドメインからエクスポートされます。デバイスがスライス 2 と異なる場合は、slice オプションの指定の有無にかかわらず、自動的に 1 つのスライスディスクとしてエクスポートされます。デバイスがディスクのスライス 2 である場合は、slice オプションを設定して、スライス 2 のみを 1 つのスライスディスクとしてエクスポートする必要があります。このようにしないと、ディスク全体がフルディスクとしてエクスポートされます。
たとえば、物理ディスク c1t57d 0 のスライス 0 を仮想ディスクとしてエクスポートするには、そのスライス (c1t57d0s0) に対応するデバイスを次のようにエクスポートする必要があります。
primary# ldm add-vdsdev /dev/dsk/c1t57d0s0 c1t57d0s0@primary-vds0
スライスは常に 1 つのスライスディスクとしてエクスポートされるため、slice オプションを指定する必要はありません。
たとえば、ディスク pslice をゲストドメイン ldg1 に割り当てます。
primary# ldm add-vdisk pslice c1t57d0s0@primary-vds0 ldg1
ldg1# ls -1 /dev/dsk/c0d13s* /dev/dsk/c0d13s0 /dev/dsk/c0d13s1 /dev/dsk/c0d13s2 /dev/dsk/c0d13s3 /dev/dsk/c0d13s4 /dev/dsk/c0d13s5 /dev/dsk/c0d13s6 /dev/dsk/c0d13s7
デバイスは 8 つありますが、そのディスクは 1 つのスライスディスクであるため、使用できるのは 1 番目のスライス (s0) のみです。
# ldm add-vdsdev options=slice /dev/dsk/c1t57d0s2 c1t57d0s2@primary-vds0
ファイルまたはボリューム (たとえば ZFS または Solaris Volume Manager からの) は、slice オプションの指定の有無に応じて、フルディスクまたは 1 つのスライスディスクのいずれかとしてエクスポートされます。
slice オプションを設定しない場合、ファイルまたはボリュームはフルディスクとしてエクスポートされます。この場合、仮想ディスクドライバ (vds および vdc) は仮想ディスクから入出力を転送し、仮想ディスクのパーティション分割を管理します。最終的には、このファイルまたはボリュームは、仮想ディスクのすべてのスライスのデータ、およびパーティション分割とディスク構造の管理に使用されるメタデータを含むディスクイメージになります。
空のファイルまたはボリュームをフルディスクとしてエクスポートすると、未フォーマットのディスク、つまり、パーティションのないディスクとしてゲストドメインに表示されます。このため、ゲストドメインで format コマンドを実行して、使用可能なパーティションを定義し、有効なディスクラベルを書き込む必要があります。ディスクが未フォーマットの間、この仮想ディスクへの入出力はすべて失敗します。
注 - Oracle Solaris 5/08 OS より前のリリースでは、空のファイルが仮想ディスクとしてエクスポートされると、システムによってデフォルトのディスクラベルが書き込まれ、デフォルトのパーティションが作成されていました。Oracle Solaris 5/08 OS リリースではこの処理は行われなくなったため、ゲストドメインで format(1M)を実行してパーティションを作成する必要があります。
service# mkfile 100m /ldoms/domain/test/fdisk0
ファイルのサイズによって、仮想ディスクのサイズが定義されます。この例では、100M バイトの空のファイルを作成して、100M バイトの仮想ディスクを取得しています。
primary# ldm add-vdsdev /ldoms/domain/test/fdisk0 fdisk0@primary-vds0
この例では、slice オプションを設定していないため、ファイルはフルディスクとしてエクスポートされます。
たとえば、ディスク fdisk をゲストドメイン ldg1 に割り当てます。
primary# ldm add-vdisk fdisk fdisk0@primary-vds0 ldg1
フルディスクとは、8 つのスライスを持つ通常のディスクのことです。
次の例は、ディスク c0d5 を表示して、そのディスクがアクセス可能であり、フルディスクであることを確認する方法を示しています。
ldg1# ls -1 /dev/dsk/c0d5s* /dev/dsk/c0d5s0 /dev/dsk/c0d5s1 /dev/dsk/c0d5s2 /dev/dsk/c0d5s3 /dev/dsk/c0d5s4 /dev/dsk/c0d5s5 /dev/dsk/c0d5s6 /dev/dsk/c0d5s7
次の例は、フルディスクとして使用する ZFS ボリューム zdisk0 を作成する方法を示しています。
service# zfs create -V 100m ldoms/domain/test/zdisk0
ボリュームのサイズによって、仮想ディスクのサイズが定義されます。この例では、結果的に 100M バイトの仮想ディスクになる、100M バイトのボリュームを作成します。
primary# ldm add-vdsdev /dev/zvol/dsk/ldoms/domain/test/zdisk0 \ zdisk0@primary-vds0
この例では、slice オプションを設定していないため、ファイルはフルディスクとしてエクスポートされます。
次の例は、ボリューム zdisk0 をゲストドメイン ldg1 に割り当てる方法を示しています。
primary# ldm add-vdisk zdisk0 zdisk0@primary-vds0 ldg1
フルディスクとは、8 つのスライスを持つ通常のディスクのことです。
次の例は、ディスク c0d9 を表示して、そのディスクがアクセス可能であり、フルディスクであることを確認する方法を示しています。
ldg1# ls -1 /dev/dsk/c0d9s* /dev/dsk/c0d9s0 /dev/dsk/c0d9s1 /dev/dsk/c0d9s2 /dev/dsk/c0d9s3 /dev/dsk/c0d9s4 /dev/dsk/c0d9s5 /dev/dsk/c0d9s6 /dev/dsk/c0d9s7
slice オプションを設定すると、ファイルまたはボリュームは 1 つのスライスディスクとしてエクスポートされます。この場合、仮想ディスクには 1 つのパーティション (s0) のみが含まれ、このパーティションが直接ファイルまたはボリュームバックエンドにマップされます。ファイルまたはボリュームには仮想ディスクに書き込まれるデータのみが含まれ、パーティション情報やディスク構造などの追加データは含まれません。
ファイルまたはボリュームが 1 つのスライスディスクとしてエクスポートされると、システムは擬似的なディスクのパーティション分割のシミュレーションを行います。これにより、そのファイルまたはボリュームはディスクスライスとして表示されます。ディスクのパーティション分割のシミュレーションが行われるため、そのディスクに対してパーティションは作成しないでください。
次の例は、ZFS ボリューム zdisk0 を作成して、1 つのスライスディスクとして使用する方法を示しています。
service# zfs create -V 100m ldoms/domain/test/zdisk0
ボリュームのサイズによって、仮想ディスクのサイズが定義されます。この例では、100M バイトのボリュームを作成して、100M バイトの仮想ディスクを取得しています。
primary# ldm add-vdsdev options=slice /dev/zvol/dsk/ldoms/domain/test/zdisk0 \ zdisk0@primary-vds0
次の例は、ボリューム zdisk0 をゲストドメイン ldg1 に割り当てる方法を示しています。
primary# ldm add-vdisk zdisk0 zdisk0@primary-vds0 ldg1
ldg1# ls -1 /dev/dsk/c0d9s* /dev/dsk/c0d9s0 /dev/dsk/c0d9s1 /dev/dsk/c0d9s2 /dev/dsk/c0d9s3 /dev/dsk/c0d9s4 /dev/dsk/c0d9s5 /dev/dsk/c0d9s6 /dev/dsk/c0d9s7
Oracle Solaris 10 5/08 OS より前のリリースでは、slice オプションがなく、ボリュームは 1 つのスライスディスクとしてエクスポートされていました。ボリュームを仮想ディスクとしてエクスポートする構成である場合に、そのシステムを Oracle Solaris 10 5/08 OS にアップグレードすると、ボリュームは 1 つのスライスディスクではなくフルディスクとしてエクスポートされるようになります。アップグレード前の動作を保持して、ボリュームを 1 つのスライスディスクとしてエクスポートするには、次のいずれかを実行する必要があります。
Oracle VM Server for SPARC 2.2 ソフトウェアで ldm set-vdsdev コマンドを使用して、1 つのスライスディスクとしてエクスポートするすべてのボリュームに slice オプションを設定します。このコマンドの詳細は、ldm(1M) マニュアルページを参照してください。
次の行を、サービスドメインの /etc/system ファイルに追加します。
set vds:vd_volume_force_slice = 1
注 - この調整可能なオプションを設定すると、すべてのボリュームが強制的に 1 つのスライスディスクとしてエクスポートされ、ボリュームをフルディスクとしてエクスポートできなくなります。
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3スライスは常に 1 つのスライスディスクとしてエクスポートされます。
このセクションでは、ファイルおよびディスクスライスを仮想ディスクとしてエクスポートする場合のガイドラインを示します。
ループバックファイル (lofi) ドライバを使用すると、ファイルを仮想ディスクとしてエクスポートできます。ただし、これを行うと別のドライバ層が追加され、仮想ディスクのパフォーマンスに影響を及ぼします。代わりに、フルディスクまたは 1 つのスライスディスクとしてファイルを直接エクスポートすることができます。「ファイルおよびボリューム」 を参照してください。
仮想ディスクとしてスライスを直接的に、または Solaris Volume Manager ボリュームを介すなどして間接的にエクスポートするには、prtvtoc コマンドを使用して、スライスが物理ディスクの最初のブロック (ブロック 0) で開始されていないことを確認します。
物理ディスクの最初のブロックから始まるディスクスライスを直接的または間接的にエクスポートする場合は、物理ディスクのパーティションテーブルを上書きして、そのディスクのすべてのパーティションにアクセスできないようにすることもできます。