リファレンス・ガイド

     前  次    新規ウィンドウで目次を開く    PDFとして表示 - 新規ウィンドウ  Adobe Readerを取得 - 新規ウィンドウ
コンテンツはここから始まります

Tuxedo Job Enqueueing Service(TuxJES)

この章では、TuxJES機能に含まれるサーバー、コマンドおよびユーティリティについて説明します。

表1に、TuxJESのコマンドと関数を示します。

表1 TuxJESのサーバー、コマンドおよびユーティリティ
名前
説明
TuxJESシステムのセキュリティ・プロファイルを生成します。
TuxJESコマンド・インタフェース。
TuxJES管理サーバー。
TuxJES変換サーバー。
TuxJESジョブ制御API。
ジョブ・キューをパージします。
TuxJESキュー・システム。
ジョブを実行する特定のOSユーザーを指定します。

 


genjesprofile

名前

genjesprofile – TuxJESシステムのセキュリティ・プロファイルを生成します。

概要

genjesprofile [-f userprofile]

説明

このユーティリティは、TuxJESシステムのセキュリティ・プロファイルを生成します。genjesprofileを起動すると、Oracle Tuxedoアプリケーション・パスワード、ユーザー名、ユーザー・パスワード、およびデータベース接続(MT_DB_LOGIN)を入力するよう求められます。出力されるのはセキュリティ・プロファイル・ファイルです。このファイルにはOracle Tuxedoアプリケーション・パスワード、ユーザー名、ユーザー・パスワードおよびファイル権限「-rw-------」のデータベース接続が含まれます。

注意: 生成されたセキュリティ・プロファイル・ファイルは、artjesadminツールで、Oracle Tuxedoドメインにログインするために使用できます。

パラメータとオプション

genjesprofileでは、次のパラメータとオプションがサポートされます。

[-f <output_file>]

生成されたセキュリティ・プロファイル・ファイルの場所。このオプションを指定しない場合のデフォルト値は~/.tuxAppProfileです。

関連項目

artjesadmin

 


artjesadmin

名前

artjesadmin – TuxJESコマンド・インタフェース。

概要

artjesadmin [-f [security_profile]]

説明

artjesadminは、TuxJESコマンド・インタフェースです。TuxJESシステムが先に開始されている必要があります。

パラメータとオプション

artjesadminでは、以下のパラメータとオプションがサポートされます。

-f

genjesprofileによって生成されるセキュリティ・プロファイル・ファイル。デフォルト値は~/.tuxAppProfileです。セキュリティ・プロファイルの所有者は、必ずartjesadminの実行ユーザーであることが求められます。このプロファイルのユーザー名は、送信されたジョブの所有者です。所有者が指定されていないジョブには、所有者名「*」が割り当てられます。
個別の所有者を持つジョブは、その所有者のみが制御できます。個別の所有者(*)のないジョブは、誰でも制御できます。いかなるユーザーでも、すべてのジョブを出力できます。

artjesadminは、次のサブ・コマンドをサポートします。

submitjob(smj ) [-o='xxx'] -i scriptfile

ジョブをTuxJESシステムに送信します。scriptfileパラメータは、送信されるジョブ・スクリプトです。
注意: artjesadminは、scriptfileの通知を担当しません。変換と実行が同じマシン上にない場合、共有ファイル・システム上にあるはずです。オプションは次のとおりです。
-o='xxx': -iオプションを使用してEJRスクリプトに渡されるオプションを指定します。 -i =scriptfile: スクリプト・ファイル。 正常に呼び出されると、リターン・フォーマットJob xxxが正常に送信されます。エラーが発生した場合、エラー・メッセージが出力されます。artjesadminは、artjesadmin [-o='xxx'] -i scriptfileのフォーマットを使用してジョブの直接送信もサポートします。 表2でリストされているようなエラーが発生する場合、artjesadminにはゼロ以外のリターン・コードが含まれます。

表2 エラー・コード
コード
説明
0
ランタイム・エラーなし
251
ARTJESADMサーバーによって戻されたartjesadminコマンド自体のエラー
252
JES2SUBMITサービス・エラー
その他
EJRノン・ゼロ終了コード

printjob(ptj) -n jobname | -j jobid | -c job_class |-a [-v]

既存のジョブを表示します。オプションが指定されない場合、すべてのジョブを表示します。オプションは次のとおりです。
-n jobname: 指定されたジョブ名を持つジョブを表示します
-j jobid: 個別のジョブ情報を表示します
-c job_class: 個別のクラス・ジョブ情報を表示します
-a: すべてのジョブを表示します
-v: 冗長モード
リスト1 printjobの出力
> ptj -a
JOBNAME 	JobID    Owner    Prty C     Status
 -------- -------- -------- --------- ---------
 cjob     00000015 *           5 A     DONE
 cjob     00000016 *           5 A     DONE
 cjob     00000018 *           5 A     CONVING
total:3
success:3
冗長モードでは、ジョブの詳細情報が表示されます。
オプションを指定しない場合、-aオプションとみなされます。

holdjob(hj) -n job name | -j jobid | -c job_class | -a

CONVINGまたはWAITINGステータスの、指定されたジョブを保留します。オプションは次のとおりです。
-n jobname: 指定されたジョブ名を持つジョブを保留します
-j jobid: 個別のジョブを保留します
-c job_class: 個別のクラス・ジョブを保留します
-a: すべてのジョブを保留します
オプションを指定しない場合、-aオプションとみなされます。

releasejob(rlj) -n job name |-j jobid | -c job_class | -a

ARTJESCONVによる変換、またはARTJESINITIATORによる実行の対象として選択できるように、HOLD_WAITINGまたはHOLD_CONVINGステータスのジョブを解放します。オプションは次のとおりです。
-n jobname: 指定されたジョブ名のジョブを解放します
-j jobid: 個別のジョブを解放します
-c job_class: 個別のクラス・ジョブを解放します
-a: すべてのジョブを解放します
オプションを指定しない場合、-aオプションとみなされます。

canceljob(cj) -n job name |-j jobid | -c job_class l -a

ジョブを取り消して出力キューに送ります。実行中のジョブでは、このコマンドは関連するARTJESINITIATORを通知し、"-k"オプションを使用してEJRを呼び出します。その他のジョブは直接出力キューに送られます。TuxJESシステムは、EJRが返されるとジョブが終了したとみなします。オプションは次のとおりです。
-n jobname: 指定されたジョブ名を持つジョブを取り消します
-j jobid: 個別のジョブを取り消します
-c job_class: 個別のクラス・ジョブを取り消します
-a: すべてのジョブを取り消します
オプションを指定しない場合、-aオプションとみなされます。

purgejob(pgj) -n job name | -j jobid | -a

出力キューの完了されたジョブが、パージ・キューへ移動されます。他のジョブの場合、purgejobが、canceljobと同じ効果を持っています。purgejobコマンドは、ジョブを直接パージしません。ARTJESPURGEサーバーが、TuxJESシステムからジョブを削除します。ARTJESPURGEが開始されない場合、ジョブは出力キューに残ります。
使用できるオプションは次のとおりです。
-n jobname: 指定されたジョブ名を持つジョブをパージします
-j jobid: 個別のジョブをパージします
-a: すべてのジョブをパージします
オプションを指定しない場合、-aオプションとみなされます。

changeconcurrent(chco) -g groupname -i serverid -n concurrent_num

-gと-iオプションで指定されたARTJESINITIATORサーバーの最大同時実行ジョブ数を変更します。変更は、ARTJESINITIATOR サーバーを再起動しなくても有効になります。
使用できるオプションは次のとおりです。
-g groupname: ARTJESINITIATORサーバーのTuxedoグループ名
-i serverid: ARTJESINITIATORサーバーのTuxedoサーバーID
-n concurrent_num: 最大同時実行ジョブ数
変更は永続的ではなく、ARTJESINITIATORサーバーが再起動すると、数がリセットされます。

printconcurrent(pco) -g groupname -i serverid

-gと-iオプションで指定されたARTJESINITIATORサーバーの最大同時実行ジョブ数を表示します。
使用できるオプションは次のとおりです。
-g groupname: ARTJESINITIATORサーバーのTuxedoグループ名
-i serverid: ARTJESINITIATORサーバーのTuxedoサーバーID

event (et) [-t S,C,E,P,A] on|off

このコマンドは、個別のジョブ・イベントをサブスクライブするようにartjesadminに指示します。オプションは次のとおりです。
S: ジョブ送信イベント。イベント名は、ARTJES_JOBSUBMITです
C: ジョブ変換完了イベント。イベント名はARTJES_JOBCVTです
E: ジョブ実行終了イベント。イベント名は、ARTJES_JOBEXECです
P: ジョブ・パージ・イベント。イベント名はARTJES_ARTJESPURGEです
A: サポートされているすべてのイベント。イベントがonに設定されている場合、Aがデフォルトです。
on |off: 送信がonまたはoffです。on設定は、-tオプションとともに使用できます。offにすると、すべてのイベント・サブスクリプションのサブスクライブが解除されます。
サブスクライブされているイベント・タイプがJESCONFIG内に構成されていない場合は、エラーがレポートされます。

verbose(v) on|off

冗長モードのオン/オフを切り替えます。

関連項目

Oracle Tuxedo Application Runtime for Batchユーザー・ガイド

 


ARTJESADM

名前

ARTJESADM – TuxJES管理サーバー。

概要

ARTJESADM

SRVGRP=”identifier

SRVID=”number” CLOPT=” [-A][servopts options] -- -i JESCONFIG

説明

ARTJESADMは、TuxJESによって提供されるOracle Tuxedoアプリケーション・サーバーです。artjesadminコマンドは、大部分のタスクでARTJESADMと通信します。

ARTJESADMが提供するサービスに他のTuxJESサーバーがアクセスするため、ARTJESADMは、UBBCONFIGファイル内で他のTuxJESサーバーより前に構成されている必要があります。JESCONFIGを変更した場合、新しい構成が有効になるには、すべてのTuxJES関連のサーバーを再起動する必要があります。

パラメータとオプション

ARTJESADMでは、以下のパラメータとオプションがサポートされます。

-i JESCONFIG

JESCONFIG は、TuxJESシステム構成ファイルのフル・パス名を表します。次のパラメータを使用できます。

JESROOT

ジョブ情報を格納するルート・ディレクトリのフル・パス名。必須の属性です。このディレクトリが存在しない場合、ARTJESADMが自動的に作成します。
JESROOT=/xxx/xxx

DEFAULTJOBCLASS

ジョブに対してジョブ・クラスが設定されていない場合のデフォルト・ジョブ・クラス。オプションの属性です。この属性が設定されていない場合、デフォルト・ジョブ・クラスはAです。
DEFAULTJOBCLASS=[A-Z],[0=9]

DEFAULTJOBPRIORITY

ジョブに対してジョブ優先度が設定されていない場合のデフォルトのジョブ優先度。オプションの属性です。この属性が設定されていない場合、デフォルトのジョブ優先度は0です。
DEFAULTJOBPRIORITY=[0-15]

DUPL_JOB=NODELAY

設定されていない場合、あるジョブ名に対して、1つのジョブだけが実行ステータスであることができます。NODELAYは、依存性チェックを削除します。デフォルト値は、遅延実行です。

EVENTPOST=S,C,E,P,A

個別のステージで、ジョブに対してイベントがポストされるかどうかを指定します。
S: ジョブ送信イベント。イベント名: ARTJES_JOBSUBMIT
C: ジョブ変換完了イベント。イベント名: ARTJES_JOBCVT
E: ジョブ実行終了イベント。イベント名: ARTJES_JOBFINISH
P: ジョブ・パージ・イベント。イベント名:ARTJES_JOBPURGE
A: サポートされているすべてのイベント。
EVENTPOSTが指定されない場合、イベントはポストされません。イベントのポストでのデータ・バッファはFML32タイプで、フィールドはJESDIR/include/jesflds.hで定義されます。

JOBREPOSITORY

ジョブが格納されるジョブ・リポジトリのパス。設定された場合、ジョブ送信で入力されたスクリプト・ファイル・パスに、JOBREPOSITORY内の相対パスを使用できます。

PRIVILEGE_MODE

ユーザー代入を有効化するかどうか、およびその方法を指定します(TuxJESユーザー代入を参照してください)。値は次のとおりです。
NONE: デフォルト値。ジョブがJESシステムを起動するOSユーザーによって実行されることを示します。これは、JESシステム上のこれまでの実装すべてと互換性があります。
USER_IDENTICAL: ジョブが、JESシステムに参加するJESクライアントを使用してOracle Tuxedoユーザーによって実行されることを示します。この値を選択する前に、Oracle Tuxedoの各ユーザーが既存のOSユーザーに対応することを確認します。
USER_MAPPING: この値を指定すると、JESシステムはTuxJESユーザー・マッピング・ファイルを参照し、JESシステムに参加するJESクライアントを使用してOracle Tuxedoユーザーに対応するOSユーザーを検出して、このOSユーザーをジョブの実行者として指名します。

USER_MAPPING_FILE

TuxJESユーザー・マッピング・ファイルの保存場所のフルパス。PRIVILEGE_MODEと共に使用されます(その値がUSER_MAPPINGの場合)。
ユーザー・マッピング・ファイルの所有者はルート、ファイル権限は「-rw-------」にすることをお薦めします。
1人のOracle Tuxedoユーザーは、1人のOSユーザーのみにマッピングする必要があります。また、同様に1人のOSユーザーは1人のTuxedoユーザーにマッピングすることをお薦めします。

UBBCONFIGの例:

ARTJESADM

SRVID=1 SRVGRP=SYSGRP CLOPT="-A -- -i /nfs/users/jes/jesconfig"

関連項目

Oracle Tuxedo Application Runtime for Batchユーザー・ガイド

 


ARTJESCONV

名前

ARTJESCONV – TuxJES変換サーバー。

概要

ARTJESCONV

SRVGRP=”identifier

SRVID=”number” CLOPT=” [-A][servopts options] -- ”

説明

TuxJES変換サーバー。ジョブ変換をするためのEJR起動を担当します。

UBBCONFIGの例:

ARTJESCONV

SRVID=2 SRVGRP=SYSGRP CLOPT="-A -- "

関連項目

Oracle Tuxedo Application Runtime for Batchユーザー・ガイド

 


ARTJESINITIATOR

名前

ARTJESINITIATOR – ジョブ・イニシエータ

概要

ARTJESINITIATOR

SRVGRP=”identifier

SRVID=”number” CLOPT=” [-A][servopts options] -- -C jobclasses [-n concurrent_num] [-d]”

説明

ARTJESINITIATORは、Oracle Tuxedoアプリケーション・サーバーにより提供されるTuxJESです。ジョブを実行するためのEJR起動を担当します。

実行中のジョブがある間にARTJESINITIATOR が強制終了またはシャットダウンされると、そのジョブは、再起動時にINDOUBT状態に入れられます。

パラメータとオプション

ARTJESINITIATORでは、以下のパラメータとオプションがサポートされます。

-c jobclasses[jobclass]

このARTJESINITIATORサーバーが関連付けられているジョブ・クラスを指定します。このオプションを指定しない場合、ARTJESINITIATORはすべてのジョブ・クラスに関連付けられます。

-n concurrent_num

このARTJESINITIATORサーバーの最大同時実行ジョブ数を指定します。デフォルト値は1です。

-d

このARTJESINITIATORサーバーの最大同時実行ジョブ数を指定しますが、artjesadmin changeconcurrentコマンドで変更できます。

UBBCONFIGの例:

ARTJESINITIATOR

SRVID=3 SRVGRP=SYSGRP MIN=10 CLOPT="-A -- -c AHZ"

この例では、10のARTJESINITIATORインスタンスが構成され、AHおよびZジョブ・クラスに関連付けられます。

関連項目

Oracle Tuxedo Application Runtime for Batchユーザー・ガイド

 


ARTJESPURGE

名前

ARTJESPURGE – ジョブ・キューをパージします

概要

ARTJESPURGE

SRVGRP=”identifier

SRVID=”number” CLOPT=” [-A][servopts options] -- ”

説明

ARTJESPURGEは、パージ・キューを監視します。パージ・キューにジョブを検出すると、キュー内のジョブを削除し、ディレクトリJESROOT/<JOBID>を削除します。

関連項目

Oracle Tuxedo Application Runtime for Batchユーザー・ガイド

 


TuxJESキュー・システム

z/OS JES2システムをエミュレートするために、TuxJESシステムは、キュー機構を使用してバッチ・ジョブのライフサイクルを管理します。すべてのキューは、JES2QSPACEと呼ばれる1つのキュー・スペースに作成されます。バッチ・ジョブは、表3にリストされたキューにあり、またはそこに転送されるメッセージによって表されます。

表3 TuxJESキュー
キュー
説明
変換キュー
バッチ・ジョブがTuxJESシステムに送信されると、まず変換キューに入れられます。システムには、変換キューは1本だけ存在します。変換されたジョブは、変換キューから実行キューに移動されます。キュー内のジョブは、FIFO順に処理されます。
キュー名: CONV
保留キュー

ジョブがHOLD状態(JCLHOLDまたはHOLD)の場合、保留キューに入れられます。解放されると、typrunパラメータに基づいて、変換キューまたは待機キューに移動されます。

キュー名: HOLD
実行キュー
36のジョブ・クラス(A - Zおよび0 - 9)があります。ジョブには、0 - 15の優先度値もあります。ジョブは、ジョブ・クラスと優先度に基づいてスケジュールされます。
1つのジョブ・クラスは、1つの/Qキュー(36のキューをまとめたもの)にマップされます。これらは、ジョブが保留状態で格納され、実行を待機するキューです。ジョブ優先度は、キュー・メッセージ優先度にマップされます。キューはすべて、優先度に基づいて作成されます。
キュー名: [A-Z]、[0-9]。
実行中キュー
このキューは、動作中/実行中のジョブを格納します。システムに、実行中のキューは1つだけです。ジョブが実行キューから取り出され、実行中の状態に正常に移行すると、ジョブは実行中キューに移動されます。このキューのジョブは、FIFO順に処理されます。
キュー名: EXEC
出力キュー
完了するか、エラーが発生したジョブは出力キューに送信されます。出力キューは1つのみ存在します。キュー内のジョブは、FIFO順に処理されます。
キュー名: OUTPUT
パージ・キュー
パージされる予定のジョブは、パージ・キューへ移動されます。システムに、パージ・キューは1つのみ存在します。
キュー名: PURGE
内部キュー
ART JESも、内部使用のためにJES2QSPACE上にいくつかの内部キューを持っています。

TuxJESキュー作成スクリプト

キュー・スペース(JES2QSPACE)と、表3にリストされたキューを作成するために、TuxJESシステムには、サンプル・シェル・スクリプト(jesqinit)が用意されています。環境に合わせてスクリプトを変更することはできますが、以下を厳守する必要があります。

  1. キュー順序は、変更できません
  2. キュー名とキュー・スペース名は固定です
  3. スクリプトは、キュー・スペース/キュー作成パラメータに合わせてカスタマイズできます

推奨/Q作成値

ページのデバイス・サイズ: 10000

ページのキュー・スペース・サイズ: 5000(ジョブの最大数は10000、各ジョブは2kバイト消費し、ページ・サイズは4kと想定します)

キュー内のメッセージ数: 10000

同時トランザクション数: 1000

キュー内の同時プロセス数: 100

注意: これらのパラメータは、固有の環境に合わせてカスタマイズできます。

 


TuxJESユーザー代入

JESは、ジョブを実行する特定のOSユーザーを定義することをサポートします。TuxedoユーザーとOSユーザーをマッピングするメカニズムを使用すると、JESシステムはジョブに準拠するTuxedo AAA資格証明を、ジョブを処理する際にリソースへの限定アクセス権しか持たないOSユーザーに関連付けることが可能です。

用語

表4は、この項で説明されるユーザー代入機能をよく理解する上で知っておく必要がある用語のリストです。

表4 ユーザー代入の用語
用語
説明
ジョブ送信者
artjesadminを使用してJESジョブを送信するOSユーザー
ジョブ所有者
JESジョブの所有者として表示されるOracle Tuxedoユーザー
ジョブ・ユーザー
artjesadminを使用してJESジョブを送信、キャンセル、または出力するOSユーザー
ジョブ実行者
JESジョブを実行するためにEJRを実行するOSユーザー

様々な使用状況でのジョブ所有者の職種

JESシステムによって指定されるジョブ所有者は、artjesadminおよびPRIVILEGE_MODE上の構成の組合せに左右されます。表5は、ジョブ所有者の指定と様々な使用状況との間の関係を示します。

表5 様々な使用状況におけるジョブ所有者
構成のシナリオ
ジョブ所有者
artjesadmin次と共に使用される場合
PRIVILEGE_MODEが次のように設定される場合
ユーザー名を含むプロファイル
なし
Oracle Tuxedoユーザー
ユーザー名を含むプロファイル
USER_IDENTICALまたはUSER_MAPPING
Oracle Tuxedoユーザー

注意: Oracle Tuxedo SECURITYパラメータは、USER_AUTH、ACLまたはMANDATORY_ACLに設定する必要があります。そのように設定しない場合、JESシステムは起動に失敗し、ULOGには次のエラー・メッセージが出力されます。"ERROR: The current Tuxedo security level disallow the given privilege mode".

プロファイルがないか、またはユーザー名を含むプロファイルがありません
なし
*
所有者を持つジョブ「*」は誰でも制御できます。
プロファイルがないか、またはユーザー名を含むプロファイルがありません
USER_IDENTICALまたはUSER_MAPPING
artjesadminがログインに失敗し、次のエラー・メッセージが表示されます。"ERROR: failed to join application."

ジョブ操作の権限

表6および表7は、ユーザーの代入を有効化しているTuxJESシステムでジョブを操作する場合の異なるIDを持つユーザーの権限を示します。

表6 PRIVILEGE_MODEが「USER_IDENTICAL」に設定されている場合のジョブ操作の権限
ユーザー
権限
Oracle Tuxedoユーザーの「ルート」
ジョブの出力、保持、解放、キャンセル、パージ、および制御
ジョブの所有者
ジョブの出力、保持、解放、キャンセル、パージ、および制御
対応するジョブ・ディレクトリの読取りおよび実行権限を持つOracle Tuxedoユーザー
ジョブの出力

表7 PRIVILEGE_MODEが「USER_MAPPING」に設定されている場合のジョブ操作の権限
ユーザー
権限
OSユーザーの「ルート」にマッピングされているOracle Tuxedoユーザー
ジョブの出力、保持、解放、キャンセル、パージ、および制御
ジョブ実行者にマッピングされているOracle Tuxedoユーザー
ジョブの出力、保持、解放、キャンセル、パージ、および制御
対応するジョブ・ディレクトリの読取りおよび実行権限を持つOSユーザーにマッピングされているOracle Tuxedoユーザー
ジョブの出力

TuxJESにおけるユーザー代入の有効化

TuxJESでユーザー代入を有効化するには、次の操作を実行する必要があります。

TuxJESにおけるJESCONFIGの構成

JESCONFIGにおけるPRIVILEGE_MODEの値は、MAPPING_CREDENTIALまたはIDENTITY_CREDENTIALに指定する必要があります。

JESCONFIGにおけるPRIVILEGE_MODEの値がMAPPING_CREDENTIALの場合、USER_MAPPING_FILEの値を指定する必要があり、ユーザー・マッピング・ファイルにはOracle TuxedoユーザーとOSユーザーとの間のマッピングが含まれる必要があります。

ルート・ユーザーによるJESシステムの起動

JESがSHMモードで稼働している場合、起動はルート・ユーザーが行う必要があります。

JESがMPモードで稼働している場合、次のいずれかを実行します。

JESシステムに関与するすべてのマシンは、同一のNISシステムを使用することをお薦めします。

Tuxedo UBBCONFIGの構成

ジョブ・ユーザーは全員、JESシステムのIPCリソースへのフル権限を持つ必要があります。

TUXCONFIGRESOURCEセクションにあるSECURITYパラメータは、USER_AUTHACLまたはMANDATORY_ACLにする必要があります。

注意: SECURITYパラメータがAPP_PWに設定され、AUTHSVCパラメータが構成されている場合、SECURITYレベルはOracle TuxedoによってUSER_AUTHとみなされます。

次はUBBCONFIGの例です。

リスト2 TuxJESシステムでユーザー代入を有効化した場合のOracle Tuxedo UBBCONFIGファイルの例
#	(c) 2011 Oracle. All Rights Reserved.
#
*RESOURCES
IPCKEY	 	 <IPCKEY> # for example 132770
DOMAINID	 	jessample
MASTER		 SITE1
MODEL		 SHM
MAXACCESSERS    200
MAXSERVERS      50
NOTIFY          SIGNAL
PERM		0666 #Adding "PERM=0666" in RESOURCES section
SECURITY          USER_AUTH
AUTHSVC           "AUTHSVC"
 
*MACHINES
#
<uname -n>
	LMID = SITE1 
	TUXDIR ="<full path of TUXEDO software>"
	TUXCONFIG = "<full path of APPDIR>/tuxconfig"
	TLOGDEVICE ="<full path of APPDIR>/TLOG"
	TLOGSIZE=10
	APPDIR = "<full path of APPDIR>"
	ULOGPFX = "<full path of APPDIR>/ULOG"
*GROUPS
ARTGRP
	LMID = SITE1  GRPNO = 1
QUEGRP
LMID = SITE1  GRPNO = 2
	TMSNAME = TMS_QM TMSCOUNT = 2
	OPENINFO = "TUXEDO/QM:<full path of APPDIR>/QUE:JES2QSPACE"
EVTGRP
                LMID= SITE1 GRPNO=3
#
*SERVERS
# Adding RQPERM=0666 RPPERM=0666 in all JES servers entry in SERVERS section
DEFAULT:	 	CLOPT="-A"
TMUSREVT        SRVGRP=EVTGRP SRVID=1 CLOPT="-A"
				RQPERM=0666 RPPERM=0666
TMQUEUE
	SRVGRP = QUEGRP  SRVID = 1
	GRACE = 0  RESTART = Y CONV = N MAXGEN=10
	CLOPT = "-s JES2QSPACE:TMQUEUE -- -t 5 "
	RQPERM=0666 RPPERM=0666
ARTJESADM        SRVGRP =ARTGRP  SRVID = 1 MIN=1 MAX=1
                CLOPT = "-A -- -i jesconfig"
                RQPERM=0666 RPPERM=0666
ARTJESCONV       SRVGRP =ARTGRP  SRVID = 20 MIN=1 MAX=1
                CLOPT = "-A --"
RQPERM=0666 RPPERM=0666
ARTJESINITIATOR       SRVGRP =ARTGRP  SRVID =30  
                CLOPT = "-A -- -n 20 -d"
                RQPERM=0666 RPPERM=0666
ARTJESPURGE       SRVGRP =ARTGRP  SRVID = 100
                CLOPT = "-A --"
AUTHSVR SRVGRP=ARTGRP SRVID=104 CLOPT="-A"
	RQPERM=0666 RPPERM=0666
*SERVICES

ファイル・システム権限の構成

ユーザー代入を正常に有効化するには、異なるIDを持つユーザーのファイル・システム権限が次の要件を満たすように構成されているか確認する必要があります。

注意: ジョブ実行者は全員、ULOGstdoutおよびstderrへの書込み権限を持つ必要があります。その権限を持たない場合、ログと出力メッセージが正常に書き込まれない可能性があります。

  先頭に戻る       前  次