![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |
この章では、Oracle Joltの構成方法を説明します。Joltをすでに使用したことがある場合は「簡易構成」をご覧ください。それ以外の項では、さらに詳しい内容を説明しています。この章は、Oracle Joltの構成先のオペレーティング・システムやワークステーション・プラットフォームでの作業を経験したことのあるシステム管理者またはアプリケーション開発者を対象としています。
Oracle JoltおよびOracle Tuxedoをすでに使用したことがある場合は、この「簡易構成」で説明する、Oracle Joltの構成方法に関するガイドラインを参照してください。Joltを初めて使用する場合は、「Joltに関する背景情報」を読んでから構成を始めてください。
「簡易構成」では、Oracle TuxedoでJoltサーバー・リスナー(JSL)を構成するために必要な次の手順について説明します。
注意: | MAXWSCLIENTS が設定されていないと、JSLは起動しません。 |
GROUPS
セクションで、GROUPNAME
に必須パラメータとオプション・パラメータを設定します。
SERVERS
セクションを設定します(必須)。JSL
required parameters
[optional parameters
]
JSL
は、tmboot(1)
で実行されるファイル(string_value
)を指定します。
JSL
の必須パラメータを設定します。JSL
にその他のパラメータを設定します。JSLには次のパラメータを使用できますが、これらのパラメータを設定するとアプリケーションにどのような影響が及ぶかを考慮してください。詳細は、「JSLで使用できるパラメータ」を参照してください。
以下のセクションを使用して、Joltリポジトリを構成します。
Oracle Joltリポジトリ・サーバー(JREPSVR
)には、リポジトリにアクセスしたり、リポジトリを編集するためのサービスが格納されています。JREPSVR
インスタンスが複数ある場合は、共有ファイルにより、リポジトリの情報が共有されます。UBBCONFIG
ファイルのSERVERS
セクションには、JREPSVR
を指定してください。
SRVID
パラメータを使用して、新しいサーバーの識別子を指定します。JREPSVR
に -W
フラグを指定し、リポジトリを編集可能にしておきます(この設定は1つのJREPSVRだけに対して行います)。このフラグを設定しないと、リポジトリは読取り専用になります。-P
フラグを指定して、リポジトリ・ファイルへのパスを設定します。-P
フラグに対する引数が指定されていないと、Oracle TuxedoのULOG
ファイルにエラー・メッセージが表示されます。/app/jrepository
)。tmloadcf
コマンドとtmboot
コマンドを使用して、Oracle Tuxedoシステムを起動します。Oracle TuxedoおよびOracle Joltを使用するOracle Tuxedoサービスを定義し、クライアントがJoltサービスを利用できるようにします。
リポジトリ・エディタを起動する前に、必要なOracle Joltソフトウェアがすべてインストールされているかどうかを確認してください。
注意: | JREPSVR とJSL が実行されていないと、リポジトリ・エディタは使用できません。 |
CLASSPATH
に、Joltクラスのディレクトリか、または*.jar
ファイルが置かれたディレクトリを指定します。appletviewer full-pathname/RE.html
Webサーバーからアプレットをロードする場合は、URLに次のように入力してください。
http://www.server
/URL path
/RE.html
「Oracle Joltリポジトリ・エディタのログオン・ウィンドウ」の図に示すようなウィンドウが表示されます。
次のいずれかの方法を使用して、Webブラウザからリポジトリ・エディタを起動します。
CLASSPATH
にJoltクラスのディレクトリを指定します。file:full-pathname/RE.html
「Oracle Joltリポジトリ・エディタのログオン・ウィンドウ」の図に示すようなウィンドウが表示されます。
CLASSPATH
にJoltクラスのディレクトリが含まれていないことを確認します。CLASSPATH
からJoltクラスを削除します。http://www.server
/URL path
/RE.html
注意: | jolt.jar およびadmin.jar がRE.html と同じディレクトリに置かれている場合は、Webサーバー側がクラスを作成します。RE.html とは異なるディレクトリに置かれている場合は、アプレットのコードを変更します。 |
「Oracle Joltリポジトリ・エディタのログオン・ウィンドウ」の図に示すようなリポジトリ・エディタのログオン・ウィンドウが表示されます。
Joltリポジトリ・エディタを起動したら、以下の手順に従ってログオンします。
注意: | ログオンする前に、Oracle Joltリポジトリ・エディタのログオン・ウィンドウが表示されている必要があります。以下の手順を実行する際に、この図を参照してください。 |
注意: | Joltリレー経由でログオンしない限り、ここで指定したポート番号と同じ番号がJoltリスナーの構成時に使用されます。詳細は、UBBCONFIG ファイルを参照してください。 |
注意: | Oracle Joltのリポジトリ・エディタでは、ユーザー・ロールにハードコーディングされたjoltadmin が使用されます。 |
次表の「リポジトリ・エディタのログオン・ウィンドウの説明」では、このウィンドウにあるフィールドとボタンについて説明します。
|
|||
パッケージ、サービス、およびパラメータの追加、編集、テスト、削除が完了したらリポジトリ・エディタを終了します。終了する前に、下図の「Oracle Joltリポジトリ・エディタを終了する前のログオン・ウィンドウ」に示すようなウィンドウが表示されます。
使用できるのは、「パッケージ」、「サービス」、および「ログ・オフ」のみです。文字入力フィールドは利用できません。
Joltのイベント・サブスクリプション機能では、Oracle Tuxedoサービスまたは別のOracle Tuxedoクライアントからイベント通知を受信します。Oracle TuxedoのTMUSREVT
サーバーを構成し、アプリケーションのUBBCONFIG
ファイルを修正してください。次の「UBBCONFIGファイル内のTMUSREVTパラメータ」は、UBBCONFIG
ファイル内のTMUSREVT
パラメータを示しています。
TMUSREVT SRVGRP=EVBGRP1 SRVID=40 GRACE=3600
ENVFILE="/usr/tuxedo/bankapp/TMUSREVT.ENV"
CLOPT="-e tmusrevt.out -o tmusrevt.out -A --
-f /usr/tuxedo/bankapp/tmusrevt.dat"
SEQUENCE=11
UBBCONFIG
ファイルのSERVERSセクションで、SRVGRP
およびSRVID
を指定してください。
システム・プロンプトで次のコマンドを入力し、UNIXでのJRLYプロセスを開始します。
jrly -f <config_file_path>
構成ファイルが存在しないか開けない場合、JRLYは標準エラーにメッセージを書き込み、起動時の障害をエラー・ログに記録してから終了します。
構成ファイルの形式は、「タグ=値」の形式です。空白行または「#」で始まる行は無視されます。次の「正式な構成ファイルの形式の例」を参照してください。
LOGDIR=<LOG_DIRECTORY_PATH>
ACCESS_LOG=<ACCESS_FILE_NAME in LOGDIR>
ERROR_LOG=<ERROR_FILE_NAME in LOGDIR>
LISTEN=<IP:Port combination where JRLY will accept comma-separated connections>
CONNECT=<IP:Port1, IP:Port2...IP:PortN:Port(List of IP:Port combinations associated with JRADs: can be 1...N)>
SOCKETTIMEOUT
は、JRLYのWindows 2003サービスが、ネットワーク・アクティビティ(新しい接続、読込み対象のデータ、クローズされた接続など)を実現するためにソケット接続をブロックする期間を示す時間(秒単位)を指定します。SOCKETTIMEOUT
の値はサービス・コントロール・マネージャ(SCM: Service Control Manager)にも影響します。サービス・コントロール・マネージャは、Windows 2003サービスの停止をリクエストする場合には少なくともSOCKETTIMEOUT
で指定した秒数を待つ必要があります。
注意: | ディレクトリ名とファイル名の形式は、オペレーティング・システムによって異なります。UNIXシステムではフォワードスラッシュ(/)を使用します。Windows 2003システムではバックスラッシュ(\)を使用します。LOGDIR 、ACCESS_LOG 、またはERROR_LOG で指定されたファイルを開けない場合、JRLYはstderr にエラー・メッセージを記録してから終了します。 |
注意: | 表3-2に、ホスト名とポート番号の形式を示します。 |
1つのJRLYに接続できるJRADプロセスは1つだけです。JRADは、1つのJSLおよび関連するJSHとだけ通信するように構成できます。複数のJRADを1つのJSLと通信するように構成することもできます。UBBCONFIG
ファイルには、Oracle Tuxedoサービス用のCLOPT
パラメータを含める必要があります。
この項では、Joltコンポーネントに関するその他の情報を説明します。
Joltサーバーは、1つまたは複数のハンドラを扱うリスナーです。
Joltサーバー・リスナー(JSL) - JSLは、IP/ポートの組み合わせで構成し、クライアントをサポートします。JSLは、Joltサーバー・ハンドラ(JSH: Jolt Server Handler)と動作して、クライアントがOracle Joltシステムのバックエンドへ接続できるようにします。JSLはOracle Tuxedoサーバーとして実行されます。
Joltサーバー・ハンドラ(JSH) - Tuxedoサーバー・マシンで実行されるプログラム。リモート・クライアント用のネットワーク接続ポイントを提供します。JSHは、JSLと動作し、クライアントがOracle Joltシステムのバックエンドに接続できるようにします。JSLに対し、最大32,767までのJSHを利用できます。詳細は、「JSLのコマンドライン・オプション」の-M
コマンドライン・オプションの説明を参照してください。
システム管理者の作業 - システム管理者は、Oracle Joltのサーバー・コンポーネントに関して、以下の作業を行う必要があります。
UBBCONFIG
ファイルにあるすべての管理プロセスとサーバー・プロセスを開始するには、次の手順に従います。
tmloadcf
とtmboot
については、『Oracle Tuxedoアプリケーション実行時の管理』および『Oracle Tuxedoコマンド・リファレンス』を参照してください。
Joltサーバーに対して停止をリクエストするには、Oracle Tuxedoの次のコマンドを入力します。
tmshutdown -y
Oracle TuxedoはJSLをモニターし、障害が発生した場合はJSLを再起動します。Oracle Tuxedoがリスナー・プロセスを再起動すると、次のイベントが発生します。
JSLは、JoltからJSHへ接続リクエストを分散するOracle Tuxedoサーバーです。Oracle Tuxedoは、JSLとJREPSVRが置かれているホスト・マシンで実行されていなければなりません。
注意: | JSHに対するJSLのポートの選択方法は、Oracle Tuxedoワークステーション・リスナー(WSL)の場合のプロセスとは異なります。JSLポートを適切に構成する方法の詳細は、「UBBCONFIGファイルの作成」の「SERVERSセクション」を参照してください。 |
サーバーでは、コマンドラインからの情報の取得が必要な場合があります。CLOPTパラメータを使用すると、コマンドライン・オプションを指定して、サーバーに設定されたデフォルト値を変更できます。表3-2で、JSLのコマンドライン・オプションについて説明します。
|
|||
ネットワーク・アドレスの変換が行われる場合に、Joltクライアントがアプリケーションに接続するために使用するネットワーク・アドレス・マスクを指定します。JSLプロセスでは、このアドレスを使用して、このアドレスで接続しようとするクライアントをリスニングします。外部アドレス・マスクが
0x0002MMMMdddddddd で、JSHのネットワーク・アドレスが0x00021111ffffffff の場合、結果(外部)のネットワーク・アドレスは0x00021111dddddddd になります。先頭に「//」が付いたネットワーク・アドレスは、IPベースであることを示し、JSHネットワーク・アドレスからTCP/IPポート番号がコピーされて、新しいネットワーク・アドレスを構成します。
|
|||
Oracle Tuxedo 6.4、Oracle Tuxedo 6.5、およびWebLogic Enterprise 4.2でOracle Joltリスナーが使用するネットワーク・アドレスを指定します。
ドメインはローカル名を解決する手法(通常はDNS)を使用して #.#.#.#にはドット区切りの10進数を指定します。ドット区切りの10進数形式では、それぞれの # に0 - 255の数字を指定します。このドット区切りの10進数は、ローカル・マシンのIPアドレスを表します。上記のどちらの形式でも、 |
|||
ネゴシエーションを行う間隔を分単位で指定します。SSLおよびTLS標準に規定されているとおり、特定のSSLセッションでSSL暗号化パラメータの再ネゴシエーションを行わずに指定された分数が経過した後で、次にデータを交換するときにSSL暗号化パラメータの再ネゴシエーションが行われます。デフォルト値は0で、セッションのネゴシエーションは定期的には行われません。
|
|||
SSLプロトコルを使用した安全な接続の受け付けにJSLが使用するポート番号を指定します。JSLで安全な接続のみを使用するように構成するには、-sおよび -nオプションで指定するポート番号に同じ値を設定します。
JSL
-s オプションはISL(5)およびWSL(5)の-S オプションと同等です。詳細は、「セクション5 - ファイル形式、データ記述、MIBおよびシステム・プロセス・リファレンス」を参照してください。
|
|||
クライアントがアイドル状態でいられる期間(分単位)を指定します。ここで指定した期間内にクライアントからリクエストが発行されないと、JSHによりクライアントの接続は切断され、セッションは終了します。引数が指定されていない場合、セッションでタイムアウトは発生しません。
|
|||
Joltのセキュリティと暗号化にLLEを使用する場合、認証データと鍵交換データはDiffie-Hellman鍵交換を使用してJoltクライアントとJSL/JSHの間を転送されます。以降のすべての交換は、RC4形式で暗号化されます。国際版のパッケージでは、DES鍵交換と128ビット・キーを使用します。128ビットのうち、40ビットが暗号化され、88ビットが公開されます。
Joltのセキュリティと暗号化にSSLを使用する場合、認証、鍵交換、およびデータ交換にはSSLプロトコルが使用されます。
Joltリレー(JRLY)とJoltリレー・アダプタ(JRAD)間の動作を、通常インターネット・リレーと呼びます。Joltリレーは、JoltクライアントからJSLやJSHにメッセージをルーティングします。これにより、JSHとOracle Tuxedoを、(安全性に問題があると見なされている)Webサーバーと同じマシンで実行する必要がなくなります。Joltリレーは、「Joltインターネット・リレーのパス」で示すように2つのコンポーネントで構成されています。
注意: | Joltリレーは、JoltクライアントおよびJoltサーバーからは見えません。Joltサーバーは、複数のイントラネット・クライアントに同時に直接接続したり、Joltリレーを介してインターネット・クライアントに接続できます。 |
注意: | Tuxedo 10ではJoltクライアントとJSL/JSHでSSLをサポートしていますが、JRADとJRLYについてはSSLのサポートが実装されていません。そのため、SSLを使用するTuxedo 10 Jolt構成ではJRADおよびJRLYプロセスを利用できません。 |
この図では、ブラウザからWebサーバー・ソフトウェアに接続し、Oracle Joltアプレットをダウンロードする様子を示しています。まず、Joltのアプレットまたはクライアントは、Webサーバー・マシン上のJRLYに接続します。次に、JRLYは、ファイアウォールを越えてJoltメッセージをJRADに転送します。さらに、JRADはメッセージをJSLまたは適切なJSHに転送します。
1つのサーバー・アドレスがセッションで失敗すると、フェイルオーバー機能により、JoltクライアントのAPIは、次のフリーな(接続されていない)JRLYをAPIの引数一覧から検索して接続します。Windows 2003環境でこのフェイルオーバー機能を有効にするには、複数のWindows 2003 JRLYサービスを実行します。Windows 2003以外の環境では、JRLYプロセスが複数実行されています。各JRLY (サービスまたはプロセス)には、固有の構成ファイルが用意されています。この種のフェイルオーバー処理は、Oracle JoltのクライアントAPI機能により行われ、ユーザーはJoltサーバー・アドレス(JSLまたはJRLY)の一覧を指定することができます。
各JRLYの構成ファイルには、JRADアドレスの一覧が用意されています。JRADが利用できない場合、JRLYは次に利用可能な(接続されていない) JRADをラウンドロビン方式で検索して接続しようとします。2つのJRLYから同じJRADに接続することはできません。これらの条件を利用し、JRADアドレスの順序を変えて効率的に接続を確立することができます。つまり、予備のJRADを待機させておき、JRLYからJRADへの最初の接続が切断されたら、予備のJRADに接続されるようにします。この種のフェイルオーバー処理は、JRLYのみで行われます。
JRLYの起動時に一覧内のJRADがどれも実行されていない場合、最初の接続は失敗します。JoltクライアントがJRLYに接続しようとすると、JRLYは、再びJRADに接続しようとします。
フェイルオーバー機能を有効にするには、UBBCONFIG
ファイルでJRADを設定し、複数のJRADを起動する必要があります。
JRLY (フロントエンド・リレー)のプロセスは、JRADの起動前または起動後のどちらかの時点で始まります。JRLYの起動時にJRADが利用できない場合、JRLYはクライアントからのリクエストを受信する時点でJRADに接続を試みます。クライアントからのリクエスト受信時にもJRADに接続できない場合、クライアントはアクセスを拒否され、JRLYのエラー・ログ・ファイルに警告メッセージが書き込まれます。
システム・プロンプトで次のコマンドを入力し、JRLYプロセスを開始します。
jrly -f
config_file_path
構成ファイルが存在しないか、または開けない場合、JRLYはエラー・メッセージを出力します。
JRLYを起動できない場合、JRLYは標準エラーにメッセージを書き込み、起動時の障害をエラー・ログに記録してから終了します。
この項では、JRLY.exe
のWindows 2003バージョンで利用できるコマンドライン・オプションについて説明します。次の点に注意してください。
[
display_suffix
]
が表示されている場合)、すべての操作はデフォルトのJRLY Windows 2003サービス・インスタンスで実行されます。jrly -command
です。-start
と-stop
以外は、Windows 2003レジストリに対する書込み権が必要です。-start
と-stop
を使用する場合は、Windows 2003サービスの制御権が必要です。これらの制限は、Windows 2003でのユーザー制限に基づいています。表3-3で、JRLYコマンドライン・オプションについて詳しく説明します。
このコマンドを実行すると、デフォルトのJRLYがWindows 2003サービスとしてインストールされ、サービス・コントロール・マネージャ(SCM: Service Control Manager)にJoltリレーとして表示されます。
|
|
表3-4に示されているように、UNIXのJRLYコマンドライン・オプションは1つしかありません。
構成ファイルの形式は、「タグ=値」の形式です。空白行または#
で始まる行は、無視されます。リスト3-3に、正式な構成ファイルの形式の例を示します。
LOGDIR=<LOG_DIRECTORY_PATH>
ACCESS_LOG=<ACCESS_FILE_NAME in LOGDIR>
ERROR_LOG=<ERROR_FILE_NAME in LOGDIR>
LISTEN=<IP:Port combination where JRLY will accept connections>
CONNECT=<IP:Port combination associated with JRAD>
SOCKETTIMEOUT=<Seconds for socket accept()function>
注意: | SOCKETTIMEOUT は、リレーWindows 2003サービスがネットワーク・アクティビティ(新しい接続、読込み対象のデータ、クローズされた接続など)を実現するために、新しいソケット接続の確立をブロックする期間を示す時間(秒単位)です。これは、Windows 2003マシンでのみ有効です。SOCKETTIMEOUT の値は、SCMにも影響します。SCMからサービスの停止がリクエストされると、SCMは少なくともSOCKETTIMEOUT で指定した秒数を待つ必要があります。 |
リスト3-4に、JRLY構成ファイルの例を示します。CONNECT
で始まる行は、JRADマシンのIPアドレスとポート番号を指定します。
LOGDIR=/usr/log/relay
ACCESS_LOG=access_log
ERROR_LOG=errorlog
# jrly will listen on port 4444
LISTEN=200.100.10.100:4444
CONNECT=machine1:port1CONNECT=machine2:port2
SOCKETTIMEOUT=30 //See text under listing
ディレクトリ名とファイル名の形式は、オペレーティング・システムによって異なります。UNIXシステムではフォワードスラッシュ(/)を使用します。Windows 2003システムではバックスラッシュ(\)を使用します。LOGDIR
、ACCESS_LOG
、またはERROR_LOG
で指定されたファイルを開けない場合、JRLYはstderr
にエラー・メッセージを記録してから終了します。
表3-5は、ホスト名とポート番号の形式を示しています。
注意: | JRLYではIPv6はサポートされません。 |
Joltリレー・サーバー・アダプタ(バックエンド・リレー)は、Oracle Tuxedoシステム・サーバーです。Joltリレー・アダプタ(JRAD)の配置場所は、JSLサーバーの接続先であるOracle Tuxedoのホスト・マシン(シングル・ホスト・モード(SHM))およびサーバー・グループでなくてもかまいません。
JRADは、関連するJRLYとは独立して起動できます。JRADは、起動および停止のアクティビティをOracle Tuxedoログ・ファイルから追跡します。
1つのJRLYに接続できるJRADプロセスは1つだけです。JRADは、1つのJSLおよび関連するJSHとだけ通信するように構成できます。複数のJRADを1つのJSLと通信するように構成することもできます。UBBCONFIG
ファイルには、Oracle Tuxedoサーバー用のCLOPT
パラメータを含める必要があります。「UBBCONFIGファイル内のJRADエントリの例」に示す構成ファイルの例を参照してください。
表3-6に、CLOPT
パラメータに関する追加情報を示します。
JRAD CLOPTパラメータのアドレスは、次のいずれかの形式で指定できます。
0x0002pppphhhhhhhh
pppp
はポート番号、hhhhhhhh
は16進数のIPアドレスを示します。
リスト3-5に、UBBCONFIGファイル内のJRADエントリのサンプルを示します。
# JRAD host 200.100.100.10 listens at port 2000, connects to JSL port 8000 on the same host
JRAD SRVGRP=JSLGRP SRVID=60
CLOPT="-A -- -l 0x000207D0C864640A – c 0x00021f40C864640A"
Joltインターネット・リレーを構成するには、ネットワーク接続されたいくつかのコンポーネントを連携動作させる必要があります。構成を行う前に表3-7に示された条件を確認し、構成上の間違いを最小限にするために情報を記録してください。
Joltリポジトリには、Oracle Tuxedoサービスの定義が格納されており、これにより、JoltクライアントはOracle Tuxedoサービスにアクセスすることができます。インストールに付属するJoltリポジトリのファイルには、Oracle Joltが内部的に使用するサービス定義が含まれています。アプリケーション・サービスに定義を追加する方法の詳細は、「Joltリポジトリ・エディタを使う」を参照してください。
Oracle Joltリポジトリを構成するには、アプリケーションのUBBCONFIG
ファイルを変更します。UBBCONFIG
ファイルは、ASCIIバージョンのOracle Tuxedo構成ファイルです。アプリケーションごとに新しいUBBCONFIG
ファイルを作成します。ファイルのエントリの構文の詳細は、Oracle Tuxedoコマンド・リファレンスを参照してください。リスト3-6に、UBBCONFIG
ファイルの関連部分を示します。
*GROUPS
JREPGRP GRPNO=94 LMID=SITE1
*SERVERS
JREPSVR SRVGRP=JREPGRP SRVID=98
RESTART=Y GRACE=0 CLOPT="-A -- -W -P /app/jrepository"
JREPSVR SRVGRP=JREPGRP SRVID=97
RESTART=Y RQADDR=JREPQ GRACE=0 CLOPT="-A -- -P /app/jrepository"
JREPSVR SRVGRP=JREPGRP SRVID=96
RESTART=Y RQADDR=JREPQ REPLYQ=Y GRACE=0 CLOPT="-A -- -P /app/jrepository"
注意: | UNIXシステムでjrepository ファイルのパスを設定する場合は、スラッシュ(/ )を使用してください(例: app/repository )。Windows 2003システムの場合は円記号(\ )を使用し、ドライブ名を指定してください(例: c:\app\repository )。 |
表3-8
に示されているように、UBBCONFIGファイルのセクションを変更します。
GROUPS
エントリを使用して、Oracle Joltリポジトリを含むグループを設定します。グループ名のパラメータには、アプリケーション側で選択された名前が使用されます。
Joltリポジトリ・サーバーであるJREPSVR
には、リポジトリにアクセスしたり、リポジトリを編集するためのサービスが格納されています。JREPSVR
インスタンスが複数ある場合は、共有ファイルにより、リポジトリの情報が共有されます。UBBCONFIG
ファイルのSERVERS
セクションには、JREPSVR
を指定してください。
SRVID
パラメータに新しいサーバーの識別子を指定します(例: 98
など)。JREPSVR
に対して-W
フラグを設定し、リポジトリを編集可能にします。このフラグを設定しないと、リポジトリは読取り専用になります。 注意: | インストールする必要があるのは、書込み可能な1つのJREPSVR (-W フラグを指定したJREPSVR )だけです。読取り専用に設定された複数のJREPSVR を同じホストにインストールすることもできます。 |
-P
フラグを指定して、リポジトリ・ファイルへのパスを設定します。-P
フラグに対する引数が指定されていないと、Oracle TuxedoのULOG
ファイルにエラー・メッセージが表示されます。/app/jrepository
)。 tmloadcf
コマンド(例: tmloadcf -y ubbconfig
)やtmboot
コマンドを使用して、Oracle Tuxedoシステムを起動します。tmloadcf
およびtmboot
については、『Oracle Tuxedoアプリケーション実行時の管理』を参照してください。 リポジトリ・ファイルjrepository
は、Oracle Joltで利用可能です。このファイルにはbankapp
のサービスとリポジトリ・サービスが含まれています。これらのサービスは、リポジトリ・エディタを使って変更したり、テストを行ったり、削除することができます。
注意: | Oracle Joltバージョン1.xからアップグレードする場合、現在のバージョンとの互換性を保つために、バルク・ローダーを使ってjrepository ファイルを作成し直す必要があります。 |
Oracle Joltでbankapp
アプリケーションのテストを行わない場合も、インストール時に提供されるjrepository
ファイルから始めてください。bankapp
のパッケージまたはサービスが必要でない場合は削除してください。
ファイルのパス名は、-P
オプションの引数と一致していなければなりません。
警告: |
![]() jrepository ファイルの変更はどんなテキスト・エディタでも行うことができますが、Oracle Joltシステムでは整合性チェック(ファイルが正しい形式かどうかを確認)は行われません。jrepository ファイルが手動で変更されたかどうかは、実行時までわかりません。その他の情報については、「Joltリポジトリ・エディタを使う」を参照してください。 |
Oracle TuxedoおよびOracle Joltリポジトリ・エディタを使用して次の手順でOracle Tuxedoサービスを定義し、クライアントがJoltサービスを利用できるようにします。
Joltのイベント・サブスクリプション機能では、Oracle Tuxedoサービスまたは別のOracle Tuxedoクライアントからイベント通知を受信します。
tpbroadcast()
を使用するか、またはtpnotify()
ATMI呼出しを使用して直接ターゲット指定されたメッセージを送信)です。非請求通知には、TMUSREVT
サーバーは不要です。tppost()
を使用してイベントをポストするときにのみ受信されます。ブローカ経由のイベント通知には、TMUSREVT
サーバーが必要です。 Oracle TuxedoのTMUSREVT
サーバーを構成し、アプリケーションのUBBCONFIG
ファイルを変更してください。リスト3-7に、UBBCONFIG
ファイル内のTMUSREVT
パラメータの関連部分を示します。ファイルのエントリの構文の詳細は、『C言語を使用したOracle Tuxedo ATMIアプリケーションのプログラミング』を参照してください。
TMUSREVT SRVGRP=EVBGRP1 SRVID=40 GRACE=3600
ENVFILE="/usr/tuxedo/bankapp/TMUSREVT.ENV"
CLOPT="-e tmusrevt.out -o tmusrevt.out -A --
-f /usr/tuxedo/bankapp/tmusrevt.dat"
SEQUENCE=11
UBBCONFIG
ファイルのSERVERS
セクションで、SRVGRP
パラメータとSRVID
パラメータを必要に応じて変更してください。
フィルタ処理を行うと、サブスクリプションをカスタマイズできます。Oracle Tuxedoのイベント・ブローカ、イベントのサブスクライブ方法、またはフィルタ処理に関する追加情報については、『C言語を使用したOracle Tuxedo ATMIアプリケーションのプログラミング』を参照してください。
Oracle TuxedoのFMLバッファまたはVIEWバッファをフィルタ処理するには、Oracle Tuxedoの実行時にフィールド定義ファイルが必要です。
注意: | STRINGバッファをフィルタ処理する場合の条件は特にありません。 |
表3-9に、Oracle Tuxedoのタイプを示します。
「TMUSREVT.ENVファイルのFIELDTBLS変数」のリストは、FMLバッファの使用例を示しています。FIELDTBLS
変数とFLDTBLDIR
変数を設定することにより、Oracle TuxedoでFMLフィールドの定義表を利用できるようになります。
my.flds
ファイルのフィールドをフィルタ処理するには、次の手順に従います。
UBBCONFIG
ファイルでENVFILE="/usr/me/bankapp/TMUSREVT.ENV"
と定義されている場合(「UBBCONFIGファイル」を参照)、FIELDTBLS
とFLDTBLDIR
の定義は、設定されている環境変数のかわりに TMUSREVT.ENV
ファイルから取得されます。
ENVFILE="/usr/me/bankapp/TMUSREVT.ENV"
の定義を削除すると、FIELDTBLS
とFLDTBLDIR
の定義は、設定されている環境変数から取得されます。Oracle Tuxedoシステムを起動する前には、FIELDTBLS
とFLDTBLDIR
の定義に適切な値が設定されていなければなりません。
イベント・サブスクリプションとOracle Joltクラス・ライブラリの詳細は、「Joltクラス・ライブラリの使用」を参照してください。
次の項では、構成に関する情報を詳しく説明します。Oracle Tuxedoについて理解している場合でも、Joltサービス・ハンドラ(JSL: Jolt Service Handler)の構成についてこの項で確認してください。
Oracle Tuxedoの構成ファイルには、ASCII形式のUBBCONFIG
と、コンパイル済みのTUXCONFIG
の2種類があります。TUXCONFIG
ファイルを作成したら、UBBCONFIG
はバックアップとして保存してください。
UBBCONFIG
ファイルは、使い慣れたテキスト・エディタを使用して変更することができます。MASTERマシンにログインしているときにアプリケーションが動作しなくなったら、tmloadcf
(1)を実行してTUXCONFIG
を再コンパイルします。System/Tは、TUXCONFIG
ファイルを上書きしてもよいかどうかを確認するプロンプトを表示します。-y
オプションを指定してコマンドを実行すると、このプロンプトは表示されません。
バイナリ形式の構成ファイル、TUXCONFIG
には、tmboot(1)
の実行時に使用される情報が含まれています。これにより、サーバーの起動とOracle Tuxedoシステムの掲示板の初期化が順番に行われます。バイナリ形式のTUXCONFIG
ファイルを直接作成することはできません。まず、UBBCONFIG
ファイルを作成する必要があります。tmloadcf
(1)を実行すると、このファイルが解析され、TUXCONFIG
に読み込まれます。次に、tmadmin
(1)により、構成ファイルまたはそのコピーを使ったシステムのモニターが行われます。tmshutdown
(1)は、アプリケーションの停止時に必要な情報を構成ファイルから参照します。
UBBCONFIG
ファイルには、最大9つまでのセクションを指定することができます。セクションは、アスタリスク(*)が先頭に付いた行から始まります。アスタリスク(*)の直後にはセクション名が表示されます。使用可能なセクションは、RESOURCES、MACHINES、GROUPS、NETGROUPS、NETWORK、SERVERS、SERVICES、INTERFACES、およびROUTING
です。
注意: | RESOURCES セクション(使用する場合)とMACHINES セクションは、この順序で最初に指定しなければなりません。GROUPS セクションは、SERVERS セクション、SERVICES セクション、およびROUTING セクションより前に指定しなければなりません。 |
JSLを構成するには、UBBCONFIG
ファイルを変更する必要があります。Oracle Tuxedo
の構成に関するさらに詳しい情報については、『Oracle Tuxedoアプリケーション実行時の管理』を参照してください。
リスト3-9に、UBBCONFIG
ファイルの関連部分を示しています。
*MACHINES
MACH1 LMID=SITE1
MAXWSCLIENTS=40
*GROUPS
JSLGRP GRPNO=95 LMID=SITE1
*SERVERS
JSL SRVGRP=JSLGRP SRVID=30 CLOPT= “ -- -n 0x0002PPPPNNNNNNNN -d
/dev/tcp -m2 -M4 -x10”
次の表では、Joltサーバー・グループとJoltサーバーに対して指定できるパラメータを示しています。これら以外のパラメータを指定する必要はありません。
表3-10
に示されているように、UBBCONFIGファイルのセクションを変更します。
MACHINES
セクションでは、物理マシンの論理名を指定します。また、このセクションではマシン固有のパラメータも指定します。MACHINES
セクションには、アプリケーションで使用される物理プロセッサごとのエントリが必要です。エントリの形式は次のとおりです。
ADDRESS
or
NAME
required parameters [optional parameters]
ADDRESS
はプロセッサの物理名です。たとえば、UNIXシステムのuname -n
コマンドの実行結果として返される値などです。
LMID=
string_value
このパラメータは、ADDRESS
のシンボリック名として、ほかのセクションでstring_value
が使用されることを指定します。この名前にはカンマを指定できません。名前は30文字以内で指定します。このパラメータは必須です。構成で使用されるすべてのマシンには、LMID
行を指定する必要があります。
MAXWSCLIENTS
=number
構成ファイルのMACHINES
セクションには、MAXWSCLIENTS
パラメータを指定する必要があります。これは、プロセッサにおけるアクセサ数を指定する、JoltクライアントとWorkstationクライアント専用のパラメータです。このパラメータには、0 - 32,768の範囲の値を指定します。
JoltサーバーとWorkstationでは、同じ要領でMAXWSCLIENTS
が使用されます。たとえば、MAXWSCLIENTS
に200スロットが構成されると、JoltとWorkstationで使用されるリモート・クライアントの総数が決まります。
構成ファイルのMAXWSCLIENTS
は必ず指定してください。指定しない場合は、デフォルトで0が設定されます。
注意: | MAXWSCLIENTS が設定されていないと、JSLは起動しません。 |
このセクションでは、サーバー・グループに関する情報を定義します。サーバー・グループは少なくとも1つ定義しなければなりません。サーバー・グループのエントリには、サーバー群およびマシン上のサービス群に対して、論理名を指定します。論理名は、SERVERS
セクションのSRVGRP
パラメータの値に使用されます。SRVGRP
は、SERVICES
セクションで、グループ内の特定のサービス・インスタンスのオカレンスを識別する場合にも使用されます。GROUPS
セクションのその他のパラメータは、このグループを特定のリソース管理インスタンスに関連付けます(社員データベースなど)。GROUPS
セクション内にある各行の形式は次のとおりです。
GROUPNAME
required parameters
[
optional parameters
]
GROUPNAME
は、グループの論理名(string_value)を指定します。グループ名は、GROUPS
セクションのグループ名とMACHINES
セクションの LMID
の中で一意でなければなりません。このグループ名には、アスタリスク(*)、カンマ(,)、またはコロン(:)を指定できません。名前は30文字以内で指定します。
Joltサーバー・リスナー(JSL)を含むグループには、GROUPS
エントリを指定する必要があります。次の手順に従って、GROUPS
エントリを作成します。
注意: | リソース・マネージャが、UBBCONFIG ファイルのGROUPS セクションにあるすべてのグループに対して、デフォルト値として割り当てられていないことを確認します。デフォルト値として指定されたリソース・マネージャは、JSLに割り当てられ、tmboot の実行時にエラーが発生します。SERVERS セクションのRESTART 、MAXGEN 、その他に指定されているデフォルト値は、JSLに対して有効です。 |
このセクションでは、システムで起動されるサーバーの初期状態に関する情報を定義します。常時実行中の状態にあり、受信したサーバー・グループのサービス・リクエストを処理するのがサーバーである、という捉え方は、特定のリモート環境には当てはまらない場合があります。ほとんどの環境では、オペレーティング・システムまたはリモート・ゲートウェイは単にサービスの送信を行っています。このような場合は、リモート・プログラムのエントリ・ポイントに対して、SERVER
表のエントリではなくSERVICE
エントリ・ポイントを指定するだけで十分です。Oracle Tuxedoシステムのゲートウェイ・サーバーは、リモート・ドメインのサービス・リクエストを公開し、キューに入れます。ホスト固有のリファレンス・ページでは、UBBCONFIG
のサーバー表エントリが特定の環境に適応しているかどうかを示し、適応している場合は対応するセマンティクスを明記する必要があります。SERVERS
セクション内にある各行の形式は次のとおりです。
AOUT
は、tmboot
(1)によって実行されるファイル(string_value
)を指定します。tmboot
は、サーバー・グループで指定されたマシン上でAOUT
を実行します。tmboot
はターゲット・マシンでAOUT
ファイルを検索するため、AOUT
はそのマシンのファイル・システム内になければなりません。(AOUT
のパスには、ほかのマシン上にあるファイル・システムへのRFS接続を含めることができます。)サーバーの関連パス名が割り当てられている場合、AOUT
の検索はAPPDIR
、TUXDIR/bin
、/bin
、path
で連続して実行されます。
ここで、<path>
は、マシンの環境ファイルが存在する場合にそのファイルに表示される最後のPATH
=行 です。APPDIR
およびTUXDIR
の値は、TUXCONFIG
ファイル内の適切なマシン・エントリから取得されます。
クライアントは、Joltサーバー・リスナー(JSL)を介してOracle Joltアプリケーションに接続します。サービスは、Joltサーバー・ハンドラ(JSH)を介してアクセスされます。これらのクライアントは、唯一の通信ポイントであるJSLを経由して特定のネットワーク・アドレス(JSLコマンドラインで指定)のアプリケーションに接続します。JSLは、ハンドラ・プロセスをスケジューリングします。ハンドラ・プロセスは、アプリケーションの管理ドメインの範囲内にあるリモート・ワークステーションで、クライアントの代わりに動作します。ハンドラは、1つのポートで同時に複数のクライアントを扱うために、多重化スキームを使用します。
JSLに指定されたネットワーク・アドレスは、JSLおよびJSLに関連付けられたJSHプロセスのTCP/IPアドレスを決定します。ネットワーク・アドレスにより決定されたポート番号は、JSLが新しい接続を受け付けるポート番号を指定します。JSLに関連付けられた各JSHは、同じTCP/IPアドレスで連続するポート番号を使用します。たとえば、JSLの最初のポート番号が8000であり、最大3つのJSHプロセスがある場合、これらのJSHプロセスは8001、8002、8003のポートを使用します。
注意: | 後続のJSLを誤って構成すると、ポート番号の衝突が発生します。 |
これまでに説明したセクションのパラメータのほか、JSLでは次のパラメータを指定することができます。ただし、これらのパラメータを設定すると、アプリケーションにどのような影響が及ぶかを考慮してください。
SVRGRP
=string_value
このパラメータは、実行するサーバーが含まれるサーバー・グループの名前を指定します。string_value
は、*GROUPS
セクションのサーバー・グループを示す論理名でなければならず、名前は30文字以内で指定します。*GROUPS
セクションのエントリと関連付けるということは、LMID
が指定されたサーバー・グループ内のマシンでAOUT
が実行されることを意味します。また、この関連付けにより、サーバー・グループのGRPNO
と、関連するリソース・マネージャがオープンされている場合に受け付けられるパラメータが指定されます。すべてのサーバー・エントリには、サーバー・グループのパラメータが指定されていなければなりません。
SRVID
=number
このパラメータには、グループ内の特定のサーバーを示す識別子(1 - 30,000の範囲の値)を指定します。このパラメータは、すべてのサーバー・エントリに必要です(サーバー・グループ内のサーバーが1つの場合も必要)。複数のサーバーのオカレンスを設定する場合は、連続するSRVID
を指定しないでください。MAX
で指定された数までのサーバー用に、SRVID
を残しておいてください。
SERVERS
セクションのオプション・パラメータには、ブート・パラメータとランタイム・パラメータがあります。
ブート・パラメータは、tmboot
によってサーバーが実行されるときに使用されるパラメータです。いったん実行されると、サーバーは構成ファイルからエントリを読み込み、ランタイム・オプションを決定します。正しいエントリが検索されるようにするため、一意のサーバー識別子が使用されます。次のパラメータがブート・パラメータです。
CLOPT
=string_value
CLOPT
パラメータは、起動時にAOUT
に渡すコマンドライン・オプションの文字列を指定します。『ファイル形式、データ記述、MIBおよびシステム・プロセス・リファレンス』のservopts(5)
ページには、有効なパラメータが一覧表示されています。
開発中のサーバーに適用されるオプションもあります。たとえば、-r
オプションは、サービス・リクエストが開始または終了するたびに、標準のエラー・ファイルにレコードを書き込むようサーバーに指示します。
別のコマンドライン・オプションを使用して、サーバーの標準出力(stdout
)や標準エラー(stderr
)を特定のファイルに書き込んだり、サーバーの起動時に利用可能なサービスの種類を最初に公開するように指定できます。
CLOPT
パラメータのデフォルト値は-A
であり、サーバーの起動時に、利用可能なサービスがすべて公開されることを示します。
CLOPT
パラメータには最大256文字まで指定できます。パラメータは二重引用符で囲む必要があります。
SEQUENCE
=number
このパラメータは、ほかのサーバーとの関係において、いつサーバーを停止または起動するかを指定します。SEQUENCE
が指定されていない場合、サーバーはSERVERS
セクションで指定された順序で起動し、逆の順序で停止されます。シーケンス番号が指定されているサーバーとそうでないサーバーがある場合、シーケンス番号が指定されたサーバーが低い番号から順に起動します。次に、シーケンス番号が指定されていないサーバーが、構成ファイルに表示されている順序で起動します。シーケンス番号には1 - 9999の値を指定します。複数のサーバーに同じシーケンス番号が割り当てられると、tmboot
の実行時にこれらのサーバーが同時に起動します。
MIN=
number
MIN
パラメータは、tmboot
で起動されるサーバーのオカレンスの最小数を指定します。RQADDR
が指定されており、MIN
が1より大きい数の場合、サーバーはMSSQ (複数サーバー、単一キュー)になります。サーバーの識別子はSRVID
で指定します。SRVIDの最大値はSRVID
+ (MAX
-1)です。サーバーのすべてのオカレンスには、同じサーバー・パラメータのほか、同じシーケンス番号が付きます。MIN
には0 - 1000までの範囲の値を指定できます。MIN
を指定しないと、デフォルトで1が設定されます。
MAX=
number
MAX
パラメータは、起動するサーバーのオカレンスの最大数を指定します。tmboot
が実行されると、MIN
で指定した数のサーバーが起動します。次に、tmboot
の-i
オプションを使用して関連するサーバー識別子を指定し、その他のサーバー(MAX
で指定した数まで)を起動します。MAX
には0 - 1000の範囲の値を指定できます。MAX
を指定しないと、デフォルトでMIN
と同じ値かまたは1が設定されます。
tmboot
によって起動したサーバーは、ランタイム・パラメータを使用します。すでに説明したとおり、tmboot
は、サーバーの起動時にMACHINES
セクションに対してTUXDIR
、APPDIR
、およびENVFILE
の各パラメータの値を使用します。さらに、サーバーのPATH
を次のパスに設定します。
path
は、ENVFILE
ファイルの最後の行(PATH=
)に指定されている値です。次のパラメータはランタイム・パラメータです。
ENVFILE=
string_value
ENVFILE
パラメータを使用して、サーバーの初期化時に、tmboot
によって作成された環境に対して値を追加することができます。tmboot
のMACHINES
ENVFILE
で変数を指定した後、オプションとして、SERVERS ENVFILE
パラメータで指定されたファイルの変数を設定することもできます。これらのファイルを使用してTUXDIR、APDIR、TUXCONFIG
、またはTUSOFFSET
をオーバーライドすることはできません。最も良い方法は、アプリケーションを正しく実行するために必要な変数だけをサーバーの ENVFILE
に設定しておくことです。
サーバー側では、サーバーの起動後にENVFILE
ファイルが処理されます。したがって、サーバーの実行に必要な実行可能ファイルまたは動的にロードされたファイルを検索するためのパス名を、このファイルに設定することはできません。これらのタスクを実行する必要がある場合は、かわりにマシンのENVFILE
を使用してください。
ENVFILE
では、各行を次の形式で指定する必要があります。
は許可されます。VARIABLE
は、アンダースコアまたはアルファベット文字で開始する必要があり、アンダースコアと英数字だけで構成することもできます。サーバーが、別のマシンに移行可能なサーバー・グループに関連付けられている場合、ENVFILE
は両方のマシンで同じ場所に存在しなければなりません。
CONV={Y | N}
CONV
は、サーバーが会話型サーバーであるかどうかを指定します。会話型サーバーが定義されている場合、CONV
の値はY
になります。接続は会話型サーバーに対してのみ行うことができます。受け取ったリクエストに対してレスポンスを行うサーバーの場合は、CONV=N
(デフォルト)を設定するか、またはパラメータを省略します。
RQADDR=
string_value
RQADDR
は、このサーバーのリクエスト・キューにシンボリック名を割り当てます。複数のサーバーに対して同じシンボリック名を使用し、MSSQセットを作成します(1より大きいMIN
の値を指定)。MSSQセットに属するすべてのメンバーは、同じサービスのセットを提供し、同じサーバー・グループに属していなければなりません。
RQADDR
を指定しないと、このサーバーのキュー・アドレスとなる一意のキーが割り当てられます。ただし、キューにシンボリック名が設定されている場合は、キュー・アドレスを引数として使用する tmadmin
コマンドを使う方が簡単です。
RQPERM
=number
このサーバーのリクエスト・キューにUNIX形式で許可を割り当てる場合は、RQPERM
パラメータを使用してください。numberには、0001 - 0777の範囲の値を指定します。パラメータが何も指定されていない場合は、掲示板に設定された許可の値(RESOURCES
セクションのPERM
で指定)が使用されます。そこでもパーミッションが設定されていない場合は、デフォルトの0666が指定されます。ただし、この値が設定された状態では、システムにログインしたユーザーであれば誰でもアプリケーションを使用できるため、注意が必要です。
REPLYQ={ Y | N }
REPLYQ
パラメータは、応答キュー(リクエスト・キューとは別)をAOUT
に対して作成する必要があるかどうかを指定します。N
が指定されると、AOUT
と同じLMID
に応答キューが作成されます。リクエスト・キューを使用するサーバーが1つの場合、リクエスト・キューから応答を取り出す操作は問題なく行われます。しかし、サーバーがMSSQセットのメンバーであり、応答メッセージを受信するようにプログラミングされているサービスを含んでいる場合、REPLYQ
をY
に設定して、このサーバーに対して応答キューが個別に作成されるようにする必要があります。N
に設定されると、応答はMSSQセット内の全サーバーが共有するリクエスト・キューに送信されてしまい、応答がリクエスト元のサーバーに返されるかどうかは保証されません。
応答を必ず受信するには、常にMSSQセット内の全サーバーにREPLYQ=Y
を設定するべきです。MSSQセット内のサーバーでは、同じサービスが提供されなければなりません。つまり、セット内のあるサーバーが応答を待機している場合は、セット内のほかのサーバーでも応答を待機できます。
RPPERM=
number
応答キューに許可を割り当てるには、RPPERM
パラメータを使用してください。number
は、通常のUNIX形式(例: 0600)で指定されます。指定できる値は、0001 - 0777までの数値です。RPPERM
を指定しない場合は、デフォルトで0666が指定されます。このパラメータは、REPLYQ=Y
の場合のみ有効です。リクエストと応答が同じキューから読み出される場合、必要なのはRQPERM
のみで、RPPERM
は無視されます。
RESTART={ Y | N }
RESTART
パラメータは、AOUT
を再起動できるかどうかを示し、Y
またはN
を指定できます。デフォルト値はN
です。移行可能なサーバー・グループにサーバーが属している場合、RESTART
にはY
を指定しなければなりません。SIGTERM
シグナルを指定して起動したサーバーは再起動できません。このサーバーはリブートする必要があります。
サーバーの再起動に関するポリシーは、サーバーの状態、つまりサーバーが開発中であるかどうかによって異なります。アプリケーションがテスト過程の段階では、サーバーに繰り返し障害が発生することも考えられます。しかし、アプリケーションが本番段階に進んだら、サーバーは、ほとんど障害が発生しない状態でなければなりません。アプリケーションが本番段階に進んだら、サーバーの再起動に関してさらに厳しい条件のパラメータを設定することもできます。
RCMD=
string_value
AOUT
が再起動できる場合、このパラメータは、AOUT
が異常終了した場合に実行するコマンドを指定します。最初のスペースまたはタブまでの文字列は、フル・パス名またはAPPDIR
を基準とする相対パス名で指定された実行可能なUNIXファイル名である必要があります。(コマンドの先頭でシェル変数を設定しないでください)。オプションで、コマンド名の後にコマンドライン引数を指定することもできます。コマンドラインには、GRPNO
とSRVID
という、サーバーの再起動に関連する2つの引数が追加されます。string_value
はサーバーの再起動と並行して実行されます。
RCMD
パラメータを使用すると、サーバーの再起動時に並行して実行されるコマンドを指定することができます。このコマンドは、サーバーのPATH
のディレクトリにある実行可能なUNIXのシステム・ファイルでなければなりません。たとえば、カスタマイズされたメッセージをuserlogに送信し、再起動するサーバーにマークを付けるコマンドです。
MAXGEN=
number
このパラメータは、AOUT
が再起動可能な場合、GRACE
で指定された期間内に、最大「number
- 1」回まで再起動されることを指定します。指定できる値は0より大きく、256より小さい数値です。この値を指定しないと、デフォルトの1 (サーバーは一度起動できるが、再起動はできない)が設定されます。サーバーが再起動可能な場合、MAXGEN
には2以上の値を指定する必要があります。RESTART
にY
を指定しないと、MAXGEN
の値は無視されます。
GRACE=
number
RESTART
がY
の場合、GRACE
パラメータを使用して、サーバーの再起動を行える期間(秒単位)を指定することができます。再起動はMAXGEN
- 1回行うことができます。秒数として0以上2,147,483,648未満(または68年強)の値を指定します。GRACE
を指定しない場合は、デフォルトの86,400秒(24時間)が指定されます。GRACE
を0に設定すると、すべての制限が解除されます。つまり、サーバーの再起動回数が制限されなくなります。
JSLには、Oracle Tuxedoのパラメータである RESTART、RQADDR
、およびREPLYQ
を使用できます。(ランタイム・パラメータの詳細は、『Oracle Tuxedoアプリケーション実行時の管理』を参照してください。)パラメータは次の要領で指定してください。
SRVGRP
パラメータを指定するには、GROUPS
セクションにある、定義済みのサーバー・グループ名を示す値を入力します。 SRVID
を指定するには、1 - 30,000の数値を使用してグループ内のサーバーを示す識別子を入力します。CLOPT
パラメータが以下の構文になっていることを確認します。CLOPT= “-- -n 0x0002PPPPNNNNNNNN -d /dev/tcp -m2 -M4 -x10”
注意: | CLOPT パラメータは数種類あります。該当するコマンドラインの説明については、「JSLのコマンドライン・オプション」の表を参照してください。 |
以下のOracle Jolt製品のWebページには、サンプル・コードが用意されています。このサンプル・コードはOracle Joltを使用して変更することができます。
http://www.bea.com/products/jolt/index.htm
これらのサンプルを使用すると、Oracle Joltの機能を実際に試すことができます。
![]() ![]() ![]() |