このチュートリアルでは、Oracle Test Managerの主要な機能を段階を追って説明します。次の例で構成されています。
要件の追加: 要件の追加方法を説明します。
テストの追加: マニュアル・テストおよび自動テストの両方の追加方法と、要件をテストに関連付ける方法を説明します。
テストの実行: マニュアル・テストおよび自動テストの両方の実行方法と、自動テストの結果の表示方法を説明します。
問題の追加: 問題の検出方法と、問題を追加し、テストに関連付ける方法を説明します。
レポートの作成: レポートおよびチャートの表示方法を説明します。
ダッシュボードの使用: デフォルトのチャート・ダッシュボードを表示し、カスタム・ダッシュボードを作成する方法を説明します。
このチュートリアルは、最初から最後まで順番に実行するよう構成されています。これらの例の多くは相互に関連しており、前の例の手順を元に構築されます。
注意: この項では、Oracle Application Testing Suiteインストールからのデフォルトのログイン資格証明を使用します。 |
Oracle Test Managerを起動する手順は、次のとおりです。
「スタート」メニューから「プログラム」を選択し、次に「Oracle Application Testing Suite」メニューから「Oracle Test Manager」を選択します。
ユーザー名として「administrator」と入力します。
Oracle Application Testing Suiteのインストール時に指定したパスワードを入力します。
「データベース」が「Default OTM」に設定されていることを確認します。
「ビュー・タイプ」が「すべてのモジュール」に設定されていることを確認します。
「ログイン」をクリックします。
Oracle Test Managerには、サンプルの株式仲買アプリケーションFitch & Matherをテストするためのデモ・プロジェクトがインストールされています。このアプリケーションは、http://demo.fmstocks.com
で表示できます。サンプル・プロジェクトを開く手順は、次のとおりです。
Oracle Test Managerを起動してログインします。
デフォルトのインストール・ユーザー名は、管理者が変更した場合を除き、「administrator」と「default」です。パスワードは、管理者が変更した場合を除き、インストール手順で指定したパスワードです。
「プロジェクト」メニューから「開く」をクリックして「プロジェクトを開く」ダイアログ・ボックスを表示します。
「Default OTM」データベースが選択されていることを確認します。これは、Oracle Test Managerのインストール時に作成されたデータベースです。
「OK」をクリックします。次のように、メイン・ウィンドウが表示されます。
左ペインには、アプリケーションを構成するモジュールのタブが含まれます。これらは、要件、テスト、問題、レポートおよびダッシュボードです。選択したアイテムの詳細情報が右ペインに表示されます。システム管理者がデータベースをカスタマイズして新規フィールドを追加したりデフォルト・フィールドを無効にした場合、表示される情報がこのチュートリアルで示される例と異なる可能性があります。
この例では、テスト・プランの追加方法を説明します。
「テスト・プラン」タブをクリックします。
アイテム3を選択します。テスト・プランが、テスト・プラン「要件」に追加されます。
「追加」をクリックして「テスト・プラン・ノードの追加」ダイアログ・ボックスを表示します。
「名前」フィールドに「System Requirements」と入力します。
所有者を選択します。
「優先度」リストから「高」を選択します。
「説明」フィールドに「Web server and Oracle Database」と入力します。
「保存」をクリックします。新規テスト・プランがツリーに表示されます。
「インデント」ツールバー・ボタンをクリックして、「System Requirements」ノードをアイテム3の「要件」の下に移動します。
この例では、要件の追加方法を説明します。
「要件」タブをクリックします。
アイテム1を展開し、アイテム1.4をクリックします。新規要件がアイテム1.5として追加されます。
「追加」をクリックして「要件の追加」ダイアログ・ボックスを表示します。
「名前」フィールドに「Users should have access to the chart view of their portfolio」と入力します。
タイプ、所有者およびステータスを選択します。
「優先度」リストから「中」を選択します。
「説明」フィールドに「All customers should be able to view their portfolio in the chart view」と入力します。
「保存」をクリックします。新規要件がツリーに表示されます。
Oracle Test Managerに、2種類のテスト・ケースを追加できます。
マニュアル・テスト: これらは、テスト・ケースを編成できるテストです。テストの各手順で、アクション、予想結果および関連コメントを入力できます。テストの実行時には、Oracle Test Managerのマニュアル・テスト・ウィザードがテストを手順を追って説明し、各テストを手動で実行して結果を入力できます。
自動テスト: これらは、Oracle OpenScriptテストで、手動介入なしに自動的に実行できます。1つのテスト、テストのブランチ全体、またはプロジェクト内のすべての自動テストを実行できます。
この例は2つの部分で構成されています。最初の部分で、マニュアル・テストの追加方法を説明します。2番目の部分で、同じテストをOracle OpenScriptを使用して作成し、自動テストとして追加する方法を説明します。
この例では、マニュアル・テストの追加方法を説明します。
「テスト」タブをクリックします。
アイテム1、「Login Tests」をクリックします。
「追加」をクリックして「テストの追加」ダイアログ・ボックスを表示します。
「名前」フィールドに「Verify customer chart view of portfolio」と入力します。
「タイプ」フィールドで「マニュアル・テスト」を選択します。
「説明」フィールドに「This test verifies that the chart view of the portfolio is accessible」と入力します。
所有者と優先度を選択します。
「保存」をクリックします。テストがアイテム番号2として追加されます。テスト・ステップを追加する準備ができました。
右側ペインの「テスト・ステップ」セクションの「追加/編集」をクリックして「テスト・ステップ」ダイアログ・ボックスを表示します。
「追加」をクリックします。
「アクション」フィールドに「Go to http://www.fmstocks.com/fmstocks」と入力します。
「予想結果」フィールドに「The FMStocks Customer Login page should be displayed」と入力します。
「追加」をクリックしてダイアログ・ボックスの上部を更新し、次のステップに移動します。
「追加」をクリックして各ステップを開始し、次のステップを入力します。
ステップ | アクション | 予想結果 |
---|---|---|
2 | 「ログイン」をクリックします。 | 「Welcome to FMStocks」ページが表示されます。 |
3 | 「Chart Your Portfolio」をクリックします | 「Your Portfolio」ページにスプレッドシートとグラフが表示されます。 |
マニュアル・テスト・ステップダイアログ・ボックスには、エントリが入力されたとおり表示されます。
「OK」をクリックします。
Oracle Test Managerでは、Oracle OpenScript機能テスト・スクリプトを自動テストとして実行できます。この例では、Oracle OpenScriptで作成したスクリプトをOracle Test Managerのテストに追加し、先ほど追加した要件に関連付ける方法を説明します。
「スタート」メニューから「プログラム」を選択し、次に「Oracle Application Testing Suite」メニューから「OpenScript」を選択します。
「ファイル」メニューから「新規」を選択します。
「機能テスト(ブラウザ/GUI自動化)」フォルダを展開します。
「Web」を選択して「次」をクリックします。
デフォルトのリポジトリを選択します。
スクリプトの名前として「ChartPortfolio」
と入力し、「終了」をクリックします。
OpenScriptによってスクリプト・プロジェクトが作成され、「初期化」、「実行」および「終了」セクションがスクリプト・ツリーに追加されます。
「スクリプト」メニューから「記録」を選択するか、ツールバー・ボタンをクリックします。新しいブラウザ・ウィンドウが開きます。
http://www.fmstocks.com/fmstocks
に移動します。
「ログイン」をクリックします。
「Chart Your Portfolio」リンクをクリックします。
「スクリプト」メニューから「停止」を選択するか、ツールバー・ボタンをクリックします。
「ファイル」メニューから「保存」を選択します。
「スクリプト」メニューから「再生」を選択するか、ツールバー・ボタンをクリックして、スクリプトが正しく再生され、成功することを検証します。結果は、OpenScriptの「結果」ビューまたは「詳細」ビューで表示できます。
「ファイル」メニューから「終了」を選択してOracle OpenScriptを終了し、Oracle Test Managerに戻ります。
「テスト」タブをクリックします。
「Customer Account Tests」を展開し、アイテム3.2「Verify customer stock portfolio」をクリックします。
「追加」をクリックして「テストの追加」ダイアログ・ボックスを表示します。
「名前」フィールドに「Verify customer chart view of portfolio」と入力します。
「タイプ」フィールドで「Oracle OpenScript」を選択します。
「リポジトリ」フィールドで「検索」をクリックします。
デフォルト・リポジトリを展開し、「ChartPortfolio」スクリプトを選択して、「OK」をクリックします。
所有者と優先度を選択します。
「説明」フィールドに「This test verifies that the chart view of the portfolio is accessible」と入力します。
「保存」をクリックします。
テストがアイテム3.3として追加されます。
右ペインの「関連付けられた要件」の横にある「追加/編集」をクリックして「要件の関連付け」ダイアログ・ボックスを表示します。
「ツリー・ビュー」タブをクリックします。
アイテム1を展開し、アイテム1.5をクリックします。
「選択」をクリックします。
「OK」をクリックします。テストが要件にリンクされ、画面の右側にリスト表示されます。さらに、テストは要件の「関連付けられたテスト」セクションにもリスト表示されます。
この例は2つの部分で構成されています。最初の部分で、前の例で作成したマニュアル・テストの実行方法を説明します。2番目の部分で、前の例で作成した自動テストの実行方法と、詳細結果レポートを表示する方法を説明します。
この例では、前の例で入力したマニュアル・テストの実行方法を説明します。
「テスト」タブをクリックして、2番の「Verify customer chart view of portfolio」を選択します。
右側のペインにある実行履歴セクションのこのテストを実行をクリックします。
「バージョン」フィールドで「1.0」を選択します。これは、テストするアプリケーションのバージョン番号です。
「保存」をクリックします。
このダイアログ・ボックスでは、実行するアクションと予想結果が表示されます。ブラウザを開いて最初のアクションを実行します。結果「成功」を選択します。必要に応じてコメントを「サマリー」フィールドに入力します。
ステップ2および3について繰り返します。
「OK」をクリックして「マニュアル・テストの実行 - サマリー」ウィンドウを表示します。
「成功」を選択します。
「サマリー」フィールドに「No problems encountered with this test.」と入力します。
「OK」をクリックします。
実行履歴と結果の詳細が右ペインに表示されます。
この例では、前の例で作成した自動テストの実行方法と、結果の詳細および詳細なOracle OpenScript結果レポートを表示する方法を説明します。
「テスト」タブをクリックします。
アイテム番号3を展開し、アイテム3.3「Verify customer chart view of portfolio」をクリックします。
右側ペインの実行履歴セクションのこのテストを実行をクリックして「テスト実行情報」ダイアログ・ボックスを表示します。
「システム」フィールドで「OTM Server」を選択します。これはテストが実行されるマシンです。
「バージョン」フィールドで「1.0」を選択します。これは、テストするアプリケーションのバージョン番号です。
実行設定フィールドは、実行時にOpenScriptスクリプトに追加設定を渡すための拡張オプションです。このフィールドは空白にします。
「保存」をクリックします。Oracle OpenScriptによってスクリプトが実行されます(少し時間がかかる場合があります)。
右側ペインのスクリプト名の横にある「リフレッシュ」矢印をクリックして、実行履歴を更新します。テストが完了すると、Oracle Test Managerによって結果詳細サマリーが表示されます。
右側のペインにある実行履歴セクションでテストの日付をクリックします。
結果サマリーの「レポートの表示」をクリックして、詳細なOracle OpenScript結果レポートを別のブラウザ・ウィンドウに表示します。
レポートを確認し、完了したら「結果レポート」ウィンドウを閉じます。
この例では、問題の検索、問題の追加、テストへの関連付け、および追加情報の含まれた添付ファイルの追加方法を説明します。この例の目的に合せ、例3のスクリプト実行が失敗したと仮定します。
このトピックに関する問題がすでに存在するか問題を検索したり、または関連する問題を検索する手順は、次のとおりです。
「問題」タブをクリックします。
「検索」アイコン(虫眼鏡)をクリックして「検索」ダイアログ・ボックスを表示します。
検索するフィールドの「説明」を選択します。
「値」フィールドに「chart」と入力します。
「検索対象」フィールドで「問題」が選択されており、「次に一致する」フィールドで「すべて」が選択されていることを確認します。これにより、すべての問題の説明で「chart」という単語が検索されます。
「検索」をクリックします。一致があれば、ウィンドウの「結果」部分に表示されます。
1つの一致が検出されました。「結果」リストで「ナビゲート」をクリックしてOracle Test Managerで表示するか、「プレビュー」をクリックして問題を別のプレビュー・ウィンドウで表示できます。この失敗が異質なもので、新規問題の作成が必要であると仮定します。
「閉じる」をクリックして「検索」ダイアログ・ボックスを閉じます。
問題を作成する手順は、次のとおりです。
「問題」タブをクリックします。
「追加」をクリックして「問題の追加」ダイアログ・ボックスを表示します。
「サマリー」フィールドに「Chart portfolio failed」と入力します。
デフォルトのコンポーネントを選択します。
バージョンで「1.0」を選択します。
問題をデフォルト・ユーザーに割り当てます。
ステータスを作成済に設定します。
「優先度」を高に変更します。
「重大度」を中に変更します。
Windowsプラットフォームを選択します。
「保存」をクリックします。問題が次の使用可能な番号に割り当てられ、リストの一番下に追加されます。
右ペインの「関連付けられたテスト」の横にある「追加/編集」をクリックして「テストの関連付け」ダイアログ・ボックスを表示します。
「ツリー・ビュー」タブをクリックします。
アイテム3を展開し、アイテム3.3を選択します。
「選択」をクリックします。
「OK」をクリックします。テストが「関連付けられたテスト」リストに表示されます。
「添付ファイル」セクションの「追加/編集」を選択して「ファイルの添付」ダイアログ・ボックスを表示します。
「追加」をクリックします。
「参照」をクリックします。
添付するファイルを選択して「開く」をクリックします。
「アップロード」をクリックします。
「閉じる」をクリックします。添付ファイルが右側ペインの「添付ファイル」リストに表示されます。添付ファイルを対応アプリケーションで開くには、添付ファイルをクリックします。
Oracle Test Managerにはレポートの標準セットが付属しています。さらに、カスタム・レポートを作成して、オプションで保存できます。レポートは、パブリック(全ユーザーが参照可能)またはプライベート(本人のみが参照可能)のいずれにでもできます。この例では、標準レポートを表示し、カスタム・レポートを作成して保存する方法を説明します。
「レポート」タブをクリックします。
「パブリック・レポート」ノードを展開し、次に「問題」ノードを展開します。
「Issues by Assigned to Bar Graph」を選択してグラフを右ペインに表示します。
グラフ領域を1回クリックし、その後、棒の上にマウスを移動して実際の値を表示します。「データ・ビュー」をクリックしてデータのみを表示します。
カスタム・レポートを作成するには「追加」をクリックします。
レポートの名前を入力します。
レポート・タイプとして「縦棒グラフ」を選択し、レポート・テンプレートとして「3D」を選択します。
「使用可能なフィールド」から「優先度」を選択し、右矢印をクリックして「選択したフィールド」リストに追加します。
「フィルタの定義」をクリックします。
フィールドとして「優先度」、「演算子」フィールドで「次と等しくない」、「値」として低を選択します。これにより、レポートには中および高の優先度要件に関する情報のみが表示されます。
「OK」をクリックしてレポートを表示します。
「保存」をクリックしてこのレポートを保存します。
レポート名として「Requirements Medium and High」と入力します。名前がレポート・ツリーに表示されます。
「レポート・カテゴリ」として「マイ・レポート」を選択します。
「OK」をクリックします。新規レポートが「マイ・レポート」フォルダ内に追加されます。
Oracle Test Manager Web「ダッシュボード」タブで、複数レポート・ダッシュボードを作成し、表示できます。これらのダッシュボードを使用すると、関心のある主要レポートを選択して単一の統合されたビューで保存できます。これにより、特定のユーザーのニーズに合せたレポート・ダッシュボードを作成できます。それぞれの新規ダッシュボードも、このプロジェクトにログインする全ユーザーに表示されるパブリック・ダッシュボードか、アカウントのユーザーからのみ表示可能なプライベート・ダッシュボードのいずれかとして保存できます。
「ダッシュボード」タブをクリックします。
選択リストから「Test Cases Dashboard」を選択します。
「レイアウト」リストから「2列」を選択します。
ダッシュボード内のそれぞれのグラフには、ダッシュボードでの個別のグラフの移動、サイズ変更および閉じるためのツールバーがあります。
メイン・ツールバーで「新規ダッシュボード」をクリックします。
「マイ・レポート」ノードを展開します。
この例で以前作成した「Requirements Medium and High」レポートをダブルクリックします。
「パブリック・レポート」ノードを展開し、次に「要件」ノードを展開します。
「Requirements by Owner Bar Graph」レポートをダブルクリックします。2番目のグラフがダッシュボードに追加されます。
2番目のグラフのツールバーにある左矢印[<]をクリックして左に移動させます。
グラフのツールバーにある最小化[-]ボタンをクリックしてグラフを最小化します。グラフのツールバーにあるリストア[+]ボタンをクリックしてグラフをリストアします。
「保存」をクリックします。
カスタム・ダッシュボードの名前として「My Custom Dashboard」と入力します。
「マイ・ダッシュボード」を選択し、「OK」をクリックします。新規ダッシュボードが「ダッシュボード」セクター・リストに追加されます。
「My Custom Dashboard」が選択されていることを確認し、「削除」をクリックします。
「はい」をクリックしてカスタム・ダッシュボードを削除します。
これでOracle Test Managerチュートリアルは完了です。「ログアウト」をクリックしてアプリケーションを終了します。