この章では、OpenScript Oracle Fusion/ADF負荷テスト・モジュールの設定および使用手順について説明します。このテスト・モジュールは、Oracle Application Development Framework (ADF)ベース・アプリケーションの負荷テストのサポートを提供します。
OpenScript Oracle Fusion/ADF負荷テスト・モジュールは、Oracle Application Development Framework (ADF)アプリケーションの負荷テストのサポートを提供します。Oracle Fusion/ADF負荷テスト・モジュールは、HTTPモジュールの拡張です。Oracle Fusion/ADF負荷テスト・モジュールは、結果ビュー、詳細ビュー、プロパティ・ビュー、コンソール/問題の各ビュー、詳細設定、ステップ・グループ、スクリプト・マネージャ、ワークスペース・マネージャなどのOpenScriptプラットフォームと完全に統合されています。
Oracle Fusion/ADF負荷テスト・レコーダでは、コマンドがツリー・ビューにわかりやすいコマンドで表示されます。デフォルトでは、スクリプト・コマンドが、実行されたWebページごとにステップ・グループに分類されます。各ステップ・グループには、ページで実行されて記録されたアクションに対応する1つ以上のスクリプト・コマンドが含まれています。ステップ・グループのデフォルト名はADFコンポーネント名です。
OpenScriptによって、Oracle Fusion/ADF負荷テスト・スクリプトの再生結果が結果ビューに表示されます。結果ビューには各スクリプト・コマンドの結果が表示されます(経過時間や失敗のサマリーを含む)。結果レポートは同じ情報をHTMLフォーマットの結果レポートにコンパイルします。結果をOpenScript GUIから標準フォーマット(CSV / HTML)でエクスポートすることもできます。また、コマンドラインを通じた自動再生によっても結果は生成されます。
Oracle Fusion/ADF負荷テスト・モジュールAPIには、追加のプログラミング機能を提供する"adfload"クラスが含まれています。
Oracle Fusion/ADF負荷テスト・スクリプト・モジュール。新規プロジェクト・ウィザード(「ファイル」メニューから「新規」を選択)の負荷テスト・グループには、「Oracle Fusion/ADF」オプションがあります。これは、OpenScriptでOracle Fusion/ADF負荷テスト・プロジェクトを作成する際に使用します。Oracle Fusion/ADF負荷テスト・スクリプト・モジュールでは、ADF Facesアプリケーション(Oracle Application Development Framework 11gリリース1 (11.1.1))に対する負荷スクリプトを記録します。OpenScriptはユーザー・アクションを取得して、これをOpenScriptスクリプトにHTTPリクエストとPOSTデータまたは問合せ文字列に基づいて記録します。
相関ルール・ライブラリ。Oracle Fusion/ADF負荷テスト・モジュールには、スクリプトのパラメータ化に関するOracle ADF固有の相関ルールのライブラリが含まれています。これによって、手動で関連付けしなくても標準ADF Facesアプリケーションの再生が可能になります。
ADF負荷固有のAPI (アプリケーション・プログラミング・インタフェース)。Oracle Fusion/ADF負荷テスト・モジュールには、ADF負荷テスト固有スクリプトをカスタマイズする際に使用するADF負荷テスト・モジュールのAPI仕様が含まれています。
Oracle Fusion/ADF負荷テスト・モジュールでは、Oracle Application Development Framework 11gリリース1 (11.1.1)に対する標準ADFコンポーネントを記録します。レコーダでは、Oracle Fusion/ADFアプリケーションのテストを自動化する負荷テスト・スクリプトが作成されます。
ADFコンポーネントはアプレットベースのコントロールであり、Oracle Fusion/ADF負荷テスト・モジュールは、コントロール間の通信を記録するためのOpenScriptのオブジェクトまたは属性の情報を提供します。アクションは、OpenScriptのadfloadコマンドとして、テスト・スクリプト内で取得されます。その他のコンポーネントは、標準のOpenScriptのhttpナビゲーション・コマンドとして取得される標準のWebコントロールです。相関ルールは、新規スクリプトの詳細設定の設定を使用して変更できます。
Oracle Fusion/ADF負荷テスト・モジュールには記録ツールバー・ボタンがあり、ユーザーはこれを使用してADFレコーダを開始し、Web/ADFページ・アクションをスクリプト・ビューに取得することができます。記録ツールバーには、記録の開始および停止のツールバー・ボタンがあります。OpenScriptレコーダでは、記録中にブラウザとOpenScriptを切り替えることなく使用できるフローティング・ツールバーも開きます。
ADF負荷テスト・スクリプトを記録するには、次のようにします。
OpenScriptを起動します。
Oracle Fusion/ADF負荷テストの相関詳細設定を設定します。
「ファイル」メニューから「新規」を選択します。
負荷テスト・グループを開きます。
「ADF」を選択します(Oracle Fusion/ADFスクリプトにより、HTTPおよびADFのテクノロジが同じスクリプトの一部として結合されます)。
「次へ」をクリックします。
リポジトリとワークスペースを選択します。
スクリプト名を入力します。
「終了」をクリックします。新規スクリプト・ツリーがスクリプト・ビューに作成されます。
「スクリプト」メニューから「記録」を選択します。記録を開始すると、ブラウザが自動的に開きます。
記録を開始するWebページをブラウザにロードします。
ページ・オブジェクト、アクションおよびナビゲーションを記録するWebサイトにアクセスします。ページ・オブジェクト、アクションおよびナビゲーションは、「記録セクション指定」設定で指定したスクリプト・ツリーのノード(デフォルトは「Run」ノード)に追加されます。
ページのナビゲーションが終了したら、ブラウザを閉じてください。
「スクリプト」メニューから「停止」を選択するか、OpenScriptツールバーの「停止」ボタンをクリックします。
スクリプトの「Run」ノードを開いて、スクリプト・ツリーのページ・オブジェクト、アクションおよびナビゲーションのノードを表示します。
特定のテスト要件実現のために、メニュー・オプションまたはコード・ビューを使用してスクリプトをカスタマイズすることができます。
注意: 記録中またはスクリプトの再生中に、スクリプト・エディタ・ビューまたはスクリプト・プロジェクトを閉じないでください。閉じると、OpenScriptアプリケーションで予期しない動作が発生する場合があります。 |
OpenScriptでは、記録されたADFのアクション/コマンドを再生します。これは属性で識別されたオブジェクトで構成されます。再生に使用されるアクションは、記録されているアクションまたはJavaコード・ビューで手動で指定したアクションです。自動再生は、OpenScriptのコマンドライン・インタフェースを使用した、Oracle Test Managerまたはサード・パーティ・ツールによってサポートされます。
Oracle Fusion/ADF負荷テスト・モジュールには再生ツールバー・ボタンと反復ツールバー・ボタンがあり、ユーザーはこれらを使用してスクリプトの再生を開始することができます。再生は、スクリプトを通じて一度のみ行うか、データバンク・ファイルのデータを使用して何度も反復することが可能です。Oracle Fusion/ADF負荷テスト・モジュールには再生ツールバー・ボタンと反復ツールバー・ボタンがあり、ユーザーはこれらを使用してスクリプトの再生を開始することができます。再生は、スクリプトを通じて一度のみ行うか、データバンク・ファイルのデータを使用して何度も反復することが可能です。Oracle Fusion/ADF負荷スクリプトの再生結果は、結果ビューとコンソール・ビューで確認できます。
Oracle Fusion/ADF負荷スクリプトを再生するには、次のようにします。
OpenScriptを起動します。
再生するOracle Fusion/ADF負荷スクリプトを開きます。
「スクリプト」メニューの「再生」を選択するか、ツールバーのボタンをクリックします。
コンソール・ビューでスクリプト再生の進捗状況を確認できます。結果ビューでスクリプト再生の結果を確認できます。
Oracle Fusion/ADF負荷スクリプトを反復して再生するには、次のようにします。
OpenScriptを起動します。
再生するOracle Fusion/ADF負荷スクリプトを開きます。
「スクリプト」メニューから「反復」を選択するか、ツールバー・ボタンをクリックします。
「データバンクの使用」を選択します。
スクリプトに複数のデータベースが設定されている場合には、設定を指定するデータバンク・ファイルを選択します。
データバンク・ファイルの設定を指定します。
再生を停止する反復数のオプションを選択し、任意の再生の反復回数を指定します。反復設定の詳細は、4.2.4項「スクリプトの反復再生」を参照してください。
「OK」をクリックします。
コンソール・ビューでスクリプト再生の進捗状況を確認できます。結果ビューでスクリプト再生の結果を確認できます。
Oracle Fusion/ADF負荷テストの相関詳細設定を設定するには、次のようにします。
OpenScriptを起動します。
「ビュー」メニューから「OpenScript 詳細設定」を選択します。
「OpenScript」ノード配下の「相関」カテゴリを開きます。
ADF負荷テスト・ライブラリを開きます。
チェック・ボックスを選択または選択解除して、各ルールを有効または無効にします。
「追加」または「編集」ボタンをクリックして、ライブラリ内のルールを修正します。
「OK」をクリックします。
Oracle Fusion/ADF相関ライブラリでは、ADFベースのアプリケーションの相関ルールが定義されます。相関ルールにより、ADFアプリケーションおよびナビゲーションの動的データの置換に使用される変数名と正規表現が指定されます。OpenScript Oracle Fusion/ADF負荷テスト・モジュールに提供されているデフォルトのOracle Fusion/ADF相関ライブラリには、次の相関ルールが含まれています。
ADFヘッダーの相関 - ヘッダーの相関: 動的ヘッダーを使用するADFアプリケーションのデフォルトのヘッダー相関の相関ルールを実装します。
ADFViewStateの置換 - 変数置換: 正規表現パターン<input type="hidden" name="javax\.faces\.ViewState" value="(.+?)">
に一致するHTML内のテキストを検出し、すべての場所で変数名javax.faces.ViewState
と置き換えます。
_afrLoopの置換 - 変数置換: 正規表現パターン_afrLoop=(¥d{10,16})
に一致するHTML内のテキストを検出し、すべての場所で変数名_afrLoop
と置き換えます。
_afPfmの置換 - 変数置換: 正規表現パターン_afPfm=(.+?)&
に一致するHTML内のテキストを検出し、すべての場所で変数名_afPfm
と置き換えます。
_rtrnIdの置換 - 変数置換: 正規表現パターン_rtrnId=(¥d+)
に一致するHTML内のテキストを検出し、すべての場所で変数名_rtrnId
と置き換えます。
_adf.ctrl-stateの置換 - 変数置換: 正規表現パターン¥?_adf¥.ctrl-state=(.+?)">
に一致するHTML内のテキストを検出し、すべての場所で変数名_adf.ctrl-state
と置き換えます。
ADFvDlg_adf.ctrl-stateの置換 - 変数置換: 正規表現パターン__ADFvDlg__¥?_adf¥.ctrl-state=(.+?)&
に一致するHTML内のテキストを検出し、すべての場所で変数名ADFvDlg_adf.ctrl-state
と置き換えます。
stateTokenの置換 - 変数置換: 正規表現パターン<<input type="hidden" name="oracle\.adf\.faces\.STATE_TOKEN" value="(.+?)">
に一致するHTML内のテキストを検出し、oracle.adf.faces.STATE_TOKEN=((.+?))&
で指定した場所で変数名stateToken
と置き換えます。
AdfCompnentの置換 - 変数置換: 正規表現パターンnew AdfRich\w+\('(.+?)',
に一致するHTML内のテキストを検出し、すべての場所で変数名AdfComponent
と置き換えます。
ADF Web相関 - DOM相関: ADFアプリケーションのデフォルトのWebドキュメント・オブジェクト・モデル相関ルールを実装します。
Oracle Fusion/ADF負荷テスト・モジュールには、ADF負荷テストに固有のスクリプトのAPI (アプリケーション・プログラミング・インタフェース)が含まれています。Oracle Fusion/ADF負荷テスト・モジュールのレコーダでは、ツリー・ビューに対応するJavaコードを作成し、Oracle Fusion/ADF負荷テスト・コマンドをわかりやすい機能名でJavaコード・ビューに表示します。Javaコード・ビューのコマンドはツリー・ビューに対応しているため、どちらのビューでもスクリプトを修正できます。
Oracle Fusion/ADF負荷テストAPIを使用し、記録されたスクリプトを強化してテスト機能を追加できます。Oracle Fusion/ADF負荷テスト・モジュールに固有のコマンドは、adfloadクラスの一部です。追加のテスト・メソッドは、httpクラスにあります。また、その他の有効なクラス(サービス)の他のコマンドや汎用Javaコマンドも、スクリプトで利用できます。
Oracle Fusion/ADFテスト・モジュールのツリー・ビューを使用して、多数のAPIメソッドを追加できます。Javaコード・ビューを使用してさらにメソッドを追加することができます。使用できるプロシージャ一覧のインテリジェンス・ウィンドウを開くには、[Ctrl]キーを押しながら[Space]キーを押します。その他のプログラミング情報の詳細は、OpenScriptヘルプのAPIリファレンスを参照してください。