5.7 追加ネットワークの作成

Oracle VM Server上の使用可能なネットワーク・ポートの数に応じて、また、VLANを使用するかどうかに応じて、追加のネットワークを作成し、それにネットワーク機能を割り当てることができます。管理機能は例外で、これはすでに割り当てられており、Oracle VM Serverの検出時に作成される管理ネットワークから削除することはできません。たとえば、Oracle VM Serverに2つのNICがある場合、仮想マシン・ロールを持つ2つ目のネットワークを作成します。記憶域が管理ネットワークに接続されている場合、管理ネットワークによって定義されるのと同じネットワークに記憶域が接続されていると、管理ネットワークに記憶域ロールを追加できます。

Oracle VM Serverに3つ以上のポートがある場合、または、VLANを使用している場合、記憶域ロールを持つ追加のネットワークを作成できます。これらのネットワークは、Oracle VM ServerをiSCSIまたはNFSベースのいずれかの記憶域に接続します。通常、同じプールに属するすべてのOracle VM Serverは、同じ記憶域にアクセスします。作成されるネットワークごとに、そのネットワークに参加するために各Oracle VM Serverでポート、ボンドまたはVLANインタフェースを選択します。

また、ライブ・マイグレーション機能のために別のネットワークを作成することもできます。初回のサーバー検出の後、ライブ・マイグレーション・ロールが管理ネットワークに割り当てられます。Oracle VMは、SSLを使用してマイグレーション・トラフィックを暗号化することで、機密データの悪用を防ぎ、専用ネットワークが不要になるようにします。それにもかかわらず、サーバー・プール内のOracle VM Serverで十分なネットワーク・リソースがある場合、ライブ・マイグレーション用に別のネットワークを作成することを選択できます。

同様に、クラスタ・ハートビート・ネットワーク機能が、初回のOracle VM Server検出時に、即座に、管理ネットワークに割り当てられます。ハートビート通信はネットワーク上に多くのトラフィックを生成しないため、管理ネットワークに多くの影響を及ぼすことはありません。ただし、これは待機時間に影響されやすくなります。この理由から、クラスタ・ハートビート機能のために別のネットワークを作成することを選択できます。

注意

ハートビート機能およびライブ・マイグレーション機能のためにいくつかのネットワークを作成できますが、各Oracle VM Serverは1つのハートビートおよびライブ・マイグレーションのネットワークにしか参加できません。

ネットワーク構成はサーバー・プール構成から独立していますが、全体的なネットワーク・インフラストラクチャを設計する際には、両方のエンティティを考慮する必要があります。Oracle VM Serverは、Oracle VM Serverをグループ化してサーバー・プールを形成する方法とは関係なく、管理ポートを使用して、環境内のすべてのOracle VM Serverと通信します。環境の一部のネットワーク構成が、特定のサーバー・プールが利用できる記憶域に依存している場合があります。別々のサーバー・プールからデプロイされる仮想マシンは、同じ外部ネットワークを使用する場合があります。この理由から、ネットワーク設計は、現在のネットワークおよび記憶域の設定、予測される増加に基づいて計画することが最善です。サーバー・プール内の各サーバーは、同一のネットワーク構成を持つ必要があります。

この章の次の項では、Oracle VM Managerを使用してOracle VM環境のネットワーク構造をVLANグループおよびネットワークに変換する方法について説明します。環境でネットワーク・ポートのボンディングを使用することを考えている場合は、まず、それらを作成します。環境にVLANが含まれている場合、VLAN設定をサポートするためのVLANグループを作成します。この後、ネットワーク作成時に、これらのVLANグループに含まれるVLANセグメントを指定できます。