ovm_vmcontrolユーティリティは、仮想マシン(VM)上で動作します。これは、コマンドラインからOracle VM Managerに基本的な仮想マシン制御コマンドを渡します。VMを起動、停止、サスペンド、レジューム、強制終了、再起動できます。また、仮想マシンのステータス(実行中、停止状態)を問い合せて、メモリー、サーバー・プール、仮想CPUの数などの重要なVM情報を取得することもできます。
ovm_vmcontrolユーティリティには、次のコマンドライン・オプションがあります。
-u Oracle VM Manager管理ユーザーのユーザー名(必須)
-p 管理ユーザー名に対応するパスワード(必須)
-h Oracle VM Managerを実行しているサーバーのホスト名(必須)
-X SSLを使用してOracle VM Managerに接続
-v 仮想マシン名
-U 仮想マシンUUID
-t 仮想マシンを移行する際のターゲットOracle VM Serverの名前(-c migrateと同時に使用)
-s 仮想CPUをバインドする物理スレッド数のカンマ区切りのリスト(-c vcpusetと同時に使用)
-T タグ・リスト、メタデータとして仮想マシンに関連付けられる文字列のカンマ区切りのリスト(-c settagsと同時に使用)
-F 削除する仮想マシンに関連付けられる仮想ディスクを適用(-c deleteと同時に使用)
-A 仮想マシン・イベントの承認(-c eventsと同時に使用)
-c コンソール・コマンド(必須)
[コマンド: start、stop、suspend、resume、status、restart、kill、delete、info、fixcfg、events、lock、vcpuset、vcpuget、migrate、settags、gettags、list]
表示されているように、ovm_vmcontrolコンソール・コマンド・リストには、lockコマンドが含まれています。この特殊なコマンドを使用すると、一定の期間、仮想マシンをロックできます。このユーティリティによって仮想マシンがロックされている間、他のツールやユーザーは、(Oracle VM Managerユーザー・インタフェースを使用して)その特定のVM上で操作を実行することはできません。これは、VMを停止している間にVMのバックアップを作成する必要がある管理者が、バックアップが終了する前に他のユーザーによってVMが起動されるのを防ぎたい場合に、特に役立ちます。
listコマンドには、VM名またはUUID引数は必要ありません。各VMおよびそのステータスが表示されます。
fixcfgコマンドは、仮想マシンのvm.cfgファイルを確認し、無効なエントリーを修正しようとします。たとえば、vncpasswdのエントリーは、仮想マシン・コンソールがこの設定をサポートしていないため、このコマンドによって消去されます。
vcpusetコマンドは、仮想CPUをスレッドにハードバインドまたは固定します。たとえば、 -c vcpuset -s (0,1,2)は、vcpu0をthread0に、vcpu1をthread1に、vcpu2をthread2に物理的にバインドします。vcpugetコマンドを使用して、選択した仮想マシンの固定されたvCPUに関する情報を取得します。
settagsおよびgettagsコマンドは、特定の仮想マシンのタグ・メタデータの管理に使用されます。
ovm_vmcontrolコマンドおよびそれぞれの出力の例は次のとおりです。
特定の仮想マシンの詳細情報を表示します。
# ./ovm_vmcontrol -u admin -p password -h localhost -v MyVM02 -c info
Oracle VM VM Control utility 0.5.0.
Connected.
Command : info
Virtual Machine : MyVM02
Status : Running
Memory : 1024
Uptime : 83 Minutes
Server : OVS_01
Pool : MyServerPool1
HA Mode: false
VCPU : 2
Type : Xen HVM
OS : Oracle Linux 6
vminfo 'MyVM02' completed.特定の仮想マシンのステータスをチェックします。
# ./ovm_vmcontrol -u admin -p password -h localhost -v MyVM02 -c status
Oracle VM VM Control utility 0.5.0.
Connected.
Command : status
Virtual Machine : 'MyVM02' status : 'Running' on server 'OVS_01' serverpool : 'MyServerPool1'.特定の仮想マシンを停止します。
# ./ovm_vmcontrol -u admin -p password -h localhost -v MyVM01 -c stop
Oracle VM VM Control utility 0.5.0.
Connected.
Command : stop
stopvm 'MyVM01' completed. 特定の仮想マシンを起動します。
# ./ovm_vmcontrol -u admin -p password -h localhost -v MyVM01 -c start
Oracle VM VM Control utility 0.5.0.
Connected.
Command : start
startvm 'MyVM01' completed.特定の仮想マシンをロックします。
# ./ovm_vmcontrol -u admin -p password -h localhost -v MyVM01 -c lock
Oracle VM VM Control utility 0.5.0.
Connected.
Command : lock
Locking VM 'MyVM01'
Press Ctrl-C to unlock.
ロック・コマンドにより、[Ctrl]+[C]を押してロックを解除するまで、スリープ状態になります。ovm_controlユーティリティを強制終了すると、VMのロックも解除されます。