ナビゲーションリンクをスキップ | |
印刷ビューの終了 | |
Oracle Solaris 11.1 での一般的な問題のトラブルシューティング Oracle Solaris 11.1 Information Library (日本語) |
クラッシュダンプディレクトリが一杯になった場合に復元する方法 (オプション)
3. システムおよびソフトウェアのトラブルシューティング (タスク)
システムクラッシュ情報を処理する場合には、次の点に注意してください。
システムクラッシュ情報にアクセスして管理するには、root 役割になる必要があります。『Oracle Solaris 11.1 の管理: セキュリティーサービス』の「割り当てられている管理権限を使用する方法」を参照してください。
システム上でシステムクラッシュダンプを保存するオプションを無効にしないでください。システムクラッシュファイルにより、システムクラッシュの原因を判断する非常に有効な方法が提供されます。
重要なシステムクラッシュ情報は、カスタマサービス担当者に送信するまでは削除しないでください。
ハードウェアの障害、入出力の問題、ソフトウェアエラーなどが原因でシステムがクラッシュすることがあります。システムがクラッシュすると、システムはエラーメッセージをコンソールに表示し、物理メモリーのコピーをダンプデバイスに書き込みます。その後、システムは自動的にリブートします。システムがリブートすると、savecore コマンドが実行され、ダンプデバイスのデータを取り出して、保存されたクラッシュダンプを savecore ディレクトリに書き込みます。保存されたクラッシュダンプファイルは、問題を診断する上で貴重な情報となります。
クラッシュダンプ情報は圧縮した形式で vmdump. n ファイルに書き込まれます。この n は、クラッシュダンプ識別用の整数です。その後、同じシステムまたは別のシステムで savecore コマンドを呼び出して、圧縮されているクラッシュダンプを、unix. n および vmcore.n という名前の 1 組のファイルに展開できます。リブート時にクラッシュダンプが保存されるディレクトリも、dumpadm コマンドを使用して構成できます。
スワップ領域とダンプ領域には専用の ZFS ボリュームが使用されます。インストール後に、スワップデバイスやダンプデバイスのサイズの調整が必要になったり、場合によってはスワップボリュームやダンプボリュームの再作成が必要になることがあります。手順については、『Oracle Solaris 11.1 の管理: ZFS ファイルシステム』の「ZFS スワップデバイスおよびダンプデバイスを管理する」を参照してください。
システムクラッシュのあとで自動的に実行される savecore コマンドは、ダンプデバイスからクラッシュダンプ情報を取り出し、unix.x と vmcore.x という 1 対のファイルを作成します。x はダンプの通し番号です。これらのファイルは 2 つで、保存されたシステムクラッシュダンプの情報を表します。
注 - クラッシュダンプファイルはコアファイルと混同されることがあります。コアファイルは、アプリケーションが異常終了したときに書き込まれるユーザーアプリケーションのイメージです。
クラッシュダンプファイルは、あらかじめ決められたディレクトリに保存されます。これはデフォルトでは /var/crash/ です。以前の リリースでは、システムを手動で有効にして物理メモリーのイメージをクラッシュダンプファイルに保存しない限り、システムがリブートされた時にクラッシュダンプファイルが上書きされていました。このリリースでは、クラッシュダンプファイルの保存がデフォルトで有効です。
システムクラッシュ情報は dumpadm コマンドで管理します。詳細は、「dumpadm コマンドを使用したシステムクラッシュダンプ情報の管理」を参照してください。
制御構造体、アクティブなテーブル、動作中またはクラッシュしたシステムカーネルのメモリーのイメージなど、カーネルの動作状況についての情報を調べるには、mdb ユーティリティーを使用します。mdb ユーティリティーを完全に使いこなすには、カーネルについての詳細な知識が必要ですが、このマニュアルでは説明を省きます。このユーティリティーの使用法については、mdb(1) のマニュアルページを参照してください。
Oracle Solaris OS でシステムクラッシュダンプ情報を管理するには、dumpadm コマンドを使用します。
オペレーティングシステムのクラッシュダンプを構成することもできます。dumpadm 構成パラメータでは、ダンプ内容、ダンプデバイス、クラッシュダンプファイルが保存されるディレクトリなどを指定します。
ダンプデータは、圧縮した形式でダンプデバイスに格納されます。カーネルのクラッシュダンプイメージは 4G バイトを超える場合があります。データを圧縮することにより、ダンプが速くなり、ダンプデバイスのディスク領域も少なくてすみます。
スワップ領域ではなく、専用のダンプデバイスがダンプ構成の一部にあると、クラッシュダンプファイルの保存はバックグラウンドで行われます。つまり、システムをブートする際、savecore コマンドが完了するのを待たなくても、次の段階に進むことができます。大容量のメモリーを搭載したシステムでは、savecore コマンドが完了する前にシステムが使用可能になります。潜在的な問題については、「savecore の動作の変更点」を参照してください。
savecore コマンドで生成されるシステムクラッシュダンプファイルは、デフォルトで保存されます。
savecore -L コマンドを使用すると、動作中の Oracle Solaris OS でクラッシュダンプを取得できます。たとえば、パフォーマンスに問題が発生しているときやサービスが停止しているときなどにメモリーのスナップショットをとって、実行中のシステムの問題をトラブルシュートするのに使用します。システムが実行中で、一部のコマンドがまだ使用できる場合は、savecore -L コマンドを使用してシステムのスナップショットをダンプデバイスに保存し、クラッシュダンプファイルをただちに savecore ディレクトリに書き込むことができます。システムが実行中であるため、専用のダンプデバイスを構成してある場合のみ、savecore - L コマンドを使用できます。
ダンプ構成パラメータは、dumpadm コマンドで管理します。次の表に、dumpadm の構成パラメータを示します。
|
詳細は、dumpadm(1M) のマニュアルページを参照してください。
dumpadm コマンドは、システム起動時に svc:/system/dumpadm:default サービスによって呼び出されて、クラッシュダンプパラメータの構成を行います。
dumpadmコマンドは、/dev/dump インタフェースを通してダンプデバイスとダンプ内容を初期化します。
ダンプ構成が完了すると、savecore スクリプトは、クラッシュダンプファイルのディレクトリの場所を探します。次に、savecore を呼び出して、クラッシュダンプがあるかどうかを調べたり、クラッシュダンプディレクトリにある minfree ファイルの内容を確認したりします。