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Oracle Solaris 11.1 のユーザーアカウントとユーザー環境の管理     Oracle Solaris 11.1 Information Library (日本語)
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はじめに

1.  ユーザーアカウントとユーザー環境の管理 (概要)

2.  コマンド行インタフェースを使用したユーザーアカウントの管理 (タスク)

CLI を使用したユーザーアカウントの設定と管理

CLI を使用したユーザーアカウントの設定と管理 (タスクマップ)

ユーザー情報の収集

ユーザー初期設定ファイルをカスタマイズする方法

すべての役割についてアカウントのデフォルトを変更する方法

ユーザーアカウントの設定のガイドライン

ユーザーを追加する方法

ユーザーを変更する方法

ユーザーを削除する方法

グループを追加する方法

ZFS ファイルシステムとして作成されたホームディレクトリを共有する方法

ユーザーのホームディレクトリの手動マウント

3.  ユーザーマネージャー GUI を使用したユーザーアカウントの管理 (タスク)

索引

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CLI を使用したユーザーアカウントの設定と管理

次のタスクでは、CLI を使用して、ユーザーアカウントを設定し、管理する方法について説明します。

CLI を使用したユーザーアカウントの設定と管理 (タスクマップ)

タスク
説明
参照先
ユーザー情報を収集します。
標準の書式を使ってユーザー情報を収集すると、情報を整理しやすくなります。
ユーザー初期設定ファイルをカスタマイズします。
新規ユーザーに一貫した環境を提供するようにユーザー初期設定ファイルを設定できます。
すべての役割についてアカウントのデフォルトを変更します。
すべての役割について、デフォルトのホームディレクトリとスケルトンディレクトリを変更します。
ユーザーアカウントを作成します。
設定したアカウントのデフォルト値と useradd コマンドを使用して、ローカルユーザーを作成します。
ユーザーアカウントを変更します。
システムにあるユーザーのログイン情報を変更します。
ユーザーアカウントを削除します。
userdel コマンドを使用してユーザーアカウントを削除します。
管理タスクを実行するための役割を作成し、割り当てます。
ユーザーが特定の管理コマンドまたはタスクを実行できるように、設定したアカウントのデフォルト値を使用して、ローカルの役割を作成します。
グループを作成します。
groupadd コマンドを使用して、新しいグループを作成します。
セキュリティー属性をユーザーアカウントに追加します。
ローカルユーザーアカウントを設定したあとに、必要なセキュリティー属性を追加できます。
ユーザーのホームディレクトリを共有します。
ユーザーのホームディレクトリを共有して、ユーザーのシステムからそのディレクトリをリモートでマウントできるようにする必要があります。
ユーザーのホームディレクトリを手動でマウントします。
通常は、ZFS ファイルシステムとして作成されたユーザーのホームディレクトリを手動でマウントする必要はありません。ホームディレクトリは作成時に、また SMF ローカルファイルシステムサービスからのブート時に自動的にマウントされます。

ユーザー情報の収集

ユーザーアカウントを設定するときは、アカウントを設定する前にユーザーについての情報を収集するために、次のようなフォームを作成することができます。

項目
説明
ユーザー名:
役割名:
プロファイルまたは承認:
UID:
プライマリグループ:
セカンダリグループ:
コメント:
デフォルトシェル:
パスワードのステータスと有効期限:
ホームディレクトリのパス名:
マウント方法:
ホームディレクトリのアクセス権:
メールサーバー:
メール別名への追加:
デスクトップシステム名:

ユーザー初期設定ファイルをカスタマイズする方法

  1. root 役割またはユーザーマネージャー権利プロファイルを持つ役割になります。
    $ su -
    Password: 
    #

    『Oracle Solaris 11.1 の管理: セキュリティーサービス』の「割り当てられている管理権限を使用する方法」を参照してください。

  2. 各タイプのユーザー用にスケルトンディレクトリを作成します。
    # mkdir /shared-dir/skel/user-type
    shared-dir
    ネットワーク上の別のシステムで利用できるディレクトリの名前。
    user-type

    ユーザーのタイプに応じて初期設定ファイルを格納するディレクトリの名前。

  3. デフォルトのユーザー初期設定ファイルを、異なるタイプのユーザー用に作成したディレクトリにコピーします。
  4. 各ユーザータイプ用にユーザー初期設定ファイルを編集し、必要に応じてカスタマイズします。

    ユーザー初期設定ファイルをカスタマイズする方法については、「ユーザーの作業環境のカスタマイズ」を参照してください。

  5. ユーザー初期設定ファイルのアクセス権を設定します。
    # chmod 744 /shared-dir/skel/user-type/.*
  6. ユーザー初期設定ファイルのアクセス権が正しいことを確認します。
    # ls -la /shared-dir/skel/*

すべての役割についてアカウントのデフォルトを変更する方法

次の手順では、管理者が roles ディレクトリをカスタマイズ済みです。管理者はすべての役割についてデフォルトのホームディレクトリとスケルトンディレクトリを変更します。

  1. root 役割またはユーザーマネージャー権利プロファイルを持つ役割になります。

    『Oracle Solaris 11.1 の管理: セキュリティーサービス』の「割り当てられている管理権限を使用する方法」を参照してください。

  2. カスタムの roles ディレクトリを作成します。例:
    # roleadd -D
    group=other,1  project=default,3  basedir=/home  
    skel=/etc/skel  shell=/bin/pfsh  inactive=0  
    expire=  auths=  profiles=All  limitpriv=  
    defaultpriv=  lock_after_retries=
  3. すべての役割について、デフォルトのホームディレクトリとスケルトンディレクトリを変更します。例:
    # roleadd -D -b /export/home -k /etc/skel/roles
    # roleadd -D
    group=staff,10  project=default,3  basedir=/export/home  
    skel=/etc/skel/roles  shell=/bin/sh  inactive=0  
    expire=  auths=  profiles=  roles=  limitpriv=  
    defaultpriv=  lock_after_retries=

    以後、roleadd コマンドを使用すると、ホームディレクトリが /export/home に作成され、役割の環境が /etc/skel/roles ディレクトリから取り込まれます。

ユーザーアカウントの設定のガイドライン

CLI を使用してユーザーアカウントを設定する場合に、次のガイドラインに注意してください。

ユーザーを追加する方法

このリリースでは、ユーザーアカウントは Oracle Solaris ZFS ファイルシステムとして作成されます。useradd および roleadd コマンドを使用して作成されるすべてのホームディレクトリは、ユーザーのホームディレクトリを個別の ZFS ファイルシステムとして /export/home ファイルシステム上に配置します。

useradd コマンドは、-d オプションが hostname:/pathname とともに指定された場合にのみauto_home マップにエントリを作成します。それ以外の場合、指定されたパス名が passwd データベース内のユーザーのホームディレクトリとして更新され、auto_home マップエントリが作成されません。auto_home オートマウンタマップに指定されたホームディレクトリは、autofs サービスが有効な場合にのみマウントされます。

  1. root 役割またはユーザーマネージャー権利プロファイルを持つ役割になります。

    『Oracle Solaris 11.1 の管理: セキュリティーサービス』の「割り当てられている管理権限を使用する方法」を参照してください。

  2. ローカルユーザーを作成します。

    デフォルトでは、ユーザーはローカルに作成されます。-S ldap オプションを含めると、ユーザーは既存の LDAP リポジトリに作成されます。

    # useradd -d dir -m username
    useradd

    指定されたユーザーのアカウントを作成します。

    -d

    ユーザーのホームディレクトリの場所を指定します。

    エントリが auto_home に強制的に書き込まれるようにするには、-d /export/home/ username の代わりに -d localhost:/export/home/ username を使用します。

    -m

    ユーザーのローカルホームディレクトリをシステム上に作成します。

    次のように -d dir オプションを指定した場合、auto_home エントリなしでユーザーが作成され、passwd エントリでユーザーのホームディレクトリとして /export/home/user1 が指定されます。

    # useradd -d /export/home/user1 user1

    次のように、-d dir オプションを指定した場合、ユーザーは auto_home エントリを持ち、passwd データベースに /home/user1 が含まれ、autofs サービスへの依存関係が示されます。

    # useradd -d localhost:/export/home/user1 user1

    注 - pam_zfs_key モジュールでユーザーの暗号化ホームディレクトリを作成する場合。この場合、useradd コマンドで -m オプションを指定しません「ユーザーアカウントの設定のガイドライン」を参照してください。


    useradd コマンドで指定できるすべてのオプションと引数の詳細な説明については、useradd(1M) のマニュアルページを参照してください。


    注 - ユーザーにパスワードを割り当てるまで、アカウントはロックされます。


  3. ユーザーにパスワードを割り当てます。
    # passwd username
    New password: Type user password
    Re-enter new password: Retype password

    その他のコマンドオプションについては、useradd(1M) および passwd(1) のマニュアルページを参照してください。

参照

ユーザーの作成後、ユーザーへの役割の追加と割り当て、ユーザーの権利プロファイルの表示と変更、ユーザーの RBAC プロパティーの変更などの追加のタスクを実行する必要がある場合があります。詳細は、次のマニュアルページを参照してください。

ユーザーを変更する方法

usermod コマンドは、ユーザーのログインの定義を変更し、ユーザーの適切なログイン関連ファイルシステムの変更を行うために使用します。

  1. root 役割またはユーザーマネージャー権利プロファイルを持つ役割になります。

    『Oracle Solaris 11.1 の管理: セキュリティーサービス』の「割り当てられている管理権限を使用する方法」を参照してください。

  2. 必要に応じて、ユーザーアカウントを変更します。

    usermod コマンドで指定できる引数とオプションの詳細については、usermod(1M) のマニュアルページを参照してください。

    たとえば、ユーザーに役割を追加するには、次のように入力します。

    # usermod -R role username

例 2-1 ユーザーのアカウントの変更によるユーザーごとの PAM ポリシーの設定

次の例に、PAM ポリシーを設定するためにユーザーを変更する方法を示します。この特定の変更では、ユーザー jdoe が、すべての PAM サービスについて、Kerberos V5 プロトコルによってのみ認証されることを指定します。詳細については、pam_user_policy(5) を参照してください。

# usermod -K pam_policy=krb5_only jdoe

参照

ユーザーの変更の追加の例については、次のリファレンスを参照してください。

ユーザーを削除する方法

  1. root 役割になります。
    $ su -
    Password: 
    #

    注 - この方法は、root がユーザーアカウントと役割のどちらであっても有効です。


  2. ユーザーのホームディレクトリをアーカイブします。
  3. 次のいずれかのコマンドを実行します。
    • ユーザーのローカルホームディレクトリがある場合、ユーザーとホームディレクトリを削除します。
      # userdel -r username
      usesrdel

      指定されたユーザーのアカウントを削除します。

      -r

      システムからアカウントを削除します。

      ユーザーのホームディレクトリは現在は ZFS データセットであるため、削除するユーザーのローカルホームディレクトリを削除する場合は、userdel コマンドの -r オプションを指定する方法を推奨します。

    • 指定しない場合、ユーザーのみを削除します。
      # userdel username

      リモートサーバー上にあるユーザーのホームディレクトリは手動で削除する必要があります。

    すべてのコマンドオプションの一覧は、userdel(1M) のマニュアルページを参照してください。

次の手順

削除したユーザーが cron ジョブの作成などの管理権限を持っていた場合や、そのユーザーが非大域ゾーンに追加のアカウントを持っていた場合、追加のクリーンアップが必要な場合があります。

グループを追加する方法

管理者がグループを作成すると、システムによって solaris.group.assign /groupname がその管理者に割り当てられ、管理者はそのグループを完全に制御できます。同じ承認を持つ別の管理者がグループを作成すると、その管理者はそのグループを制御できます。グループを制御する管理者は、他の管理者のグループを管理できません。詳細については、groupadd(1M) および groupmod (1M) のマニュアルページを参照してください。

  1. root 役割または solaris.group.manage 承認を持つ管理者になります。

    『Oracle Solaris 11.1 の管理: セキュリティーサービス』の「割り当てられている管理権限を使用する方法」を参照してください。

  2. 既存のグループを一覧表示します。
    # cat /etc/group
  3. 新しいグループを作成します。
    $ groupadd -g 18 exadata
    groupadd

    /etc/group ファイルに適切なエントリを追加して、新しいグループ定義をシステム上に作成します。

    -g

    新しいグループのグループ ID を割り当てます。

    詳細は、groupadd(1M) のマニュアルページを参照してください。

例 2-2 groupadd および useradd コマンドを使用したグループとユーザーの設定

次の例では、groupadd および useradd の各コマンドを使って、グループ scutters やユーザー scutter1 をローカルシステムのファイルに追加します。

# groupadd -g 102 scutters
# useradd -u 1003 -g 102 -d /export/home/scutter1 -s /bin/csh \
-c "Scutter 1" -m -k /etc/skel scutter1
64 blocks

詳細は、groupadd(1M) および useradd(1M) のマニュアルページを参照してください。

ZFS ファイルシステムとして作成されたホームディレクトリを共有する方法

この Oracle Solaris リリースでは、share.nfs プロパティーまたは share.smb プロパティーを設定して、ZFS ファイルシステムを共有できます。または zfs share コマンドを使用して、ファイルシステム共有を作成できます。デフォルトでは、すべてのファイルシステムが共有されません。

デフォルトで、pool/export/home データセットが /export/home にすでにマウントされています。useradd コマンドは、このデータセットの子として、ユーザーごとのデータセットを自動的に作成します。管理者として、ユーザーのホームディレクトリの新しいプールを作成するように選択できます。次の手順で、これらの手順について説明します。

ファイルシステムの共有および共有解除の詳細については、『Oracle Solaris 11.1 の管理: ZFS ファイルシステム』の「ZFS ファイルシステムを共有および共有解除する」を参照してください。

  1. root 役割になります。

    『Oracle Solaris 11.1 の管理: セキュリティーサービス』の「割り当てられている管理権限を使用する方法」を参照してください。

  2. ユーザーのホームディレクトリ用に独立したプールを作成します。例:
    # zpool create users mirror c1t1d0 c1t2d0 mirror c2t1d0 c2t2d0
  3. ホームディレクトリのコンテナを作成します。例:
    # zfs create users/home
  4. ホームディレクトリの共有プロパティーを設定します。たとえば、NFS 共有を作成し、users/homeshare.nfs プロパティーを設定するには、次のように入力します。
    # zfs set share.nfs=on users/home

    この新しい構文を使用すると、各ファイルシステムの share.nfs プロパティー (または share.smb プロパティー) が on に設定されるとただちに作成される「自動共有」が、そのファイルシステムに含まれます。前のコマンドは、users/home というファイルシステムとそのすべての子を共有します。

  5. 下位ファイルシステム共有も公開されることを確認します。例:
    # zfs get -r share.nfs users/home

    -r オプションは、すべての下位ファイルシステムを表示します。

ユーザーのホームディレクトリの手動マウント

ZFS ファイルシステムとして作成されるユーザーアカウントは通常、手動でマウントする必要がありません。ZFS では、ファイルシステムは作成時に自動マウントされ、それ以降は、SMF ローカルファイルシステムサービスからのブート時にマウントされます。

ユーザーアカウントを作成するときは必ず、ネームサービスと同じように、ホームディレクトリを /home/username に設定してください。次に、auto_home マップがユーザーのホームディレクトリの NFS パスを指していることを確認してください。タスク関連情報については、『Oracle Solaris 11.1 でのネットワークファイルシステムの管理』の「autofs 管理タスクの概要」を参照してください。

ユーザーのホームディレクトリを手動でマウントする必要がある場合は、zfs mount コマンドを使用します。例:

# zfs mount users/home/alice

注 - ユーザーのホームディレクトリが共有されていることを確認します。詳細は、「ZFS ファイルシステムとして作成されたホームディレクトリを共有する方法」を参照してください。