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Oracle Solaris 11.1 のユーザーアカウントとユーザー環境の管理     Oracle Solaris 11.1 Information Library (日本語)
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ドキュメントの情報

はじめに

1.  ユーザーアカウントとユーザー環境の管理 (概要)

ユーザーアカウントとユーザー環境の管理の新機能と変更された機能

ユーザーアカウントの管理に影響するセキュリティーの変更

ユーザーマネージャー GUI の概要

管理エディタ (pfedit)

/var/user/$USER サブディレクトリ

groupadd コマンドの変更

失敗したログイン回数の通知

ユーザーアカウントとグループとは

ユーザーアカウントのコンポーネント

ユーザー (ログイン) 名

ユーザー ID 番号

大きな数値のユーザー ID とグループ ID の使用

UNIX グループ

ユーザーパスワード

ホームディレクトリ

ネームサービス

ユーザーの作業環境

ユーザー名、ユーザー ID、グループ ID の割り当てのガイドライン

ユーザーアカウントとグループ情報の格納場所

passwd ファイルのフィールド

デフォルトの passwd ファイル

shadow ファイルのフィールド

group ファイルのフィールド

デフォルトの group ファイル

ユーザーアカウント情報を取得するためのコマンド

ユーザー、役割、およびグループの管理に使用されるコマンド

ユーザーの作業環境のカスタマイズ

サイト初期設定ファイルの使用方法

ローカルシステムへの参照を避ける

シェル機能

bash および ksh93 シェルの履歴

bash および ksh93 のシェル環境変数

Bash シェルのカスタマイズ

MANPATH 環境変数

PATH 環境変数

パスの設定のガイドライン

ロケール変数

デフォルトのファイルアクセス権 (umask)

ユーザー初期設定ファイルのカスタマイズ

2.  コマンド行インタフェースを使用したユーザーアカウントの管理 (タスク)

3.  ユーザーマネージャー GUI を使用したユーザーアカウントの管理 (タスク)

索引

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ユーザーアカウントとグループ情報の格納場所

このセクションでは次の情報について説明します。

ユーザーアカウントとグループ情報は、サイトの方針に応じて、次のようにローカルシステムの /etc ファイル、ネームサービス、またはディレクトリサービスに格納されます。


注 - 混乱を避けるために、ユーザーアカウントとグループ情報の格納場所は、「データベース」、「テーブル」、「マップ」という 3 種類の呼び方ではなく、単に「ファイル」と呼びます。


ほとんどのユーザーアカウント情報は、passwd ファイルに格納されます。パスワード情報は次のように格納されます。

パスワード有効期限は、LDAP を使用するときは利用できますが、NIS を使用するときは利用できません。

NIS および files の場合、グループ情報は group ファイルに格納されます。LDAP の場合、グループ情報は group コンテナに格納されます。

passwd ファイルのフィールド

passwd ファイルの各フィールドはコロンで区切られ、次のような情報が入っています。

username:password:uid:gid:comment:home-directory:login-shell

例:

kryten:x:101:100:Kryten Series 4000 Mechanoid:/export/home/kryten:/bin/csh

passwd ファイルのフィールドの完全な説明については、passwd(1) のマニュアルページを参照してください。

デフォルトの passwd ファイル

デフォルトの passwd ファイルには、標準のデーモン用のエントリが入っています。デーモンとは、通常ブート時に起動され、システム全体で有効なタスク (印刷、ネットワーク管理、ポートの監視など) を実行するプロセスのことです。

root:x:0:0:Super-User:/root:/usr/bin/bash
daemon:x:1:1::/:
bin:x:2:2::/usr/bin:
sys:x:3:3::/:
adm:x:4:4:Admin:/var/adm:
lp:x:71:8:Line Printer Admin:/:
uucp:x:5:5:uucp Admin:/usr/lib/uucp:
nuucp:x:9:9:uucp Admin:/var/spool/uucppublic:/usr/lib/uucp/uucico
dladm:x:15:65:Datalink Admin:/:
netadm:x:16:65:Network Admin:/:
netcfg:x:17:65:Network Configuration Admin:/:
smmsp:x:25:25:SendMail Message Submission Program:/:
listen:x:37:4:Network Admin:/usr/net/nls:
gdm:x:50:50:GDM Reserved UID:/var/lib/gdm:
zfssnap:x:51:12:ZFS Automatic Snapshots Reserved UID:/:/usr/bin/pfsh
upnp:x:52:52:UPnP Server Reserved UID:/var/coherence:/bin/ksh
xvm:x:60:60:xVM User:/:
mysql:x:70:70:MySQL Reserved UID:/:
openldap:x:75:75:OpenLDAP User:/:
webservd:x:80:80:WebServer Reserved UID:/:
postgres:x:90:90:PostgreSQL Reserved UID:/:/usr/bin/pfksh
svctag:x:95:12:Service Tag UID:/:
unknown:x:96:96:Unknown Remote UID:/:
nobody:x:60001:60001:NFS Anonymous Access User:/:
noaccess:x:60002:60002:No Access User:/:
nobody4:x:65534:65534:SunOS 4.x NFS Anonymous Access User:/:
ftp:x:21:21:FTPD Reserved UID:/:
dhcpserv:x:18:65:DHCP Configuration Admin:/:
aiuser:x:60003:60001:AI User:/:
pkg5srv:x:97:97:pkg(5) server UID:/:

表 1-3 デフォルトの passwd ファイルのエントリ

ユーザー名
ユーザー ID
説明
root
0
スーパーユーザーアカウント用に予約済み
daemon
1
ルーチンシステムタスクに関連するシステム包括デーモン
bin
2
ルーチンシステムタスクを実行するシステムバイナリの実行に関連する管理デーモン
sys
3
システムのログの記録や一時ディレクトリのファイルの更新に関連する管理デーモン
adm
4
システムのログの記録に関連する管理デーモン
lp
71
ラインプリンタデーモン用に予約済み
uucp
5
uucp 関数に関連するデーモンに割り当てられる
nuucp
9
uucp 関数に関連する別のデーモンに割り当てられる
dladm
15
データリンク管理用に予約済み
netadm
16
ネットワーク管理用に予約済み
netcfg
17
ネットワーク構成管理用に予約済み
smmsp
25
Sendmail メッセージ送信プログラムデーモンに割り当てられる
listen
37
ネットワークリスナーデーモンに割り当てられる
gdm
50
GNOME ディスプレイマネージャーデーモンに割り当てられる
zfssnap
51
自動スナップショット用に予約済み
upnp
52
UPnP サーバー用に予約済み
xvm
60
xVM ユーザー用に予約済み
mysql
70
MySQL ユーザー用に予約済み
openldap
75
OpenLDAP ユーザー用に予約済み
webservd
80
WebServer アクセス用に予約済み
postgres
90
PostgresSQL アクセス用に予約済み
svctag
95
Service Tag Registry アクセス用に予約済み
unknown
96
NFSv4 ACL のマップ不能なリモートユーザー用に予約済み
nobody
60001
NFS 匿名アクセスユーザー用に予約済み
noaccess
60002
No Access ユーザー用に予約済み
nobody4
65534
SunOS 4.x NFS 匿名アクセスユーザー用に予約済み
ftp
21
FTP アクセス用に予約済み
dhcpserv
18
DHCP サーバーユーザー用に予約済み
aiuser
60003
AI ユーザー用に予約済み
pkg5srv
97
pkg(5) 集積サーバー用に予約済み

shadow ファイルのフィールド

shadow ファイルの各フィールドはコロンで区切られ、次のような情報が入っています。

username:password:lastchg:min:max:warn:inactive:expire

デフォルトのパスワードハッシュ生成アルゴリズムは SHA256 です。ユーザーのパスワードハッシュは次のようになります。

$5$cgQk2iUy$AhHtVGx5Qd0.W3NCKjikb8.KhOiA4DpxsW55sP0UnYD

shadow ファイルのフィールドの完全な説明については、shadow(4) のマニュアルページを参照してください。

group ファイルのフィールド

group ファイルの各フィールドはコロンで区切られ、次のような情報が入っています。

group-name:group-password:gid:user-list

例:

bin::2:root,bin,daemon

group ファイルのフィールドの完全な説明については、group(4) のマニュアルページを参照してください。

デフォルトの group ファイル

デフォルトの group ファイルには、システム全体に有効なタスク (印刷、ネットワーク管理、電子メールなど) をサポートする次のようなシステムグループが記述されています。これらのグループのほとんどは、対応するエントリが passwd ファイルに存在します。

root::0:
other::1:root
bin::2:root,daemon
sys::3:root,bin,adm
adm::4:root,daemon
uucp::5:root
mail::6:root
tty::7:root,adm
lp::8:root,adm
nuucp::9:root
staff::10:
daemon::12:root
sysadmin::14:
games::20:
smmsp::25:
gdm::50:
upnp::52:
xvm::60:
netadm::65:
mysql::70:
openldap::75:
webservd::80:
postgres::90:
slocate::95:
unknown::96:
nobody::60001:
noaccess::60002:
nogroup::65534:
ftp::21
pkg5srv::97:

表 1-4 デフォルトの group ファイルのエントリ

グループ名
グループ ID
説明
root
0
スーパーユーザーのグループ
other
1
オプションのグループ
bin
2
システムバイナリの実行に関連する管理グループ
sys
3
システムのログの記録や一時ディレクトリに関連する管理グループ
adm
4
システムのログの記録に関連する管理グループ
uucp
5
uucp 関数に関連するグループ
mail
6
電子メールのグループ
tty
7
tty デバイスに関連するグループ
lp
8
ラインプリンタのグループ
nuucp
9
uucp 関数に関連するグループ
staff
10
一般的な管理グループ
daemon
12
ルーチンシステムタスクに関連するグループ
sysadmin
14
システム管理者にとって有用な管理グループ
smmsp
25
Sendmail メッセージ送信プログラム用のデーモン
gdm
50
GNOME ディスプレイマネージャーデーモン用に予約されたグループ
upnp
52
UPnP サーバー用に予約されたグループ
xvm
60
xVM ユーザー用に予約されたグループ
netadm
65
ネットワーク管理用に予約されたグループ
mysql
70
MySQL ユーザー用に予約されたグループ
openldap
75
OpenLDAP ユーザー用に予約済み
webservd
80
WebServer アクセス用に予約されたグループ
postgres
90
PostgresSQL アクセス用に予約されたグループ
slocate
95
Secure Locate アクセス用に予約されたグループ
unknown
96
NFSv4 ACL のマップ不能なリモートグループ用に予約されたグループ
nobody
60001
匿名の NFS アクセス用に割り当てられたグループ
noaccess
60002
あるアプリケーションを経由するが実際にログインをせずに、システムにアクセスする必要があるユーザーまたはプロセスに割り当てられるグループ
nogroup
65534
既知のグループのメンバーでないユーザーに割り当てられるグループ
ftp
21
FTP アクセス用に割り当てられるグループ
pkg5srv
97
pkg(5) 集積サーバーに割り当てられるグループ

ユーザーアカウント情報を取得するためのコマンド

次の表に、システム管理者がユーザーアカウントに関する情報を取得するために使用できるコマンドを示します。この情報は /etc ディレクトリ内の各種ファイルに格納されています。これらのコマンドを使用してユーザーアカウント情報を取得する方法は、cat コマンドを使用して、同様の情報を表示するよりも推奨されます。

表 1-5 ユーザーに関する情報を取得するために使用するコマンド

コマンド
説明
マニュアルページ
auths
承認を一覧表示し、管理します。
getent
管理データベースからエントリのリストを取得します。 情報は、通常 /etc/nsswitch.conf データベースに指定されている 1 つまたは複数のソースから取得されます。
logins
ユーザー、役割、およびシステムログインに関する情報を表示します。出力は、指定されたコマンドオプションによって制御され、ユーザー、役割、システムログイン、UID、passwd アカウントフィールド値、プライマリグループ、プライマリグループ ID、複数のグループ名、複数のグループ ID、ホームディレクトリ、ログインシェル、パスワード有効期限パラメータなどを含めることができます。
profiles
権利プロファイルを一覧表示し、管理します。
roles
ユーザーに割り当てられた役割を表示します。
userattr
attribute_name で最初に検出された値を表示します。ユーザーが指定されていない場合、プロセスの実際のユーザー ID からユーザーが取得されます。属性名は、user_attr(4) および prof_attr (4) に定義されています。

注 - このコマンドは Oracle Solaris 11 の新しいコマンドです。