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Oracle Solaris 11.1 仮想化環境の紹介 Oracle Solaris 11.1 Information Library (日本語) |
仮想化の目標は、個々のデータセンターコンポーネントの管理からリソースのプールの管理に移行することです。サーバーの仮想化は、個々のシステムの隔離を維持することが必要なサーバー統合プロジェクトで成功を収めるために重要です。
サーバー仮想化で成功を収めると、次のメリットが得られることがあります。
ハードウェアの利用率を高めます
より柔軟なリソース割り当てを可能にします
データセンターの電力要件を削減します
管理コストを最小化します
保有コストを低減します
システムのアプリケーション間に管理上およびリソース上の境界を設けます
仮想化モデルは、次に示す競合する特性によって説明されます。
実行環境の隔離の程度
リソースの柔軟性の程度
モデルが提供する隔離の程度が大きくなる程、リソースの柔軟性は小さくなります。モデルが提供するリソースの柔軟性が大きくなる程、隔離の程度は小さくなります。これらの特性は競合するため、単一モデルによって最大化することはできません。
Oracle Solaris 11.1 は、次のすべての仮想化テクノロジモデルで使用できます。
オペレーティングシステム (OS) 仮想化は、単一の OS インスタンス内に 1 つ以上の隔離された実行環境を提供します。各環境では、OS の専用コピーのようなものがコンテナ内に格納されます。OS 仮想化モデルはネイティブに近いパフォーマンスと柔軟性を提供し、仮想マシンまたは物理ドメインに比べてディスク、RAM、および CPU フットプリントがずっと小さくなります。ただし、OS 仮想化モデルが提供する実行環境の隔離の程度は最小となります。
Oracle Solaris 11.1 は、Oracle Solaris ゾーン 製品によってこの仮想化モデルを実現します。
仮想マシンは単一のハードウェアリソースセットで複数の OS インスタンスを実行するために使用できます。作成する各仮想マシンは独自の OS を実行します。この方法で、さまざまな種類のオペレーティングシステムを実行できます。ソフトウェアまたはファームウェアハイパーバイザによって、各ゲスト OS インスタンスがあたかも専用の個別システム上で実行しているような錯覚が作り出されます。仮想マシンは、OS 仮想化を使用するマシンに比べて提供するリソースの柔軟性は小さいですが、隔離の程度は大きくなります。
Oracle Solaris 11.1 は、Oracle VM Server for SPARC、Oracle VM Server for x86、および Oracle VM VirtualBox によってこの仮想化モデルを提供します。
Oracle VM VirtualBox の使用についての詳細は、Oracle VM VirtualBox のドキュメントを参照してください。
ハードウェアパーティションは物理ドメインとも呼ばれ、実行中の OS と、それと別個のリソースおよび電源のセットとの間に物理的な分離を設けます。このモデルではハイパーバイザを使用しないため、ベアメタルパフォーマンスが提供されます。この仮想化モデルは隔離の程度が最大となりますが、仮想マシンまたは OS 仮想化モデルに比べてリソース構成の柔軟性がずっと小さくなります。
Oracle は、Oracle の Sun SPARC Enterprise M シリーズサーバー上でこの種類の仮想化を提供します。詳細は、Oracle SPARC M シリーズサーバーのドキュメントを参照してください。
次に、Oracle Solaris 11.1 の各仮想化テクノロジを環境内で使用する方法について説明します。
ワークロードの効率およびスケーラビリティーを最大限に高め、Solaris 8、Solaris 9、Oracle Solaris 10、および Oracle Solaris 11 のワークロードを新規ハードウェアシステムに移行するには、Oracle Solaris ゾーンを使用します。
SPARC チップマルチスレッディング (CMT) システム上に Oracle Solaris 10 と Oracle Solaris 11 という異なる環境を配備するには、Oracle VM Server for SPARC を使用します。
Oracle Solaris 10 OS や Oracle Solaris 11 OS などをゲストとして含む異機種オペレーティングシステムを持つサーバーを配備するには、Oracle VM Server for x86 を使用します。
ソフトウェアを異機種環境で開発およびテストするには、Oracle VM VirtualBox を使用します。
Oracle VM VirtualBox は、既存のオペレーティングシステム上で、変更されていない 32 ビットおよび 64 ビットのオペレーティングシステムを、Intel および AMD プロセッサ上の仮想マシンとして直接実行できます。
隔離された複数のドメインに異なる種類の Oracle Solaris 10 および Oracle Solaris 11 オペレーティングシステムを配備するには、Oracle SPARC M シリーズサーバーを使用します。各ドメインは、他のドメインからの分離および隔離を M シリーズサーバーのソケットレベルで提供するか、電気的な隔離を提供するためにボードレベルで提供します。各ドメインでは、バージョンの異なる Oracle Solaris 10 または Oracle Solaris 11 OS を実行できます。
また、ワークロード密度を最大化するために、仮想化テクノロジを併用することもできます。たとえば、Oracle Solaris 仮想マシンまたはドメイン内で複数のゾーンを構成して、さまざまな仮想化テクノロジの利点を活用できます。