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Oracle Solaris 11.1 ブート環境の作成と管理 Oracle Solaris 11.1 Information Library (日本語) |
複数のブート環境を使用すると、システム管理者はシステムに対してソフトウェアの更新を行う前にバックアップ用ブート環境を作成できるため、ソフトウェアの更新時のリスクが低下します。必要に応じて、システム管理者はバックアップ用ブート環境をブートすることができます。
次の例は、beadm ユーティリティーで複数の Oracle Solaris ブート環境を作成して管理するとどのように役立つかを示しています。
システム上に複数のブート環境を維持し、必要に応じて各ブート環境にさまざまな更新を実行することができます。たとえば、beadm create コマンドを使用すると、ブート環境のクローンを作成できます。(作成されたクローンは元のブート環境のブート可能なコピーです。)その後、元のブート環境とそのクローンに対して、異なるソフトウェアパッケージのインストール、テスト、および更新を行うことができます。
一度にアクティブにできるブート環境は 1 つだけですが、beadm mount コマンドを使用すると、アクティブでないブート環境をマウントできます。その後、pkg コマンドを代替ルート (-R) オプションとともに使用して、その環境に対して特定のパッケージのインストールや更新を行うことができます。詳細については、『Oracle Solaris 11.1 ソフトウェアパッケージの追加および更新』の「新しいブート環境へのパッケージのインストール」を参照してください。
ブート環境の変更を行う際には、変更作業の任意の段階で、beadm create コマンドを使用してスナップショット名を指定することによって、その環境のスナップショットを作成できます。たとえば、ブート環境に月単位のアップグレードを行う場合は、月単位のアップグレードごとにスナップショットを作成できます。
コマンドを次のように使用します。
# beadm create BeName@snapshotdescription
スナップショット名には BeName@snapshotdescription という形式を使用する必要があります。この BeName は、スナップショットを作成する既存のブート環境の名前です。カスタムのスナップショットの説明を入力して、スナップショットの日付または目的を特定します。
注 - beadm list -s コマンドを使用すると、ブート環境のスナップショットを表示できます。
スナップショットはブート可能ではありませんが、beadm create コマンドの -e オプションを使用すると、そのスナップショットに基づいてブート環境を作成できます。その後、beadm activate コマンドを使用して、次回のリブート時にはこのブート環境をデフォルトのブート環境にするように指定できます。
パッケージマネージャーツールまたは pkg コマンドを使用して、アクティブな Oracle Solaris ブート環境のパッケージをインストールまたは更新する場合、そのブート環境のクローンが作成されることがあります。クローンが作成された場合、パッケージのインストールや更新は、元のブート環境ではなくクローンに対して行われます。変更が正常に完了すると、この新しいクローンがアクティブになります。その後、次回のリブート時には、このクローンが新しいデフォルトのブート環境になります。元のブート環境は、代わりの選択肢として x86 システム用 GRUB メニューまたは SPARC システム用ブートメニューに引き続き表示されます。
beadm list コマンドを使用して、システム上のブート環境のリストを表示できます。そのリストの中には、変更されていない元のソフトウェアを含んだバックアップ用ブート環境も含まれています。環境に加えた変更に満足できない場合は、beadm activate コマンドを使用して、次回のリブート時にはこのバックアップ用ブート環境をデフォルトのブート環境にするように指定できます。