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クライアントとインストール手順および構成手順との対応付け

AI を使用する場合は、まずインストールサーバーを設定します。インストールサーバーには、少なくとも 1 つの AI ブートイメージと、そのブートイメージに関連付けられた AI インストールサービスが含まれています。クライアントは、ネットワーク経由でブートするときに、インストールサーバーのインストールサービスを使用します。

クライアントは、そのクライアントのアーキテクチャー用のデフォルトのインストールサービスか、または割り当てられたインストールサービスを使用します。インストールサービスは、この章で説明する方法を使用して、クライアントを、使用する正しいインストール手順および構成手順と照合します。

異なるブートイメージ (SPARC イメージと x86 イメージ、または別の Oracle Solaris バージョン) を使用するインストールを定義するには、イメージごとに個別のサービスを作成します。

クライアントを特定のインストールサービスに割り当てるには、そのクライアントをインストールサービスに追加します (第 14 章クライアントシステムのインストールを参照)。クライアントの MAC アドレスと、このクライアントが使用するインストールサービスの名前を指定します。この MAC アドレスを持つクライアントがブートすると、そのクライアントはインストールサーバーに接続され、指定されたインストールサービスを使用します。システムの MAC アドレスを見つけるには、『Oracle Solaris 管理: ネットワークインタフェースとネットワーク仮想化』および dladm(1M) のマニュアルページに記載されているように、dladm コマンドを使用してください。

1 つのネットイメージに対して複数のタイプのインストールを定義するには、追加の AI マニフェストを作成し、システム構成プロファイルを作成します。新しい AI マニフェストと構成プロファイルをそのネットイメージの AI インストールサービスに追加します。どのクライアントがどの AI マニフェストとどのシステム構成プロファイルを使用するのかを定義する条件を指定します。「インストールサービスへのクライアント固有のインストール手順の関連付け」を参照してください。

カスタム AI マニフェストの作成方法については、第 10 章クライアントシステムのプロビジョニングを参照してください。システム構成プロファイルの作成方法については、第 11 章クライアントシステムの構成を参照してください。

AI マニフェストの選択

各クライアントでは、AI マニフェストを 1 つだけ使用してそのインストールを行います。次のアルゴリズムに従って、クライアントのための AI マニフェストが選択されます。

• このインストールサービスに対してカスタム AI マニフェストが定義されていない場合は、デフォルトの AI マニフェストが使用されます。デフォルトの AI マニフェストは、どのクライアント条件にも関連付けられていません。デフォルトの AI マニフェストの例については、「デフォルトの AI マニフェスト」を参照してください。

• このインストールサービスに対してカスタム AI マニフェストが定義されているが、クライアントがどのカスタム AI マニフェストの条件にも一致しない場合、そのクライアントはデフォルトの AI マニフェストを使用します。

• クライアントが、カスタム AI マニフェストに対して指定されている条件に一致する場合、クライアントはそのカスタムマニフェストを使用します。

  クライアントの特性が複数の AI マニフェストの条件に一致する場合は、インストールのためのマニフェストを選択するために、表 9-1 に示されている順序でクライアントの特性が評価されます。installadm ツールは、同じタイプの条件が重複していないことを確認します。詳細は、「インストールサービスへの AI マニフェストの追加」を参照してください。

  重複しない複数の条件が、下記の表で指定されている順序で使用されます。たとえば、ある条件仕様がクライアントの MAC アドレスに一致し、別の条件仕様が同じクライアントの IP アドレスに一致した場合、選択の優先順位は mac の方が ipv4 より高いため、MAC アドレスの条件仕様に関連付けられたマニフェストが使用されます。

例 9-1 クライアントと AI マニフェストとの照合

次の例では、2 つのカスタム AI マニフェストが同じインストールサービスに追加されています。これらのマニフェストに関連付けられたクライアント条件は示されているとおりです。manifest_x86.xml の AI マニフェストは、クライアントのアーキテクチャーを指定する次の条件ファイルとともにサービスに追加されました。

<ai_criteria_manifest>
    <ai_criteria name="arch">
        <value>i86pc</value>
    </ai_criteria>
</ai_criteria_manifest>

manifest_mac1.xml の AI マニフェストは、クライアントの MAC アドレスを指定する次の条件ファイルとともにサービスに追加されました。

<ai_criteria_manifest>
    <ai_criteria name="mac">
        <value>00:14:4f:a7:65:70</value>
    </ai_criteria>
</ai_criteria_manifest>

x86 クライアントがインストールされている場合、そのクライアントには manifest_x86.xml が割り当てられます。

MAC アドレス 00:14:4f:a7:65:70 を持つ SPARC クライアントがインストールされている場合、そのクライアントには manifest_mac1.xml が割り当てられます。

ほかの何らかの MAC アドレスを持つ SPARC システムがインストールされている場合、そのシステムにはデフォルトの AI マニフェストが割り当てられます。

システム構成プロファイルの選択

クライアントのシステム構成プロファイルの選択にも、AI マニフェストの選択に使用されるのと同じ条件のキーワードが使用されます。表 9-1 を参照してください。

特定のクライアントに対して、複数のシステム構成プロファイルを選択できます。選択を 1 つのプロファイルに絞り込むためのアルゴリズムは必要ありません。

クライアントの特性が複数のシステム構成プロファイルの条件に一致する場合は、一致するすべての構成プロファイルがそのシステムの構成に適用されます。たとえば、ある条件仕様がクライアントのホスト名に一致し、別の条件仕様が同じクライアントのメモリーサイズに一致する場合は、両方の構成プロファイルがそのクライアントの構成に使用されます。

選択条件

表 9-1 は、特定の AI マニフェストまたはシステム構成プロファイルを使用するクライアントを示すために使用できる条件のキーワードを示しています。例の欄には、使用可能な値がいくつか示されています。条件のキーワードと値は、installadm サブコマンドの create-manifest、create-profile、および set-criteria とともに使用できます。

ipv4、mac、mem、および network の指定は、ハイフン (-) で区切られた範囲値で表現できます。範囲の一端に制限なしを指定するには、unbounded を使用します。以下の mem の例を参照してください。

arch、cpu、hostname、platform、および zonename の指定は、スペースで区切られた値の引用符付きリストとして表現されます。次の zonename の例を参照してください。

条件のキーワードと値は、コマンド行で -c オプションを使って指定します。

-c criteria=value|list|range
-c mac="aa:bb:cc:dd:ee:ff"
-c mem="2048-unbounded"
-c zonename="zone1 zone2"

条件は、XML ファイルの ai_criteria 要素でも指定できます。このファイルの内容は、条件仕様のみにするようにしてください。コマンド行で条件ファイルを指定するには、-C オプションを使用します。表の中に例が示されています。

表 9-1 条件のキーワードと条件の階層

-c mac="0:14:4F:20:53:97"

-c mac=0:14:4F:20:53:94-0:14:4F:20:53:A0

<ai_criteria name="mac">
    <value>0:14:4F:20:53:97</value>
</ai_criteria>

<ai_criteria name="mac">
   <range>
       0:14:4F:20:53:94
       0:14:4F:20:53:A0
   </range>
</ai_criteria>

-c ipv4="10.6.68.127"

-c ipv4="10.6.68.1-10.6.68.200"

<ai_criteria name="ipv4">
    <value>10.6.68.127</value>
</ai_criteria>

<ai_criteria name="ipv4">
    <range>
        10.6.68.1
        10.6.68.200
    </range>
</ai_criteria>

-c platform="SUNW,Sun-Fire-T200"

<ai_criteria name="platform">
    <value>SUNW,Sun-Fire-T200</value>
</ai_criteria>

-c arch="i86pc"

<ai_criteria name="arch">
    <value>i86pc</value>
</ai_criteria>

-c cpu="sparc"

<ai_criteria name="cpu">
    <value>sparc</value>
</ai_criteria>

-c network="10.0.0.0"

-c network="11.0.0.0-12.0.0.0"

<ai_criteria name="network">
    <value>10.0.0.0</value>
</ai_criteria>

<ai_criteria name="network">
   <range>
       11.0.0.0
       12.0.0.0
   </range>
</ai_criteria>

-c mem="4096"

-c mem="2048-unbounded"

<ai_criteria name="mem">
     <value>4096</value>
</ai_criteria>

<ai_criteria name="mem">
     <range>
        2048
        unbounded
     </range>
</ai_criteria>

-c zonename="myzone"

-c zonename="zoneA zoneB zoneC"

<ai_criteria name="zonename">
    <value>myzone</value>
</ai_criteria>

<ai_criteria name="zonename">
    <value>zoneA zoneB zoneC</value>
</ai_criteria>

-c hostname="host3"

-c hostname="host1 host2 host6"

<ai_criteria name="hostname">
   <value>host3</value>
</ai_criteria>

<ai_criteria name="hostname">
   <value>host1 host2 host6</value>
</ai_criteria>