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Oracle Solaris 11.1 ネットワークパフォーマンスの管理 Oracle Solaris 11.1 Information Library (日本語) |
Oracle Solaris では、dladm コマンドおよび SMF 機能を使用してブリッジを管理します。インスタンスの障害管理リソース識別子 (FMRI) svc:/network/bridge を使用してブリッジインスタンスを有効化、無効化、およびモニターするには、SMF コマンドを使用します。ブリッジを作成または削除することに加えて、ブリッジにリンクを割り当てたり、ブリッジからリンクを削除したりするには、dladm を使用します。
次の表は、ブリッジを管理するために使用可能なタスクを示しています。
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この手順では、さまざまなオプションとともに dladm show-bridge コマンドを使用して、構成されているブリッジに関する各種情報を表示する方法を説明します。
dladm show-bridge コマンドオプションの詳細は、dladm(1M) のマニュアルページを参照してください。
詳細は、『Oracle Solaris 11.1 の管理: セキュリティーサービス』の「割り当てられている管理権限を使用する方法」を参照してください。
ブリッジのリストを表示します。
# dladm show-bridge
ブリッジのリンク関連のステータスを表示します。
# dladm show-bridge -l bridge-name
ブリッジの統計情報を表示します。
# dladm show-bridge -s bridge-name
注 - 報告されるブリッジ統計情報の名前および定義は、変更されることがあります。
ブリッジのリンク関連の統計情報を表示します。
# dladm show-bridge -ls bridge-name
ブリッジのカーネル転送エントリを表示します。
# dladm show-bridge -f bridge-name
ブリッジに関する TRILL 情報を表示します。
# dladm show-bridge -t bridge-name
例 4-1 ブリッジの情報の表示
次に、さまざまなオプションを付けた dladm show-bridge コマンドの使用例を示します。
次のコマンドは、システムに構成されているすべてのブリッジに関する情報を表示します。
# dladm show-bridge BRIDGE PROTECT ADDRESS PRIORITY DESROOT goldengate stp 32768/8:0:20:bf:f 32768 8192/0:d0:0:76:14:38 baybridge stp 32768/8:0:20:e5:8 32768 8192/0:d0:0:76:14:38
次のコマンドは、単一のブリッジインスタンス tower に関するリンク関連のステータス情報を表示します。構成されているプロパティーを表示するには、dladm show-linkprop コマンドを使用します。
# dladm show-bridge -l tower LINK STATE UPTIME DESROOT net0 forwarding 117 8192/0:d0:0:76:14:38 net1 forwarding 117 8192/0:d0:0:76:14:38
次のコマンドは、指定されたブリッジ terabithia に関する統計情報を表示します。
# dladm show-bridge -s terabithia BRIDGE DROPS FORWARDS terabithia 0 302
次のコマンドは、指定されたブリッジ london 上のすべてのリンクに関する統計情報を表示します。
# dladm show-bridge -ls london LINK DROPS RECV XMIT net0 0 360832 31797 net1 0 322311 356852
次のコマンドは、指定されたブリッジ avignon のカーネル転送エントリを表示します。
# dladm show-bridge -f avignon DEST AGE FLAGS OUTPUT 8:0:20:bc:a7:dc 10.860 -- net0 8:0:20:bf:f9:69 -- L net0 8:0:20:c0:20:26 17.420 -- net0 8:0:20:e5:86:11 -- L net1
次のコマンドは、指定されたブリッジ key に関する TRILL 情報を表示します。
# dladm show-bridge -t key NICK FLAGS LINK NEXTHOP 38628 -- london 56:db:46:be:b9:62 58753 L -- --
dladm show-link の出力には、BRIDGE フィールドが含まれています。リンクがブリッジのメンバーである場合、このフィールドによってメンバーであるブリッジの名前が識別されます。このフィールドはデフォルトで表示されます。リンクがブリッジの一部でない場合、-p オプションが使用されていれば、このフィールドは空白になります。それ以外の場合は、フィールドには -- と表示されます。
dladm show-link の出力には、別々のリンクとしてブリッジの可観測性ノードも表示されます。このノードの場合、既存の OVER フィールドにブリッジのメンバーであるリンクが一覧表示されます。
詳細は、『Oracle Solaris 11.1 の管理: セキュリティーサービス』の「割り当てられている管理権限を使用する方法」を参照してください。
# dladm show-link [-p]
-p オプションを付けると、解析可能な形式で出力されます。
この手順では、デフォルトのプロトコルである STP を使用してブリッジを作成する方法を説明します。ブリッジ作成のオプションの詳細は、dladm(1M) のマニュアルページで dladm create-bridge コマンドの説明を参照してください。
注 - TRILL を使用してブリッジを作成するには、dladm create-bridge コマンドに -P trill を追加します。または、dladm modify-bridge コマンドを使用して TRILL を有効にします。
dladm create-bridge コマンドは、ブリッジインスタンスを作成し、任意で新しいブリッジに 1 つ以上のネットワークリンクを割り当てます。デフォルトではブリッジインスタンスがシステムに存在しないため、Oracle Solaris はデフォルトでネットワークリンク間にブリッジを作成しません。
リンク間にブリッジを作成するには、少なくとも 1 つのブリッジインスタンスを作成する必要があります。各ブリッジインスタンスは個別のものです。ブリッジにはブリッジ間の転送接続は含まれず、リンクは最大で 1 つのブリッジのメンバーです。
bridge-name は任意の文字列であり、正当な SMF サービスインスタンス名である必要があります。この名前は、エスケープシーケンスが含まれない FMRI コンポーネントです。つまり、空白、ASCII 制御文字、および次の文字が存在してはいけません:
; / ? : @ & = + $ , % < > # "
default という名前は、SUNW 文字列で始まるすべての名前と同様、予約されています。末尾に数字が付く名前は、デバッグに使用する可観測性デバイスを作成するために予約されています。可観測性デバイスが使用されるため、正当なブリッジインスタンス名は、正当な dlpi 名となるようにさらに制限されます。この名前は、英字または下線文字で開始および終了する必要があります。名前の残りの部分には、英数字と下線文字を含めることができます。
詳細は、『Oracle Solaris 11.1 の管理: セキュリティーサービス』の「割り当てられている管理権限を使用する方法」を参照してください。
# dladm create-bridge [-l link]... bridge-name
-l link オプションは、ブリッジにリンクを追加します。指定されたリンクのいずれかを追加できない場合、コマンドは失敗し、ブリッジは作成されません。
次の例は、net0 と net1 リンクを接続して、brooklyn ブリッジを作成する方法を示しています。
# dladm create-bridge -l net0 -l net1 brooklyn
この手順では、dladm modify-bridge コマンドを使用して、保護タイプを STP から TRILL または TRILL から STP に変更する方法を説明します。
# dladm modify-bridge -P protection-type bridge-name
-P protection-type オプションは、使用する保護タイプを指定します。デフォルトの保護タイプは STP (-P stp) です。TRILL 保護タイプを使用するには、-P trill オプションを使用します。
次の例は、brooklyn ブリッジの保護タイプをデフォルトの STP から TRILL に変更する方法を示しています。
# dladm modify-bridge -P trill brooklyn
この手順では、ブリッジインスタンスに 1 つ以上のリンクを追加する方法を説明します。
1 つのリンクは、最大 1 つのブリッジのメンバーになることができます。したがって、別のブリッジインスタンスにリンクを移動する場合は、まず現在のブリッジからリンクを削除してから、別のブリッジに追加する必要があります。
ブリッジに割り当てるリンクを VLAN、VNIC、またはトンネルにすることはできません。ブリッジに割り当てることができるのは、アグリゲーションの一部として受け入れ可能なリンク、またはアグリゲーション自体であるリンクのみです。
同じブリッジに割り当てるリンクはすべて、MTU 値が同じである必要があります。Oracle Solaris では、既存のリンクの MTU 値を変更できることに注意してください。ただし、ブリッジを再起動する前に、割り当てられたリンクを削除または変更して MTU 値が一致するまで、ブリッジインスタンスは保守状態になります。
ブリッジに割り当てられたリンクは、Ethernet タイプ (802.3 および 802.11 メディアを含む) である必要があります。
詳細は、『Oracle Solaris 11.1 の管理: セキュリティーサービス』の「割り当てられている管理権限を使用する方法」を参照してください。
# dladm add-bridge -l new-link bridge-name
次の例は、既存のブリッジ rialto に net2 リンクを追加する方法を示しています。
# dladm add-bridge -l net2 rialto
この手順では、ブリッジインスタンスから 1 つ以上のリンクを削除する方法を説明します。ブリッジを削除する場合は、この手順を使用します。ブリッジを削除する前に、まずブリッジのリンクをすべて削除する必要があります。
詳細は、『Oracle Solaris 11.1 の管理: セキュリティーサービス』の「割り当てられている管理権限を使用する方法」を参照してください。
# dladm remove-bridge [-l link]... bridge-name
次の例は、ブリッジ charles から net0、net1、および net2 リンクを削除する方法を示しています。
# dladm remove-bridge -l net0 -l net1 -l net2 charles
この手順では、ブリッジインスタンスを削除する方法を説明します。ブリッジを削除する前に、まず dladm remove-bridge コマンドを実行して、接続されているリンクを停止する必要があります。「ブリッジからリンクを削除する方法」を参照してください。
詳細は、『Oracle Solaris 11.1 の管理: セキュリティーサービス』の「割り当てられている管理権限を使用する方法」を参照してください。
# dladm delete-bridge bridge-name
次の例は、まず coronado ブリッジから net0、net1、および net2 リンクを削除してから、システムからブリッジ自体を削除する方法を示しています。
# dladm remove-bridge -l net0 -l net1 -l net2 coronado # dladm delete-bridge coronado