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Oracle Solaris 11.1 の管理: ZFS ファイルシステム Oracle Solaris 11.1 Information Library (日本語) |
1. Oracle Solaris ZFS ファイルシステム (概要)
3. Oracle Solaris ZFS ストレージプールの管理
キャッシュデバイスを使用して ZFS ストレージプールを作成する
ミラー化 ZFS ストレージプールを分割して新しいプールを作成する
ストレージプール内のデバイスをオンラインまたはオフラインにする
ストレージプール内のホットスペアをアクティブにする/非アクティブにする
すべてのストレージプールまたは特定のプールについての情報を表示する
ZFS ストレージプールの出力をスクリプトで使えるようにする
ZFS ストレージプールを別のディレクトリからインポートする
5. Oracle Solaris ZFS ファイルシステムの管理
6. Oracle Solaris ZFS のスナップショットとクローンの操作
7. ACL および属性を使用した Oracle Solaris ZFS ファイルの保護
9. Oracle Solaris ZFS の高度なトピック
10. Oracle Solaris ZFS のトラブルシューティングとプールの回復
12. 推奨の Oracle Solaris ZFS プラクティス
以降のセクションでは、次のストレージプールのコンポーネントについて詳しく説明します。
ストレージプールのもっとも基本的な要素は、物理ストレージです。128M バイト以上のサイズであれば、任意のブロック型デバイスを物理ストレージとして利用できます。このデバイスは通常、/dev/dsk ディレクトリとしてシステムから認識されるハードドライブです。
ディスク全体 (c1t0d0) または個別のスライス (c0t0d0s7) をストレージデバイスとして利用できます。推奨される操作モードは、ディスク全体を使用する方法です。この場合、ディスクが特別なフォーマットである必要はありません。ZFS によって、EFI ラベルを使用する 1 つの大きなスライスのディスクとしてフォーマットされます。この方法を使用した場合に、format コマンドで表示されるパーティションテーブルは、次のような内容になります。
Current partition table (original): Total disk sectors available: 143358287 + 16384 (reserved sectors) Part Tag Flag First Sector Size Last Sector 0 usr wm 256 68.36GB 143358320 1 unassigned wm 0 0 0 2 unassigned wm 0 0 0 3 unassigned wm 0 0 0 4 unassigned wm 0 0 0 5 unassigned wm 0 0 0 6 unassigned wm 0 0 0 8 reserved wm 143358321 8.00MB 143374704
Oracle Solaris 11.1 をインストールすると、ほとんどの場合、EFI (GPT) ラベルが x86 ベースシステムのルートプールディスクに適用され、次のように表示されます。
Current partition table (original): Total disk sectors available: 27246525 + 16384 (reserved sectors) Part Tag Flag First Sector Size Last Sector 0 BIOS_boot wm 256 256.00MB 524543 1 usr wm 524544 12.74GB 27246558 2 unassigned wm 0 0 0 3 unassigned wm 0 0 0 4 unassigned wm 0 0 0 5 unassigned wm 0 0 0 6 unassigned wm 0 0 0 8 reserved wm 27246559 8.00MB 27262942
上記の出力では、パーティション 0 (BIOS boot) に必要な GPT ブート情報が含まれています。パーティション 8 と同様に、それは管理を必要としないため、変更しないようにしてください。ルートファイルシステムは、パーティション 1 に含まれています。
Oracle Solaris 11.1 とともにインストールされた更新済みのファームウェアを搭載した SPARC システムでは、EFI (GPT) ディスクラベルが適用されます。例:
Current partition table (original): Total disk sectors available: 143358320 + 16384 (reserved sectors) Part Tag Flag First Sector Size Last Sector 0 usr wm 256 68.36GB 143358320 1 unassigned wm 0 0 0 2 unassigned wm 0 0 0 3 unassigned wm 0 0 0 4 unassigned wm 0 0 0 5 unassigned wm 0 0 0 6 unassigned wm 0 0 0 8 reserved wm 143358321 8.00MB 143374704
ストレージプールのディスク全体を使用する場合は、次の考慮事項を確認してください。
ディスク全体を使用する場合、通常、/dev/dsk/cNtNdN 命名規則を使用してディスクに名前が付けられています。サードパーティーのドライバの中には、異なる命名規則を使用したり、ディスクを /dev/dsk ディレクトリ以外の場所に配置するものがあります。これらのディスクを使用する場合は、ディスクの名前を手動で付けて、ZFS にスライスを渡す必要があります。
x86 ベースのシステムでは、有効な Solaris fdisk パーティションがディスクに含まれている必要があります。Solaris fdisk パーティションの作成または変更の詳細は、『Oracle Solaris 11.1 の管理: デバイスとファイルシステム』の「ZFS ファイルシステム用のディスクの設定 (タスクマップ)」を参照してください。
ディスク全体を使ってストレージプールを作成するときは、EFI ラベルが適用されます。EFI ラベルの詳細は、『Oracle Solaris 11.1 の管理: デバイスとファイルシステム』の「EFI (GPT) ディスクラベル」を参照してください。
Oracle Solaris 11.1 インストーラは、ほとんどの場合に、GPT 対応ファームウェアを搭載した SPARC ベースのシステムおよび x86 ベースのシステムでルートプールディスクの EFI (GPT) ラベルを適用します。詳細は、「ZFS ルートプールの一般的な要件」を参照してください。
ディスクを指定するときには、フルパス (/dev/dsk/c1t0d0 など) または /dev/dsk ディレクトリ内のデバイス名で構成される短縮名 (c1t0d0 など) を使用できます。有効なディスク名の例を挙げます。
c1t0d0
/dev/dsk/c1t0d0
/dev/foo/disk
ディスクスライスを使ってストレージプールを作成するときは、ディスクにレガシー Solaris VTOC (SMI) ラベルを付けることができますが、ディスクスライスの管理はより困難であるため、プールにディスクスライスを使用することはお勧めしません。
SPARC システムの 72G バイトのディスクに、68G バイトの使用可能領域がスライス 0 に配置されています。次の format の出力を参照してください。
# format . . . Specify disk (enter its number): 4 selecting c1t1d0 partition> p Current partition table (original): Total disk cylinders available: 14087 + 2 (reserved cylinders) Part Tag Flag Cylinders Size Blocks 0 root wm 0 - 14086 68.35GB (14087/0/0) 143349312 1 unassigned wm 0 0 (0/0/0) 0 2 backup wm 0 - 14086 68.35GB (14087/0/0) 143349312 3 unassigned wm 0 0 (0/0/0) 0 4 unassigned wm 0 0 (0/0/0) 0 5 unassigned wm 0 0 (0/0/0) 0 6 unassigned wm 0 0 (0/0/0) 0 7 unassigned wm 0 0 (0/0/0) 0
x86 システムの 72G バイトのディスクに、68G バイトの使用可能ディスク領域がスライス 0 に配置されています。次の format の出力を参照してください。少量のブート情報がスライス 8 に格納されています。スライス 8 は管理不要で、変更することはできません。
# format . . . selecting c1t0d0 partition> p Current partition table (original): Total disk cylinders available: 49779 + 2 (reserved cylinders) Part Tag Flag Cylinders Size Blocks 0 root wm 1 - 49778 68.36GB (49778/0/0) 143360640 1 unassigned wu 0 0 (0/0/0) 0 2 backup wm 0 - 49778 68.36GB (49779/0/0) 143363520 3 unassigned wu 0 0 (0/0/0) 0 4 unassigned wu 0 0 (0/0/0) 0 5 unassigned wu 0 0 (0/0/0) 0 6 unassigned wu 0 0 (0/0/0) 0 7 unassigned wu 0 0 (0/0/0) 0 8 boot wu 0 - 0 1.41MB (1/0/0) 2880 9 unassigned wu 0 0 (0/0/0) 0
x86 ベースのシステムには fdisk パーティションも存在します。fdisk パーティションは /dev/dsk/cN[tN]dNpN というデバイス名で示され、ディスクの使用可能なスライスのコンテナとして機能します。cN[tN]dNpN デバイスを ZFS ストレージプールコンポーネントとして使用する構成は、テストされておらずサポートもされていないため、使用しないでください。
ZFS では、ストレージプール内のファイルを仮想デバイスとして使用することもできます。この機能は、本稼働環境で使用するのではなく、主にテストや簡単な実験のために使用します。
ZFS プールを UFS ファイルシステム上のファイルに基づいて作成する場合には、正確さと同期のセマンティクスを保証するために、UFS に暗黙に依存しています。
別の ZFS プールに作成されたファイルまたはボリュームによってバックアップされる ZFS プールを作成すると、システムのデッドロックまたはパニックが発生する可能性があります。
ただし、ZFS を初めて使用してみる場合や、十分な物理デバイスがない状況で複雑な構成を実験する場合には、これらのファイルが非常に便利なことがあります。すべてのファイルは、完全なパスで指定し、64M バイト以上のサイズにする必要があります。
ZFS ストレージプールを作成して管理する場合は、次の考慮事項を確認してください。
物理ディスクの全体を使用するのが、ZFS ストレージプールを作成するためのもっとも簡単な方法です。ディスクスライス、ハードウェア RAID アレイ内の LUN、またはソフトウェアベースのボリュームマネージャーが提供するボリュームからプールを構築する場合、管理、信頼性、およびパフォーマンスの観点から ZFS 構成が次第により複雑になります。次の点を考慮すれば、ほかのハードウェアまたはソフトウェアストレージ解決策を使って ZFS を構成する方法を決定しやすくなる可能性があります。
ハードウェア RAID アレイの LUN 上に ZFS 構成を構築する場合、ZFS の冗長機能とアレイが提供する冗長機能との関係を理解する必要があります。ある構成で十分な冗長性やパフォーマンスが得られても、別の構成ではそうならない可能性もあります。
ソフトウェアベースのボリュームマネージャーによって表現されたボリュームを使用して、ZFS の論理デバイスを構成できます。ただし、そうした構成は推奨されません。ZFS はこのようなデバイス上でも正しく動作しますが、最適なパフォーマンスが得られない場合があります。
ストレージプールの推奨事項の詳細については、第 12 章推奨の Oracle Solaris ZFS プラクティスを参照してください。
ディスクは、パスとデバイス ID の両方で識別されます (利用できる場合)。デバイス ID 情報が利用可能なシステムでは、この識別方式を使うことで、ZFS を更新することなくデバイスを再構成できます。デバイス ID の生成および管理の方式はシステムごとに異なるため、コントローラ間でディスクを移動するなどのデバイス移動の前にまず、プールをエクスポートします。ファームウェアの更新やその他のハードウェア変更などのシステムイベントによって、ZFS ストレージプール内でデバイス ID が変化する場合があり、これが原因でデバイスが利用不能になる可能性があります。