ZFS ストレージプールのプロパティーの管理
zpool get コマンドを使用して、プールのプロパティーの情報を表示できます。例:
# zpool get all zeepool
NAME PROPERTY VALUE SOURCE
zeepool allocated 6.29G -
zeepool altroot - default
zeepool autoexpand off default
zeepool autoreplace off default
zeepool bootfs - default
zeepool cachefile - default
zeepool capacity 1% -
zeepool dedupditto 0 default
zeepool dedupratio 1.00x -
zeepool delegation on default
zeepool failmode wait default
zeepool free 550G -
zeepool guid 7543986419840620672 -
zeepool health ONLINE -
zeepool listshares off default
zeepool listsnapshots off default
zeepool readonly off -
zeepool size 556G -
zeepool version 34 default
ストレージプールのプロパティーは zpool set コマンドで設定できます。例:
# zpool set autoreplace=on zeepool
# zpool get autoreplace zeepool
NAME PROPERTY VALUE SOURCE
zeepool autoreplace on local
使用率が 100% のプールにプールプロパティーを設定しようとすると、次のようなメッセージが表示されます。
# zpool set autoreplace=on tank
cannot set property for 'tank': out of space
プール容量の問題の回避方法については、第 12 章推奨の Oracle Solaris ZFS プラクティスを参照してください。
表 3-1 ZFS プールのプロパティーの説明
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allocated |
文字列 |
なし |
読み取り専用の値。物理的に割り当て済みであるプール内のストレージ領域の容量を示します。 |
altroot |
文字列 |
off |
代替ルートディレクトリを示します。設定されている場合、プール内のすべてのマウントポイントの先頭にこのディレクトリが付加されます。このプロパティーは、不明なプールを調べるときやマウントポイントが信頼できない場合、または通常のパスが有効でない代替ブート環境で使用できます。 |
autoreplace |
ブール型 |
off |
自動デバイス交換を制御します。 オフに設定されている場合、 zpool replace コマンドを使ってデバイス交換を開始する必要があります。 オンに設定されている場合、そのプールに以前属していたデバイスと物理的に同じ位置にある新しいデバイスは、いずれも自動的にフォーマットされ、置き換えられます。 このプロパティーの省略名は replace です。 |
bootfs |
ブール型 |
なし |
ルートプールのデフォルトのブート可能ファイルシステムを示します。このプロパティーは通常、インストールプログラムによって設定されます。 |
cachefile |
文字列 |
なし |
プール構成情報がキャッシュされる場所を制御します。システムのブート時に、キャッシュ内のすべてのプールが自動的にインポートされます。ただし、インストール環境とクラスタ化環境では、プールが自動的にインポートされないようにするために、この情報を別の場所にキャッシュすることが必要になる場合もあります。プール構成情報を別の場所にキャッシュするようにこのプロパティーを設定できます。この情報は、あとから zpool import - c コマンドを使ってインポートできます。ほとんどの ZFS 構成では、このプロパティーは使用されません。 |
capacity |
数値 |
なし |
読み取り専用の値。使用されているプール領域の割合を示します。 このプロパティーの省略名は cap です。 |
dedupditto |
文字列 |
なし |
しきい値を設定し、重複除去したブロックの参照数がしきい値を超えた場合に、ブロックの別の
ditto コピーが自動的に格納されます。 |
dedupratio |
文字列 |
なし |
プールに対して達成された読み取り専用の複製解除比。倍率で表されます。 |
delegation |
ブール型 |
on |
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failmode |
文字列 |
wait |
プールに壊滅的な障害が発生した場合のシステムの動作を制御します。通常は、配下の 1 台以上のストレージデバイスへの接続が失われた場合や、プール内のすべてのデバイスに障害が発生した場合に、このような状況になります。そのような状況での動作は、次のいずれかの値によって決定されます。
wait – デバイスへの接続を復元し、zpool clear コマンドでエラーをクリアーするまで、プールに対するすべての入出力要求をブロックします。この状態では、プールに対する入出力操作はブロックされますが、読み取り操作は成功する場合があります。デバイスの問題が解決されるまで、プールの状態は wait のままです。
continue – 新しい書き込み入出力要求には EIO エラーを返しますが、正常な残りのデバイスに対する読み取りは許可します。まだディスクにコミットされていない書き込み要求はブロックされます。デバイスを再接続するか交換したあと、zpool clear コマンドでエラーを解決する必要があります。
panic – コンソールにメッセージを出力し、システムクラッシュダンプを生成します。
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free |
文字列 |
なし |
読み取り専用の値。まだ割り当てられていないプール内のブロック数を示します。 |
guid |
文字列 |
なし |
読み取り専用プロパティー。プールの一意の識別子を示します。 |
health |
文字列 |
なし |
読み取り専用プロパティー。プールの現在の健全性を ONLINE、DEGRADED、SUSPENDED、REMOVED、または UNAVAIL のいずれかで示します。 |
listshares |
文字列 |
off |
このプール内の共有情報が zfs list コマンドで表示されるかどうかを制御します。デフォルト値は off です。 |
listsnapshots |
文字列 |
off |
このプールに関連付けられているスナップショット情報が zfs list
コマンドによって表示されるようにするかどうかを制御します。このプロパティーが無効になっている場合、 zfs list - t snapshot コマンドで、スナップショット情報を表示できます。 |
readonly |
ブール型 |
off |
プールを変更できるかどうかを指定します。このプロパティーは、読み取り専用モードでプールがインポートされた場合にのみ有効になります。有効になっている場合、プールを読み取り/書き込みモードで再インポートするまで、インテントログにのみ存在する同期データにはアクセスできなくなります。 |
size |
数値 |
なし |
読み取り専用プロパティー。ストレージプールの合計サイズを示します。 |
version |
数値 |
なし |
プールの現在のディスク上バージョンを示します。プールを更新する方法としては zpool upgrade コマンドをお勧めしますが、下位互換性のために特定のバージョンが必要な場合には、このプロパティーを使用できます。このプロパティーには、1 から zpool upgrade -v コマンドで報告される現在のバージョンまでの任意の数値を設定できます。 |
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