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Oracle Solaris 11.1 カーネルのチューンアップ・リファレンスマニュアル     Oracle Solaris 11.1 Information Library (日本語)
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ドキュメントの情報

はじめに

1.  Oracle Solaris システムのチューニングの概要

2.  Oracle Solaris カーネルチューニング可能パラメータ

3.  Oracle Solaris ZFS チューニング可能パラメータ

チューニング可能パラメータ情報の記載箇所

ZFS のチューニングの考慮事項

ZFS ARC パラメータ

zfs_arc_min

zfs_arc_max

ZFS ファイルレベルプリフェッチ

zfs_prefetch_disable

ZFS デバイスの入出力キューの深さ

zfs_vdev_max_pending

フラッシュストレージ使用時の ZFS のチューニング

ZFS ログデバイスまたはキャッシュデバイスとしてのフラッシュデバイスの追加

フラッシュおよび NVRAM ストレージデバイスの適切なキャッシュフラッシュ動作の保証

フラッシュデバイスの SCSI マッピング解除に関する考慮事項

データベース製品に対する ZFS のチューニング

Oracle データベース用の ZFS のチューニング

ZFS を MySQL と一緒に使用するときの考慮事項

4.  NFS チューニング可能パラメータ

5.  インターネットプロトコル群のチューニング可能パラメータ

6.  システム機能のパラメータ

A.  チューニング可能パラメータの変更履歴

B.  このマニュアルの改訂履歴

索引

ZFS デバイスの入出力キューの深さ

zfs_vdev_max_pending

説明

このパラメータは、各デバイスに対する保留中の同時入出力の最大数を制御します。

データ型

整数

デフォルト

10

範囲

0 から MAXINT

動的か

はい

検証

いいえ

どのような場合に変更するか

LUN が多数のディスクドライブで構成されるストレージアレイでは、ZFS キューが読み取り IOPS の制限要因となる可能性があります。この動作は、補助スピンドルが存在するかぎりできるだけ多くの LUN を ZFS ストレージプールに提供するというベストプラクティスの根拠の 1 つになります。つまり、10 個のディスクによるアレイレベルの RAID グループで LUN を作成した場合、5 から 10 個の LUN を使用してストレージプールを構築すると、ZFS は十分な入出力キューを管理できるようになり、この特定のチューニング可能パラメータを設定する必要はありません。

ただし、別個のインテントログが使用されておらず、プールが JBOD ディスクで構成されている場合は、ディスクリソースへの競合が発生しているため、小さい zfs_vdev_max_pending 値 (10 など) を使用すると、同期書き込みの待ち時間が改善される可能性があります。別々のインテントログデバイスを使用すると、これらの同期書き込みは、非同期書き込みの深いキューと競合しないため、同期書き込みを多用する負荷に対してこのパラメータをチューニングする必要性が軽減されます。

ボリュームが少数のスピンドルで構成されている場合、NVRAM ベースのストレージアレイでは、このパラメータをチューニングしても効果は期待されません。ただし、ZFS に提供されたボリュームが多数のスピンドル (10 を超える) で構成されている場合、このパラメータはボリュームで得られる読み取りスループットを制限する可能性があります。この理由は、LUN あたり最大 10 または 35 の入出力がキューに入るため、ストレージスピンドルあたりの入出力は 1 を下回ることになり、個々のディスクがそれらの IOPS を発揮するのに十分ではないためです。この問題は、iostat actv キュー出力が zfs_vdev_max_pending の値に近づいていることとして示されます。

デバイスドライバも、LUN あたりの未処理入出力数を制限することがあります。大量の並行 IOPS を処理できるストレージアレイ上で LUN を使用している場合、デバイスドライバの制約も並行性を制限することがあります。システムで使用しているドライバの構成を調べてください。たとえば、QLogic ISP2200、ISP2300、および SP212 ファミリ FCl HBA (qlc) ドライバの制限は、/kernel/drv/qlc.conf の execution-throttle パラメータとして説明されています。

コミットレベル

変更の可能性あり