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Oracle Solaris 11.1 の管理: SAN 構成およびマルチパス化     Oracle Solaris 11.1 Information Library (日本語)
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はじめに

1.  Solaris I/O マルチパス化の概要

2.  ファイバチャネルマルチパス化構成の概要

3.  Solaris I/O マルチパス化機能の構成

4.  マルチパス化デバイスの管理

5.  ファブリック接続されたデバイスの構成

6.  Solaris iSCSI イニシエータの構成

Oracle Solaris iSCSI の技術 (概要)

Oracle Solaris iSCSI のソフトウェア要件およびハードウェア要件の識別

iSCSI イニシエータタスクの構成

iSCSI 関連の用語

推奨される iSCSI 構成方法

動的または静的ターゲット発見の構成

iSCSI イニシエータを構成する方法

iSCSI ディスクにアクセスする方法

発見されたターゲットデバイスを削除する方法

iSCSI ベースのストレージネットワークにおける認証の構成

iSCSI イニシエータの CHAP 認証を構成する方法

iSCSI ターゲットの CHAP 認証を構成する方法

他社製の RADIUS サーバーを使用して iSCSI 構成内の CHAP 管理を単純化する

RADIUS サーバーを iSCSI ターゲット用に構成する方法

RADIUS サーバーを iSCSI イニシエータ用に構成する方法

Oracle Solaris iSCSI と RADIUS サーバーに関するエラーメッセージ

Oracle Solaris での iSCSI マルチパスデバイスの設定

ターゲットの複数の iSCSI セッションを有効にする方法

iSCSI 構成の監視

iSCSI 構成情報を表示する方法

iSCSI イニシエータと iSCSI ターゲットのパラメータの変更

iSCSI パラメータのチューニング

iSCSI パラメータをチューニングする方法

iSCSI イニシエータと iSCSI ターゲットのパラメータを変更する方法

iSCSI 構成に関する問題のトラブルシューティング

ローカルシステムから iSCSI ターゲットに接続できない

iSCSI の接続に関する問題のトラブルシューティングを行う方法

ローカルシステム上で iSCSI デバイスまたは iSCSI ディスクが利用できない

iSCSI デバイスまたは iSCSI ディスクが利用できない問題のトラブルシューティングを行う方法

iSNS 発見方式を使用する場合の LUN マスクの使用

iSCSI の一般的なエラーメッセージ

7.  仮想ファイバチャネルポートの構成

8.  FCoE ポートの構成

9.  SAS ドメインの構成

10.  IPFC SAN デバイスの構成

11.  x86 ベースシステムのファイバチャネルデバイスからの Oracle Solaris OS のブート

12.  テープデバイス用の持続的なバインド

A.  ファブリック接続されたデバイスの手動構成

B.  サポートされる FC-HBA API

C.  マルチパス化されたデバイスの問題のトラブルシューティング

索引

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iSCSI イニシエータと iSCSI ターゲットのパラメータの変更

iSCSI イニシエータおよび iSCSI ターゲットデバイスのどちらでもパラメータは変更可能です。ただし、iSCSI イニシエータ上で変更可能なパラメータは、次のものだけです。

iSCSI ドライバは、iSCSI イニシエータと iSCSI ターゲットデバイスのパラメータのデフォルト値を提供します。iSCSI イニシエータのパラメータを変更すると、iSCSI ターゲットデバイスにすでに別の値が設定されている場合以外、その変更後のパラメータが iSCSI ターゲットデバイスに継承されます。


注意

注意 - 変更対象のパラメータがターゲットソフトウェアによってサポートされていることを確認してください。サポートされていない場合、iSCSI ターゲットデバイスにログインできない可能性があります。サポートされているパラメータの一覧については、使用するアレイのドキュメントを参照してください。


iSCSI パラメータを変更できるのは、イニシエータとターゲット間の I/O が完了したあとだけです。iscsiadm modify コマンドを使って変更が実行されると、iSCSI ドライバはセッションを接続し直します。

iSCSI パラメータのチューニング

iSCSI パラメータをチューニングして、iSCSI イニシエータのさまざまな応答や接続時間値を調整できます。イニシエータシステムが接続されているすべてのターゲットでイニシエータのパラメータを調整するかどうか、または特定のターゲットのパラメータを調整するかどうかに応じて、iSCSI パラメータをチューニングできます。

特定の iSCSI ターゲットのパラメータ値を変更する場合は、次のコマンドを使用します。

iscsiadm modify target-param -T tunable-prop=value target-name

すべてのターゲットのパラメータ値を調整する場合は、次のコマンドを使用します。

iscsiadm modify initiator-node -T tunable-prop=value

次のチューニング可能パラメータは、アクティブな接続だけに適用され、iSCSI イニシエータおよびイニシエータに接続するターゲットの動作を変更します。パラメータを動的にチューニングする機能により、iSCSI イニシエータを柔軟に構成できます。

表 6-1 チューニング可能な iSCSI パラメータ

パラメータ名
説明
有効な値 (秒)
デフォルト値 (秒)
recv-login-rsp-timeout
セッションログインの応答時間 – iSCSI イニシエータが、指定された iSCSI ターゲットからの iSCSI セッションログイン要求の応答を待機する時間を指定します。
03600
60
conn-login-max
接続再試行の最大時間 – iSCSI イニシエータからターゲットへの入出力がタイムアウトするか、接続が失敗したあとで、iSCSI イニシエータがターゲットへの接続を試みる最大秒数を決定します。
03600
180
polling-login-delay
ログイン再試行間隔 – iSCSI イニシエータからターゲットへの入出力がタイムアウトするか、接続が失敗したあとの、各 iSCSI セッションのログイン試行の間隔を決定します。
03600
60

iSCSI パラメータをチューニングする方法

  1. チューニング可能な iSCSI パラメータをすべて表示します。

    すべてのターゲットの iSCSI パラメータ情報を表示します。

    # iscsiadm list initiator-node
    Initiator node name: iqn.1986-03.com.sun:01:e00000000000.4e36d278
    Initiator node alias: unknown
            Login Parameters (Default/Configured):
                    Header Digest: NONE/-
                    Data Digest: NONE/-
                    Max Connections: 65535/-
            Authentication Type: NONE
            RADIUS Server: NONE
            RADIUS Access: disabled
            Tunable Parameters (Default/Configured):
                    Session Login Response Time: 60/-
                    Maximum Connection Retry Time: 180/-
                    Login Retry Time Interval: 60/-
            Configured Sessions: 1

    特定のターゲットの iSCSI パラメータ情報を表示します。

    # iscsiadm list target-param [target-name]

    例:

    # iscsiadm list target-param -v iqn.1986-03.com.sun:02:47ac0
    506-cd48-67f5-fc0d-ab7544d37538
    Target: iqn.1986-03.com.sun:02:47ac0506-cd48-67f5-fc0d-ab7544d37538
            Alias: -
            Bi-directional Authentication: disabled
            Authentication Type: NONE
            Login Parameters (Default/Configured):
                    Data Sequence In Order: yes/-
                    Data PDU In Order: yes/-
                    Default Time To Retain: 20/-
                    Default Time To Wait: 2/-
                    Error Recovery Level: 0/-
                    First Burst Length: 65536/-
                    Immediate Data: yes/-
                    Initial Ready To Transfer (R2T): yes/-
                    Max Burst Length: 262144/-
                    Max Outstanding R2T: 1/-
                    Max Receive Data Segment Length: 8192/-
                    Max Connections: 65535/-
                    Header Digest: NONE/-
                    Data Digest: NONE/-
            Tunable Parameters (Default/Configured):
                    Session Login Response Time: 60/-
                    Maximum Connection Retry Time: 180/-
                    Login Retry Time Interval: 60/-
            Configured Sessions: 1
  2. iSCSI パラメータをチューニングします。

    たとえば、あるターゲットの接続再試行の最大時間を 90 秒に設定するには:

    # iscsiadm modify target-param -T conn-login-max=90 iqn.1986-03.com.sun:
    02:47ac0506-cd48-67f5-fc0d-ab7544d37538

    たとえば、すべてのターゲットの接続再試行の最大時間を 90 秒に設定するには:

    # iscsiadm modify initiator-node -T conn-login-max=90

iSCSI イニシエータと iSCSI ターゲットのパラメータを変更する方法

この手順の前半では、iSCSI イニシエータの変更されたパラメータが iSCSI ターゲットデバイスにどのように継承されるかを示します。この手順の後半では、iSCSI ターゲットデバイス上のパラメータを実際に変更する方法を示します。

この省略可能な手順では、ユーザーが現在ログインしているローカルシステム上で、iSCSI ターゲットデバイスへのアクセスがすでに構成されているものとします。

  1. 管理者になります。
  2. iSCSI イニシエータとターゲットデバイスの現在のパラメータ値を一覧表示します。
    1. iSCSI イニシエータの現在のパラメータ値を一覧表示します。
      initiator# iscsiadm list initiator-node
      Initiator node name: iqn.1986-03.com.sun:01:0003ba4d233b.425c293c
      Initiator node alias: zzr1200
              Login Parameters (Default/Configured):
                      Header Digest: NONE/-
                      Data Digest: NONE/-
              Authentication Type: NONE
              RADIUS Server: NONE
              RADIUS access: unknown
              Configured Sessions: 1
    2. iSCSI ターゲットデバイスの現在のパラメータ値を一覧表示します。
      initiator# iscsiadm list target-param -v iqn.1992-08.com.abcstorage:sn.84186266
      Target: iqn.1992-08.com.abcstorage:sn.84186266
              Alias: -
              Bi-directional Authentication: disabled
              Authentication Type: NONE
              Login Parameters (Default/Configured):
                      Data Sequence In Order: yes/-
                      Data PDU In Order: yes/-
                      Default Time To Retain: 20/-
                      Default Time To Wait: 2/-
                      Error Recovery Level: 0/-
                      First Burst Length: 65536/-
                      Immediate Data: yes/-
                      Initial Ready To Transfer (R2T): yes/-
                      Max Burst Length: 262144/-
                      Max Outstanding R2T: 1/-
                      Max Receive Data Segment Length: 65536/-
                      Max Connections: 1/-
                      Header Digest: NONE/-
                      Data Digest: NONE/-
               Configured Sessions: 1

      iSCSI イニシエータと iSCSI ターゲットデバイスの両方で、ヘッダーダイジェストとデータダイジェストのパラメータがどちらも現在 NONE に設定されています。

      iSCSI ターゲットデバイスのデフォルトパラメータ値を確認するには、例 6-1iscsiadm list target-param 出力を参照してください。

  3. iSCSI イニシエータのパラメータを変更します。

    たとえば、ヘッダーダイジェストを CRC32 に設定します。

    initiator# iscsiadm modify initiator-node -h CRC32

    イニシエータのノード名を変更した場合は、新しい名前がターゲットと同じ発見ドメインに属していないと、iSNS によって発見されたターゲットがログアウトおよび削除されることがあります。ただし、ターゲットが使用中の場合は、削除されません。たとえば、これらのターゲット上でファイルが開いている場合またはファイルシステムがマウントされている場合は、それらのターゲットは削除されません。

    これらのターゲットと新しいイニシエータノードの名前が同じ発見ドメインに属している場合は、名前の変更後に新しいターゲットも表示されることがあります。

  4. パラメータが変更されたことを確認します。
    1. iSCSI イニシエータの更新済みパラメータ情報を表示します。
      initiator# iscsiadm list initiator-node
      Initiator node name: iqn.1986-03.com.sun:01:0003ba4d233b.425c293c
      Initiator node alias: zzr1200
              Login Parameters (Default/Configured):
                      Header Digest: NONE/CRC32
                      Data Digest: NONE/-
              Authentication Type: NONE
              RADIUS Server: NONE
              RADIUS access: unknown
              Configured Sessions: 1

      ヘッダーダイジェストは CRC32 に設定されています。

    2. iSCSI ターゲットデバイスの更新済みパラメータ情報を表示します。例:
      initiator# iscsiadm list target-param -v iqn.1992-08.com.abcstorage:sn.84186266
      Target: iqn.1992-08.com.abcstorage:sn.84186266
              Alias: -
              Bi-directional Authentication: disabled
              Authentication Type: NONE
              Login Parameters (Default/Configured):
                      Data Sequence In Order: yes/-
                      Data PDU In Order: yes/-
                      Default Time To Retain: 20/-
                      Default Time To Wait: 2/-
                      Error Recovery Level: 0/-
                      First Burst Length: 65536/-
                      Immediate Data: yes/-
                      Initial Ready To Transfer (R2T): yes/-
                      Max Burst Length: 262144/-
                      Max Outstanding R2T: 1/-
                      Max Receive Data Segment Length: 65536/-
                      Max Connections: 1/-
                      Header Digest: CRC32/-
                      Data Digest: NONE/-
              Configured Sessions: 1

      ヘッダーダイジェストは CRC32 に設定されています。

  5. iSCSI イニシエータが iSCSI ターゲットに接続し直されたことを確認します。
    initiator# iscsiadm list target -v iqn.1992-08.com.abcstorage:sn.84186266
    Target: iqn.1992-08.com.abcstorage:sn.84186266
            TPGT: 2
            ISID: 4000002a0000
            Connections: 1
                    CID: 0
                      IP address (Local): nnn.nn.nn.nnn:64369
                      IP address (Peer): nnn.nn.nn.nnn:3260
                      Discovery Method: SendTargets
                      Login Parameters (Negotiated):
                            .
                            .
                            .
                            Header Digest: CRC32
                            Data Digest: NONE 
  6. (オプション) iSCSI イニシエータまたは iSCSI ターゲットデバイスのパラメータをリセットします。

    iscsiadm modify コマンドを使用して、パラメータをそのデフォルト値にリセットできます。または、iscsiadm remove コマンドを使って、すべてのパラメータをそれらのデフォルト値にリセットできます。

    iscsiadm modify target-param コマンドは、コマンド行で指定されたパラメータのみを変更します。

    次の例では、ヘッダーダイジェストを NONE にリセットする方法を示します。

    initiator# iscsiadm modify target-param -h none iqn.1992-08.com.abcstorage:sn...

    iscsiadm remove target-param コマンドについては、iscsiadm(1M) のマニュアルページを参照してください。