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Oracle Solaris 11.1 の管理: SAN 構成およびマルチパス化 Oracle Solaris 11.1 Information Library (日本語) |
Oracle Solaris iSCSI のソフトウェア要件およびハードウェア要件の識別
iSCSI ベースのストレージネットワークにおける認証の構成
他社製の RADIUS サーバーを使用して iSCSI 構成内の CHAP 管理を単純化する
RADIUS サーバーを iSCSI ターゲット用に構成する方法
RADIUS サーバーを iSCSI イニシエータ用に構成する方法
Oracle Solaris iSCSI と RADIUS サーバーに関するエラーメッセージ
Oracle Solaris での iSCSI マルチパスデバイスの設定
iSCSI イニシエータと iSCSI ターゲットのパラメータの変更
iSCSI イニシエータと iSCSI ターゲットのパラメータを変更する方法
iSCSI の接続に関する問題のトラブルシューティングを行う方法
ローカルシステム上で iSCSI デバイスまたは iSCSI ディスクが利用できない
iSCSI デバイスまたは iSCSI ディスクが利用できない問題のトラブルシューティングを行う方法
11. x86 ベースシステムのファイバチャネルデバイスからの Oracle Solaris OS のブート
ここでは、ISCSI イニシエータの構成に関連する一般的なタスクのリストを示します。一部のタスクはネットワーク構成の必要に応じたオプションです。次の一部のリンクは、ネットワーク構成およびターゲット構成を説明する別のドキュメントに移動します。
iSCSI ターゲットおよびイニシエータを構成する前に、次の用語を確認してください。
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ネットワーク内の iSCSI デバイスを構成する前に、次の iSCSI の推奨事項を確認してください。
デバイス
可用性を高めるために、マルチパス化されたデバイスパスの使用を検討してください。
セッションあたりの複数接続 (MCS) のサポートにより、同じ iSCSI セッションでイニシエータからターゲットへの複数の TCP/IP 接続が可能です。
ネットワーク
iSCSI デバイスを高速 (gigE 以上) の専用ネットワークに配置します。
可能であれば、各 Ethernet トランザクションでより多くのデータを転送してフレームの数を削減するために、ジャンボフレームを使用してください。
ギガビットネットワークインフラストラクチャでは、CAT6 規格のケーブルを使用します。
iSCSI ストレージネットワークをローカルエリアネットワークのトラフィックから分離します
TCP/IP スタック内で複数のスレッドを使用するために、複数のセッションまたは接続を構成します
Nagle アルゴリズムを無効にするなどの TCP チューニングを検討します
セキュリティー
物理的なセキュリティーに加えて、各ホストが独自のパスワードを持つよう CHAP 認証を使用します。
iSNS ターゲット発見ドメインの使用を考慮します。これは、独自のアクセス制御が有効でないターゲットにアクセス制御を提供し、一方で各イニシエータのログオンプロセスを、ネットワーク内で使用可能なターゲットの関連するサブセットに制限することにより、セキュリティーを強化します。
デバイス発見を実行するために、動的デバイス発見方式のいずれかを構成するか、または静的 iSCSI イニシエータターゲットを使用するかを決定します。
動的デバイス発見 – 次の 2 つの動的デバイス発見方式を使用できます。
SendTargets - ファイバチャネルブリッジへの iSCSI などのように、iSCSI ノードが多数のターゲットを公開している場合、その iSCSI ノードに IP アドレスとポートの組み合わせを提供でき、その iSCSI イニシエータは SendTargets 機能を使ってデバイス発見を実行できるようになります。
iSNS - iSNS (Internet Storage Name Service) を使用すると、できるかぎり少ない構成情報で、iSCSI イニシエータがアクセス権を持つターゲットを発見できます。また、ストレージノードの動作状態が変更されたときに iSCSI イニシエータに通知する状態変更通知機能もあります。iSNS 発見方式を使用するために、iSNS サーバーのアドレスとポートの組み合わせを指定して、デバイス発見を実行するために指定した iSNS サーバーを iSCSI イニシエータで照会できるようにすることができます。iSNS サーバーのデフォルトポートは 3205 です。iSNS の詳細については、RFC 4171 を参照してください。
http://www.ietf.org/rfc/rfc4171.txt
iSNS 発見サービスは、ネットワーク上のすべてのターゲットを発見するための管理モデルを提供します。
Oracle Solaris での iSNS サポートの設定についての詳細は、『Oracle Solaris 11.1 の管理: デバイスとファイルシステム』の第 12 章「Oracle Solaris Internet Storage Name Service (iSNS) の構成と管理」を参照してください。
静的デバイス発見 – iSCSI ノードのターゲットが少数である場合や、イニシエータのアクセス対象となるターゲットを制限する場合には、次の静的ターゲットアドレス命名規則を使用して、target-name を静的に構成できます。
target,target-address[: port-number]
また、アレイの管理ツールから静的ターゲットアドレスを決定できます。
注 - 単一の iSCSI ターゲットが静的デバイス発見方式と動的デバイス発見方式の両方によって発見されるように構成しないでください。発見方式を重複して使用すると、イニシエータが iSCSI ターゲットデバイスと通信するときのパフォーマンスが低下する可能性があります。
イニシエータの構成処理には、iSCSI ターゲット発見方式の特定が含まれます。これにより、使用可能なターゲットのリストがイニシエータに提示されます。iSCSI ターゲットは、静的、SendTargets、または iSNS 動的発見用に構成できます。SendTargets オプションを使用した動的発見は、iSCSI からファイバチャネルへのブリッジなどを経由して、大量のターゲットにアクセスする iSCSI イニシエータに最適な構成です。SendTargets 動的発見では、iSCSI イニシエータによるターゲット発見の実行のために、iSCSI ターゲットの IP アドレスとポートの組み合わせが必要です。もっとも一般的な発見方式は、SendTargets です。
ターゲット発見方式の構成時に、選択した方式に応じて次の情報を指定する必要があります。
SendTargets – ターゲットの IP アドレス
iSNS – iSNS サーバーのアドレス
静的 – ターゲットの IP アドレスとターゲット名
ターゲット発見方式の詳細は、「動的または静的ターゲット発見の構成」を参照してください。
initiator# svcadm enable network/iscsi/initiator
target# ipadm show-addr ADDROBJ TYPE STATE ADDR lo0/v4 static ok 127.0.0.1/8 e1000g0/_b dhcp ok 1.2.3.4/24 lo0/v6 static ok ::1/128 e1000g0/_a addrconf ok fe80::123:1234:fe27:360c/10 target# itadm list-target -v TARGET NAME STATE SESSIONS iqn.1986-03.com.sun:02:73d12edc-9bb9-cb44-efc4-c3b36c123456 online 0 alias: - auth: none (defaults) targetchapuser: - targetchapsecret: unset tpg-tags: default
initiator# iscsiadm add static-config iqn.1986-03.com.sun:02:73d12edc-9bb9-cb44-efc4-c3b36c123456, 1.2.3.4
initiator# iscsiadm list static-config Static Configuration Target: iqn.1986-03.com.sun:02:73d12edc-9bb9-cb44-efc4-c3b36c123456, 1.2.3.4:3260
発見方式が有効化されるまで iSCSI 接続は起動されません。次の手順を参照してください。
動的に発見される (SendTargets) ターゲットを構成した場合は、SendTargets 発見方式を構成します。
initiator# iscsiadm add discovery-address 1.2.3.4
動的に発見される (iSNS) ターゲットを構成した場合は、iSNS 発見方式を構成します。
initiator# iscsiadm add isns-server 1.2.3.4
動的に発見される (SendTargets) ターゲットを構成した場合は、SendTargets 発見方式を有効にします。
initiator# iscsiadm modify discovery --sendtargets enable
動的に発見される (iSNS) ターゲットを構成した場合は、iSNS 発見方式を有効にします。
initiator# iscsiadm modify discovery --iSNS enable
静的ターゲットを構成した場合は、静的ターゲット発見方式を有効にします。
initiator# iscsiadm modify discovery --static enable
initiator# devfsadm -i iscsi
Oracle Solaris iSCSI イニシエータによってデバイスが発見されると、ログインネゴシエーションが自動的に発生します。Oracle Solaris iSCSI ドライバは、利用可能な LU の個数を判断し、デバイスノードを作成します。この時点で、iSCSI デバイスをほかのすべての SCSI デバイスと同様に扱えます。
ZFS ストレージプールを LU 上に作成してから、ZFS ファイルシステムを作成できます。
ローカルシステム上で iSCSI ディスクを表示するには、format ユーティリティーを使用します。
initiator# format 0. c0t600144F0B5418B0000004DDAC7C10001d0 <SUN-COMSTAR-1.0 cyl 1022 alt 2 hd 128 sec 32> /scsi_vhci/disk@g600144f0b5418b0000004ddac7c10001 1. c8t0d0 <Sun-STK RAID INT-V1.0 cyl 17830 alt 2 hd 255 sec 63> /pci@0,0/pci10de,375@f/pci108e,286@0/disk@0,0 2. c8t1d0 <Sun-STK RAID INT-V1.0-136.61GB> /pci@0,0/pci10de,375@f/pci108e,286@0/disk@1,0 3. c8t2d0 <Sun-STK RAID INT-V1.0-136.61GB> /pci@0,0/pci10de,375@f/pci108e,286@0/disk@2,0 4. c8t3d0 <Sun-STK RAID INT-V1.0 cyl 17830 alt 2 hd 255 sec 63> /pci@0,0/pci10de,375@f/pci108e,286@0/disk@3,0 Specify disk (enter its number): 0 selecting c0t600144F0B5418B0000004DDAC7C10001d0 [disk formatted]
上記の出力では、ディスク 0 は MPxIO の制御下にある iSCSI LU です。ディスク 1 - 4 はローカルディスクです。
initiator# zpool create pool-name c0t600144F0B5418B0000004DDAC7C10001d0 initiator# zfs create pool-name/fs-name
ZFS ファイルシステムは、作成時に自動的にマウントされ、ブート時に再マウントされます。
次のいずれかの操作を実行すると、関連するターゲットがログアウトされます。
発見アドレスを削除する
iSNS サーバーを削除する
静的構成を削除する
発見方式を無効にする
たとえば、これらの関連付けられたターゲットが引き続き使用され、ファイルシステムがマウントされている場合は、これらのデバイスのログアウトが失敗し、アクティブターゲットリスト上に残ります。
このオプションの手順では、ユーザーが現在ログインしているローカルシステム上で、ターゲットデバイスへのアクセスがすでに構成されているものとします。
iSCSI SendTargets 発見エントリを削除します。
例:
initiator# iscsiadm remove discovery-address 1.2.3.4:3260
iSCSI iSNS 発見エントリを削除します。
例:
# iscsiadm remove isns-server 1.2.3.4:3205
例:
initiator# iscsiadm remove static-config eui.5000ABCD78945E2B,1.2.3.4
注 - 使用中の論理ユニット (LU) が関連付けられた発見エントリを無効化または削除しようとすると、次のメッセージが表示され、無効化または削除操作が失敗します。
logical unit in use
このエラーが発生した場合は、LU 上の関連付けられたすべての入出力を停止し、ファイルシステムのマウント解除を行います。そのあとで無効化または削除の操作を再び実行します。
例:
target# itadm delete-target target-IQN
ターゲットが引き続きオンラインまたはビジー状態にある場合、このコマンドがエラーになることがあります。
The target is online or busy. Use the -f (force) option, or 'stmfadm offline-target iqn.1986-03.com.sun:02:99619b8a-a4dc-4cfb-93f0-ee3de1234567' itadm delete-target failed with error 16