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Oracle Solaris 10 から Oracle Solaris 11.1 への移行     Oracle Solaris 11.1 Information Library (日本語)
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ドキュメントの情報

はじめに

1.  Oracle Solaris 10 から Oracle Solaris 11 リリースへの移行 (概要)

2.  Oracle Solaris 11 インストール方法への移行

Oracle Solaris のインストール方法

Oracle Solaris のインストール要件

ZFS ルートプールのインストール要件

Oracle Solaris のインストール前のタスク

インストールメディアを使用した Oracle Solaris のインストール

Oracle Solaris 11.1 インストールメディアパス

JumpStart から AI への移行

JumpStart から AI への移行タスク

AI を使用した Oracle Solaris のインストール

AI によるプリインストールタスク

インストールクライアントを設定する

クライアントのブートと Oracle Solaris インストールの開始

ゾーンのインストールと構成に関する情報

AI ファイルのダウンロード先

追加のインストールタスク

インストール前またはインストール後の日付と時間の構成

ローカル時間形式から UTC 形式に切り替える方法

UTC 形式からローカル時間形式に切り替える方法

RTC 時間をローカル時間として保持する複数のオペレーティングシステムを実行しているシステムでのローカル時間の保守

x86: インストール後の GRUB メニューへのカスタムエントリの追加

Oracle Solaris のインストールに関するトラブルシューティング

Live Media 起動プロセスのモニタリング

3.  デバイスの管理

4.  ストレージ機能の管理

5.  ファイルシステムの管理

6.  ソフトウェアおよびブート環境の管理

7.  ネットワーク構成の管理

8.  システム構成の管理

9.  セキュリティーの管理

10.  仮想環境での Oracle Solaris リリースの管理

11.  ユーザーアカウントとユーザー環境の管理

12.  デスクトップ機能の管理

A.  SPARC 自動インストールシナリオ

AI を使用した Oracle Solaris のインストール

AI によるインストール方法は、Oracle Solaris の手動操作不要のインストールを実行するために使用できます。

次の重要な点に注意してください。

AI プロセスは次の全般的な順序で進められます。

  1. クライアントシステムは、ネットワークからブートされると、そのネットワーク構成とインストールサーバーの場所を DHCP サーバーから取得します。SPARC クライアントはオプションで、オープンブート PROM (OBP) で network-boot-arguments 変数を設定することにより、ネットワーク構成とインストールサーバーの場所を取得できます。


    注 - Reverse Address Resolution Protocol (RARP) は、AI でネットワークを介してシステムをブートおよびインストールする場合には機能しません。


  2. インストールサーバーがブートイメージをクライアントに提供します。

  3. クライアントの特性によって、クライアントのインストールに使用するインストール手順とシステム構成手順が決まります。

  4. 作成した AI インストールサービスのインストール手順で指定されているパッケージリポジトリからパッケージを取得することにより、Oracle Solaris 11 がクライアントにインストールされます。

AI によるプリインストールタスク

AI でシステムをインストールする前に、特定のタスクを実行する必要があります。最低限、AI インストールサーバーを設定し、少なくとも 1 つのインストールサービスを作成する必要があります。このシナリオは、すべてのクライアントが同じアーキテクチャーで、同じバージョンの Oracle Solaris OS がインストールされている状況で適切に機能します。このタイプのインストールでは、どのクライアント条件にも関連付けられていないデフォルトの AI マニフェストを使用します。新しい AI インストールサービスを作成すると、/install-service-image-path /auto_install/manifest/default.xml がそのインストールサービスの初期のデフォルト AI マニフェストになります。Oracle Solaris 11.1 では、デフォルトの AI マニフェストは、PS パッケージリポジトリ (http://pkg.oracle.com/solaris/release) から利用できる最新バージョンの Oracle Solaris 11.1 リリースを指定します。

AI は、DHCP を使用して、インストールされるクライアントマシンに IP アドレス、サブネットマスク、ルーター、ネームサービスサーバー、およびインストールサーバーの場所を提供します。SPARC クライアントは、オプションで、オープンブート PROM (OBP) で設定された network-boot-arguments 変数からネットワーク構成とインストールサーバーの場所を取得できます。DHCP サーバーと AI インストールサーバーは、同じマシンにすることも、2 つの別々のマシンにすることもできます。インストールサーバーの設定の詳細は、『Oracle Solaris 11.1 システムのインストール』の第 8 章「インストールサーバーの設定」を参照してください。

AI を使用するために完了しておく必要のある最低限のタスクセットの詳細は、『Oracle Solaris 11.1 システムのインストール』の「AI を使用するための最小要件」を参照してください。

AI を使用するための最低限の要件に従った基本的な SPARC AI インストール例については、付録 A SPARC 自動インストールシナリオを参照してください。

AI インストールのカスタマイズ、クライアントシステムのプロビジョニング、およびクライアントシステムの構成に関する詳細については、次のドキュメントを参照してください。

インストールクライアントを設定する

インストールサーバーを最初に設定したときに、クライアントアーキテクチャーごと、そしてインストールを計画している Oracle Solaris のバージョンごとに、少なくとも 1 つのインストールサービスを作成しました。異なるクライアントアーキテクチャー用に作成したインストールサービスごとに、カスタマイズしたインストール手順とシステム構成手順を作成する必要もあります。各クライアントは、続いて、正しいインストールサービスに関する情報のほか、AI マニフェスト、そのインストールサービス内のシステム構成プロファイルにアクセスするために AI インストールサーバーに接続されます。インストール前に適切なシステム構成手順が用意されていない場合、インストール後、最初のブート中に対話式のツールが開き、欠落したシステム構成情報を入力するように求められます。

インストールクライアントの設定には、インストールサーバー上で installadm create-client コマンドを実行して、特定のクライアントを特定のインストールサービスに関連付ける必要があります。たとえば、SPARC インストールクライアントを設定し、そのクライアントを MAC アドレス 00:14:4f:a7:65:70solaris11_1-sparc インストールサービスに関連付けるには、次のようにします。

# installadm create-client -n solaris11_1-sparc -e 00:14:4f:a7:65:70

この特定の例では、create-service コマンドを使用して SPARC wanboot-cgi ブートファイルがすでに構成されているので、DHCP サーバーは構成を必要としません。『Oracle Solaris 11.1 システムのインストール』の「AI インストールサービスの作成」を参照してください。

/etc/netboot ディレクトリを調べて、クライアントが正常に追加されたことを確認します。

lrwxrwxrwx  1 root staff 33 2012-05-09 08:53 0100144FA76570 -> /etc/netboot/solaris11_1-sparc

例 2-1 x86 インストールクライアントを設定する

次の例は、x86 クライアントを MAC アドレス 0:e0:81:5d:bf:e0solaris11_1-i386 インストールサービスに関連付けます。このコマンドの出力に示される DHCP 構成を手動で DHCP サーバーに追加する必要があります。それ以外の場合、クライアントシステムは solaris11_1-i386 インストールサービスをブートできません。

# installadm create-client -n solaris11_1-i386 -e 0:e0:81:5d:bf:e0
No local DHCP configuration found. If not already configured, the
following should be added to the DHCP configuration:
    Boot server IP      : 10.80.239.5
    Boot file(s)        : 
        bios clients (arch 00:00):  0100E0815DBFE0.bios
        uefi clients (arch 00:07):  0100E0815DBFE0.uefi

次の例では、installadm create-client コマンドを使用して、Oracle Solaris 11.1 i386 インストールサービスの ISC DHCP 構成の /etc/inet/dhcpd4.conf ファイルに、x86 クライアント用のデフォルトの PXE ブートファイルを設定します。

host 00E0815DBFE0 {
  hardware ethernet 00:E0:81:5D:BF:E0;
  if option arch = 00:00 {
    filename "0100E0815DBFE0.bios";
  } else if option arch = 00:07 {
    filename "0100E0815DBFE0.uefi";
  }
}

クライアントのブートと Oracle Solaris インストールの開始

AI を使用するために必要な前提条件のタスクに加え、オプションのカスタマイズタスクを実行した後で、クライアントシステムをインストールできます。ネットワークを介してクライアントシステムをブートするとインストールが開始します。

SPARC クライアントを次のようにブートします。

  1. システムを ok PROM プロンプトに切り替えてから、システムをブートします。

    ok boot net:dhcp - install

    注 - Oracle Solaris 11 では、ネットワークから SPARC ベースシステムをブートする構文が変更されました。


    DHCP を使用していない場合は、次のコマンドを使用します。

    ok setenv network-boot-arguments host-ip=client-ip,
    router-ip=router-ip,subnet-mask=subnet-mask,hostname=hostname,
    file=wanboot-cgi-file

    network-boot-arguments 変数を使用するときは、SPARC クライアントに DNS の構成情報がありません。このクライアントで使用されている AI マニフェストに、IPS パッケージリポジトリの場所やマニフェスト内のその他の URI として、ホスト名ではなく IP アドレスが指定されていることを確認してください。

  2. システムをブートします。

    ok boot net - install

    SPARC クライアントのインストール中に行われるイベントのリストについては、『Oracle Solaris 11.1 システムのインストール』の「SPARC クライアントのインストール」を参照してください。

x86 クライアントの PXE ブートを次のように実行します。

  1. クライアントシステムをブートします。

  2. クライアントのブート時、ファームウェア画面 (BIOS または UEFI) が表示されたときに特定のキーストロークを入力することによって、ネットワークからブートするようにファームウェアに指示します。

    x86 プラットフォームでの UEFI ファームウェアサポートの詳細は、『Oracle Solaris 11.1 システムのブートおよびシャットダウン』の「UEFI および BIOSファームウェアを搭載するシステムのネットワークからのブート」を参照してください。

  3. GRUB メニューが表示されたら、2 番目のエントリ (自動インストール) を選択し、続いて Return キーを押してそのイメージをインストールします。

    Oracle Solaris 11.1 Text Installer and command line
    Oracle Solaris 11.1 Automated Install

    x86 クライアントのインストール中に行われるイベントのリストについては、『Oracle Solaris 11.1 システムのインストール』の「x86 クライアントのインストール」を参照してください。

ゾーンのインストールと構成に関する情報

非大域ゾーンは、大域ゾーンのインストール後の初回リブート時にインストールされ、構成されます。AI では、AI マニフェストで定義された構成要素を使用することによって、非大域ゾーンをシステムにインストールできます。大域ゾーンのインストール後に最初にブートする間に、ゾーンの自己アセンブリ SMF サービス (svc:/system/zones-install:default) によって、大域ゾーンの AI マニフェストに定義されている各非大域ゾーンが構成され、インストールされます。auto-boot プロパティーを true (autoboot=true) に設定してゾーンを構成した場合は、ゾーンのインストール後に、system/zones-install サービスによってそのゾーンがブートされます。『Oracle Solaris 11.1 システムのインストール』の第 12 章「ゾーンのインストールと構成」を参照してください。

AI ファイルのダウンロード先

AI インストール中、複数の重要な AI ファイルが次の場所にダウンロードされます。

インストールログファイル:

/system/volatile/install_log

AI サーバーからダウンロードされた AI クライアントマニフェスト:

/system/volatile/ai.xml

AI クライアント派生マニフェスト (使用する場合):

/system/volatile/manifest.xml

インストール中に AI サーバーからダウンロードされたシステム構成プロファイル:

/system/volatile/profile/*

AI サービスのリスト:

/system/volatile/service_list