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Oracle Solaris Cluster ソフトウェアのインストール Oracle Solaris Cluster 4.1 (日本語) |
1. Oracle Solaris Cluster 構成の計画
Oracle Solaris Cluster のインストールタスクの確認
Oracle Solaris Cluster の構成可能なコンポーネント
ゾーンクラスタにおける Trusted Extensions のガイドライン
グローバルデバイス、デバイスグループ、およびクラスタファイルシステムの計画
Solaris ボリュームマネージャー ソフトウェアのガイドライン
2. グローバルクラスタノードへのソフトウェアのインストール
このセクションでは、クラスタ構成での Oracle Solaris ソフトウェアのインストールを計画するうえでの、次のガイドラインを説明します。
Oracle Solaris ソフトウェアの詳細については、Oracle Solaris のインストールドキュメントを参照してください。
Oracle Solaris ソフトウェアは、ローカルの DVD-ROM から、あるいは Automated Installer (AI) によるインストール方法でネットワークインストールサーバーからインストールできます。また Oracle Solaris Cluster では、AI インストール方法を使用して、Oracle Solaris OS と Oracle Solaris Cluster ソフトウェアの両方をインストールするカスタムの方法もあります。Oracle Solaris ソフトウェアの AI インストールでは、デフォルトを受け入れて OS をインストールするか、それともブートディスクや ZFS ルートプールといったコンポーネントのインストールをカスタマイズできる OS の対話式インストールを実行するかを選択します。複数のクラスタノードをインストールする場合は、ネットワークインストールを検討してください。
scinstall AI インストール方式の詳細については、「Oracle Solaris および Oracle Solaris Cluster ソフトウェアをインストールおよび構成する方法 (Automated Installer)」を参照してください。Oracle Solaris の標準的なインストール方法や、OS のインストール中にユーザーが行う必要のある構成上の選択に関する詳細については、Oracle Solaris のインストールドキュメントを参照してください。
Oracle Solaris Cluster 構成で Oracle Solaris OS の使用を計画する場合は、次の点に注意してください。
Oracle Solaris ゾーン – Oracle Solaris Cluster フレームワークソフトウェアのインストール先は、大域ゾーンだけです。
ループバックファイルシステム (Loopback File System、LOFS) – クラスタの作成中、LOFS 機能はデフォルトで有効になっています。 クラスタが次の条件の両方を満たす場合、スイッチオーバーの問題やその他の障害を防ぐために、LOFS を無効にする必要があります。
クラスタがこれらの条件の 1 つだけしか満たさない場合、LOFS を有効にしても安全です。
LOFS と automountd デーモンの両方を有効にする必要がある場合は、HA for NFS によってエクスポートされる高可用性ローカルファイルシステムに含まれるファイルをすべてオートマウンタマップから除外してください。
省電力シャットダウン – 自動省電力シャットダウンは Oracle Solaris Cluster 構成ではサポートされないため、有効にしないでください。詳細については、poweradm(1M) のマニュアルページを参照してください。
Network Auto-Magic (NWAM) – Oracle Solaris の Network Auto-Magic (NWAM) 機能は、単一のネットワークインタフェースをアクティブにし、その他はすべて無効にします。このため、NWAM は Oracle Solaris Cluster ソフトウェアと共存できず、クラスタを構成または実行する前に NWAM を無効にする必要があります。
IP Filter 機能 – Oracle Solaris Cluster では、パブリックネットワーク監視に IP ネットワークマルチパス (IPMP) を利用しています。IP Filter を構成する際には、IP Filter に関係する IPMP の構成ガイドラインや制限に従う必要があります。
fssnap - Oracle Solaris Cluster ソフトウェアは、UFS の機能である fssnap コマンドをサポートしません。ただし、Oracle Solaris Cluster ソフトウェアによって制御されないローカルシステム上で fssnap コマンドを使用できます。fssnap サポートには、次の制限が適用されます。
fssnap コマンドは、Oracle Solaris Cluster ソフトウェアによって管理されていないローカルファイルシステム上でサポートされています。
fssnap コマンドは、クラスタファイルシステムではサポートされていません。
fssnap コマンドは、HAStoragePlus によって制御されるローカルファイルシステムではサポートされていません。
Oracle Solaris OS をインストールするときは、必要な Oracle Solaris Cluster パーティションを作成し、すべてのパーティションが各領域の最小必要条件を満たすようにします。
ルート (/) – ルート (/) ファイルシステムの容量に関する主な要件は、次のとおりです。
Oracle Solaris Cluster ソフトウェア自体のルート (/) ファイルシステムでの占有サイズは、40M バイト未満です。
Oracle Solaris Cluster の各データサービスは、1M バイトから 5M バイトを使用する可能性があります。
Solaris ボリュームマネージャー ソフトウェアが必要とするのは、5M バイト未満です。
十分な追加領域と i ノード容量を構成するには、一般的にルート (/) ファイルシステムに割り当てる容量に、100 MB 以上を追加します。この領域は、ブロック特殊デバイスと文字特殊デバイスの両方を作成するために、ボリューム管理ソフトウェアによって使用されます。クラスタ内に多数の共有ディスクがある場合は、特に、十分な領域を割り当てる必要があります。
ログファイル用に十分な領域を別途用意しておく必要があります。また、クラスタ化されたノードでは、標準的なスタンドアロンサーバーよりも、ログに記録されるメッセージが増えることがあります。したがって、ログファイル用として少なくとも 100M バイトを使用できるようにしてください。
グローバルデバイス名前空間の lofi デバイスが必要とする空き容量は、100M バイトです。Oracle Solaris Cluster 4.0 以降では、グローバルデバイス名前空間の専用パーティションは使用されなくなりました。
/var – Oracle Solaris Cluster ソフトウェアの /var ファイルシステムにおけるインストール時の占有サイズは、無視できる量です。ただし、ログファイル用に十分な領域を別途用意しておく必要があります。また、クラスタ化されたノードでは、標準的なスタンドアロンサーバーよりも、ログに記録されるメッセージが増えることがあります。したがって、/var ファイルシステムには最低でも 100 MB の余裕を設けてください。
swap – Oracle Solaris と Oracle Solaris Cluster ソフトウェアに割り当てる swap 領域は、750M バイト以上である必要があります。最適な結果を得るには、Oracle Solaris OS に必要とされる容量に少なくとも 512M バイトを Oracle Solaris Cluster ソフトウェア用に追加します。さらに、Oracle Solaris ホスト上で実行されるアプリケーションが必要とする追加の swap 容量を割り当てます。
ボリュームマネージャー – ボリュームマネージャーで使用するために、20M バイトのパーティションをスライス 6 上に作成します。
Solaris ボリュームマネージャー をサポートする場合、このパーティションを次のいずれかの場所に作成できます。
ZFS ルートプール以外のローカルディスク
ZFS ルートプール (ZFS ルートプールがディスク上ではなくパーティション上に存在する場合)
各ローカルディスク上に、このためのスライスをべつに用意します。ただし、1 つの Oracle Solaris ホストにローカルディスクが 1 つしかない場合は、Solaris ボリュームマネージャー ソフトウェアが正しく動作するように、同じスライス内に 3 つの状態データベースの複製を作成する必要が生じることがあります。詳細は、『Solaris ボリュームマネージャの管理』を参照してください。
Oracle Solaris OS を対話的にインストールする場合は、これらの必要条件を満たすためにパーティションをカスタマイズする必要があります。
SPARC ハイパーバイザ対応の物理的にクラスタ化されたマシン上で、Oracle VM Server for SPARC I/O ドメインまたはゲストドメインを作成する場合、次の点に注意してください。
SCSI LUN の必要条件 - Oracle VM Server for SPARC ゲストドメインの仮想共有ストレージデバイス、または仮想ディスクバックエンドは、I/O ドメイン内の完全な SCSI LUN である必要があります。 任意の仮想デバイスは使用できません。
フェンシング - デバイスのフェンシングも無効にしないかぎり、同じ物理マシン上の複数のゲストドメインにストレージ LUN をエクスポートしないでください。そうしないと、あるデバイスから同じマシン上の 2 つの異なるゲストドメインの両方が見える状態にある場合に、ゲストドメインの 1 つが停止すると、そのデバイスがフェンシングされます。デバイスがフェンシングされると、そのあとでデバイスへのアクセスを試みるほかのゲストドメインでパニックが発生する可能性があります。
ネットワークの分離 - 同じ物理マシン上にあるが、異なるクラスタに構成されているゲストドメインは、互いに別のネットワークにある必要があります。次のいずれかの方法を使用します。
プライベートネットワークの I/O ドメイン内で異なるネットワークインタフェースを使用するように、クラスタを構成する。
クラスタの初期構成を実行する際に、クラスタごとに異なるネットワークアドレスを使用する。
ゲストドメイン内のネットワーク - ゲストドメイン間で送受信するネットワークパケットは、仮想スイッチを介してネットワークドライバに到達するためにサービスドメインをトラバースします。仮想スイッチでは、システムの優先順位に従って実行されるカーネルスレッドを使用します。仮想スイッチスレッドは、ハートビート、メンバーシップ、チェックポイントなど、重要なクラスタ操作を実行するために必要な CPU リソースを取得します。mode=sc 設定で仮想スイッチを構成すると、クラスタのハートビートパケットを迅速に処理できます。ただし、次のワークロードの下では CPU リソースをサービスドメインに追加して、重要なほかのクラスタ操作の信頼性を向上させることができます。
ネットワークやディスクの I/O などに起因する高い割り込み負荷。過剰な負荷の下では、仮想スイッチのために、仮想スイッチスレッドを含むシステムスレッドが長時間実行できなくなる可能性があります。
CPU リソースを保持することに過度に積極的なリアルタイムスレッド。リアルタイムスレッドは、仮想スイッチスレッドよりも高い優先順位で実行されるため、長時間仮想スイッチスレッドを使用する場合の CPU リソースを制限できます。
非共有ストレージ – Oracle VM Server for SPARC ゲストドメイン OS イメージ用などの非共有ストレージの場合、どのタイプの仮想デバイスも使用できます。I/O ドメインにファイルやボリュームを実装すれば、そうした仮想デバイスを強化できます。ただし、同じクラスタの別のゲストドメインにマッピングする目的で、ファイルまたは複製ボリュームを I/O ドメインにコピーしないでください。作成される仮想デバイスの別のゲストドメインに同じデバイスが確認されるため、そのようなコピーまたは複製は問題を発生させる場合があります。I/O ドメインには常に新しいファイルまたはデバイスを作成してください。一意のデバイスを割り当てて、その新しいファイルまたはデバイスを別のゲストドメインにマッピングしてください。
I/O ドメインからのストレージのエクスポート - Oracle VM Server for SPARC I/O ドメインからなるクラスタを構成する場合、Oracle Solaris Cluster ソフトウェアを実行しているほかのゲストドメインにストレージデバイスをエクスポートしないでください。
Oracle Solaris I/O マルチパス – ゲストドメインから Oracle Solaris I/O マルチパスソフトウェア (MPxIO) を実行しないでください。その代わりに、I/O ドメインで Oracle Solaris I/O マルチパスソフトウェアを実行し、それをゲストドメインにエクスポートしてください。
仮想ディスクマルチパス - クラスタノードとして構成されている論理ドメインで、Oracle VM Server for SPARC の仮想ディスクマルチパス機能を構成しないでください。
ライブ移行の制限 - クラスタノードとして動作するように構成された論理ドメインに対して、ライブ移行はサポートされません。ただし、Oracle VM Server for SPARC データサービス用 HA によって管理されるように構成されている論理ドメインでは、ライブ移行を使用できます。
Oracle VM Server for SPARC の詳細については、『Oracle VM Server for SPARC 2.1 管理ガイド』を参照してください。