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Solaris のシステム管理ガイド (印刷) Oracle Solaris 10 1/13 Information Library (日本語) |
1. Oracle Solaris オペレーティングシステムでの印刷の概要
4. Oracle Solaris 印刷マネージャーを使用したプリンタの設定および管理 (タスク)
5. LP 印刷コマンドを使用したプリンタの設定 (タスク)
6. LP 印刷コマンドを使用したプリンタの管理 (タスク)
7. LP 印刷サービスとプリンタのカスタマイズ (タスク)
8. LP 印刷スケジューラの管理および印刷要求の管理 (タスク)
10. 文字セット、フィルタ、フォーム、およびフォントの管理 (タスク)
11. PPD ファイル管理ユーティリティーを使用したプリンタの管理 (タスク)
12. Oracle Solaris オペレーティングシステムでの印刷 (参照情報)
印刷ソフトウェアは、特定のリソースに基づいてプリンタ名やプリンタ構成情報を特定します。プリンタソフトウェアは、ネームサービスを使ってプリンタを公開するように構成することができます。ネットワーク上のすべてのプリンタのプリンタ構成情報を格納するためにネームサービスを利用できます。ネームサービス (LDAP、NIS、または NIS+) は、プリンタ構成情報の管理を簡単にします。プリンタをネームサービスに追加すると、ネットワーク上のすべての印刷クライアントがそのプリンタにアクセスできます。
ネームサービススイッチファイル /etc/nsswitch.conf 内の printers データベースは、ネットワーク上の印刷クライアントに、一元化したプリンタ構成情報を提供します。
ネームサービススイッチファイルに printers データベースとそれに対応する情報源を指定すると、印刷クライアントからプリンタ構成情報に自動的にアクセスできるようになるため、この情報を自分のシステムに追加する必要はありません。
ファイル、LDAP、NIS、または NIS+ 環境に対応した /etc/nsswitch.conf ファイル内のデフォルトの printers エントリについて、次の表で説明します。
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たとえば、ネームサービスが NIS の場合、印刷クライアントのプリンタ構成情報は次のソースから次に記載する順に検索されます。
user - ユーザーの $HOME/.printers ファイルを表します。
files - /etc/printers.conf ファイルを表します。
nis - printers.conf.byname テーブルを表します。
詳細は、nsswitch.conf(4) のマニュアルページと『Solaris のシステム管理 (ネーミングとディレクトリサービス : DNS、NIS、LDAP 編)』を参照してください。
プリンタ情報をネームサービスに追加すると、ネットワークのすべてのシステムからプリンタにアクセスできるようになります。そうすればプリンタに関するすべての情報が一元化されるため、プリンタの管理が簡単になります。
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LDAP ネームサービスでプリンタ情報を管理する場合は、次の事項に留意してください。
Oracle Solaris 印刷マネージャーは、ldapclient コマンドを使用してデフォルトの LDAP サーバーを決めます。複数のサーバーが指定されている場合は、最初のサーバーが自動的に選択されます。詳細については、ldapclient(1M) のマニュアルページを参照してください。
Oracle Solaris 印刷マネージャーは、常にプリンタエントリを現在の LDAP サーバーから表示します。現在の LDAP サーバーがドメインの LDAP マスターサーバーでない場合は、表示されるプリンタのリストが最新でない可能性があります。LDAP 複製サーバーはマスターサーバーによって更新されていない可能性があるため、マスターと同期していないことがあります。複製サーバーは、さまざまな更新複製規約を持つことができます。たとえば、マスターに変更があった場合に、複製サーバーがただちに更新されるようにしたり、日次で更新されるようにしたりすることができます。
選択した LDAP サーバーが LDAP 複製サーバーである場合、あらゆる更新はマスターサーバーを参照し、そこで行われます。この場合も、プリンタのリストがマスターサーバーと同期していない可能性があります。たとえば、複製がマスターサーバーから更新されるまで、削除したプリンタがプリンタリストに表示される可能性があります。
ユーザーは、LDAP コマンド行ユーティリティー、ldapadd および ldapmodify を使用して、ディレクトリ内のプリンタエントリを更新できます。しかし、この方法は推奨しません。これらのユーティリティーを使用する場合、ユーザーは printer-name 属性値が ou=printers コンテナ内で一意であることを確かめる必要があります。printer-name 属性値が一意でない場合、Oracle Solaris 印刷マネージャーや lpset コマンドによる修正の結果が予測できないものになることがあります。
次の図に、印刷手順の中で、印刷ソフトウェアがプリンタ構成リソースの階層をチェックして印刷要求の送信先を決定する処理を示します。
図 2-2 印刷クライアントソフトウェアがプリンタを見つける手順
ユーザーは lp コマンドまたは lpr コマンドを使用して、印刷クライアントから印刷要求を出します。ユーザーは、次の 3 つの形式のいずれかを使用して、送信先のプリンタ名またはプリンタクラスを指定できます。
単独名形式。次の例に示すように、lpコマンドとオプションの後にプリンタ名またはプリンタクラスが続きます。
% lp -d neptune filename
POSIX 形式。次の例に示すように、印刷コマンドとオプションの後に server: printer が続きます。
% lpr -P galaxy:neptune filename
コンテキストベース形式。次の例に示します。
% lpr -d thisdept/service/printer/printer-name filename
印刷コマンドは、次の手順でプリンタとプリンタ構成情報を見つけます。
ユーザーが送信先のプリンタ名またはプリンタクラスを 3 つの有効な形式のいずれかで指定しているかどうかをチェックします。
ユーザーがプリンタ名またはプリンタクラスを有効な形式で指定していない場合、ユーザーの PRINTER 環境変数または LPDEST 環境変数にデフォルトプリンタ名が指定されていないか調べます。
デフォルトプリンタの環境変数が指定されていない場合は、/etc/nsswitch.conf ファイルに printers データベースとして構成された資源を調べます。ネームサービス資源は、次のうちの 1 つである可能性があります。
ドメインの ou=printers コンテナ内の LDAP ディレクトリ情報ツリー
NIS printers.conf.byname マップ
NIS+ printers.conf_dir マップ