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Solaris のシステム管理ガイド (印刷) Oracle Solaris 10 1/13 Information Library (日本語) |
1. Oracle Solaris オペレーティングシステムでの印刷の概要
4. Oracle Solaris 印刷マネージャーを使用したプリンタの設定および管理 (タスク)
5. LP 印刷コマンドを使用したプリンタの設定 (タスク)
6. LP 印刷コマンドを使用したプリンタの管理 (タスク)
7. LP 印刷サービスとプリンタのカスタマイズ (タスク)
8. LP 印刷スケジューラの管理および印刷要求の管理 (タスク)
10. 文字セット、フィルタ、フォーム、およびフォントの管理 (タスク)
11. PPD ファイル管理ユーティリティーを使用したプリンタの管理 (タスク)
12. Oracle Solaris オペレーティングシステムでの印刷 (参照情報)
プリンタは、スタンドアロンシステムまたはネットワーク上の任意のシステムに接続できます。ネットワークに接続されていて、プリンタを備えているシステムは、印刷負荷を管理できる十分なリソースがあれば、どれでも印刷サーバーとして使用できます。
「スプーリング空間」とは、印刷待ち行列内で要求を格納し、処理するためのディスク空間です。スプーリング空間は、どのシステムを印刷サーバーとして指定するかを決定する場合の唯一重要な要素です。ユーザーがファイルの印刷要求を出すと、それらのファイルは印刷が完了するまで /var/spool/lp ディレクトリに格納されます。/var ディレクトリのサイズは、ディスクのサイズとディスクのパーティション分割方法によって異なります。スプーリング空間は、印刷サーバーの /var ディレクトリに割り当てられるか、ファイルサーバーからマウントされてネットワーク上でアクセスされます。
注 - /var が別のファイルシステムとして作成されていない場合、/var ディレクトリはルート (/) ファイルシステムの空間を使用します。印刷サーバーのルート (/) ファイルシステムは、容量が不足する可能性があります。
システムを印刷サーバーの候補として評価するときは、利用できるディスク空間を考慮してください。大きなスプールディレクトリでは、600M バイトのディスク空間を消費することもあります。印刷サーバーとして指定できるシステム上で、ディスク空間のサイズと分割設定を調べてください。
また、印刷のニーズと印刷クライアントシステムの利用パターンを慎重に調べてください。たとえば、ある小さなグループのユーザーが、短い電子メールメッセージ、つまり複雑なフォームを必要としない単純な ASCII ファイルだけを印刷することが多いとします。この場合は、20M バイトから 25M バイトのディスク容量を /var ディレクトリに割り当てた印刷サーバーで十分でしょう。しかし、多数の印刷クライアントユーザーが長い文書、ビットマップ、またはラスタイメージファイルを印刷する場合は、スプーリング空間が頻繁に一杯になります。ユーザーがジョブを印刷待ち行列に入れることができないと、作業の流れは中断してしまいます。より多くのスプーリング空間を要求すると、システム管理者はスプーリング用のディスク空間を追加するか、異なるシステムをグループの印刷サーバーとして指定しなくてはならない場合があります。
印刷サーバーの/var ディレクトリが小さすぎる場合で、より大きなファイルシステムが利用可能なときは、/var ディレクトリ上にそのファイルシステムをマウントしてスプーリング空間を追加することができます。ファイルシステムのマウントと vfstab ファイルの編集については、『Solaris のシステム管理 (デバイスとファイルシステム)』の「ファイルシステムのマウントおよびマウント解除の概要」を参照してください。
印刷サーバー用にメモリーを追加する必要はありません。ただし、メモリーが多ければ、印刷要求の管理が高速になります。
印刷サーバー上のスワップ空間は、LP 印刷サービスを処理するのに十分な量を割り当ててください。スワップ空間を増やす方法については、『Solaris のシステム管理 (デバイスとファイルシステム)』の第 19 章「追加スワップ空間の構成 (手順)」を参照してください。
最適のパフォーマンスを発揮させるには、印刷サーバーにハードディスクとローカル /var ディレクトリが必要です。印刷サーバー用のスプーリング空間をローカルのハードディスク上にマウントしてください。印刷サーバーに専用のハードディスクとローカルの /var ディレクトリがあれば、印刷処理ははるかに高速になります。また、印刷要求の処理に必要な時間をより正確に予測できます。