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Oracle Solaris 10 1/13 インストールガイド: フラッシュアーカイブ (作成とインストール) Oracle Solaris 10 1/13 Information Library (日本語) |
Sun 4V マシンに Sun4U フラッシュアーカイブをインストールする方法
マスターシステム上の Oracle Solaris インストールをカスタマイズする
マスターシステムから初期インストール用アーカイブを作成できます。また、クローンシステムに別のアーカイブがすでにインストールされている場合は、2 つのシステムイメージから差分アーカイブを作成できます。差分アーカイブでは、2 つのイメージの相違部分のみがインストールされます。
マスターシステムのインストール後、フラッシュアーカイブインストールプロセスの次のタスクとして、フラッシュアーカイブを作成します。マスターシステム上のファイルは、さまざまな識別情報とともにフラッシュアーカイブにコピーされます。フラッシュアーカイブは、マルチユーザーモードまたはシングルユーザーモードでマスターシステムが稼働している間に作成できます。フラッシュアーカイブは、次のメディアのうちの 1 つからブートしたあとでも作成できます。
Oracle Solaris Operating System DVD
Oracle Solaris SOFTWARE - 1 CD
Oracle Solaris SOFTWARE CD と Oracle Solaris LANGUAGES CD のイメージ
注 - Oracle Solaris 10 9/10 リリース以降では、DVD のみが提供されます。Oracle Solaris SOFTWARE CD は提供されません。
![]() | 注意 - 非大域ゾーンがインストールされていると、フラッシュアーカイブは正常に作成されません。フラッシュアーカイブ機能には、Oracle Solaris ゾーン区分技術との互換性はありません。フラッシュアーカイブを作成した場合、これらの条件でアーカイブを配置したときの動作は未定義です。
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Solaris Volume Manager RAID-1 ボリュームが構成されていても、フラッシュアーカイブを作成できます。クローンシステムの整合性を保つため、RAID-1 ボリュームの情報はすべて、フラッシュアーカイブ作成ソフトウェアによってアーカイブから削除されます。JumpStart では、JumpStart プロファイルを使用すると RAID-1 ボリュームを再構築できます。Live Upgrade では、RAID-1 ボリュームが構成されたブート環境を作成し、アーカイブをインストールできます。Oracle Solaris インストールプログラムでは、フラッシュアーカイブを使用して RAID-1 ボリュームをインストールできません。
JumpStart プロファイルでの RAID-1 ボリュームの例については、『Oracle Solaris 10 1/13 インストールガイド: JumpStart インストール』の「プロファイルの例」を参照してください。
RAID-1 ボリュームで構成された Live Upgrade ブート環境の例については、『Oracle Solaris 10 1/13 インストールガイド: Live Upgrade とアップグレードの計画』の「新しいブート環境の作成」を参照してください。
注 - Veritas VxVM では、フラッシュアーカイブで使用できない領域に構成情報が格納されます。Veritas VxVM ファイルシステムが構成されている場合は、フラッシュアーカイブを作成しないでください。また、JumpStart と Live Upgrade も含め、Oracle Solaris インストールではインストール時の VxVM ボリュームの再構築はサポートされていません。したがって、フラッシュアーカイブを使った Veritas VxVM ソフトウェアの配備を計画している場合は、VxVM ファイルシステムを構成する前にアーカイブを作成する必要があります。その後、クローンシステムにアーカイブを適用しシステムをリブートしてから、クローンシステムの構成を個別に行う必要があります。
フラッシュアーカイブの作成に使われるデフォルトのコピー方法は、cpio ユーティリティーです。個別のファイルのサイズを 4G バイトより大きくすることはできません。大規模な個別ファイルがある場合は、pax によるコピー方法でアーカイブを作成できます。flarcreate コマンドと -L pax オプションを指定して pax ユーティリティーを使用すると、個別ファイルのサイズ制限なしでアーカイブが作成されます。個別のファイルのサイズは 4G バイトより大きくできます。
クローンシステムにアーカイブがインストール済みであるときに、クローンシステムを更新する場合は、更新前のマスターイメージと更新後のマスターイメージの 2 つのイメージの差異のみを含む差分アーカイブを作成できます。2 つのイメージの相違部分が、差分アーカイブになります。
1 つは、マスターシステムで稼動中のイメージで、クローンシステムにインストールされた元のソフトウェアです。このイメージを将来使用できるようにディレクトリに保存した場合は、このイメージをマスターシステムにインストールする必要があるかもしれません。
アクセスするもう 1 つのイメージは、比較に使用します。このイメージには、新しく追加または削除された内容が含まれており、これらがクローンシステムにインストールされます。
差分アーカイブを使用してクローンシステムを更新すると、差分アーカイブ内に存在するファイルだけがクローンシステム上で変更されます。インストールの前または後に、スクリプトを使用してアーカイブをカスタマイズできます。再構成を行う場合、これは特に有効です。
JumpStart インストール方法を使用するとフラッシュアーカイブ差分アーカイブをインストールできます。また、Live Upgrade を使用して非アクティブブート環境に差分アーカイブをインストールすることもできます。
次のいずれかの方法でアクセスできるように、初期インストールの実行後に更新前のマスターイメージを保存してください。
lumount コマンドを使用してディレクトリにマウントされる Live Upgrade ブート環境。Live Upgrade ブート環境については、『Oracle Solaris 10 1/13 インストールガイド: Live Upgrade とアップグレードの計画』の第 2 章「Live Upgrade (概要)」を参照してください。
ルートアクセス権を使用して NFS 経由でマウントされるクローンシステム。
ufsdump コマンドを使用して復元可能なシステムのバックアップ。
詳細な手順については、「更新されたマスターイメージを使用してフラッシュアーカイブ差分アーカイブを作成する方法」を参照してください。
フラッシュアーカイブの作成時に、マスターシステムからコピーされるファイルやディレクトリの一部を除外できます。アーカイブからディレクトリを除外する際に、そのディレクトリ内にある特定のファイルやサブディレクトリを除外せずにアーカイブに含めることも可能です。たとえば、/a/aa/bb/c にあるすべてのファイルやディレクトリを除外したアーカイブを作成できます。このアーカイブを作るときに、bb サブディレクトリの内容だけを除外せずにアーカイブに含めることができます。これにより、アーカイブに含められるのは bb サブディレクトリの内容だけになります。
![]() | 注意 - flarcreate のファイル除外オプションは、注意して使用してください。一部のディレクトリを除外する際、気づかずにシステム構成ファイルなどの他のファイルがアーカイブに残ってしまう場合があります。この場合、システムの整合性が損なわれるため、インストールが失敗してしまいます。ディレクトリやファイルの除外は、大規模なデータファイルなど、システムを破綻させることなく容易に削除可能なデータに対して行うのが最善です。 |
次の表に、ファイルやディレクトリの除外および追加用の flarcreate コマンドのオプションを示します。
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これらのオプションの詳細は、表 6-6 を参照してください。
アーカイブのカスタマイズ例については、「フラッシュアーカイブの作成とファイルのカスタマイズの例」を参照してください。
マスターシステムへのソフトウェアのインストール後、作成、インストール、ポストインストール、および初回リブート時に特別なスクリプトを実行できます。これらのスクリプトを使用して、次のことを実行できます。
クローンシステム上のアプリケーションを構成します。
構成内容が単純な場合は、JumpStart スクリプトを使用します。より複雑な構成の場合、マスターシステム上で、またはインストールの前か後にクローンシステム上で、特別な構成ファイル処理が必要な場合があります。
クローンシステム上でのローカルなカスタマイズを保護します。
ローカルのプリインストールおよびポストインストールスクリプトは、クローン上に存在します。これらのスクリプトは、ローカルのカスタマイズが フラッシュアーカイブにより上書きされないように保護する働きをします。
クローン不可のホスト依存データを識別して、アーカイブをホスト非依存にできます。
ホスト非依存にするには、この種のデータを変更するか、アーカイブから除外します。ホストに依存するデータの例として、ログファイルがあります。
アーカイブの作成時に、アーカイブ内でソフトウェアの整合性を確認します。
クローンシステム上のインストールを検査します。
リブートスクリプト以外のスクリプトを作成する場合、スクリプトが OS を破壊したりシステムを中断させたりすることがないように、これらのガイドラインに従ってください。これらのガイドラインに従えば、Live Upgrade を使用して OS インストール用の新規ブート環境を作成できます。新規ブート環境は、現行システムの稼働中にアーカイブを使用してインストールできます。
注 - これらのガイドラインは、デーモンの実行やルート (/) ファイルシステムへの他のタイプの変更を実行可能にするリブートスクリプトに適用されるものではありません。
スクリプトは、稼働中のシステムに影響を与えてはいけません。現在稼働中の OS が、フラッシュアーカイブのインストール時に稼働している OS ではない場合もあります。
スクリプトで、いかなるデーモンプロセスも開始または停止させないでください。
スクリプトで、OS に依存するコマンド (ps、truss、uname など) の出力に依存しないでください。これらのコマンドは、稼働中のシステムに関する情報をレポートします。
スクリプトで、いかなるシグナルも送信しないでください。送信した場合、現在稼働中のプロセスが影響を受けます。
スクリプトでは、シェルスクリプトの実行を円滑にする標準の UNIX コマンド (expr、cp、ls など) を使用できます。
Live Upgrade の概要については、『Oracle Solaris 10 1/13 インストールガイド: Live Upgrade とアップグレードの計画』の第 2 章「Live Upgrade (概要)」を参照してください。
フラッシュアーカイブには、次のセクションが含まれます。一部のセクションを使用して、アーカイブの識別やカスタマイズ、およびインストールのステータス情報の表示を実行できます。各セクションの詳細は、第 6 章フラッシュアーカイブ (リファレンス)を参照してください。
表 2-2 フラッシュアーカイブのセクション
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アーカイブは、システムができるだけ静的な状態である時に作成してください。マスターシステムにソフトウェアをインストールした後でソフトウェアを構成する前にアーカイブを作成します。
フラッシュアーカイブを作成したあと、そのアーカイブをマスターシステムのハードディスクまたはテープに保存できます。アーカイブの保存後は、任意のファイルシステムまたはメディアにこのアーカイブをコピーできます。次に例を示します。
NFS サーバー
HTTP または HTTPS サーバー
FTP サーバー
テープ
CD、DVD
フロッピーディスク
インストールするクローンシステムのローカルドライブ
フラッシュアーカイブを作成する際は、compress(1) ユーティリティーを使用すると、そのアーカイブが圧縮ファイルとして保存されるように指定できます。圧縮されたアーカイブはディスク容量が少なくてすみ、ネットワークを介してアーカイブをインストールする場合の負荷も減ります。