ボリュームの名前の変更

ボリュームの名前の変更の背景情報

Solaris Volume Manager では、いくつかの制約に従って、ほとんどのタイプのボリュームの名前をいつでも変更できます。Solaris 管理コンソール内の拡張ストレージツールまたはコマンド行 (metarename(1M) コマンド) のどちらかを使用して、ボリュームの名前を変更できます。

ボリュームの名前の変更またはボリューム名の切り替えは、ボリューム名を管理するための管理の利便性のために用意されています。たとえば、すべてのファイルシステムマウントポイントを目的の番号の範囲で整列できます。現在の論理ボリュームの名付けスキームを維持したり、トランザクションボリュームで基となるボリュームの名前と同じ名前を使用できるようにしたりするために、ボリュームの名前を変更する場合があります。

注 - Solaris Volume Manager では、トランザクションボリュームは有効でなくなりました。それらを置き換えるために、トランザクションボリュームの名前を変更できます。

ボリュームの名前を変更する前に、そのボリュームが現在使用されていないことを確認してください。ファイルシステムの場合は、swap としてマウントまたは使用されていないことを確認してください。raw デバイスを使用するその他のアプリケーション (データベースなど) は、データへのアクセスを停止するための独自の方法を備えているべきです。

ボリュームの名前を変更するときの固有の考慮事項には、次のものがあります。

次を除く、任意のボリュームの名前を変更できます。
- ソフトパーティション
- ソフトパーティションが直接構築されているボリューム
- ログデバイスとして使用されているボリューム
- ホットスペアプール
ディスクセット内のボリュームの名前を変更できます。ただし、ボリュームをあるディスクセットから別のディスクセットに移動するために名前を変更することはできません。

ボリューム名の交換

metarename コマンドを -x オプションとともに使用すると、親子関係を持つボリュームの名前が交換されます。詳細は、「ボリュームの名前を変更する方法」および metarename(1M) のマニュアルページを参照してください。既存のボリュームの名前が、そのサブコンポーネントの 1 つと交換されます。たとえば、ミラーとそのいずれかのサブミラーの間でこのタイプの交換が発生する場合があります。metarename -x コマンドを使用すると、既存のボリュームのミラー化またはミラー化の解除が容易になります。

注 - ボリューム名を交換するには、コマンド行を使用する必要があります。この機能は現在、Solaris Volume Manager GUI では使用できません。ただし、ボリューム名の変更はコマンド行または GUI のどちらでもできます。

ボリュームの名前を変更する場合は、次のガイドラインを考慮してください。

現在使用されているボリュームの名前を変更することはできません。この制限には、マウントされたファイルシステム、swap、またはアプリケーションやデータベースのアクティブなストレージとして使用されているボリュームが含まれます。そのため、metarename コマンドを使用する前に、名前を変更するボリュームへのすべてのアクセスを停止してください。たとえば、マウントされたファイルシステムをアンマウントします。
障害が発生した状態にあるボリュームを交換することはできません。
ホットスペアの置き換えを使用しているボリュームを交換することはできません。
交換は、直接の親子関係を持つボリュームの間でのみ実行できます。
ログデバイスを交換 (または名前変更) することはできません。回避方法として、そのログデバイスを切り離し、目的の名前を持つ別のログデバイスを接続します。
交換できるのはボリュームだけです。スライスまたはホットスペアは交換できません。

ボリュームの名前を変更する方法

始める前に

ボリューム名の要件 (「ボリューム名」)、および「ボリュームの名前の変更の背景情報」を確認してください。

そのボリュームを使用しているファイルシステムをアンマウントします。
```
# umount /filesystem
```
ボリュームの名前を変更するには、次のいずれかの方法を使用します。
- Solaris 管理コンソール内の拡張ストレージツールから、「ボリューム」を開きます。名前を変更するボリュームを選択します。マウスの右ボタンでアイコンをクリックします。「プロパティー」オプションを選択します。次に、画面の指示に従います。詳細は、オンラインヘルプを参照してください。
- 次の形式の metarename コマンドを使用します。
```
# metarename old-volume-name new-volume-name
```
  old-volume-name
  
  既存のボリュームの名前を指定します。
  
  new-volume-name
  
  既存のボリュームの新しい名前を指定します。
  
  詳細は、metarename(1M) のマニュアルページを参照してください。
必要に応じて、/etc/vfstab ファイルを編集して新しいボリューム名を参照するようにします。
ファイルシステムを再マウントします。
```
# mount /filesystem
```

例 20-3 ファイルシステムで使用されているボリュームの名前の変更

次の例では、ボリューム d10 が d100 に変更されます。

# umount /home
# metarename d10 d100
d10: has been renamed to d100
(Edit the /etc/vfstab file so that the file system references the new volume)
# mount /home

d10 にはマウントされたファイルシステムが含まれているため、ボリュームの名前を変更するには、その前にファイルシステムをアンマウントする必要があります。そのボリュームが /etc/vfstab ファイル内にエントリを持つファイルシステムで使用されている場合は、新しいボリューム名を参照するようにそのエントリを変更する必要があります。

たとえば、/etc/vfstab ファイルにファイルシステムの次のエントリが含まれている場合は、

/dev/md/dsk/d10 /dev/md/rdsk/d10 /docs home 2 yes -

そのエントリを次のように変更します。

/dev/md/dsk/d100 /dev/md/rdsk/d100 /docs home 2 yes -

次に、ファイルシステムを再マウントします。

既存のミラーまたはトランザクションボリュームがある場合は、metarename -x コマンドを使用してそのミラーまたはトランザクションボリュームを削除し、基となるボリューム上にデータを保持することができます。トランザクションボリュームの場合は、マスターデバイスがボリューム (RAID-0、RAID-1、または RAID-5 ボリュームのいずれか) であるかぎり、そのボリューム上にデータを保持できます。

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	Solaris Volume Manager 管理ガイド Oracle Solaris 10 1/13 Information Library (日本語)