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Enterprise Manager for Oracle Tuxedoの管理

このマニュアルでは、モニタリングおよび典型的な使用例にEnterprise Manager for Oracle Tuxedoを使用する前に、管理者側で行う必要がある構成タスクについて説明します。

この章では次のトピックについて説明します。

 


tlistenプロセスの開始

Enterprise Manager for Oracle Tuxedoを使用してTuxedoドメイン・ターゲットをモニターするには、Tuxedoドメインより前にtlistenプロセスを起動し、TuxedoドメインのMBeanをtlistenプロセスに埋め込まれたJMXエージェントに登録できるようにする必要があります。特にMPドメインでは、すべてのマシンに対してtlistenを起動する必要があります。

注意: Enterprise Manager for Oracle TuxedoをOracle TSAM Plus 12cと組み合せて使用する場合、埋め込まれたJMXエージェントを起動するためにJRE 1.6または次のJDK 1.6バージョンのいずれかが必要です。
注意: TSAM Plusのインストール・ディレクトリにあるJREを使用することもお薦めします。

tlistenを起動する前に、tlistenの環境変数SHLIB_PATH/LIBPATH/LD_LIBRARY_PATHを設定し、libjvmライブラリ・パスを組み込む必要があります。Windowsプラットフォームでは、JAVA_HOMEのみを設定する必要があります。HPプラットフォームでは、LD_PRELOADを設定し、libjvm.soディレクトリを組み込む必要があります。

リスト1に、様々なプラットフォームでの環境変数の設定例を示します。

リスト1 様々なプラットフォームでの環境変数設定

Linux 64ビット・プラットフォームの場合

LD_LIBRARY_PATH=$TUXDIR/lib:$JAVA_HOME/jre/lib/amd64/server:$LD_LIBRARY_PATH; 
export LD_LIBRARY_PATH; 

AIX 64ビット・プラットフォームの場合

LIBPATH=$TUXDIR/lib:$JAVA_HOME/jre/lib/ppc64:${JAVA_HOME}/jre/lib/ppc64/default:$LIBPATH;
export LIBPATH;

HP 64ビット・プラットフォームの場合

LD_LIBRARY_PATH=$TUXDIR/lib:$JAVA_HOME/jre/lib/IA64W/server:$LD_LIBRARY_PATH; 
export LD_LIBRARY_PATH; 
LD_PRELOAD=$JAVA_HOME/jre/lib/IA64W/server/libjvm.so; 
export LD_PRELOAD;
注意: LD_PRELOADは、tlistenで埋込みJMXエージェントを起動するためにのみ使用されます。Tuxedoアプリケーションのビルド時には設定しないでください。

tlistenを起動するには、次のコマンドを使用します。

tlisten -j rmi://<host>:<rmiport> -l //<host>:<tlistenport>

例:

tlisten -j rmi://bej301163.cn.oracle.com:26999 -l //bej301163.cn.oracle.com:16998
注意: -lオプションで指定されたホストおよびポートが、UBBCONFIGファイルで指定されたNLSADDR値と同じであることを確認します。

tlistenプロセスが正しく起動すると、メッセージRMIコネクタ・サーバーが正しく起動しましたおよび埋込みJMXエージェントが正しく起動しましたがULOGに表示されます。

モニタリングのための追加のtlistenオプション

JMXモニタリング機能を活用できるように、tlistenコマンドラインには次のオプションが追加されています。

注意: MPドメインの場合、tlisten-jオプションをすべてのマシン・ノードに構成する必要があります。
EM OMS/エージェントとJMXエージェントの間のデフォルト接続ではなく、SSL接続を指定します。
キーストアのパスワードを保管する環境変数を指定します。この変数は、ttyが追加されない場合にのみ有効です。

tlistenプロセスに次の機能が追加されています。

 


UBBCONFIGファイルの設定

NETWORKセクションの追加

Tuxedoドメイン・モニタリング・ターゲットをモニターして管理するためには、*NETWORKセクションを追加し、TuxedoドメインのUBBCONFIGファイルにあるNLSADDRパラメータをSHMモードで構成することによって、ターゲットをtlistenに登録する必要があります。

RESOUCESセクションのEXT_MONの追加

特定のメトリック(MIBのサービス・メトリックやIPCキュー・メトリックなど)の収集および計算は、CPU時間を消費し、Oracle Tuxedoのパフォーマンスに影響する可能性があります。Oracle Tuxedoは、UBBCONFIGファイルの*RESOURCESセクションでEXT_MON OPTIONSパラメータを使用して、MIBのパフォーマンスに影響するメトリックの収集を実行できます。

インジケータを指定すると、Tuxedo TargetsセクションでリストされているすべてのメトリックがMIBで収集されます。指定しないと、次のメトリックはOracle Tuxedoによって収集されません。

このパラメータ設定を変更すると、即座にメトリック収集ポリシーも変更されます。

リスト2に、Enterprise ManagerモニタリングをサポートしているSHMモードのUBBCONFIGファイルの例を示します。

リスト2 Enterprise ManagerモニタリングをサポートしているSHM UBBCONFIGのサンプル
*RESOURCES                                                                                                                       
IPCKEY        65831                                                                                                              
DOMAINID      shm                                                                                                                
MASTER        L1                                                                                                                 
MODEL         SHM                                                                                                                
MAXACCESSERS  100                                                                                                                
MAXSERVERS    100                                                                                                                
OPTIONS       EXT_MON                                                                                                            
*MACHINES                                                                                                                        
"bej301163"  LMID         = L1                                                                                                   
             APPDIR       = "/testarea/tux/test/jmx/servers"                                                                     
             TUXCONFIG    = "/testarea/tux/test/jmx/servers/tuxconfig"                                                           
             TUXDIR       = "/testarea/tux/oracle/tuxedo12.1.1.0"                                                                
*GROUPS                                                                                                                          
ATMIGRP1     LMID         = L1                                                                                                   
             GRPNO        = 10                                                                                                   
*SERVERS                                                                                                                         
SvrUpdate    SRVGRP       = ATMIGRP1                                                                                             
             SRVID        = 100                                                                                                  
*SERVICES                                                                                                                        
                                                                                                                                 
*NETWORK                                                                                                                         
"L1"                                                                                                                             
NLSADDR="//bej301163.cn.oracle.com:16998"

 


Tuxedoターゲットの検出と追加

Oracle Tuxedoアプリケーションの管理とモニタリングを行うために、まずEnterprise Manager Cloud Controlを使用してTuxedoターゲットを検出する必要があります。

これが検出されると、その中のドメインとコンポーネントを「管理対象ターゲット」ステータスに昇格できます。そして、24時間ごとに自動的に検出ジョブが実行され、ターゲットが更新されます。このプロセスでは、Enterprise Manager Cloud Controlがターゲットをモニターするために必要なデータを収集できるように、各ターゲットに管理エージェントが割り当てられます。

この項では、以下の内容について説明します。

ターゲットの手動検出

JMXエージェントのすべてのTuxedoドメインを検出するには、次の手順を実行します。

  1. Enterprise Manager Cloud Controlにログインします。
  2. ホーム・ページから、「ターゲット」→「ミドルウェア」に移動します。
  3. 「ミドルウェアの機能」「Tuxedoサマリー」をクリックします。
  4. 「Tuxedoサマリー」ページで、「追加」「Tuxedoドメイン検出」をクリックします。
  5. JMXエージェントにドメインが1つのみ存在する場合は、表示されるページで次のオプションを指定します。
    • ホスト名: 必須パラメータです。Tuxedoドメインのマスター・マシンを実行しているホストを指定します。
    • ポート: 必須パラメータです。tlisten -jオプションで指定されたポート番号です。
    • アプリケーション・パスワード: オプション・パラメータです。Enterprise ManagerエージェントがTuxedoドメインとの接続に使用するTuxedoアプリケーション・パスワードを指定します。TuxedoドメインのSECURITY値がAPP_PWUSER_AUTHACLまたはMANDATORY_ACLのいずれかの場合、このパラメータを入力する必要があります。それ以外の場合は、フィールドを空のままにします。
    • ユーザー名: オプション・パラメータです。Enterprise ManagerエージェントがTuxedoドメインとの接続に使用するTuxedoユーザー名を指定します。TuxedoドメインのSECURITY値がUSER_AUTHACLまたはMANDATORY_ACLのいずれかの場合、このパラメータを入力する必要があります。それ以外の場合は、フィールドを空のままにします。
    • ユーザー・パスワード: オプション・パラメータです。Enterprise ManagerエージェントがTuxedoドメインとの接続に使用するTuxedoユーザー・パスワードを指定します。TuxedoドメインのSECURITY値がUSER_AUTHACLまたはMANDATORY_ACLのいずれかの場合、このパラメータを入力する必要があります。それ以外の場合は、フィールドを空のままにします。
    • SSLの使用: オプションです。このオプションは、tlistenプロセスのEnterprise ManagerとJMXエージェント間のSSLメカニズムを参照します。
    • Tuxedo認証の使用: このボックスが選択されていない場合は、Tuxedoセキュリティ関連情報は無視され、tlistenおよびTuxedo Homeターゲットのみ検出されます。tlistenプロセスによってモニターされるTuxedoドメインを検出する場合、このボックスを選択したままにします。
    • 監視エージェント: 必須オプションです。tlistenと同じ物理マシンにあるものを選択することをお薦めします。
注意: 「ユーザー名」、「パスワード」および「アプリケーション・パスワード」を使用して、すべての検出されたターゲットのEnterprise Manager監視資格証明を生成します。Enterprise Managerコンソールで「設定」→「セキュリティ」をクリックして、監視資格証明を管理できます。
  1. 「今すぐ検出」をクリックします。
  2. tlistenによって1つのドメインのみがモニターされている場合、検出されたターゲットのリストを取得できます。それ以外の場合、表示されるページでドメインを選択し、そのドメイン固有のパラメータを入力し、「今すぐ検出」を再度クリックします。

スタンドアロン・ターゲットの手動追加

Enterprise Manager Cloud ControlにスタンドアロンのTuxedoターゲットを追加するには、次の手順を実行します。

  1. SYSMANとしてEnterprise Manager Cloud Controlにログインします。
  2. ホーム・ページから、「設定」→「ターゲットの追加」の順に選択します。
  3. 「ターゲットの手動追加」→「ターゲット監視プロパティを指定して非ホスト・ターゲットを追加」の順に選択します。

Enterprise Manager Cloud Controlはtlistenを回避し、Enterprise Repositoryに直接ターゲットを追加します。

 


セキュリティの構成

Enterprise Manager for Oracle Tuxedoは次のセキュリティ・メカニズムをサポートします。

Tuxedo認証と認可

TuxedoドメインのSECURITYパラメータがAPP_PWの場合、Enterprise Managerエージェントにより認証用のTuxedoアプリケーション・パスワードが提供されます。SECURITYパラメータがUSR_AUTHACLまたはMANDATORY_ACLの場合は、Enterprise Managerエージェントは認証用のアプリケーション・パスワード、ユーザー名およびユーザー・パスワードを提供します。また、AUTHSVRUBBCONFIGファイルで構成する必要があります。

Enterprise Managerにより使用されるTuxedoユーザーのクライアント名はtpsysadmである必要があります。それ以外の場合は、一部のメトリックおよびジョブ・リクエストが失敗します。

JOB

Tuxedoセキュリティ構成に基づくJOBが呼び出されると、次の3つの事例が発生する場合があります。

検出

ターゲットの検出後、ステータスまたはメトリックの更新を必要とするすべてのターゲットは、ターゲット・インスタンス・プロパティへのユーザー名、パスワードおよびアプリケーション・パスワードを使用して更新されます。

詳細は、「Tuxedoターゲットの検出と追加」を参照してください。

メトリックFetchlet

Enterprise Managerエージェントに呼び出されたfetchletは、Tuxedoセキュリティが有効化されると、ターゲット・インスタンスのプロパティとして保管されたユーザー名、パスワードおよびアプリケーション・パスワードを使用してTuxedo JMXエージェントに接続します。

tlistenプロセスに埋め込まれたEM OMS/エージェントとJMXエージェントの間のSSL接続

SSL接続には次の2つのタイプがあります。

注意: Enterprise Manager Cloud Controlは、拡張構成モードを使用してインストールする必要があります。それ以外の場合は、管理ジョブ(UBBの変更、ターゲットの起動または停止)は失敗します。

詳細は、「tlistenプロセスの起動」を参照してください。

JMXエージェント

SSLを有効化するには、tlistenを起動した時点でSSLを有効化する必要があります。詳細は、「tlistenプロセスの起動」を参照してください。

JMXエージェントがSSLを有効化した場合、Enterprise Manager OMS/エージェントはSSLを有効化する必要があります。そうしないと、OMSはJMXエージェントとの接続に失敗します。

検出

JMXエージェントがSSLを有効化した場合は、検出UIページで「SSLの使用」チェック・ボックスを選択する必要があります。そうしないと、検出は拒否されます。

検出UIで「SSLの使用」チェック・ボックスが選択されている場合は、検出プロセスはSSLセキュリティを使用して実行されます。有効化したSSLによる検出の前に、SSLランタイム環境は、Tuxedoアプリケーション、Enterprise Manager OMSおよびEnterprise Managerエージェントの3つの領域で準備完了している必要があります。

警告: SSLが無効化されているすべてのTuxedoターゲットをすでに検出済で、SSLを有効化してJMXエージェントを起動した場合、Enterprise Manager OMS/エージェントはJMXエージェントとの接続に失敗します。つまり、すべての関連ターゲットのステータスは不明であり、Tuxedoホーム・ページからのすべてのジョブ・アクションは拒否されます。
警告: 解決策: このシナリオが発生した場合、手動検出を再実行する必要があります。

キーストアおよび信頼ストアの構成

JMXエージェント
キーストア

tlisten起動オプションにより、SSLを有効化するキーストアの場所およびパスワードが提供されます。

注意:

Enterprise Manager OMS
信頼ストア

OMS側では、SSLは標準Java Secure Socket Extension (JSSE)に準拠します。詳細は、『Java Secure Socket Extension (JSSE)リファレンス・ガイド』を参照してください。

信頼ストアを構成するには、次の手順を実行します。

  1. JMXエージェント・キーストアから、JMXエージェント信頼証明書を生成します。(証明書名をtuxedo.cerと仮定します。)
  2. JMXエージェント信頼証明書を次の信頼ストアの1つにインポートします。
    • javax.net.ssl.trustStore、オプションがWLS起動スクリプトで設定される場合はstartWebLogic.shまたはWLS起動システム・プロパティにより指定される信頼ストア。
    • 存在する場合は、$MW_HOME/jdk16/jdk/jre/lib/security/jssecacerts
    • 存在する場合は、$MW_HOME/jdk16/jdk/jre/lib/security/cacerts
    • $MW_HOMEは、Oracle Enterprise Managerのインストール・ディレクトリです。

      リスト4 例 - 証明書のエクスポート
      $ keytool -export -alias tuxedo  -keystore keystore.jks -rfc -file tuxedo.cer
      Enter keystore password:  
      Certificate stored in file <tuxedo.cer>
      リスト5 例 - tuxedo.cerのインポート
      $ keytool -import -alias tuxedo -file tuxedo.cer -keystore $MW_HOME/jdk16/jdk/jre/lib/security/jssecacerts
      Enter keystore password:  
      Re-enter new password: 
      Owner: CN=Tuxedo, OU=Oracle Tuxedo, O=Oracle Corporation, L=Redwood Shores, ST=CA, C=US
      Issuer: CN=Tuxedo, OU=Oracle Tuxedo, O=Oracle Corporation, L=Redwood Shores, ST=CA, C=US
      Serial number: 4fab2940
      Valid from: Thu May 10 10:34:40 CST 2012 until: Tue May 09 10:34:40 CST 2017
      Certificate fingerprints:
               MD5:  63:E2:6E:93:AD:5A:7F:21:CB:3C:51:3F:8C:92:AA:0D
               SHA1: 77:D2:86:4F:74:A3:84:64:A0:5B:CA:50:7A:EF:66:DC:7F:92:83:0F
               Signature algorithm name: SHA1withRSA
               Version: 3
      Trust this certificate? [no]:  yes
      Certificate was added to keystore
注意: $MW_HOME/jdk16/jdk/jre/lib/security/jssecacertsおよび$MW_HOME/jdk16/jdk/jre/lib/security/cacertsのデフォルト・パスワードはchangeitです。
Enterprise Managerエージェント
信頼ストア

Enterprise Managerエージェントには、信頼ストア($ORACLE_HOME/sysman/config/montrust/AgentTrust.jks)が事前インストールされている場合があります。$ORACLE_HOMEは、インストールされているEnterprise Managerエージェントのディレクトリです(たとえば、/testarea/em/installed_em/EM_110922/agent/agent_inst)。

AgentTrust.jksが存在する場合は、ユーザーの公開鍵をAgentTrust.jksにインポートする必要があります。それ以外の場合は、TuxedoTrust.jks$ORACLE_HOME /sysman/config/montrust/にコピーし、AgentTrust.jksに名前を変更する必要があります。

通常、Enterprise Managerエージェント側で、CA証明書を$EMAGENT_HOME/agent_inst/sysman/config/montrust/AgentTrust.jksにインポートする必要があります。AIX 5.3 64ビット・プラットフォームの場合、CA証明書を$EMAGENT_HOME/core/12.1.0.2.0/jdk/jre/lib/security/cacertsにもインポートする必要があります。

たとえば、次のコマンドを入力します。

cd  $EMAGENT_HOME/core/12.1.0.2.0/jdk/jre/lib/security 
keytool -import -alias tuxedo -file tuxedo.cer -keystore $EMAGENT_HOME/core/12.1.0.2.0/jdk/jre/lib/security/cacerts -storepass changeit

各要素の説明は次のとおりです。

注意:
サマリー

SSLを有効化する前に、次の手順を実行します。

  1. JMXエージェントでキーストアが使用可能であることを確認し、SSL有効化オプションを正しく使用してtlistenを起動します。
  2. Enterprise Managerエージェントの信頼ストアが使用可能であることを確認します。Enterprise Managerエージェントを再起動します。
  3. Enterprise Manager OMSの信頼ストアが使用可能であることを確認します。
  4. keystore/trustoreが変更された後、tlisten/EMエージェント/OMSを再起動します。
  5. SSLで使用される最大キー長(ビット)のルール(RSAでは512以上、AESでは256または128など)にSSLが準拠していることを確認します。詳細は、Oracle公式WebサイトのSSL関連ドキュメントで『Java Secure Socket Extension (JSSE)リファレンス・ガイド』を参照してください。

 


使用例

この項では、いくつかの典型的なデプロイメント事例を詳述して、異なる状況でのEnterprise Manager for Oracle Tuxedoのデプロイ方法について説明します。

注意: Enterprise Manager for Oracle Tuxedoのモニタリング環境のすべてのノード(Tuxedoアプリケーション、Enterprise Managerエージェント、Enterprise Manager OMS、Enterprise Managerリポジトリが実行中であるマシンを含む)では、これらのクロックを同期させることを強くお薦めします。

基本モニタリング

図1に、Enterprise Manager for Oracle Tuxedoの典型的なデプロイメント・シナリオを示します。

Enterprise Repositoryエージェントが、Tuxedoドメインが実行中である特定のプラットフォームをサポートする場合、パフォーマンスとセキュリティを考慮して、Tuxedoドメインをモニターする個々の物理マシンにEnterprise Repositoryエージェントをデプロイすることをお薦めします。

図1 Enterprise Manager for Oracle Tuxedoの典型的なデプロイメント・シナリオ

Enterprise Manager for Oracle Tuxedoの典型的なデプロイメント・シナリオ

Enterpriseリポジトリ・エージェントからのリモート・モニタリング

図2に、TuxedoドメインがEnterprise Repositoryエージェントによってリモートでモニターされているシナリオを示します。このデプロイメント・トポロジは、Enterprise RepositoryエージェントよりもTuxedoでサポートされるプラットフォームで役立ちます。

図2 Enterprise Repositoryエージェントからのリモート・モニタリング

Enterpriseリポジトリ・エージェントからのリモート・モニタリング

1台の物理マシン上での複数のtlistenプロセス

場合によっては、次の理由により、1台の物理マシンに複数のtlistenインスタンスをデプロイする必要があります。

図3では、1台の物理マシンに複数のtlistenプロセスをデプロイする方法を示します。なお、ローカルとリモートのどちらで実行されていても、各tlistenプロセスは、異なるEnterprise Repositoryエージェントに相互接続できます。

図3 1台の物理マシン上での複数のtlistenプロセスの実行

1台の物理マシン上での複数のtlistenプロセスの実行

1つのtlistenへ同時に接続する複数のエージェントとクライアント

JMXエージェントが埋め込まれたtlistenプロセスは、同時に複数のEnterprise Repositoryエージェントと相互接続が可能です。図4は、マシン2で実行中のtlistenプロセスが、EnterpriseManagerエージェント1およびEnterpriseManagerエージェント2によって同時に接続されモニターされていることを示しています。

このシナリオでは、 tlistenプロセスに関連するEnterprise RepositoryエージェントとTuxedoドメインを2つのグループに分離できます(たとえば、EnterpriseManagerエージェント1にTuxドメイン2をモニターさせ、EnterpriseManagerエージェント2にTuxドメイン3をモニターさせます)。

また、EnterpriseManagerエージェント1およびEnterpriseManagerエージェント2に、同時にTuxドメイン2とTuxドメイン3の両方をモニターさせることもできます。

JMXは広く使用されサポートされるJREの標準であるため、いくつかのサード・パーティ製のJMXクライアントまたはJMXコネクタは潜在的にEnterprise Manager for Oracle Tuxedoによってサポートされています。これにより、Tuxedoのモニタリングと管理の機能をより柔軟に利用できます。

図4 1つのtlistenへ同時に接続する複数のエージェントとクライアント

1つのtlistenへ同時に接続する複数のエージェントとクライアント

注意: このシナリオでは、Enterprise Manager for Oracle Tuxedoがアクティブ・ドメインを検出すると、後でそのドメインが停止しても、(tlistenが再起動されるまで)Enterprise Manager for Oracle Tuxedoはそのドメインを検出し続けます。

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