Oracle TuxedoシステムのWorkstationコンポーネントを使用すると、サーバー側の機能がフル・インストールされていないマシン、つまり管理サーバーもアプリケーション・サーバーもサポートしないマシンに、アプリケーション・クライアントを収容できます。クライアントとアプリケーション・サーバー間の通信は、すべてネットワーク経由で行われます。
ワークステーション・クライアントのプロセスは、Windows XPまたはUNIXプラットフォーム上で実行できます。また、このクライアントは、ATMIにアクセスすることもできます。ユーザーは、発行したリクエストが背後のネットワークでどのように処理されているかを意識する必要はありません。ワークステーション・クライアントは、ワークステーション・ハンドラ(WSH)を介してシステムに登録し、ネイティブ・クライアントが使用できる機能と同じ機能にアクセスします。
ワークステーション・クライアントとアプリケーション・サーバー間の通信はすべて、ワークステーション・ハンドラ(WSH)プロセスを介して行われます。
ワークステーション・クライアントは、ネットワーク・クライアントで実行できる機能とほぼ同じ機能を実行できます。たとえば、次のような機能があります。
図13-1は、4つのワークステーション・クライアントが接続されたアプリケーションの例です。
4つのうち、2つのワークステーション・クライアントは、UNIXシステム上で実行されています。残りの2つのワークステーション・クライアントは、Windows上で実行されています。すべてのワークステーション・クライアントは、まず、ワークステーション・リスナー(WSL)からアプリケーションに参加します。ワークステーション・リスナーは、それ以降の通信処理をワークステーション・ハンドラに委任します。このプロセスは、ネイティブ・クライアントがアプリケーションに参加するプロセスとは異なります。後者の場合、ネイティブ・クライアントは直接掲示板にアタッチして参加します。
管理サーバーとアプリケーション・サーバーはすべてSITE1
とSITE2
に配置されています。ワークステーション・クライアントからアプリケーションへのサービス・リクエストは、ネットワーク経由でWSHに送られます。このプロセスは、リクエストを適切なサーバーに転送し、サーバーから応答を受け取り、その応答をワークステーション・クライアントに返します。
注意: | リソース・マネージャとは、Oracle Tuxedoアプリケーションでトランザクション処理を行い、操作を実行するためのXA標準インタフェースの実装のことです。リソース・マネージャの代表的な例はデータベースです。リソース・マネージャは、グローバル・トランザクション内でアクセスされ、制御されます。 |
この例では、アプリケーションは2台のマシンに分散されているため、MP
モードで動作します。ワークステーション・クライアントは、リクエストを1つのワークステーション・ハンドラに送信します。ワークステーション・ハンドラはそのリクエストをBRIDGE
プロセスに転送し、次にBRIDGE
プロセスにより、リクエストが正しいマシンに転送されます。
次のフローチャートは、ワークステーション・クライアントからアプリケーションに接続する方法を示しています。
クライアントは、既定のネットワーク・アドレスを使用してWSLプロセスに接続します。クライアントによってtpchkauth()
またはtpinit()
が呼び出されると、接続を確立するプロセスが開始します。WSLはWSHのアドレスをクライアントに返し、ワークステーション・ハンドラのプロセスに接続リクエストのプロセスを通知します。WSCはWSHに接続します。以降のWSCとアプリケーション間の通信はすべてWSHを通じて行われます。