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Oracle® Exalogic Elastic Cloud Oracle Identity and Access Managementエンタープライズ・デプロイメント・ガイド
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8 Oracle Unified Directoryのインストールおよび構成

この章では、エンタープライズ・デプロイメントでOracle Unified Directory (OUD)をインストールおよび構成する方法について説明します。

この章には次のトピックが含まれます:

8.1 Oracle Unified Directoryのインストールおよび構成の概要

Oracle Unified Directoryは、アイデンティティ管理エンタープライズ・トポロジの必須コンポーネントです。これは、アイデンティティ・ストアとして、つまり、ユーザーおよびグループに関する情報の格納用に使用します。

この章では、Oracle Unified Directory構成アシスタントを使用して、2つのOracle Unified Directoryインスタンスを構成します。

8.2 Oracle Unified Directoryインスタンスの構成の前提条件

IDMHOST1およびIDMHOST2でOracle Unified Directoryインスタンスを構成する前に、次のタスクが実行されていることを確認してください。


注意:

すべての必須パッチを取得済であることを確認してください。詳細は、第2.5.3項「パッチおよび回避策の適用」を参照してください。


8.3 Oracle Unified Directoryのインストール

次の手順を実行して、IDMHOST1およびIDMHOST2にOracle Unified Directoryをインストールします。

システム、パッチ、カーネルおよび他の要件が満たされていることを確認してください。これらは、使用しているプラットフォームおよびバージョン用のOracle Fusion Middlewareドキュメント・ライブラリの『Oracle Fusion Middleware Oracle Identity Managementインストレーション・ガイド』にリストされています。

第9.2.1.1項「JRockitのインストール」の説明に従って、JDKをインストールします。Oracle Fusion Middleware 11g Oracle Identity Managementインストーラを起動するには、ディレクトリをインストール・メディアのディスク1に変更し、次のコマンドを入力します。

./runInstaller

続けて、次の手順を実行します。

「インベントリ・ディレクトリの指定」画面で、次を実行します。

画面の指示に従って、rootとしてcreateCentralInventory.shを実行します。

  1. 「ようこそ」画面で「次へ」をクリックします。

  2. 「ソフトウェア更新のインストール」画面で、更新をスキップするか、更新についてOracleサポートに問い合せるか、ローカルに更新を検索するかを選択します。

    「次へ」をクリックします。

  3. 「前提条件チェック」画面でチェックが成功していることを確認し、「次へ」をクリックします。

  4. 「インストールの指定」画面で、次を入力します。

    • OUDベースの場所のホーム: IAM_MW_HOME

    • Oracleホーム・ディレクトリ: oud

    「次へ」をクリックします。

  5. 「インストール・サマリー」画面で、「インストール」をクリックします。

  6. 「インストールの進行状況」画面で、「次へ」をクリックします。

  7. 「インストール完了」画面で、「終了」をクリックします。

8.4 Oracle Unified Directoryインスタンスの構成

次の手順に従って、IDMHOST1およびIDMHOST2のアプリケーション層にOracle Unified Directoryコンポーネントを構成します。構成の際には、Oracle Unified Directoryレプリケーション・サーバーも構成します。

この項の内容は次のとおりです。

8.4.1 IDMHOST1でのOracle Unified Directoryの構成

Oracle Unified Directory構成アシスタントを使用してOracle Unified Directoryを構成します。

IDMHOST1およびIDMHOST2の両方に対して次のコマンドを発行して、ポート1389 (LDAP_DIR_PORT)、1636 (LDAP_DIR_SSL_PORT)、4444 (LDAP_DIR_ADMIN_PORT)および8989 (LDAP_DIR_REPL_PORT)がコンピュータ上のどのサービスでも使用されていないことを確認します。ポートが使用されていない場合、このコマンドによる出力は返されません。

確実にポートが開かれるようにするには、次のコマンドを実行します。

netstat -an | grep "1389"

ポートが使用されている場合(つまり、コマンドによりポートを特定する出力が返される場合)は、そのポートを解放します。

  1. 環境変数JAVA_HOMEを設定します。

  2. 環境変数INSTANCE_NAMEを次のとおりに設定します。

    OUD_ORACLE_INSTANCE
    

    次に例を示します。

    ../../../../u02/private/oracle/config/instances/oud2
    

    注意:

    このツールでは、OUD_ORACLE_HOMEを基準としてインスタンス・ホームが作成されるため、OUD_ORACLE_INSTANCEに作成されたインスタンスを取得するには、以前のディレクトリを含める必要があります。


  3. ディレクトリをOUD_ORACLE_HOMEに変更します。

  4. 次のコマンドを実行して、Oracle Unified Directory構成アシスタントを開始します。

    ./oud-setup
    
  5. 「ようこそ」画面で「次へ」をクリックします。

  6. 「サーバー設定」画面で、次を入力します。

    • ホスト名: Oracle Unified Directoryが実行されるホストの名前(例: IDMHOST1.mycompany.com)

    • LDAPリスナー・ポート: 1389 (LDAP_DIR_REPL_PORT)

    • 管理コネクタ・ポート: 4444 (LDAP_DIR_ADMIN_PORT)

    • LDAPセキュア・アクセス: 「構成」をクリックします。

    • 「セキュリティ・オプション」ページで、次を入力します。

      • SSLアクセス: 選択。

      • SSLを有効にするポート: 1636 (LDAP_DIR_SSL_PORT)

      • 証明書: 自己署名証明書を生成するか、独自の証明書の詳細を指定します。

      • 「OK」をクリックします。

    • ルート・ユーザーDN: 管理ユーザーを入力します(例:cn=oudadmin)。

    • パスワード: ouadminユーザーに割り当てるパスワードを入力します。

    • パスワード(確認): パスワードを繰り返し入力します。

    • 「次へ」をクリックします。

  7. 「トポロジ・オプション」画面で、次を実行します。

    • 「このサーバーはレプリケーション・トポロジの一部になります」を選択します。

    • 「レプリケーション・ポート」に8989を入力します。

    • レプリケーション・トラフィックを暗号化する場合は、「セキュアとして構成する」を選択します。

    • 「サーバーがトポロジ内にすでに存在する」は、選択しません。

    「次へ」をクリックします。

  8. 「ディレクトリ・データ」画面で、次を入力します。

    • ディレクトリ・ベースDN: dc=mycompany,dc=com

    • ディレクトリ・データ: ベース・エントリのみを作成します。

    「次へ」をクリックします。

  9. 「Oracleコンポーネントの統合」画面で、「次」をクリックします。

  10. 「実行時オプション」画面で、「次」をクリックします。

  11. 「確認」画面で、表示される情報が正しいことを確認し、「完了」をクリックします。

  12. 「完了」画面で、「閉じる」をクリックします。

8.4.2 IDMHOST1でのOracle Unified Directoryの検証

構成が完了したら、簡単な検索を実行することによって、Oracle Unified Directoryが動作していることを確認できます。このためには、次のコマンドを発行します。

OUD_ORACLE_INSTANCE/OUD/bin/ldapsearch -h IDMHOST1.mycompany.com -p 1389 -D cn=oudadmin -b "" -s base "(objectclass=*)" supportedControl

Oracle Unified Directoryが正しく動作している場合、supportedControlエントリのリストが返されます。

8.4.3 IDMHOST2での追加Oracle Unified Directoryインスタンスの構成

Oracle Unified Directory構成アシスタントを使用してOracle Unified Directoryを構成します。

IDMHOST1およびIDMHOST2の両方に対して次のコマンドを発行して、ポート1389 (LDAP_DIR_PORT)、1636 (LDAP_DIR_SSL_PORT)、4444 (LDAP_DIR_ADMIN_PORT)および8989 (LDAP_DIR_REPL_PORT)がコンピュータ上のどのサービスでも使用されていないことを確認します。ポートが使用されていない場合、このコマンドによる出力は返されません。

確実にポートが開かれるようにするには、次のコマンドを実行します。

netstat -an | grep "1389"

ポートが使用されている場合(つまり、コマンドによりポートを特定する出力が返される場合)は、そのポートを解放します。

  1. 環境変数JAVA_HOMEを設定します。

  2. 環境変数INSTANCE_NAMEを次のとおりに設定します。

    OUD_ORACLE_INSTANCE
    

    次に例を示します。

    ../../../../u02/private/oracle/config/instances/oud2
    

    注意:

    このツールでは、OUD_ORACLE_HOMEを基準としてインスタンス・ホームが作成されるため、OUD_ORACLE_INSTANCEに作成されたインスタンスを取得するには、以前のディレクトリを含める必要があります。


  3. ディレクトリをOUD_ORACLE_HOMEに変更します。

  4. 次のコマンドを実行して、Oracle Unified Directory構成アシスタントを開始します。

    ./oud-setup
    
  5. 「ようこそ」画面で「次へ」をクリックします。

  6. 「サーバー設定」画面で、次を入力します。

    • ホスト名: Oracle Unified Directoryが実行されるホストの名前(例: IDMHOST2)

    • LDAPリスナー・ポート: 1389 (LDAP_DIR_PORT)

    • 管理コネクタ・ポート: 4444 (LDAP_DIR_ADMIN_PORT)

    • LDAPセキュア・アクセス

      • 「構成」をクリックします。

      • 「SSLアクセス」を選択します。

      • SSLを有効にするポート: 1636 (LDAP_DIR_SSL_PORT)

      • 証明書: 自己署名証明書を生成するか、独自の証明書の詳細を指定します。

      • 「OK」をクリックします。

    • ルート・ユーザーDN: 管理ユーザーを入力します(例:cn=oudadmin)。

    • パスワード: ouadminユーザーに割り当てるパスワードを入力します。

    • パスワード(確認): パスワードを繰り返し入力します。

    • 「次へ」をクリックします。

  7. 「トポロジ・オプション」画面で、次を入力します。

    • このサーバーはレプリケーション・トポロジの一部になります

    • レプリケーション・ポート: 8989 (LDAP_DIR_REPL_PORT)

    • レプリケーション・トラフィックを暗号化する場合は、「セキュアとして構成する」を選択します。

    • 「サーバーがトポロジ内にすでに存在する」を選択します。

      次の情報を入力します。

      • ホスト名: 既存のOracle Unified Directoryサーバー・ホストの名前(例: IDMHOST1.mycompany.com)

      • 管理コネクタ・ポート: 4444 (LDAP_DIR_ADMIN_PORT)

      • 管理ユーザー: IDMHOST1上のOracle Unified Directory管理ユーザーの名前(例: cn=oudadmin)

      • 管理パスワード: 管理パスワード。

      「次へ」をクリックします。

      「信頼できない証明書」ダイアログが表示された場合、これは自己署名証明書を使用していることが原因です。「常に受け入れる」をクリックします。

    「次へ」をクリックします。

  8. 「グローバル管理者の作成」画面で、次を入力します。

    • グローバル管理者ID: Oracle Unified Directoryレプリケーションの管理に使用するアカウントの名前(例: oudmanager)

    • グローバル管理者のパスワード / 確認: このアカウントのパスワードを入力します。

    「次へ」をクリックします。

  9. 「データ・レプリケーション」画面で、「dc=mycompany.com」を選択し、「次」をクリックします。

  10. 「Oracleコンポーネントの統合」画面で、「次」をクリックします。

  11. 「実行時オプション」画面で、「次」をクリックします。

  12. 「確認」画面で、表示される情報が正しいことを確認し、「完了」をクリックします。

  13. 「完了」画面で、「閉じる」をクリックします。

8.4.4 Oracle Unified Directory保証レプリケーションの有効化

すべてのOracle Unified Directoryインスタンスから読み取られたデータが最新であることを確認します。このためには、次のようにしてOracle Unified Directory保証レプリケーションをセーフ読取りモードで有効にします。

  1. IDMHOST1で、次のコマンドを発行します。

    OUD_ORACLE_INSTANCE/OUD/bin/dsconfig -h IDMHOST1 -p 4444 -D "cn=oudadmin" -j ./password_file -n \
    set-replication-domain-prop \
    --provider-name "Multimaster Synchronization" \
    --domain-name "dc=mycompany,dc=com" \
    --advanced \
    --set assured-type:safe-read \
    --trustAll
    
  2. 次のコマンドを発行することにより、正常に動作したことを確認します。

    OUD_ORACLE_INSTANCE/OUD/bin/dsconfig -h IDMHOST1 -p 4444 -D "cn=oudadmin" -j ./password_file -n \
    get-replication-domain-prop \
    --provider-name "Multimaster Synchronization" \
    --domain-name "dc=mycompany,dc=com" \
    --advanced \
    --property assured-type --property assured-timeout --property group-id \
    --trustAll
    

    注意:

    password_fileは、OUD管理者パスワードが含まれるファイルです。


    セーフ・モードが有効な場合、出力は次のようになります。

    Property        : Value(s)
    ----------------:----------
    assured-timeout : 2 s
    assured-type    : safe-read
    group-id        : 1
    
  3. IDMHOST2など、各Oracle Unified Directoryインスタンスに対して、手順1-2を繰り返します。

8.4.5 Oracle Unified Directoryオブジェクト作成の制限の緩和

Oracle Identity Managementでは、複数のオブジェクト・クラスをOracle Unified Directoryで作成する必要があります。次の手順を実行し、Oracle Unified Directoryで必要なオブジェクト・クラスの作成が許可されるようにする必要があります。

各Oracle Unified Directoryインスタンスで次のコマンドを実行します。

OUD_ORACLE_INSTANCE/OUD/dsconfig -h IDMHOST1 -p 4444 -D "cn=oudadmin" -j ./password_file -n \
         set-global-configuration-prop \
         --set single-structural-objectclass-behavior:warn \
         -h IDMHOST1 -p 4444 -D "cn=oudadmin" -j ./password_file -n \
         --trustAll 

IDMHOST2など、各Oracle Unified Directoryインスタンスに対して、このコマンドを繰り返します。

8.4.6 IDMHOST2でのOracle Unified Directoryの検証

構成が完了したら、簡単な検索を実行することによって、Oracle Unified Directoryが動作していることを確認できます。このためには、次のコマンドを発行します。

OUD_ORACLE_INSTANCE/OUD/bin/ldapsearch -h IDMHOST2.mycompany.com -p 1389 -D cn=oudadmin -b "" -s base "(objectclass=*)" supportedControl

Oracle Unified Directoryが正しく動作している場合、supportedControlエントリのリストが返されます。

8.4.7 Oracle Unified Directory仮想IPアドレスの検証

Oracle Unified Directory仮想IPアドレスを検証します。

IPアドレスを検証する手順は次のとおりです。

  1. IDMHOST1で次の問合せを実行します。

    OUD_ORACLE_INSTANCE/OUD/bin/ldapsearch -h oudinternal.mycompany.com -p 1489 -D cn=oudadmin -b "" -s base "(objectclass=*)" supportedControl
    
  2. IDMHOST1でOUDインスタンスを停止します。

  3. 同じ問合せを実行します。

    OUD_ORACLE_INSTANCE/OUD/bin/ldapsearch -h oudinternal.mycompany.com -p 1489 -D cn=oudadmin -b "" -s base "(objectclass=*)" supportedControl
    

    問合せの出力は、IDMHOST2上のOUDインスタンスがリクエストを処理していることを示します。

  4. IDMHOST2上のOUDインスタンスを停止し、IDMHOST1上のインスタンスを起動します。

  5. 問合せを再度実行し、OUDがIDMHOST1とIDMHOST2の両方で正しく構成されていることを示します。

  6. OUDがIDMHOST1およびIDMHOST2で起動されていることを確認します。

8.5 Oracle Unified Directoryインストールのバックアップ

第16.6項「Oracle IDMエンタープライズ・デプロイメントのバックアップ」の説明に従って、ミドルウェア・ホームおよびOracle Unified Directoryのバックアップを実行します。