3 One Viewレポートの処理

この章の内容は次のとおりです。

3.1 One Viewレポートについて

One Viewレポートは次のコンポーネントで構成されます。

  • Business Intelligence(BI)Publisherデータ・モデル: BI Publisherサーバー上の<report name>.xdmzファイルです。

  • BI Publisherレポート: BI Publisherサーバー上の<report name>.xdozファイルです。

  • One Viewレポートのレポート定義: レポートのメタデータで、JD Edwards EnterpriseOne内にあります。

One Viewレポートは、エンドユーザーがJD Edwards EnterpriseOneクエリー・フォームの「One View」メニューから「レポートの追加」を選択すると作成されます。これらのOne Viewレポートは、Oracle BI Publisherサーバー上に格納されます。One Viewレポートのメタデータは、JD Edwards EnterpriseOneのテーブルにも格納されます。

3.1.1 One Viewレポートの処理

One Viewレポートに対して行う処理には、レポートの確認、プロモート、エクスポート、インポートおよび転送があります。One View Reportingアプリケーションをグループ化するために、「One Viewレポート」(GH9115)という新しいメニューが作成されています。このメニューには次のアプリケーションが含まれています。

メニューでのアプリケーション名
アプリケーションID 目的
One Viewレポートの処理 P952400 このアプリケーションは、システムで作成されたすべてのOne Viewレポートを確認する場合に使用します。レポートの削除とレポートのプロモートもこのアプリケーションで行えます。
One Viewレポートのエクスポートの処理 P982402 このアプリケーションは、ローカル・ドライブに格納された.zipファイルに共有One Viewレポートをエクスポートする場合に使用します。エクスポートは、あるBI Publisherサーバーから別のBI PublisherサーバーにOne Viewレポートを移動するための唯一の方法です。
One Viewレポートのインポートの処理 P982402 このアプリケーションは、One Viewレポートの.zipファイルをインポートする場合に使用します。インポートを使用すると、あるBI Publisherサーバーから別のBI Publisherサーバーへのレポートの移動、あるパス・コードから別のパス・コードへのレポートの移動、および任意のOne View Reportingパッチのインストールが行えます。
One Viewレポートの転送の処理 P982403 このアプリケーションは、パス・コード間でOne Viewレポートを転送する場合に使用します。これを使用すると、開発用のパス・コードからテスト用のパス・コード、さらには本番用のパス・コードにOne Viewレポートを転送できます。

3.2 One Viewレポートのクエリー

One Viewレポートは、One Viewレポートの処理アプリケーション(P952400)を介して表示できます。「One Viewレポート」(GH9115)メニューからOne Viewレポートの処理アプリケーションにアクセスします。すべてのレポートを表示するには、「すべて」ラジオ・ボタンを選択します。システム内のすべてのOne Viewレポートがグリッドに表示されます。

ユーザーが作成した当初のレポートは、個人用レポートです。状況は「編集中」(02)です。ユーザーがレポートのプロモートを要求すると、レポートは個人用のままですが、状況が「プロモート保留」(07)に変わります。パワー・ユーザーがレポートをプロモートすると、個人用レポートがパブリック・レポートにコピーされます(個人用レポートは削除されます)。パブリック・レポートの状況は「共有」(08)です。パワー・ユーザーがプロモーション要求を却下した場合、レポートは個人用レポートのままで、状況が「編集中」(02)に設定されます。One View Reportingでは、H95/USユーザー定義コード(UDC)のハードコードされたアクティビティ状況が使用されます。

3.3 One Viewレポートのプロモート

新たに作成したOne Viewレポートを共有するには、まずパワー・ユーザーまたは管理者がそれをプロモートする必要があります。この操作により、レポートが個人用フォルダから共有フォルダに移動します。共有レポートはパブリック・レポートです。つまり、社内の他のユーザーも利用できます。

One Viewレポートをプロモートするには、次の手順に従います。

  1. 「One Viewレポート」(GH9115)メニューからOne Viewレポートの処理アプリケーション(P952400)にアクセスします。

  2. 「One Viewレポートの処理」フォームで、「プロモーション保留」オプションが選択されていることを確認し、「検索」をクリックします。まだプロモートされていないレポートのみがグリッドに表示されます。

  3. ロー見出しにチェック・マークを付けて、プロモートまたは却下するレポートを選択します。

  4. レポートをプロモートするには、「ロー」メニューから「プロモーションの承認」を選択します。これで、他のユーザーがレポートにアクセスできるようになります。

  5. レポートがプロモートされたことを確認するには、BI Publisherを開いて、レポートがあるカタログから別のカタログにコピーされたことを確かめます。アクティビティ状況も「共有」に変わっていることがわかります。

    BI Publisherサーバーでは、新しい共有レポートがshared\JD Edwards\pathcode\app_id\report_nameフォルダに表示されます。ただし、管理者以外のアカウントでは見えません。

  6. レポートを却下するには、「ロー」メニューから「プロモーションの却下」を選択します。

3.4 One Viewレポートのプロモーション履歴の確認

One Viewレポートのプロモーション履歴を確認するには、次の手順に従います。

  1. 「One Viewレポート」(GH9115)メニューからOne Viewレポートの処理アプリケーション(P952400)にアクセスします。

  2. 「One Viewレポートの処理」フォームで、確認するレポートに応じて「プロモーション保留」または「すべて表示」を選択し、「検索」をクリックします。

  3. レポートのプロモーション履歴を確認するには、ロー見出しにチェック・マークを付けてレポートを選択し、「ロー」、「ログ」の順に選択します。

    「ログ詳細」フォームで、グリッド内のログ順序を選択し、「ロー」、「詳細メッセージ」の順に選択すると、詳細を確認できます。

3.5 One Viewレポートの削除

承認保留中のレポートも含めて、任意のレポートを削除できます。複数のレポートを一度に削除することも可能です。レポートを削除すると、データ・モデル、レポートおよびすべてのテンプレートが削除されます。

One Viewレポートを削除するには、次の手順に従います。

  1. 「One Viewレポート」メニュー(GH9115)からOne Viewレポートの処理アプリケーション(P952400)にアクセスします。

  2. 「One Viewレポートの処理」フォームで、「プロモーション保留」または「すべて」オプションを選択し、「検索」をクリックします。

  3. ロー見出しにチェック・マークを付けて、削除するレポートを選択します。

  4. 「削除」を選択します。

  5. 「削除しますか。」と尋ねられたら、「はい」を選択します。

  6. BI Publisherサーバーでレポートが削除されたことを確認します。

注意:

誰かが共有レポートを予約し、その共有レポートから個人用レポートを作成して、個人用レポートを削除した場合は、共有レポートの予約が解除されます。共有レポートは削除されません。

3.6 One Viewレポートのエクスポート

ローカル・ドライブに保存されている.zipファイルに共有One Viewレポートをエクスポートするには、One Viewレポートのエクスポート・アプリケーション(P982402)、バージョンZJDE0001を使用します。エクスポートは、あるBI Publisherサーバーから別のBI Publisherサーバーにレポートを移動するための唯一の方法です。

One Viewレポートをエクスポートするには、次の手順に従います。

  1. 「One Viewレポート」メニュー(GH9115)からOne Viewレポートのエクスポートの処理アプリケーション(P982402)にアクセスします。

  2. 「追加」を選択します。

  3. 「ユーザー生成コンテンツのエクスポート」フォームで、「エクスポート名」フィールドにエクスポートの名前を入力します。

  4. オブジェクト・タイプとして「One Viewレポート」を選択します。

  5. QBE行を使用して、エクスポートするレポートをグリッド内で検索します。

  6. ロー見出しにチェック・マークを付けて、エクスポートする各レポートを選択します。

  7. 「OK」を選択します。

  8. 「ファイルのダウンロード」ウィンドウで「保存」を選択します。

  9. ファイルを保存する場所に移動し、「保存」を選択します。ファイルは、選択した場所に.zipファイルとして保存されます。

  10. ダウンロード完了ウィンドウで「閉じる」を選択し、「ファイルのダウンロード」フォームでもう一度「閉じる」を選択します。

  11. 状況記述が「完了済みプロセス」であることを確認します。

  12. トラブルシューティングを行うか、エクスポート・プロセスの詳細を確認するには、「ロー」メニューから「ログ」を選択します。

  13. ログの詳細を表示するには、グリッドでログ順序を選択し、「ロー」メニューから「詳細メッセージ」を選択します。

3.7 One Viewレポートのインポート

One Viewレポートの.zipファイルをインポートするには、One Viewレポートのインポートの処理アプリケーション(P982402)、バージョンZJDE0002を使用します。インポートを使用すると、あるBI Publisherサーバーから別のBI Publisherサーバーへのレポートの移動、あるパス・コードから別のパス・コードへのレポートの移動、および任意のOne View Reportingパッチのインストールが行えます。

One View Reportingパッチはzipファイルとして配布されます。One View Reportingの修正は更新センターからダウンロードできます。パッチをインストールするには、zipファイルに含まれるOne Viewレポートをインポートします。

One Viewレポートをインポートするには、次の手順に従います。

  1. 「One Viewレポート」メニュー(GH9115)からOne Viewレポートのインポートの処理アプリケーション(P982402)にアクセスします。

  2. 「追加」を選択します。

  3. 「ユーザー生成コンテンツのインポート」フォームで、「インポート・ファイルのロード」ボタンを選択します。

  4. 「参照」を選択し、インポートする.zipファイルを検索して、「開く」を選択します。

  5. 「ファイルのアップロード」フォームで「ロード」を選択します。「ユーザー生成コンテンツのインポート」フォームで、.zipファイルの状況が「処理中」と表示されます。

  6. 「OK」を選択してOne Viewレポートをインポートします。

  7. 「検索」を選択してグリッド内でレポートを検索し、レポートがロードされたことを確認します。BI Publisherでカタログを確認して、レポートがインポートされたことを確かめることもできます。

  8. トラブルシューティングを行うか、インポート・プロセスの詳細を確認するには、「ロー」メニューから「ログ」を選択します。

  9. ログの詳細を表示するには、グリッドでログ順序を選択し、「ロー」メニューから「詳細メッセージ」を選択します。

3.8 One Viewレポートの転送

One Viewレポートをあるパス・コードから別のパス・コードに転送するには、One Viewレポートの転送の処理(P982403)アプリケーションを使用します。ログイン・ユーザーのソフトコード・レコードによって、どのBI Publisherサーバーが影響を受けるかが決まります。

注意:

「TOパス・コード」に使用するBI Publisherサーバーは、One Viewレポートの転送元となるBI Publisherサーバーと同じである必要があります。

ターゲット・パス・コードが別のBI Publisherサーバーである場合、転送プロセスがスムーズに行えるように、エクスポート/インポート・プロセスを使用してください。

One Viewレポートを転送するには、次の手順に従います。

  1. 「EnterpriseOneメニュー」、「EnterpriseOneライフサイクル・ツール」、「One Viewレポート」の順に移動し、「One Viewレポートの転送の処理」(P982403)を開きます。

  2. 「追加」を選択します。

  3. 「ユーザー生成コンテンツの転送」フォームで、「転送名」フィールドに転送の一意の名前を入力します。

  4. オブジェクト・タイプとして「One Viewレポート」を選択します。

  5. QBE行を使用して、転送するレポートを検索します。

  6. ロー見出しにチェック・マークを付けて、転送する各レポートを選択します。

  7. 「選択」をクリックします。

  8. 「転送用パス・コード」フォームで、ロー見出しにチェック・マークを付けてTOパス・コードを選択し、「OK」をクリックします。

  9. 転送が正しく完了したことを確認するには、「転送済みジョブの処理」フォームで転送名を検索し、「プロセス状況記述」カラムに「完了済みプロセス」と表示されていることを確かめます。

  10. トラブルシューティングを行うか、転送プロセスの詳細を確認するには、「ロー」メニューから「ログ」を選択します。

  11. ログの詳細を表示するには、グリッドでログ順序を選択し、「ロー」メニューから「詳細メッセージ」を選択します。