3 One Viewレポートの実行

この章では、次のトピックについて説明します。

3.1 One Viewレポートの実行の概要

One View Reportingアプリケーション、カスタム検索/表示フォームまたはデータ・ブラウザからOne Viewレポートを実行できます。レポートのデータを決定したら、「One View」メニューからレポート・レイアウトを選択します。必要な場合、様々な出力タイプの選択など、いくつかの実行時オプションを変更できます。レポートを実行すると、結果は別のブラウザ・ウィンドウに自動的に表示されます。

One Viewレポートの基本的な実行手順は次のとおりです。

  1. One View Reporting対応フォームにアクセスします。

  2. クエリーを選択または定義します。

  3. 「One View」メニューからレポートを選択します。

  4. 実行時オプションを変更します(オプション)。

  5. レポートを実行します。

3.2 One Viewレポートのデータの定義

データ・ブラウザの検索/表示フォームで、クエリーを選択または定義して、レポートに表示するデータを検索します。データを定義したら、「One View」メニューからレポートを選択します。レポートは自動的に処理され、ポップアップ・ウィンドウに表示されます。現在のグリッド・データを使用するレポート・セットがある場合、レポートを実行する前に「検索」ボタンをクリックして、データを表示する必要があります。

3.2.1 クエリーの作成

クエリーを使用すると、フィールドおよびQBE(例示照会プログラム)カラムを選択し、条件を追加し検索結果を絞り込むことができます。このように、データは、フィルタ・フィールドの検索結果およびQBEカラムのみより、より具体的になります。たとえば、2011年12月1日より後の日付として「請求書日付」QBEカラムに>120111と入力するのではなく、クエリーを使用すると、2011年12月1日と2011年12月31日など、日付範囲を指定できます。クエリー機能を使用すると、データ選択を再定義し、レポートに必要なレコードのみを表示できます。システムはフィルタ・フィールド、QBE行、クエリー自体に定義された条件を組み合せ、必要なレコードを取り込みます。

次の例は、請求書日付の日付範囲を指定するクエリーを示しています。

図 3-1 日付範囲のクエリー

図 3-1 の説明は次にあります
次の説明: "図 3-1 日付範囲のクエリー"

レポートに表示するデータを簡単に取り込み変更できるように、頻繁に使用するクエリーを保存できます。

クエリーの詳細は、『JD Edwards EnterpriseOne基本操作ガイド』の「クエリー・コントロールについて」を参照してください。

3.3 実行時オプション

One Viewレポートの実行時には、ニーズに応じて、いくつかのデフォルト設定を変更するオプションがあります。実行時のオプションを次に示します。

  • レポートに表示するレコード数など、様々なデータ・オプションの選択。

  • レポートの様々な出力タイプの選択。

    デフォルト出力タイプはPDFですが、Excelスプレッドシートで出力を表示したい場合は、出力をレポートに使用できるタイプに変更できます。

  • 様々なレポート・レイアウトの選択。

    JD Edwards EnterpriseOneの標準One Viewレポートでは、1つのレポートに1つのレイアウトがありますが、必要に応じて追加のレイアウトを作成できます。レポートの実行時、使用可能な場合別のレイアウトを選択できます。

3.3.1 「レイアウト」タブ

「レイアウト」タブでは、様々な実行時オプションを変更できます。これらのオプションにアクセスするには、「One View」メニューの「レポートの管理」項目を使用し、次にレポートを選択します。次は、「レイアウト」タブの例です。

図 3-2 「レイアウト」タブ

この画像は、周辺のテキストで説明されています。

次の表に、「レイアウト」タブに示される情報およびオプションを示します。

レイアウト・オプション 説明
タイプ レポートの2つのタイプは次のとおりです。
  • 個人用

    「マイ・レポート」フォルダに含まれるOne Viewレポートは個人用レポートです。個人用レポートは、ユーザーによって所有されています。ユーザーは、個人用レポートを共有状況にプロモートできますが、プロモーション要求は、システム管理者が承認する必要があります。要求が承認されると、レポートは、個人用レポートとしては表示されなくなり、共有レポートとして「One View」メニューに表示されます。

  • 共有

    共有One Viewレポートはパブリック・レポートであり、社内の他のユーザーが使用できることを意味します。共有レポートを直接変更することはできません。セキュリティの設定で制限しないかぎり、共有レポートはシステム全体で使用できます。

名前 レポートの名前。
命名規則 新規レポートを追加するときに2つのオプションのうち1つを選択できます。
  • カラム・タイトルを使用

    使用言語が1つである会社の場合、エンド・ユーザーは、通常、レポートの設計時にカラム・タイトルを使用します。カラム・タイトルが、データ項目を正確に示している場合、カラム・タイトルは、データ辞書項目名よりもより理解しやすくなります。

  • データ辞書の項目名を使用

    データ辞書項目名を使用した新規レポートの開発は、使用言語が複数ある会社には適した方法です。データ辞書項目名に基づくレポートは、より簡単に翻訳できます。

状況 レポートには3つの状況があります。
  • 編集中(02): レポートは個人用レポートで、所有者はレポートを変更できます。

  • プロモート保留(07): 個人用レポートの所有者が、個人用レポートを共有レポートにプロモートする「レポートのプロモート」オプションを選択しました。システム管理者が、プロモーション要求を承認または却下するまで、プロモーション要求は「プロモート保留」状況のままとなります。

  • 共有(08): レポートは、その他すべてのユーザーがアクセス可能です。

使用可能なレイアウト 複数のレイアウトがレポートに定義されている場合、ドロップダウン・リストからレイアウトを選択します。
ロー・セットを選択 レポートで使用されるグリッド・データには3つのロー・セット・オプションを使用できます。
  • レコード件数を取得

    レポートには、指定したレコード数を超えるレコード数がクエリー条件と一致していても、指定したレコード数までのデータが表示されます。取り込まれるレコード数はユーザーの会社用に別の値が設定されている場合を除き、500がデフォルトです。レポートの実行時または新規レポートの追加時、デフォルト設定を上書きできます。

    注意: システム制限がこのフィールドの値を下回る場合、データはシステム制限によって定義されたレコード数に制限されます。

  • グリッドで現行データを使用

    レポートには、グリッドに現在示されているデータが表示されます。

  • すべてのレコードを取得

    レポートは、現在のクエリー条件に一致するすべてのデータが表示されます。

ツール・リリース9.1更新5では、この設定(フィールドの値、システム制限、グリッド・レコード数)によってレポート・データが制限されると、レポートを実行しているユーザーに次のポップアップ警告が表示されます: 「警告: レポートの最大レコード数を超えました。クエリーでxxローが検出されましたが、レポートはyyローに制限されています。」Xxは取得した行の合計数を表し、yyは「レコード件数を取得」フィールドの値を表します。この警告が表示された場合、レポートを表示するには「OK」をクリックする必要があります。

形式 レポートに使用されているテンプレートに応じて、BI Publisherは次の形式で出力を作成できます。
  • Adobe PDF

  • Microsoft Word(RTF)

  • 対話型ビューア

  • Microsoft Excel 2007

  • CSV

  • Microsoft PowerPoint

  • Microsoft PowerPoint 2007

  • XML


3.3.1.1 出力形式

Oracle BI Publisherは、One Viewレポートを複数の形式で表示できます。各レポートにはデフォルトの出力形式がありますが、「レイアウト」タブの出力アイコンを使用すると、レポートに作成されている形式でレポートを表示できます。レポートが共有または個人用のいずれであるかに関わらず、出力形式を変更して、使用可能な任意の形式でレポートを表示できます。

次の表に、出力形式を示します。

出力アイコン 説明
output_pdf.gifの説明は次にあります
図の説明 output_pdf.gif
Adobe Readerでレポートを表示するには、このオプションを使用します。
output_word_rtf.gifの説明は次にあります
図の説明 output_word_rtf.gif
Microsoft Word RTF形式でレポートを表示するには、このオプションを使用します。
output_interactv_viewer.gifの説明は次にあります
図の説明 output_interactv_viewer.gif
BI Publisherの対話型ビューアでレポートを表示するには、このオプションを使用します。

対話型レポートには、ポップアップ・チャート詳細、スクロール可能テーブル、テーブル・フィルタリング、テーブルのソート、およびレポートの様々なコンポーネントにわたる伝播フィルタリングを含められます。標準のレポート・レイアウトは、カラムの追加または削除、データのソート方法の定義、レベル区切りの追加、カラムの合計計算、レポートでのデータの表示方法(グリッド、グラフまたはチャート)の変更を行うことで変更できます。

output_excel.gifの説明は次にあります
図の説明 output_excel.gif
Microsoft Excel 2007でレポートを表示するには、このオプションを使用します。
output_csv.gifの説明は次にあります
図の説明 output_csv.gif
CSV形式でレポートを表示するには、このオプションを使用します。
output_ppt.gifの説明は次にあります
図の説明 output_ppt.gif
Microsoft PowerPointでレポートを表示するには、このオプションを使用します。
output_ppt_2007.gifの説明は次にあります
図の説明 output_ppt_2007.gif
Microsoft PowerPoint 2007形式でレポートを表示するには、このオプションを使用します。
output_xml.gifの説明は次にあります
図の説明 output_xml.gif
XML形式でレポートを表示するには、このオプションを使用します。

レポート出力形式の変更

One View Reporting対応フォームにアクセスします。

  1. レポートのデータを検索するには、クエリーを選択するか作成します。

  2. 「One View」メニューから、「レポートの管理」を選択します。

  3. 「レポートの管理」メニューから、共有レポートまたは個人用レポートを選択します。

    「レポートの管理」サイド・パネルが表示されます。

  4. 「レイアウト」タブで、使用する出力形式を選択します。

    BI Publisherが、選択された出力形式でレポートを処理し、別のウィンドウにレポートを表示します。

3.4 One View ReportingアプリケーションからのOne Viewレポートの実行

One Viewレポートは、任意の検索/表示フォームから実行できますが、One View Reportingアプリケーションは、レポート作成専用に設計されています。One View Reportingの検索/表示フォームのビジネス・ビューには、各テーブルのほとんどすべてのカラムが含まれ、複数のテーブルが結合されているため、標準のJD Edwards EnterpriseOne検索/表示フォームに表示されているデータより、各レコードのデータが多くなります。さらに、One View Reportingアプリケーションには、追加の計算および処理が含まれます。このため、One View Reportingアプリケーションは、基礎としているテーブルからより多くの情報を活用できます。One View Reportingアプリケーションは、より多くのデータ、計算およびロジックを使用するため、JD Edwards EnterpriseOneでは入手できないレポートを作成できます。

次の例は、One View売掛金元帳照会アプリケーション(P03B2022)の検索/表示フォームを示しています。

図 3-3 One View売掛金元帳照会の検索/表示フォーム

図 3-3 の説明は次にあります
次の説明: "図 3-3 One View売掛金元帳照会の検索/表示フォーム"

3.4.1 One View ReportingアプリケーションからのOne Viewレポートの実行

One View Reportingアプリケーションの検索/表示フォームには、事前定義された、実行可能なOne Viewレポートが含まれます。独自の個人用レポートを簡単に作成し、One Viewレポートをその他のアプリケーションから実行できます。

One View ReportingアプリケーションからOne Viewレポートを実行する手順:

  1. クエリーを使用するか、検索/表示フォームのフィルタ・フィールドおよびQBEカラムに値を入力して、レポートのデータを取り込みます。

  2. 「One View」メニューから、レポートを選択します。

    BI Publisherがレポートを処理し、別のブラウザ・ウィンドウに表示します。

  3. レポート出力形式が、対話型に設定されている場合、データをフィルタし、特定の情報を表示します。

3.5 JD Edwards標準またはカスタム・アプリケーションからのOne View Reportsの実行

標準またはカスタムのJD Edwards検索/表示フォームからOne Viewレポートを実行するには、まず、アプリケーションからのデータに基づくカスタム・レポートを追加する必要があります。レポートを作成した後、次の手順に従って、One View Reportingアプリケーションでの方法と同じようにレポートを実行します。

One View ReportingアプリケーションからのOne Viewレポートの実行を参照してください。

3.6 データ・ブラウザからのOne Viewレポートの実行

検索/表示フォームまたはOne View Reportingアプリケーションに、One Viewレポートに必要な情報がない場合、データ・ブラウザを使用して、テーブルまたはビジネス・ビューに対するクエリーを作成し、レポートに必要なデータ項目を選択できます。独自のレポートを簡単に作成し、One Viewレポートをその他のデータ・ブラウザから実行できます。データ項目を特定した後、レポート・レイアウトを設計できます。

データ・ブラウザの詳細は、『JD Edwards EnterpriseOne基本操作ガイド』の「テーブルおよびビジネス・ビューのデータを検索するための個人用の検索クエリーの作成」を参照してください。

3.6.1 データ・ブラウザからのOne Viewレポートの実行

データ・ブラウザにアクセスします。

  1. 「クエリー選択」フォームで、テーブルまたはビジネス・ビューを入力し、「OK」をクリックします。

  2. 「データ・ブラウザ」フォームで、レポートのレコードを検索します。

  3. 「One View」メニューからレポートを選択します。

    BI Publisherがレポートを処理し、別のブラウザ・ウィンドウに表示します。

  4. レポート出力形式が、対話型に設定されている場合、データをフィルタし、特定の情報を表示します。