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Oracle Solaris Cluster ソフトウェアのインストール     Oracle Solaris Cluster 3.3 3/13 (日本語)
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ドキュメントの情報

はじめに

1.  Oracle Solaris Cluster 構成の計画

2.  グローバルクラスタノードへのソフトウェアのインストール

3.  グローバルクラスタの確立

4.   Solaris Volume Manager ソフトウェアの構成

Solaris Volume Manager ソフトウェアの構成

状態データベースの複製を作成するには

ルートディスクのミラー化

ルート (/) ファイルシステムをミラー化する方法

専用パーティション上にグローバルデバイスの名前空間をミラー化する方法

アンマウントできないルート (/) 以外のファイルシステムをミラー化する方法

アンマウントできるファイルシステムをミラー化する方法

クラスタ内でのディスクセットの作成

ディスクセットを作成するには

ディスクセットへのドライブの追加

ディスクセットにドライブを追加するには

ディスクセット内のドライブのパーティションを再分割する方法

md.tab ファイルを作成する方法

ボリュームを起動する方法

二重列メディエータの構成

二重列メディエータの必要条件

メディエータホストを追加する方法

メディエータデータのステータスを確認する方法

不正なメディエータデータを修正する方法

5.  クラスタファイルシステムの作成

6.  非大域ゾーンとゾーンクラスタの作成

7.  クラスタからのソフトウェアのアンインストール

索引

Solaris Volume Manager ソフトウェアの構成

次の表に、Oracle Solaris Cluster 構成用の Solaris Volume Manager ソフトウェアの構成を行うタスクの一覧を示します。ここに示す順に従って手順を実行します。

表 4-1 タスクマップ: Solaris Volume Manager ソフトウェアの構成

タスク
手順
Solaris Volume Manager 構成のレイアウトを計画
ローカルディスクに状態データベースの複製を作成
(オプション) ルートディスク上のファイルシステムをミラー化

状態データベースの複製を作成するには

グローバルクラスタ内の各ノード上で次の手順を実行します。

  1. スーパーユーザーになります。
  2. 各クラスタノードの 1 つ以上のローカルデバイス上で状態データベースレプリカを作成します。

    使用するスライスを指定するには、デバイス ID 名 ( dN) ではなく、物理名 (cNt XdY sZ) を使用してください。

    phys-schost# metadb -af slice-1 slice-2 slice-3

    ヒント - Solaris Volume Manager ソフトウェアの実行に必要な状態データを保護するには、ノードごとに少なくとも 3 つの複製を作成します。また、複数のデバイスに複製を配置することによって、いずれかのデバイスに障害が発生した場合に対する保護も提供できます。


    詳細については、metadb(1M) のマニュアルページおよび『Solaris Volume Manager 管理ガイド』の「状態データベースの複製の作成」を参照してください。

  3. 複製を検査します。
    phys-schost# metadb

    metadb コマンドは複製の一覧を表示します。

例 4-1 状態データベースの複製の作成

以下に、状態データベースの複製の例を 3 つ示します。各複製は、異なるデバイス上に作成されています。

phys-schost# metadb -af c0t0d0s7 c0t1d0s7 c1t0d0s7
phys-schost# metadb
flags            first blk      block count
    a       u       16          8192         /dev/dsk/c0t0d0s7
    a       u       16          8192         /dev/dsk/c0t1d0s7
    a       u       16          8192         /dev/dsk/c1t0d0s7

次の手順

ルートディスクのファイルシステムをミラー化するには、「ルートディスクのミラー化」に進みます。

それ以外の場合は、「クラスタ内でのディスクセットの作成」に進んで、Solaris Volume Manager ディスクセットを作成します。

ルートディスクのミラー化

ルートディスクをミラー化すると、システムディスクの障害によってクラスタノード自体がシャットダウンすることを防止できます。ルートディスクには、4 種類のファイルシステムを配置できます。ファイルシステムタイプごとに異なる方法でミラー化されます。

それぞれのタイプのファイルシステムをミラー化するには、次の手順を使用します。


注意

Caution - ローカルディスクのミラー化の場合、ディスク名を指定するときに、パスとして /dev/global を使用しないでください。クラスタファイルシステム以外にこのパスを指定した場合、システムはブートできません。


ルート (/) ファイルシステムをミラー化する方法

ルート (/) ファイルシステムをミラー化するには、次の手順を使用します。


注 - グローバルデバイスの名前空間が lofi 作成ファイル上にある場合、この手順には、グローバルデバイスの名前空間のミラー化も含まれます。


  1. スーパーユーザーになります。
  2. 単一スライス (一方向) 連結にルートスライスを配置します。

    ルートディスクスライスの物理ディスク名 (cN tXdY sZ) を指定します。

    phys-schost# metainit -f submirror1 1 1 root-disk-slice
  3. 2 番目の連結を作成します。
    phys-schost# metainit submirror2 1 1 submirror-disk-slice
  4. 1 つのサブミラーを使用して一方向のミラーを作成します。
    phys-schost# metainit mirror -m submirror1

    注 - デバイスが、グローバルデバイスファイルシステム (/global/.devices/node@ nodeid) のマウントに使用されるローカルデバイスである場合、ミラーのボリューム名はクラスタ全体で一意にする必要があります


  5. ルート (/) ディレクトリのシステムファイルを設定します。
    phys-schost# metaroot mirror

    このコマンドは、メタデバイスまたはボリュームのルート (/) ファイルシステムを使用してシステムをブートできるように、/etc/vfstab および /etc/system ファイルを編集します。詳細については、metaroot(1M) のマニュアルページを参照してください。

  6. すべてのファイルシステムをフラッシュします。
    phys-schost# lockfs -fa

    このコマンドは、すべてのトランザクションをログからフラッシュし、マウントされているすべての UFS ファイルシステム上のマスターファイルシステムにそのトランザクションを書き込みます。詳細については、lockfs(1M) のマニュアルページを参照してください。

  7. ノードからすべてのリソースグループまたはデバイスグループを移動します。
    phys-schost# clnode evacuate from-node
    from-node

    リソースグループまたはデバイスグループを退避させるノード名を指定します。

  8. ノードをリブートします。

    このコマンドは、新しくミラー化されたルート (/) ファイルシステムを再マウントします。

    phys-schost# shutdown -g0 -y -i6
  9. 2 番目のサブミラーをこのミラーに接続します。
    phys-schost# metattach mirror submirror2

    詳細は、metattach(1M) のマニュアルページを参照してください。

  10. ルートディスクのミラー化に使用されるディスクが、複数のノードに物理的に接続されている場合 (多重ホスト)、そのディスクのフェンシングを無効にします。

    デバイスの保護を無効にすると、ブートデバイスが複数のノードに接続されている場合に、不意にノードがブートデバイスに誤って保護される状態を防止できます。

    phys-schost# cldevice set -p default_fencing=nofencing submirror-disk
    -p

    デバイスのプロパティーを指定します。

    default_fencing=nofencing

    指定したデバイスの保護を無効にします。

    default_fencing プロパティーの詳細については、cldevice(1CL) のマニュアルページを参照してください。

  11. 将来使用する場合に備えて代替ブートパスを記録します。

    プライマリブートデバイスで失敗した場合は、この代替ブートデバイスからブートできます。代替ブートデバイスの詳細については、『Solaris Volume Manager 管理ガイド』の「RAID-1 ボリュームの作成」を参照してください。

    phys-schost# ls -l /dev/rdsk/root-disk-slice
  12. クラスタの残りの各ノードで、手順 1 から手順 11 を繰り返します。

    グローバルデバイスファイルシステム (/global/.devices/node@ nodeid) がマウントされるミラーの各ボリューム名が、クラスタ全体で一意であることを確認します。

例 4-2 ルート (/) ファイルシステムのミラー化

次に、パーティション c0t0d0s0 上のサブミラー d10 とパーティション c2t2d0s0 上のサブミラー d20 から構成されるミラー d0 をノード phys-schost-1 上に作成する例を示します。デバイス c2t2d0 は多重ホストディスクであるので、フェンシングは無効になっています。例には、記録用の代替ブートパスも表示されています。

phys-schost# metainit -f d10 1 1 c0t0d0s0
d11: Concat/Stripe is setup
phys-schost# metainit d20 1 1 c2t2d0s0
d12: Concat/Stripe is setup
phys-schost# metainit d0 -m d10
d10: Mirror is setup
phys-schost# metaroot d0
phys-schost# lockfs -fa
phys-schost# clnode evacuate phys-schost-1
phys-schost# shutdown -g0 -y -i6
phys-schost# metattach d0 d20
d0: Submirror d20 is attachedphys-schost# cldevice set -p default_fencing=nofencing c2t2d0
phys-schost# ls -l /dev/rdsk/c2t2d0s0
lrwxrwxrwx  1 root     root          57 Apr 25 20:11 /dev/rdsk/c2t2d0s0 
–> ../../devices/node@1/pci@1f,0/pci@1/scsi@3,1/disk@2,0:a,raw

次の手順

専用パーティション /global/.devices/node@ nodeid 上に構成されるグローバルデバイスの名前空間をミラー化するには、「専用パーティション上にグローバルデバイスの名前空間をミラー化する方法」に進みます。

アンマウントできないファイルシステムをミラー化するには、「アンマウントできないルート (/) 以外のファイルシステムをミラー化する方法」に進みます。

ユーザー定義のファイルシステムをミラー化するには、「アンマウントできるファイルシステムをミラー化する方法」に進みます。

それ以外の場合は、「クラスタ内でのディスクセットの作成」に進んで、ディスクセットを作成します。

注意事項

このミラー化方法の手順の中には、metainit: dg-schost-1: d1s0: not a metadevice のようなエラーメッセージが表示されるものがあります。このようなエラーメッセージは害がないので無視できます。

専用パーティション上にグローバルデバイスの名前空間をミラー化する方法

グローバルデバイスの名前空間用の専用パーティションを構成する場合は、次の手順を使用して、名前空間 /global/.devices/node@ nodeid/ をミラー化します。


注 - グローバルデバイスの名前空間が lofi ベースのファイル上にある場合は、この手順を使用しないでください。代わりに、「ルート (/) ファイルシステムをミラー化する方法」に進みます。


  1. スーパーユーザーになります。
  2. 単一スライス (一方向) 連結にグローバルデバイスの名前空間スライスを配置します。

    ディスクスライスの物理ディスク名 (cN tXdY sZ) を使用します。

    phys-schost# metainit -f submirror1 1 1 diskslice
  3. 2 番目の連結を作成します。
    phys-schost# metainit submirror2 1 1 submirror-diskslice
  4. 1 つのサブミラーを使用して一方向のミラーを作成します。
    phys-schost# metainit mirror -m submirror1

    注 - グローバルデバイスファイルシステム (/global/.devices/node@nodeid) がマウントされるミラーのボリューム名は、クラスタ全体で一意である必要があります


  5. 2 番目のサブミラーをこのミラーに接続します。

    この接続によりサブミラーの同期が開始されます。

    phys-schost# metattach mirror submirror2
  6. /global/.devices/node@nodeid ファイルシステム用に /etc/vfstab ファイルエントリを編集します。

    device to mount 列と device to fsck 列の名前をミラー名に置き換えます。

    phys-schost# vi /etc/vfstab
    #device        device        mount    FS     fsck    mount    mount
    #to mount      to fsck       point    type   pass    at boot  options
    #
    /dev/md/dsk/mirror /dev/md/rdsk/mirror /global/.devices/node@nodeid ufs 2 no global
  7. クラスタの残りの各ノードで、手順 1 から手順 6 を繰り返します。
  8. 手順 5 で開始されたミラーの同期が完了するまで待機します。

    metastat(1M) コマンドを使用してミラーステータスを表示し、ミラー同期が完了したことを確認します。

    phys-schost# metastat mirror
  9. グローバルデバイス名前空間のミラー化に使用されるディスクが複数のノードに物理的に接続されている場合 (多重ホスト)、そのディスクのフェンシングを無効にします。

    デバイスの保護を無効にすると、ブートデバイスが複数のノードに接続されている場合に、不意にノードがブートデバイスに誤って保護される状態を防止できます。

    phys-schost# cldevice set -p default_fencing=nofencing submirror-disk
    -p

    デバイスのプロパティーを指定します。

    default_fencing=nofencing

    指定したデバイスの保護を無効にします。

    default_fencing プロパティーの詳細については、cldevice(1CL) のマニュアルページを参照してください。

例 4-3 専用パーティションに構成されるグローバルデバイスの名前空間のミラー化

次に、パーティション c0t0d0s3 上のサブミラー d111 と、パーティション c2t2d0s3 上のサブミラー d121 から構成されるミラー d101 を作成する例を示します。/global/.devices/node@1/etc/vfstab ファイルエントリは、ミラー名 d101 を使用するように更新されます。デバイス c2t2d0 は多重ホストであるので、フェンシングは無効になっています。

phys-schost# metainit -f d111 1 1 c0t0d0s3
d111: Concat/Stripe is setup
phys-schost# metainit d121 1 1 c2t2d0s3
d121: Concat/Stripe is setup
phys-schost# metainit d101 -m d111
d101: Mirror is setup
phys-schost# metattach d101 d121
d101: Submirror d121 is attached
phys-schost# vi /etc/vfstab
#device        device        mount    FS     fsck    mount    mount
#to mount      to fsck       point    type   pass    at boot  options
#
/dev/md/dsk/d101 /dev/md/rdsk/d101 /global/.devices/node@1 ufs 2 no global
phys-schost# metastat d101
d101: Mirror
      Submirror 0: d111
         State: Okay
      Submirror 1: d121
         State: Resyncing
      Resync in progress: 15 % done
…
phys-schost# cldevice show phys-schost-3:/dev/rdsk/c2t2d0 
=== DID Device Instances ===                   

DID Device Name:                                /dev/did/rdsk/d2
  Full Device Path:                               phys-schost-1:/dev/rdsk/c2t2d0
  Full Device Path:                               phys-schost-3:/dev/rdsk/c2t2d0
…

phys-schost# cldevicegroup show | grep dsk/d2
Device Group Name:                              dsk/d2
…
  Node List:                                      phys-schost-1, phys-schost-3
…
  localonly:                                      false
phys-schost# cldevicegroup remove-node -n phys-schost-3 dsk/d2
phys-schost# cldevice set -p default_fencing=nofencing c2t2d0

次の手順

アンマウントできないルート (/) 以外のファイルシステムをミラー化するには、「アンマウントできないルート (/) 以外のファイルシステムをミラー化する方法」に進みます。

ユーザー定義のファイルシステムをミラー化する場合は、「アンマウントできるファイルシステムをミラー化する方法」に進みます

それ以外の場合は、「クラスタ内でのディスクセットの作成」に進んで、ディスクセットを作成します。

注意事項

このミラー化方法の手順の中には、metainit: dg-schost-1: d1s0: not a metadevice のようなエラーメッセージが表示されるものがあります。このようなエラーメッセージは害がないので無視できます。

アンマウントできないルート (/) 以外のファイルシステムをミラー化する方法

/usr/opt swap など、通常のシステム使用時にアンマウントできない、ルート ( /) 以外のファイルシステムをミラー化するには、次の手順を使用します。

  1. スーパーユーザーになります。
  2. マウント不可のファイルシステムが置かれているスライスを、単一スライス (一方向) 連結に配置します。

    ディスクスライスの物理ディスク名 (c NtX dYsZ ) を指定します。

    phys-schost# metainit -f submirror1 1 1 diskslice
  3. 2 番目の連結を作成します。
    phys-schost# metainit submirror2 1 1 submirror-diskslice
  4. 1 つのサブミラーを使用して一方向のミラーを作成します。
    phys-schost# metainit mirror -m submirror1

    注 - このミラーのボリューム名は、クラスタ全体で一意である必要はありません


  5. ミラー化する残りのマウント不可のファイルシステムごとに、手順 1 から手順 4 を繰り返します。
  6. 各ノードで、ミラー化したマウント不可のファイルシステムごとに /etc/vfstab ファイルエントリを編集します。

    device to mount 列と device to fsck 列の名前をミラー名に置き換えます。

    phys-schost# vi /etc/vfstab
    #device        device        mount    FS     fsck    mount    mount
    #to mount      to fsck       point    type   pass    at boot  options
    #
    /dev/md/dsk/mirror /dev/md/rdsk/mirror /filesystem ufs 2 no global
  7. ノードからすべてのリソースグループまたはデバイスグループを移動します。
    phys-schost# clnode evacuate from-node
    from-node

    リソースグループまたはデバイスグループを移動させるノード名を指定します。

  8. ノードをリブートします。
    phys-schost# shutdown -g0 -y -i6
  9. 2 番目のサブミラーを各ミラーに接続します。

    この接続によりサブミラーの同期が開始されます。

    phys-schost# metattach mirror submirror2
  10. 手順 9 で開始されたミラーの同期が完了するまで待機します。

    metastat(1M) コマンドを使用してミラーステータスを表示し、ミラー同期が完了したことを確認します。

    phys-schost# metastat mirror
  11. マウント不可のファイルシステムのミラー化に使用するファイルが物理的に複数のノードに接続されている場合 (多重ホスト)、そのディスクのフェンシングを無効にします。

    デバイスの保護を無効にすると、ブートデバイスが複数のノードに接続されている場合に、不意にノードがブートデバイスに誤って保護される状態を防止できます。

    phys-schost# cldevice set -p default_fencing=nofencing submirror-disk
    -p

    デバイスのプロパティーを指定します。

    default_fencing=nofencing

    指定したデバイスの保護を無効にします。

    default_fencing プロパティーの詳細については、cldevice(1CL) のマニュアルページを参照してください。

例 4-4 アンマウントできないファイルシステムのミラー化

次に、c0t0d0s1 に置かれた /usr をミラー化するミラー d1 をノード phys-schost-1 に作成する例を示します。ミラー d1 は、パーティション c0t0d0s1 上のサブミラー d11 とパーティション c2t2d0s1 上のサブミラー d21 から構成されます。/usr/etc/vfstab ファイルエントリは、ミラー名 d1 を使用するように更新されます。デバイス c2t2d0 は多重ホストディスクであるので、フェンシングは無効になっています。

phys-schost# metainit -f d11 1 1 c0t0d0s1
d11: Concat/Stripe is setup
phys-schost# metainit d21 1 1 c2t2d0s1
d21: Concat/Stripe is setup
phys-schost# metainit d1 -m d11
d1: Mirror is setup
phys-schost# vi /etc/vfstab
#device        device        mount    FS     fsck    mount    mount
#to mount      to fsck       point    type   pass    at boot  options
#
/dev/md/dsk/d1 /dev/md/rdsk/d1 /usr ufs  2       no global
…
phys-schost# clnode evacuate phys-schost-1
phys-schost# shutdown -g0 -y -i6
phys-schost# metattach d1 d21
d1: Submirror d21 is attached
phys-schost# metastat d1
d1: Mirror
      Submirror 0: d11
         State: Okay
      Submirror 1: d21
         State: Resyncing
      Resync in progress: 15 % done
…
phys-schost# cldevice show phys-schost-3:/dev/rdsk/c2t2d0
…
DID Device Name:                                /dev/did/rdsk/d2
phys-schost# cldevicegroup show dsk/d2
Device Group Name:                              dsk/d2
…
  Node List:                                      phys-schost-1, phys-schost-3
…
  localonly:                                      false
phys-schost# cldevicegroup remove-node -n phys-schost-3 dsk/d2
phys-schost# cldevice set -p default_fencing=nofencing c2t2d0

次の手順

ユーザー定義のファイルシステムをミラー化するには、「アンマウントできるファイルシステムをミラー化する方法」に進みます。

それ以外の場合は、「クラスタ内でのディスクセットの作成」に進んで、ディスクセットを作成します。

注意事項

このミラー化方法の手順の中には、metainit: dg-schost-1: d1s0: not a metadevice のようなエラーメッセージが表示されるものがあります。このようなエラーメッセージは害がないので無視できます。

アンマウントできるファイルシステムをミラー化する方法

アンマウントできるユーザー定義のファイルシステムをミラー化するには、次の手順を使用します。この手順では、ノードをリブートする必要はありません。

  1. スーパーユーザーになります。
  2. ミラー化するファイルシステムをアンマウントします。

    ファイルシステムでプロセスが実行されていないことを確認します。

    phys-schost# umount /mount-point

    詳細については、umount(1M) のマニュアルページと、『Oracle Solaris の管理: デバイスとファイルシステム』の「Oracle Solaris ファイルシステムのマウントおよびマウント解除」を参照してください。

  3. アンマウントできるユーザー定義のファイルシステムを含んだスライスを、単一スライス (一方向) 連結に配置します。

    ディスクスライス (cNt X dY sZ) の物理ディスク名を指定します。

    phys-schost# metainit -f submirror1 1 1 diskslice
  4. 2 番目の連結を作成します。
    phys-schost# metainit submirror2 1 1 submirror-diskslice
  5. 1 つのサブミラーを使用して一方向のミラーを作成します。
    phys-schost# metainit mirror -m submirror1

    注 - このミラーのボリューム名は、クラスタ全体で一意である必要はありません


  6. ミラー化するマウント可能なファイルシステムごとに、手順 1 から手順 5 を繰り返します。
  7. 各ノードで、ミラー化したファイルシステムごとに /etc/vfstab ファイルエントリを編集します。

    device to mount 列と device to fsck 列の名前をミラー名に置き換えます。

    phys-schost# vi /etc/vfstab
    #device        device        mount    FS     fsck    mount    mount
    #to mount      to fsck       point    type   pass    at boot  options
    #
    /dev/md/dsk/mirror /dev/md/rdsk/mirror /filesystem ufs 2 no global
  8. 2 番目のサブミラーをこのミラーに接続します。

    この接続によりサブミラーの同期が開始されます。

    phys-schost# metattach mirror submirror2
  9. 手順 8 で開始されたミラーの同期が完了するまで待機します。

    metastat(1M) コマンドを使用して、ミラーステータスを表示します。

    phys-schost# metastat mirror
  10. ユーザー定義のファイルシステムのミラー化に使用するディスクが複数のノードに物理的に接続されている場合 (多重ホスト)、そのディスクのフェンシングを無効にします。

    デバイスの保護を無効にすると、ブートデバイスが複数のノードに接続されている場合に、不意にノードがブートデバイスに誤って保護される状態を防止できます。

    phys-schost# cldevice set -p default_fencing=nofencing submirror-disk
    -p

    デバイスのプロパティーを指定します。

    default_fencing=nofencing

    指定したデバイスの保護を無効にします。

    default_fencing プロパティーの詳細については、cldevice(1CL) のマニュアルページを参照してください。

  11. ミラー化したファイルシステムをマウントします。
    phys-schost# mount /mount-point

    詳細については、mount(1M) のマニュアルページと、『Oracle Solaris の管理: デバイスとファイルシステム』の「Oracle Solaris ファイルシステムのマウントおよびマウント解除」を参照してください。

例 4-5 アンマウントできるファイルシステムのミラー化

次に、c0t0d0s4 に置かれた /export をミラー化するミラー d4 を作成する例を示します。ミラー d4 は、パーティション c0t0d0s4 上のサブミラー d14 とパーティション c2t2d0s4 上のサブミラー d24 から構成されます。/export/etc/vfstab ファイルエントリは、ミラー名 d4 を使用するように更新されます。デバイス c2t2d0 は多重ホストであるので、フェンシングは無効になっています。

phys-schost# umount /export
phys-schost# metainit -f d14 1 1 c0t0d0s4
d14: Concat/Stripe is setup
phys-schost# metainit d24 1 1 c2t2d0s4
d24: Concat/Stripe is setup
phys-schost# metainit d4 -m d14
d4: Mirror is setup
phys-schost# vi /etc/vfstab
#device        device        mount    FS     fsck    mount    mount
#to mount      to fsck       point    type   pass    at boot  options
#
# /dev/md/dsk/d4 /dev/md/rdsk/d4 /export ufs 2 no    global
phys-schost# metattach d4 d24
d4: Submirror d24 is attached
phys-schost# metastat d4
d4: Mirror
       Submirror 0: d14
          State: Okay
       Submirror 1: d24
          State: Resyncing
       Resync in progress: 15 % done
…
phys-schost# cldevice show phys-schost-3:/dev/rdsk/c2t2d0
…
DID Device Name:                                /dev/did/rdsk/d2
phys-schost# cldevicegroup show dsk/d2
Device Group Name:                              dsk/d2
…
  Node List:                                      phys-schost-1, phys-schost-2
…
  localonly:                                      false
phys-schost# cldevicegroup remove-node -n phys-schost-3 dsk/d2
phys-schost# cldevice set -p default_fencing=nofencing c2t2d0 
phys-schost# mount /export

次の手順

ディスクセットを作成するには、「クラスタ内でのディスクセットの作成」に進みます。または、Oracle Real Application Clusters, で使用するために複数所有者ディスクセットを作成する場合は、『Oracle Solaris Cluster Data Service for Oracle Real Application Clusters ガイド』の「Oracle RAC データベース用の Solaris Volume Manager for Sun Cluster 複数所有者ディスクセットを作成する方法」に進みます。

ニーズに応じた十分なディスクセットがある場合は、次のいずれかに進みます。

注意事項

このミラー化方法の手順の中には、metainit: dg-schost-1: d1s0: not a metadevice のようなエラーメッセージが表示されるものがあります。このようなエラーメッセージは害がないので無視できます。