Oracle VMは、仮想化テクノロジの最新の利点をすべて持つ環境を完備したプラットフォームです。Oracle VMを使用すると、サポートされている仮想化環境に、オペレーティング・システムおよびアプリケーション・ソフトウェアをデプロイできます。Oracle VMは、基礎となる仮想化テクノロジからユーザーと管理者を隔離して、毎日の操作が目標指向GUIインタフェースを使用して実行されるようにします。図2.1「Oracle VMのアーキテクチャ」に、Oracle VMのコンポーネントを示します。
Oracle VM Manager: Oracle VM Server、仮想マシンおよびリソースを管理するために使用されます。これは、アプリケーション開発フレームワーク(ADF)・アプリケーションなどの多くのサブコンポーネントで構成されており、使い慣れたWebベースのグラフィカル・ユーザー・インタフェース、および外部スクリプトまたはコマンド・シーケンスの手動実行のいずれかによってコマンド・ラインからインフラストラクチャを直接管理できるコマンドライン・インタフェース(CLI)を提供します。
Oracle VM Managerは、Oracle Linuxで動作するOracle WebLogic Serverアプリケーションです。これはスタンドアロン・コンピュータ、または、Oracle VM Serverのインスタンスで動作する仮想マシンの一部の場合があります。
Oracle VM ManagerはOracle VMインフラストラクチャ内での構成アクションの重要なコンポーネントですが、Oracle VM Managerが停止したとしても仮想環境は正常に機能し続けることができます。これには、仮想マシンの高可用性を維持する機能およびライブ・マイグレーションを実行する機能が含まれます。
Oracle VM Server: 仮想マシンを実行するための軽量でセキュアなサーバー・プラットフォームを提供する、管理された仮想化環境。少なくとも1つのOracle VM Serverが必要ですが、クラスタリングを利用する場合は複数必要です。
Oracle VM Serverは、ベア・メタル・コンピュータにインストールされ、Oracle VM Agentとの通信を管理するためのOracle VM Agentが含まれています。Dom0は、ハードウェアおよびデバイス・ドライバにアクセスできる管理または制御ドメインであるドメイン・ゼロの省略形です。DomUは、ハードウェアまたはデバイス・ドライバに直接アクセスする権限を持たないドメインです。ユーザー・ドメイン(domU)は、dom0によってOracle VM Serverで起動され、管理されます。
この用語の一部は、x86またはSPARCベースの環境で作業しているかによって変わる場合があります。可能な場合、このドキュメントでは、別の用語が使用されています。
x86ベースのシステムでは、Oracle VM Serverは基盤となるXenハイパーバイザ・テクノロジの更新されたバージョンに基づており、これにはOracle VM Agentが付属しています。また、様々なデバイス、ファイル・システムおよびソフトウェアRAIDボリューム管理をサポートするLinuxカーネルも含まれています。Linuxカーネルはdom0として動作して、1つ以上のdomU仮想マシンを管理します(各仮想マシンは、Linux、Oracle SolarisまたはMicrosoft Windows(tm)です)。
一方、Oracle VM Server for SPARCは、Oracle VM Agent for SPARCと一緒に、SPARCファームウェアに含まれているハイパーバイザを利用します。通常、デフォルトのOracle Solarisオペレーティング・システムがプライマリ・ドメインとして動作するようになります(これはx86システムでのdom0と同等です)。プライマリ・ドメインが決まると、プライマリ・ドメインは、異なるバージョンのOracle Solarisオペレーティング・システムが実行している別のドメインの作成および管理に使用することができます。