仮想インフラストラクチャをデプロイする前に記憶域構成を計画することが重要です。次のいくつかのガイドラインに注意してください。
LUNの追加、削除およびサイズ変更を行うときは、物理サーバーの再起動が必要な場合があるため注意してください。論理ディスクの一部として使用されているLUNのサイズは変更せず、かわりに、新しいLUNを作成してディスク・グループに追加します。
ターゲットがサーバーの外部で切り替えられていることで発生する可能性のあるLUNの再マップによるデータ破損を回避します。Linux SCSIレイヤーは、ストレージ・アレイからの動的なLUNの再マップをサポートしません。
本番に進む前に、テスト環境で構成(特にフェイルオーバー)をテストします。(SAN)配列ファームウェアのリリース番号がテスト済のものとは異なる場合は、違いがあるかどうかを確認します。Oracle VM Serverのマルチパス構成ファイルに変更を加える必要がある場合があります。
ワークロードごとに、使用する記憶域のサイズとタイプを計画します。次に例を示します。
ほとんどのオペレーティング・システムでは、ブート・ディスク上のI/Oアクティビティは最小限ですが、そのI/Oの一部はレスポンス時間の影響を受けやすいメモリー・ページングであるため、ブート・ボリュームは通常、容量が大きいドライブに配置できます。
アプリケーションは、大量のI/Oを実行しないかぎり、より大きく低速なドライブ(RAID 5など)に配置できます。書込み集中型のワークロードでは、中速から高速のドライブのRAID 10を使用する必要があります。ログ・ファイルが、保護対象のデータとは異なる物理ドライブ上にあることを確認します。
DNSなどのインフラストラクチャ・サーバーのI/Oニーズは少ない傾向があります。これらのサーバーのドライブはより大きく、低速にできます。
クローニングやスナップショットなどのストレージ・サーバー機能を使用する場合は、RAWディスクを使用します。
論理ディスクを使用するときに、非常に大きなLUNを作成したいと考える場合がありますが、各仮想マシンが同じディスクに対するI/Oをキューに入れるため、パフォーマンスに悪影響を及ぼす可能性があります。記憶域リポジトリが2TBを超えないようにすることをお薦めします。
サーバー・プールのファイル・システムとして使用する小サイズの記憶域エンティティ(それぞれ12GB以上)を作成するためのディスク領域を使用可能にしておいてください。サーバー・プールのファイル・システムはサーバー・プールおよびクラスタ・データの保持に使用され、クラスタのハートビートにも使用されます。サーバー・プールのファイル・システム用の領域は、記憶域リポジトリの記憶域エンティティを作成する場合と同じ方法で作成します。クラスタおよびサーバー・プールの使用と管理の詳細は、「第6章 サーバー・プールおよびOracle VM Serverの管理」を参照してください。
サーバー・プールのファイル・システムは、別のNFSサーバーに配置するか、可能な場合は小さいLUNを使用します。OCFS2のハートビート機能は、同じ物理記憶域でのI/O集中型操作による影響を受けることがあります。たとえば、サーバー・プールのファイル・システムが存在する同じNFSサーバー上の記憶域リポジトリでテンプレートのインポートまたはVMのクローニングを行うと、ハートビート通信でタイムアウトが発生する場合があり、これはサーバーのフェンシングおよび再起動を行う原因となります。不要な再起動を回避するには、十分で安定したI/Oバンド幅があるサーバー・プールのファイル・システムの場所を選択することをお薦めします。
下層のディスク・システムで読取りおよび書込みキャッシュを無効化することでI/O同期が保証されます。Oracle VM Serverまたは仮想マシンで突然障害が発生した場合に、キャッシュの使用によってデータの消失が発生する可能性があります。書込みキャッシュを無効化するには、RAIDコントローラのBIOSの該当する設定を変更します。または、sg_wr_modeコマンドを使用するか、次のようにSCSIディスク・クラスを直接使用します。echo "write through" > /sys/class/scsi_disk/scsi-device-id
/cache_type
ファイル・サーバーでエクスポートを作成する際に、ホストの特定のセットへのアクセスを制限する場合、ファイル・サーバー上のすべてのエクスポートには、エクスポート・リストで許可されているホストの同一のリストが必要です。Oracle VM Managerでは、アクセスが許可されているホストのすべてを、ファイル・サーバーの管理サーバーのリストに追加する必要があります。Oracle VM Managerでのファイル・サーバーへの管理サーバーの追加の詳細は、4.6.1項「ファイル・サーバーの検出」を参照してください。