Oracleアプリケーションへのドリルスルー

この項の内容:

Oracleアプリケーションへのドリルスルーの概要

ドリルスルーURLの理解

ドリルスルーURLの作成および管理

Oracleアプリケーションへのドリルスルーの概要

Essbaseでは、Essbaseクライアントのレポート作成インタフェース(Smart ViewやOracle Hyperion Financial Reportingなど)から、Oracle Enterprise Resource Planning (ERP)アプリケーションやEnterprise Performance Management (EPM)アプリケーション上の情報への、URLベースのドリルスルー・アクセスを提供しています。

このドキュメントでは、Oracle ERPおよびEPMアプリケーションにホスティングされている情報をドリルスルーする機能について説明します。このドリルスルーは、Integration ServicesおよびEssbase Studioのドキュメントで説明されているドリルスルーの概念とは異なります。このドキュメントにおけるドリルスルーは、Essbaseデータベース・セルを他のOracleアプリケーションに含まれている情報にリンクする機能を指します。Integration ServicesおよびEssbase Studioのドキュメントのドリルスルーは、多次元データベースのセルを、リレーショナル・ソースに保管されているトランザクション・レベルのデータなどの、詳細なデータにリンクすることを指しています。

Oracle General LedgerまたはOracle Hyperion EPM Architectを使用してEssbaseデータベースを配置する際に、Essbase APIを使用して、Essbaseデータベースに、Essbaseデータベース・セルの有効領域(エンタープライズ・レポート作成アプリケーションへのドリルスルー・アクセスが使用可能な領域)についての情報を設定します。

Essbaseデータベースの各Essbaseドリル可能領域ごとに、URLによるドリルスルー・アクセスを使用可能に設定します。Essbase APIを使用して、Essbaseデータベースに、URL情報とドリル可能領域の情報を設定します。このURLは、Essbaseクライアント・インタフェースのユーザーに対してはセルに関連付けられたリンクとして表示され、Oracle ERPおよびEPMアプリケーションによってホスティングされている関連情報へのアクセスを提供します。

たとえば、Smart Viewにおいて、あるセルが1月のNew York市場におけるColaの売上実績データを表しているとします。このセルの色分けは、このセルに関連付けられたレポートがあることを示しています。このセルには複数のリンクを関連付けることができ、ユーザーはスクロールして選択できます。各リンクではURLが使用されます。ユーザーがリンクをクリックすると、URLが検証され、ERPまたはEPMアプリケーションによってホストされている起動ページが、Webブラウザに表示されます。

ドリルスルーURLの理解

ERPおよびEPMアプリケーションはEssbaseを使用してドリルスルーURLを作成します。ドリルスルーURLはEssbaseデータベース・ファイルにメタデータとして保管されます。

データベース当たりのドリルスルーURLの数は、255に制限されています。

注:

ドリルスルー定義の設定、およびドリルスルーURLのターゲットとして使用するWebページのホスティングは、ERPおよびEPMアプリケーションの管理者の作業となります。

ドリルスルーURLのコンポーネントの詳細は、次のトピックを参照してください:

ドリルスルーURL名

ドリルスルーURL名は、定義されているドリルスルーURLを管理するための識別子です。この名前はEssbaseクライアントからエンド・ユーザーに表示されるURL表示名とは異なる場合があります。

ドリルスルーURL XML

ドリルスルーURL XMLは、プロトコル内に構造化されているXML情報のブロックであり、これによりEssbaseが、指定されたデータベース領域をOracle ERPおよびEPMアプリケーション上の情報にリンクできるようになります。このURL XMLは、アプリケーションのクエリーを実行するエンド・ユーザーに対しては透過的です。URL XMLは、Essbaseデータベースを配置したERPまたはEPMアプリケーションによって指定されます。管理者によるURL XMLの編集はお薦めしません。ただし、EssbaseはURL XML編集用のインタフェースを備えています。XMLブロックにはドリルスルーURLの表示名の他、セルからWebインタフェースへのハイパーリンクを可能にするためのURLが含まれています

ドリル可能領域のリスト

ドリル可能領域のリストは、指定されたURLを使用したドリルスルーを許可するデータベース領域を定義するメンバー指定です。管理者は、1つ以上の次元のメンバーのメンバー指定を使用してドリル可能領域のリストを定義します。セキュリティ・フィルタの定義に使用するものと同じEssbaseメンバー・セット計算言語を使用してメンバー指定を定義します。次に示す例は、Qtr1の月について、New York以外のすべての東部州を指定する、有効なメンバー指定です: @REMOVE(@DESCENDANTS("Eastern Region"), "New York"), @CHILDREN(Qtr1)

ドリルスルーURLのドリル可能領域の数は、256に制限されています。ドリル可能領域当たりの文字数は、65536に制限されています。

レベル0ブール・フラグ

このフラグは、ドリル可能領域のリストで指定された領域のレベル0の子孫に対してのみURLが適用されるかどうかを示します。

たとえば、ドリル可能領域DESCENDANTS("Market"), @CHILDREN(Qtr1)に対してレベル0フラグが使用可能に設定されている場合、URLは、Marketのすべての州についてQtr1のすべての月にわたって適用され、また、残りの次元のすべてのレベル0メンバーに対して適用されます。

ドリルスルーURLの作成および管理

この項で参照するMaxLステートメントとAPIの詳細は、『Oracle Essbaseテクニカル・リファレンス』『Oracle Essbase APIリファレンス』をそれぞれ参照してください。

以下のMaxLステートメントはドリルスルーURLを管理するために使用します:

  • create drillthrough

  • alter drillthrough

  • display drillthrough

  • drop drillthrough

Essbaseデータベース上のドリルスルーURLを管理するには、次のEssbase API構造体および関数を使用します:

  • CのメインAPI構造体:

    • ESS_DURLINFO_T

  • CのメインAPI関数:

    • EssCreateDrillThruURL

    • EssDeleteDrillThruURL

    • EssGetDrillThruURL

    • EssGetCellDrillThruReports

    • EssListDrillThruURLs

    • EssMDXIsCellGLDrillable

    • EssUpdateDrillThruURL

  • CグリッドAPI構造体:

    • ESSG_DATA_T

  • CグリッドAPI関数:

    • EssGGetIsCellDrillable

  • Visual Basic API構造体:

    • ESB_DURLINFO_T

  • Visual Basic API関数:

    • EsbCreateDrillThruURL

    • EsbUpdateDrillThruURL

    • EsbDeleteDrillThruURL

    • EsbListDrillThruURLs

    • EsbGetDrillThruURL

    • EsbGetCellDrillThruReports

Administration ServicesでドリルスルーURLを管理するには、Oracle Essbase Administration Services Online Helpの次のトピックを参照してください:

  • ドリルスルー定義の管理

  • 「ドリルスルー定義の編集」ダイアログ・ボックス