プロパティ引数

プロパティ引数は、展開される参照を1つの値に集計します。この集計値は、後に計算で使用されます。プロパティ引数は、集約行、列、またはセルでの計算に使用できます。プロパティ引数には、次の2つのタイプがあります:

集約プロパティ引数

集約行、集約列、集約セルは、それぞれ複数の行、列、セルを含んでいます。

集約プロパティ引数は、次の算術関数の構文の最後にある引数です。

   FunctionName(GridName.Gridelement[segment(range)].property)

次の集約プロパティを行、列またはセルの参照に適用します。

表93.集約プロパティ

プロパティ

説明

Average

行、列またはセルの平均を戻します。計算には、#MISSING値および#ERROR値は含まれません。

AverageA

行、列またはセルの平均を戻します。計算には、#MISSING値および#ERROR値が含まれます。

Count

行、列またはセル内の値の数を戻します。計算には、#MISSING値および#ERROR値は含まれません。

CountA

行、列またはセル内の値の数を戻します。計算では、#MISSING値と#ERROR値をゼロ(0)として処理します。

Max

行、列またはセルの最大値を戻します。

Min

行、列またはセルの最小値を戻します。

Product

行または列の積を戻します。

Sum

行、列またはセルの合計を戻します。

算術関数引数として使用される場合は、プロパティのデフォルトはその関数と同じになります。次の例では、デフォルトのプロパティはAverageです。

  Average(row[2])

算術関数引数として使用されない場合は、プロパティのデフォルトはsumになります。次の例では、デフォルトのプロパティは集約行のsumです。

   row[2]

参照プロパティ引数

参照プロパティ引数は、式の参照結果の処理方法を指定します。この引数は、他のプロパティとともに使用します。

参照プロパティ引数には、IfNonNumber/IFFNがあります。

IfNonNumberは、#MISSING値および#ERROR値のかわりに使用する特定の数値を指定します。構文は、次のとおりです:

AXIS[segment(range)].IfNonNumber(arg).AggregateProperty

引数

説明

AXIS

キーワードrow、columnまたはcellのいずれかです。

オプション。

Segment(range)

行番号、列の文字などの軸の有効な参照を示します。

IfNonNumber

軸の参照先にデータがない場合やエラーの場合の処理方法を示します。

(arg)

AxisRefの欠落データやエラー・データのかわりに使用する数値を示します。

AggregateProperty

集約関数は、集約セグメントで使用されます。

オプション。

例:

cell[1,A] = 3、かつ

cell[1,B] = #MISSINGのときに、

次の式:

  cell[1,A] / cell[1,B] 

は、#ERRORを戻します。

次の式:

  cell[1,A] / cell[1,B].ifNonnumber(1) 

は、cell[1,B]を1に置換し、3を戻します。

注意:

グリッドの#MISSINGを抑制しており、グリッドの行や列にIfNonNumberプロパティを含む式がある場合は、#MISSINGは抑制されたままになります。