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Oracle® Enterprise Manager Ops Center管理ガイド
12c リリース1 (12.1.3.0.0)
B71914-02
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2 インフラストラクチャ

Oracle Enterprise Manager Ops Centerのインフラストラクチャは、製品によって使用されるソフトウェアと接続です。インフラストラクチャは、ユーザー・インタフェースおよびコマンドラインを使用して管理できます。

この章では次の機能とトピックについて説明します。

2.1 インフラストラクチャの概要

この章では、Oracle Enterprise Manager Ops Centerのインフラストラクチャを設定して管理する方法について説明します。

エンタープライズ・コントローラ、ナレッジ・ベース、プロキシ・コントローラおよびエージェント・コントローラが、Oracle Enterprise Manager Ops Centerのインフラストラクチャを構成します。エンタープライズ・コントローラは、UIを生成し、ジョブをルーティングし、ナレッジ・ベースと通信し、Oracle Enterprise Manager Ops Centerのデータをエンタープライズ・コントローラ・データベースに格納します。プロキシ・コントローラは、特定のアセットを直接管理して、ジョブを実行します。エージェント・コントローラを使用すると、オペレーティング・システムの更新のすべての種類に対応でき、管理対象オペレーティング・システムでの監視機能が有効になります。

インフラストラクチャの表示と管理、構成の変更、および接続モードの構成を行うことができます。

この項で説明する手順の一部では、ecadmproxyadmおよびagentadmコマンドが使用されます。これらのコマンドの詳細は、『Oracle Enterprise Manager Ops Center機能リファレンス・ガイド』を参照してください。

2.2 インフラストラクチャの表示

Oracle Enterprise Manager Ops Centerで現在認識されているプロキシ・コントローラとエージェント・コントローラを表示して、バージョンやステータスの情報を確認できます。

2.2.1 エージェント・コントローラの表示

エージェント・コントローラをオペレーティング・システムと仮想化ツールにインストールして、それらを管理できます。エージェント・コントローラを表示すると、次の情報を確認できます。

  • アセット名

  • ゾーン・タイプ

  • エージェント・バージョン

  • アップグレード・バージョン

  • ダウングレード・バージョン

  • エージェント・ステータス(オンラインまたはオフライン)

エージェント・コントローラを表示する手順

  1. 「Navigation」ペインの「Assets」セクションをクリックします。

  2. 管理対象オペレーティング・システムを含むグループを選択します。

    • 「Operating Systems」カテゴリからオペレーティング・システム・スマート・グループを選択し、「Summary」タブをクリックします。

    • オペレーティング・システムを含むユーザー定義グループを選択し、「Membership」タブをクリックします。

  3. 「Agent Controllers」タブをクリックします。

    エージェント・コントローラの情報が表示されます。

2.2.2 プロキシ・コントローラの表示

プロキシ・コントローラはアセットを管理してジョブを実行します。プロキシ・コントローラを表示して、次の情報を確認できます。

  • ステータス(オンラインまたはオフライン)

  • 現在のバージョン

  • 使用可能なアップグレード

  • IPアドレス

  • 登録日

プロキシ・コントローラを表示する手順

  1. 「Navigation」ペインの「Administration」セクションで「Proxy Controller」をクリックします。

  2. 「Center」ペインの「Configuration」タブをクリックします。プロキシ・コントローラの構成が表示されます。

2.2.3 エンタープライズ・コントローラの構成の表示

エンタープライズ・コントローラの構成を表示および管理できます。構成には、エンタープライズ・コントローラに含まれるサブシステムの設定が表示されます。

エンタープライズ・コントローラの構成を表示するには、「Navigation」ペインの「Administration」セクションで「Enterprise Controller」を選択し、「configuration」タブをクリックします。次のサブシステムのいずれかを選択して、その設定を表示します。Oracleからの指示がないかぎり、これらの設定は変更しないでください。

  • Agent Provisioning: エージェント・コントローラのプロビジョニングを管理します。

  • Automated Service Requests: 自動サービス・リクエスト(ASR)の設定を管理します。

  • Database: Oracle Enterprise Manager Ops Centerによって使用されるデータベースを管理します。

  • EC Manager: エンタープライズ・コントローラを管理します。

  • Firmware: ファームウェアのダウンロードを管理します。

  • Job Manager: ジョブの実行方法を管理します。

  • My Oracle Support (MOS): Oracle Enterprise Manager Ops CenterのMOSとの通信を管理します。

  • Network/Fabric Manager: ネットワークとファブリックを管理します。

  • OCDoctor: OCDoctorの場所と更新を管理します。

  • OS Provisioning: ネットワークとファブリックの設定を管理します。

  • Permission Cache: キャッシュ・サイズを管理します。

  • Power: エネルギー・コスト設定を管理します。

  • Proxy Manager: インフラストラクチャの要素間の相互作用を管理します。

  • Quartz Scheduler: Quartzスケジューラを管理します。

  • Role Preferences: ロールの設定を管理します。

  • Update: 更新ライブラリの場所を管理します。

  • Zone Controller: ゾーン管理の設定を管理します。

2.3 プロキシ・コントローラ間でのエージェント・コントローラの移行

各エージェント・コントローラはプロキシ・コントローラによって管理されます。ジョブの負荷を分散するため、またはプロキシ・コントローラをアンインストールしようとする場合に、エージェント・コントローラをあるプロキシ・コントローラから別のプロキシ・コントローラに移行することができます。移行先のプロキシ・コントローラは、アセットのネットワーク上で起動されているか、アセットのネットワークに関連付けられている必要があります。

プロキシ・コントローラ間でのエージェント・コントローラを移動する手順

  1. 「Navigation」ペインの「Administration」セクションで移行元のプロキシ・コントローラを選択します。

  2. 「Managed Assets」タブをクリックします。

  3. 移動する1つ以上のアセットを選択し、「Migrate Assets」アイコンをクリックします。

    Asset Migrationウィザードが表示されます。

  4. プロキシ・コントローラのリストから移行先プロキシ・コントローラを選択するか、「Auto Balance across Proxy Controllers」を選択して移行先プロキシ・コントローラを自動的に選択します。

  5. 「Migrate」をクリックします。

    ジョブが起動され、選択したアセットが移行先プロキシ・コントローラに移行されます。

2.4 接続モードの使用

Oracle Enterprise Manager Ops Centerは、接続モードまたは非接続モードで稼働できます。接続モードでは、このソフトウェアはOracle Webサイトや他のベンダーと通信してパッチや更新の情報を収集します。非接続モードでは、自律的に稼働し、インターネット接続は必要ありません。

接続モードはいつでも切り替えることができます。

2.4.1 非接続モードへの切替え

接続モードになっている場合、または接続のモードを選択していない場合は、非接続モードに切り替えることができます。非接続モードを使用するには、ナレッジ・ベース・バンドルをダウンロードする必要があります。

始める前に

非接続モードに切り替える前に、ハーベスタ・スクリプトを使用してナレッジ・ベース・バンドルを取得する必要があります。次にこの手順を説明します。

非接続モードに切り替える手順

  1. 「Navigation」ペインの「Administration」セクションで「Enterprise Controller」をクリックします。

  2. 「Actions」ペインで「Setup Connection Mode」をクリックします。

  3. 使用するナレッジ・ベース・バンドルの絶対パスを入力して、「Load Bundle」をクリックします。「Browse」ボタンを使用してナレッジ・ベース・バンドルの場所を指定できます。

  4. 「Switch to Disconnected Mode」をクリックします。

2.4.2 接続モードへの切替え

非接続モードになっている場合、または接続のモードを選択していない場合は、接続モードに切り替えることができます。接続モードを使用するには、認証でMy Oracle Support (MOS)資格証明の有効なセットが必要です。

接続モードに切り替える手順

  1. 「Navigation」ペインの「Administration」セクションで「Enterprise Controller」をクリックします。

  2. 「Actions」ペインで「Setup Connection Mode」をクリックします。

  3. 「Switch to Connected Mode」をクリックします。

2.5 ハーベスタの使用

ハーベスタは、インターネットに直接接続しているシステム上で実行するスクリプトで、ナレッジ・ベース・バンドルを作成したり、OS更新やファームウェア・コンテンツをダウンロードしたりすることができます。非接続モードを使用するには、ハーベスタを使用してナレッジ・ベース・バンドルを取得する必要があります。

KBバンドルを取得するには、通常は次の手順を使用します。

  1. インターネットに接続できるシステムを指定します。

  2. ハーベスタ・バンドルをダウンロードします。

  3. ハーベスタ・スクリプトを使用してコンテンツをダウンロードします。

  4. KBバンドルとOS更新のコンテンツを、ポータブル・メディアを使用してエンタープライズ・コントローラ・システムにコピーします。

2.5.1 ハーベスタ・システムの指定

ハーベスタ・スクリプトを実行するシステムを選択します。このシステムは、Oracle SolarisかLinuxを使用しており、インターネットに直接接続している必要があります。

2.5.2 ハーベスタ・バンドルのダウンロード

ハーベスタ・バンドルには、署名のチェックとダウンロードしたソフトウェアの生成のためのスクリプトharvester.shと署名ユーティリティが含まれます。スクリプトをダウンロードするには、次のようにします。

  1. インターネットに直接接続するシステムで、ハーベスタ・スクリプトをhttps://updates.oracle.com/OCDoctor/harvester_bundle-latest.zipからダウンロードします。

  2. バンドルharvester_bundle-latest.zipを解凍します。

2.5.3 ハーベスタ・スクリプトの使用

ハーベスタ・スクリプトを使用して、KBバンドルとOS更新のコンテンツを取得できます。

  1. 次に説明するオプションを1つ以上使用してハーベスタ・スクリプトを実行します。これらの値を格納するようにconfig.iniファイルを編集できます。config.iniに入力した値は、ハーベスタ・スクリプトの実行時に指定する必要はありません。

    • --user My Oracle Supportユーザー名: 有効なMy Oracle Supportユーザー名を指定します。この値は、config.iniファイルのHTTP_USER=""フィールドに設定できます。MOSユーザー名をconfig.iniファイルに追加していない場合、このオプションは必須です。

    • --password-file パスワード・ファイル: MOSのパスワードのみを含むファイルのフル・パス名を指定します。パスワードまたはパスワード・ファイルの場所をconfig.iniファイルのHTTP_PASSWD=""フィールドに設定できます。パスワードをconfig.iniファイルに追加していない場合、このオプションは必須です。

    • --proxy-server プロキシ・サーバーのURL: プロキシ・サーバーのURLを指定します。この値は、config.iniファイルのPROXY_URL=""フィールドに設定できます。

    • --proxy-user プロキシ・サーバーのユーザー名: プロキシ・サーバーのユーザー名を指定します。この値は、config.iniファイルのPROXY_USER=""フィールドに設定できます。

    • --proxy-password-file プロキシ・サーバーのパスワード・ファイル: プロキシ・サーバーのパスワードのみを含むファイルのフル・パス名を指定します。パスワードまたはパスワード・ファイルの場所をconfig.iniファイルのPROXY_PASSWD=""フィールドに設定できます。

    • --storage-dir ディレクトリ: ダウンロードされたコンテンツを格納する一時ディレクトリを指定します。デフォルトの場所は/var/tmp/offlineです。この値は、config.iniファイルのSTANDALONE_DIR=""フィールドに設定できます。

    • --mark-new-patches: ハーベスタ・スクリプトによって日付が付いたフォルダが作成され、そのフォルダに、今回の実行でダウンロードされたすべてのパッチに対するハード・リンクが含まれます。すべてのパッチは記憶域ディレクトリに移動されます。このフラグは、新たにダウンロードされたファイルを示すため、増分ダウンロードで役立ちます。ハード・リンクを使用することにより、各ファイルの完全なコピーが必要なくなります。この値は、config.iniファイルのMARK_NEW_PATCHES=フィールドに設定できます。

    • --kb-only: パッチはダウンロードせずにナレッジ・ベース・バンドルのみをダウンロードします。

    • --download-patches リスト: すべてのOracle Solarisパッチをダウンロードするディストリビューションを指定します。パッチをダウンロードするOracle Solaris OSディストリビューションの名前を引用符で囲み、空白で区切って指定します。ディストリビューションを指定しないと、すべてのOracle Solarisディストリビューションのパッチがダウンロードされます。指定できるディストリビューションを次に示します。

      • SOLARIS_10_0_SPARC

      • SOLARIS_10_0_X86

      • SOLARIS_9_0_SPARC

      • SOLARIS_8_0_SPARC

      • FIRMWARE

      ハーベスタ・スクリプトを--download-patchesオプションで実行する場合、インターネットに直接接続するシステムとエンタープライズ・コントローラのディスク領域要件は、1ディストリビューション当たり150 GBです。


      注意:

      --download-patchesオプションを指定したハーベスタ・スクリプトは、実行を完了するまでに数時間かかることがあります。パッチはEIS DVDからまとめてアップロードできます。

    • --download-baseline ID: ダウンロードするOracle SolarisベースラインIDを指定します。


      注意:

      --download-baselineオプションを使用するときは、--download-patchesオプションを使用する必要があります。このオプションは1つのディストリビューションのみに使用できます。

    • --show-baselines ディストリビューション: このオプションを使用すると、指定したディストリビューションのベースラインが表示されます。一度に入力できるディストリビューションは1つのみです。有効なディストリビューションを次に示します。

      • SOLARIS_10_0_SPARC

      • SOLARIS_10_0_X86

      • SOLARIS_9_0_SPARC

      • SOLARIS_8_0_SPARC

    • --revisions 番号: ダウンロードするパッチのリビジョン番号を指定します。デフォルトのリビジョン番号は100です。この値は、config.iniファイルのREVISIONS=フィールドに設定できます。

    • --from-date mm-yyyy: 指定した日付よりも新しいパッチのみをダウンロードします。

    • --patches-from-file ファイル: ファイルからすべてのパッチをダウンロードします。このファイルは、1行に1つのパッチ(.zip拡張子なし)を含む形式である必要があります。

    • --instructions: このオプションを使用して、ダウンロードしたナレッジ・ベース・バンドルとパッチをエンタープライズ・コントローラ・システムに移動する手順を示します。

    • --update: このオプションを使用して、ハーベスタ・スクリプトの更新をチェックします。

ハーベスタ・スクリプトの実行例

例2-1 MOSアカウントでのハーベスタ・スクリプトの実行

ハーベスタ・スクリプトを実行して、ナレッジ・ベース・バンドルのみをダウンロードします。

# ./harvester.sh --kb-only
Ops Center Harvester version 2.10 (Jun 18 2012 [Build 57]) (SunOS)
Download log file is located in /var/tmp/harvester-wget.log
Checking for connectivity...
[OK] Connected successfully. No updates were found (current: 2.10, online: 2.10).
[OK] Directory /var/tmp/offline not found. This directory will be created.
[Channels list (channels.xml)] Downloaded successfully
Stage 1: Downloading/refreshing required Knowledge Base files
[AS_3_0_AMD64 Knowledge] Downloaded successfully
[AS_4_0_S390 Knowledge] Downloaded successfully
[AS_3_0_IA32 Knowledge] Downloaded successfully
[ES_3_0_IA32 Knowledge] Downloaded successfully
[ES_3_0_AMD64 Knowledge] Downloaded successfully
[FIRMWARE Knowledge] Downloaded successfully
[ES_4_0_AMD64 Knowledge] Downloaded successfully
[AS_4_0_IA32 Knowledge] Downloaded successfully
[AS_4_0_AMD64 Knowledge] Downloaded successfully
[OS_IMAGES Knowledge] Downloaded successfully
...
...

例2-2 Oracle Solaris 10 SPARCパッチをダウンロードするハーベスタ・スクリプトの実行

ハーベスタ・スクリプトをダウンロードして、SPARCディストリビューションの最大4つのリビジョンのOracle Solaris 10パッチをダウンロードします。

./harvester.sh --download-patches "SOLARIS_10_0_SPARC SOLARIS_10_0_X86" --revisions 4

例2-3 Oracle Solaris 10 SPARCのベースラインを表示するハーベスタ・スクリプトの実行

ハーベスタ・スクリプトを実行して、Oracle Solaris 10 SPARCディストリビューションに対応するOracle Solarisベースラインを表示します。

./harvester.sh --download-patches SOLARIS_10_0_SPARC --download-baseline

例2-4 Oracle Solaris 10 SPARCのセキュリティ・ベースラインをダウンロードするハーベスタ・スクリプトの実行

ハーベスタ・スクリプトを実行して、Oracle Solaris 10 SPARCディストリビューションのセキュリティ・ベースラインDEC-2009をダウンロードします。

./harvester.sh --download-patches SOLARIS_10_0_SPARC --download-baseline 40030030

2.5.4 エンタープライズ・コントローラへのコンテンツのコピー

ナレッジ・ベース・バンドルまたはOS更新のコンテンツをダウンロードしたら、ポータブル・メディアを使用してエンタープライズ・コントローラ・システムに移動します。

2.5.4.1 ナレッジ・ベース・バンドルのコピー

次の手順によって、新しいナレッジ・ベース・バンドルをエンタープライズ・コントローラにアップロードします。--kb-onlyオプションを使用した場合はこの手順を実行します。

  1. standalone-<timestamp>.tar.gzをエンタープライズ・コントローラ・システムにコピーします。デフォルトでは、このファイルは/var/tmp/offlineディレクトリにあります。

  2. 「非接続モードへの切替え」の手順を使用して、ナレッジ・ベース・バンドルをアップロードして、非接続モードを有効にします。

2.5.4.2 ナレッジ・ベース・バンドルとすべてのパッチのコピー

次の手順によって、新しいナレッジ・ベース・バンドルをエンタープライズ・コントローラにアップロードし、パッチ・コンテンツをアップロードします。

  1. standalone-<timestamp>.tar.gzをエンタープライズ・コントローラ・システムにコピーします。デフォルトでは、このファイルは/var/tmp/offlineディレクトリにあります。

  2. すべてのパッチを含むall_unsignedフォルダをエンタープライズ・コントローラ・システムにコピーします。デフォルトでは、このファイルは/var/tmp/offlineディレクトリにあります。必要であれば、このフォルダを複数のDVDに分割できます。

  3. 「非接続モードへの切替え」の手順を使用して、ナレッジ・ベース・バンドルをアップロードして、非接続モードを有効にします。

  4. copy_patches_to_oc.shスクリプトを実行します。このスクリプトはall_unsignedフォルダにあります。

2.5.4.3 ナレッジ・ベース・バンドルと増分パッチのコピー

次の手順によって、新しいナレッジ・ベース・バンドルをエンタープライズ・コントローラにアップロードし、特定のパッチ・コンテンツをアップロードします。--mark-new-patchesオプションを使用した場合、またはconfig.iniファイルのMARK_NEW_PATCHESフィールドを1に設定した場合は、この手順を実行します。

  1. standalone-<timestamp>.tar.gzをエンタープライズ・コントローラ・システムにコピーします。デフォルトでは、このファイルは/var/tmp/offlineディレクトリにあります。

  2. all_unsigned-<timestamp>フォルダ(タイムスタンプで指定した日にダウンロードされたパッチを含む)をエンタープライズ・コントローラ・システムにコピーします。デフォルトでは、このファイルは/var/tmp/offlineディレクトリにあります。必要であれば、このフォルダを複数のDVDに分割できます。

  3. 「非接続モードへの切替え」の手順を使用して、ナレッジ・ベース・バンドルをアップロードして、非接続モードを有効にします。

  4. copy_patches_to_oc.shスクリプトを実行します。このスクリプトはall_unsigned-<timestamp>フォルダにあります。

2.6 ローカル・エージェント・コントローラの構成

ローカル・エージェント・コントローラは、エンタープライズ・コントローラまたはプロキシ・コントローラOSにインストールされたエージェント・コントローラです。これを使用して、エンタープライズ・コントローラまたはプロキシ・コントローラをサポートするシステムを監視し、システムを対象とするジョブを起動できます。

2.6.1 エンタープライズ・コントローラでのローカル・エージェント・コントローラの構成

エンタープライズ・コントローラ・システムでローカル・エージェント・コントローラを構成すると、エンタープライズ・コントローラをサポートするシステムを監視し、そのシステムを対象とするジョブを起動できるようになります。

エンタープライズ・コントローラのハードウェアまたはOSを対象とするジョブで、エンタープライズ・コントローラ・システムを再起動させるもの(再起動を必要とするOS更新など)は、製品を介して実行できません。

ローカル・エージェント・コントローラを構成する手順

  1. 「Navigation」ペインの「Administration」セクションで「Enterprise Controller」をクリックします。

  2. 「Actions」ペインの「Configure Local Agent」をクリックします。確認ページが表示されます。

  3. 「OK」をクリックします。ローカル・エージェント・コントローラを構成するジョブが起動されます。

2.6.2 エンタープライズ・コントローラでのローカル・エージェント・コントローラの構成解除

ローカル・エージェント・コントローラを構成解除して、エンタープライズ・コントローラ・システムの監視を停止できます。

ローカル・エージェント・コントローラを構成解除する手順

  1. 「Navigation」ペインの「Administration」セクションで「Enterprise Controller」をクリックします。

  2. 「Actions」ペインの「Unconfigure Local Agent」をクリックします。確認ページが表示されます。

  3. 「OK」をクリックします。ローカル・エージェント・コントローラを構成解除するジョブが起動されます。

2.6.3 プロキシ・コントローラでのローカル・エージェント・コントローラの構成

プロキシ・コントローラ・システムでローカル・エージェント・コントローラを構成すると、プロキシ・コントローラをサポートするシステムを監視し、そのシステムを対象とするジョブを起動できるようになります。

ローカル・エージェント・コントローラを構成する手順

  1. 「Navigation」ペインの「Administration」セクションで「Proxy Controller」をクリックします。

  2. 「Actions」ペインの「Configure Agent on Proxy」をクリックします。確認ウィンドウが表示されます。

  3. 「OK」をクリックします。ローカル・エージェント・コントローラを構成するジョブが起動されます。

2.6.4 プロキシ・コントローラでのローカル・エージェント・コントローラの構成解除

ローカル・エージェント・コントローラを構成解除して、プロキシ・コントローラ・システムの監視を停止できます。

ローカル・エージェント・コントローラを構成解除する手順

  1. 「Navigation」ペインの「Administration」セクションで「Proxy Controller」をクリックします。

  2. 「Actions」ペインの「Unconfigure Agent on Proxy」をクリックします。確認ウィンドウが表示されます。

  3. 「OK」をクリックします。ローカル・エージェント・コントローラを構成解除するジョブが起動されます。

2.7 Oracle Configuration Managerの構成

Oracle Configuration Managerは、構成情報を収集してOracleリポジトリにアップロードすることにより、サポートのカスタマイズと強化のために使用されるツールです。構成データが定期的にアップロードされると、カスタマ・サポート担当者はこのデータを分析してサービスを向上させることができます。

Oracle Configuration ManagerはOracle Enterprise Manager Ops Centerと一緒にインストールされます。インストール時にOracle Configuration Managerを構成しなかった場合は、コマンドラインを使用して構成できます。

始める前に

この手順では、エンタープライズ・コントローラでJava 7が構成されていることが必要です。

Oracle Configuration Managerを構成する手順

  1. rootとしてエンタープライズ・コントローラ・システムにログインします。

  2. setupCCRコマンドを実行します。

    # /var/opt/sun/xvm/ocm/ccr/bin/setupCCR
    
  3. Oracle Configuration Managerのインストール・テキストが表示されます。My Oracle Supportのユーザー名またはOracle Enterprise Manager Ops Centerに関連付ける電子メール・アドレスを入力します。

    Provide your email address to be informed of security issues, install and
    initiate Oracle Configuration Manager. Easier for you if you use your My
    Oracle Support Email address/User Name.
    Visit http://www.oracle.com/support/policies.html for details.
    Email address/User Name:
    
  4. セキュリティ更新をMy Oracle Supportページに表示するには、My Oracle Supportのパスワードを入力します。[Enter]を押します。

    Provide your My Oracle Support password to receive security updates via your My Oracle Support account.
    Password (optional):
    

    Oracle Configuration Managerが構成されます。

2.8 エンタープライズ・コントローラの登録

エンタープライズ・コントローラをOracleに登録できます。これでアセットを登録できるようになります。アセット・データがMy Oracle Support (MOS)アカウントに関連付けられ、MOSポータルでアセットを表示できます。

エンタープライズ・コントローラを登録する手順

  1. 「Navigation」ペインの「Administration」セクションで「Enterprise Controller」をクリックします。

  2. 「Actions」ペインの「Register Enterprise Controller」をクリックします。

    「Introduction」ページが表示されます。

  3. 情報を確認し、「Next」をクリックします。

    「HTTP Proxy」ページが表示されます。

  4. エンタープライズ・コントローラでHTTPプロキシがインターネットに接続する必要がある場合は、HTTPプロキシの情報を入力して、「Next」をクリックします。

    • Server: HTTPプロキシのサーバー名を入力します。

    • Port: 使用されるポート番号を入力します。

    • User: サーバーで必要な場合はユーザー名を入力します。

    • Password: サーバーで必要な場合はパスワードを入力します。

  5. 有効なMy Oracle Supportユーザー名とパスワードを入力し、「Next」をクリックします。指定したユーザー名でエンタープライズ・コントローラが登録されます。

  6. 登録情報を確認して「Finish」をクリックします。

    エンタープライズ・コントローラが登録されます。

2.9 自己診断の実行

エンタープライズ・コントローラ、プロキシ・コントローラまたはオペレーティング・システム・アセットで自己診断を実行できます。自己診断では、OCDoctorの--troubleshootオプションが実行され、これにより一般的な問題を特定でき、トラブルシューティングに役立ちます。

自己診断を実行する手順

  1. 「Navigation」ペインの「Assets」セクションまたは「Administration」セクションでターゲット・セクションを選択します。

  2. 「Actions」ペインで「Self Diagnosis」をクリックします。

  3. タスクを選択します。

    • 「Run New Self Diagnosis」を選択すると、新しい自己診断ジョブが起動されます。

      ターゲット・オペレーティング・システムがエンタープライズ・コントローラまたはプロキシ・コントローラをサポートする場合は、「Optimize Enterprise Controller」または「Optimize Proxy Controller」を選択することもできます。このオプションは、--tuningオプションを使用して、エンタープライズ・コントローラまたはプロキシ・コントローラのパフォーマンスのためにシステムを最適化します。

    • 「Work on Previous Self Diagnosis」を選択し、以前の自己診断ジョブを選択して、そのデータを確認します。

  4. 「Work on Previous Self Diagnosis」を選択した場合は、以前の自己診断のデータが表示されます。データを確認して、タスクを選択します。

    • 「re-run Self Diagnosis」を選択すると、以前の自己診断が再実行されます。

      「Attempt to Fix Issues」を選択して、特定の問題を自動的に修正することもできます。

    • 「Collect Logs」を選択すると、システムのログが収集されます。

    「Next」をクリックします。

  5. サマリー情報を確認したら「Finish」をクリックしてジョブを起動します。

  6. ジョブの詳細を確認するか、ウィザードを再実行して「Work on Previous Self Diagnosis」を選択し、自己診断で収集したデータを表示します。

2.10 エンタープライズ・コントローラおよびプロキシ・コントローラのステータスの表示と変更

エンタープライズ・コントローラやプロキシ・コントローラのステータスをコマンドラインからチェックできます。必要に応じて停止または開始することもできます。Oracle Enterprise Manager Ops Centerが機能するのは、エンタープライズ・コントローラがオンラインになっているときのみです。また、この製品が管理対象アセットと対話するには各プロキシ・コントローラがオンラインであることが必要です。

2.10.1 エンタープライズ・コントローラのステータスのチェック

エンタープライズ・コントローラの状態は2つのうちのいずれかです。オンライン状態ではエンタープライズ・コントローラは正常に実行しています。オフライン状態ではエンタープライズ・コントローラは停止しており、使用できません。

エンタープライズ・コントローラのステータスはecadmコマンドを使用してチェックできます。

エンタープライズ・コントローラのステータスをチェックする手順

  1. rootとしてエンタープライズ・コントローラ・システムにログインします。

  2. ecadmコマンドとstatusサブコマンドを使用して、エンタープライズ・コントローラのステータスをチェックします。

    例:

    # ./ecadm status
    online
    

    エンタープライズ・コントローラのステータスが表示されます。

2.10.2 エンタープライズ・コントローラの開始

システムの再起動またはメンテナンスのためにエンタープライズ・コントローラが停止状態になっていることがあります。エンタープライズ・コントローラが停止していると、Oracle Enterprise Manager Ops Centerは機能しません。

ecadmコマンドを使用してエンタープライズ・コントローラを開始できます。

エンタープライズ・コントローラを開始する手順

  1. rootとしてエンタープライズ・コントローラ・システムにログインします。

  2. ecadmコマンドとstartサブコマンドを使用して、エンタープライズ・コントローラを開始します。

    次のオプションを使用できます。

    • -h | --help: サブコマンドの使用方法の概要を表示します。

    • -w | --wait: すべてのサービスが開始するまで、ecadmが終了しません。

    • -t | --temporary: 状態の変更は次の再起動までの一時的なものです。

    • -v | --verbose: 冗長エラーおよび情報メッセージを表示します。

    • -l | --logfile <logfile>: ecadmのすべての出力を<logfile>に取得します。

    例:

    # ./ecadm start -vw
    ecadm: Starting Enterprise Controller with SMF...
    ecadm: ... milestone "satellite-enable" succesfully enabled
    ecadm: ... Waiting for Enterprise Controller services to go "online"
    ecadm: Enterprise Controller services have started
    #
    

    エンタープライズ・コントローラが開始されます。

2.10.3 エンタープライズ・コントローラの停止

エンタープライズ・コントローラがオンラインの場合、Oracle Enterprise Manager Ops Centerは正常に機能します。ただし、特定のメンテナンス・タスクはエンタープライズ・コントローラがオフラインの場合しか実行できません。

ecadmコマンドを使用してエンタープライズ・コントローラを停止できます。

エンタープライズ・コントローラを停止する手順

  1. rootとしてエンタープライズ・コントローラ・システムにログインします。

  2. ecadmコマンドとstopサブコマンドを使用して、エンタープライズ・コントローラを停止します。

    次のオプションを使用できます。

    • -h | --help: サブコマンドの使用方法の概要を表示します。

    • -w | --wait: すべてのサービスが開始するまで、ecadmが終了しません。

    • -t | --temporary: 状態の変更は次の再起動までの一時的なものです。

    • -v | --verbose: 冗長エラーおよび情報メッセージを表示します。

    • -l | --logfile <logfile>: ecadmのすべての出力を<logfile>に取得します。

    例:

    # ./ecadm stop -vw
    ecadm: Shutting down Enterprise Controller using SMF...
    ecadm: ... milestone "satellite-enable" successfully disabled
    ecadm: ... waiting for services to go "offline"
    ecadm: Enterprise Controller services have stopped
    #
    

    エンタープライズ・コントローラが停止されます。

2.10.4 プロキシ・コントローラのステータスのチェック

プロキシ・コントローラのステータスはproxyadmコマンドを使用してチェックできます。

プロキシ・コントローラのステータスをチェックする手順

  1. rootとしてプロキシ・コントローラ・システムにログインします。

  2. proxyadmコマンドとstatusサブコマンドを使用して、プロキシ・コントローラのステータスをチェックします。

    例:

    # ./proxyadm status
    online
    

    プロキシ・コントローラのステータスが表示されます。

2.10.5 プロキシ・コントローラの開始

proxyadmコマンドを使用してプロキシ・コントローラを開始できます。

プロキシ・コントローラを開始する手順

  1. rootとしてプロキシ・コントローラ・システムにログインします。

  2. proxyadmコマンドとstartサブコマンドを使用して、プロキシ・コントローラを開始します。

    次のオプションを使用できます。

    • -h | --help: サブコマンドの使用方法の概要を表示します。

    • -w | --wait: すべてのサービスが開始するまで、proxyadmが終了しません。

    • -t | --temporary: 状態の変更は次の再起動までの一時的なものです。

    • -v | --verbose: 冗長エラーおよび情報メッセージを表示します。

    • -l | --logfile <logfile>: proxyadmのすべての出力を<logfile>に取得します。

    例:

    # ./proxyadm start -w
    proxyadm: Starting Proxy Controller with SMF...
    proxyadm: Proxy Controller services have started
    #
    

    プロキシ・コントローラが開始されます。

2.10.6 プロキシ・コントローラの停止

proxyadmコマンドを使用してプロキシ・コントローラを停止できます。

プロキシ・コントローラを停止する手順

  1. rootとしてプロキシ・コントローラ・システムにログインします。

  2. proxyadmコマンドとstopサブコマンドを使用して、プロキシ・コントローラを停止します。

    次のオプションを使用できます。

    • -h | --help: サブコマンドの使用方法の概要を表示します。

    • -w | --wait: すべてのサービスが開始するまで、proxyadmが終了しません。

    • -t | --temporary: 状態の変更は次の再起動までの一時的なものです。

    • -v | --verbose: 冗長エラーおよび情報メッセージを表示します。

    • -l | --logfile <logfile>: proxyadmのすべての出力を<logfile>に取得します。

    例:

    # ./proxyadm stop -w
    proxyadm: Shutting down Proxy Controller using SMF...
    proxyadm: Proxy Controller services have stopped
    #
    

    プロキシ・コントローラが停止されます。

2.10.7 メンテナンス・モードへのプロキシ・コントローラの切替え

プロキシ・コントローラをメンテナンス・モードにすることができます。メンテナンス・モードでは、プロキシ・コントローラが新しいアセットを検出したり、アセット移行のターゲットになったりすることはできません。ただし、プロキシ・コントローラは現在のアセットの管理を継続します。

  1. 「Administration」ペインでプロキシ・コントローラを選択します。

  2. 「Actions」ペインで「Put in Maintenance Mode」をクリックします。

    確認ウィンドウが表示されます。

  3. 「OK」をクリックします。

    プロキシ・コントローラがメンテナンス・モードになります。

2.10.8 プロキシ・コントローラのメンテナンス・モードの解除

プロキシ・コントローラのメンテナンス・モードを解除できます。プロキシ・コントローラのメンテナンス・モードが解除されると、通常どおりアセットを検出したり、アセット移行のターゲットになったりすることができます。

  1. 「Administration」ペインでプロキシ・コントローラを選択します。

  2. 「Actions」ペインで「Clear Maintenance Mode」をクリックします。

    確認ウィンドウが表示されます。

  3. 「OK」をクリックします。

    プロキシ・コントローラのメンテナンス・モードが解除されます。

2.11 プロキシ・コントローラ・ネットワークの管理

プロキシ・コントローラは、ネットワーク上のアセットを管理するためにネットワークへのアクセス権が必要です。プロキシ・コントローラを特定のネットワークに関連付けて、それらのネットワークを有効または無効にすることができます。


注意:

プロキシ・コントローラが接続しているアセットが複数のネットワークを使用しているときに、プロキシ・コントローラとエージェントの間の管理トラフィックが特定のネットワークを使用する必要がある場合、プロキシ・コントローラは使用可能なNICを識別するためにNICホワイトリスト・ファイルが必要です。

2.11.1 ネットワークとプロキシ・コントローラとの関連付け

ネットワークをプロキシ・コントローラに関連付けることができます。プロキシ・コントローラは、関連付けられているすべてのネットワーク上のアセットを管理できます。プロキシ・コントローラに関連付けることができるネットワークは、プロキシ・コントローラからアクセスできるものだけです。

ネットワークを関連付ける手順

  1. 「Administration」ペインで、ネットワークを関連付けるプロキシ・コントローラを選択します。

  2. 「Actions」ペインで「Associate Networks」をクリックします。「Network/Proxy Controller Associations」ページが表示されます。

  3. 矢印ボタンを使用して、「Associate with Proxy Controller」リストに対してネットワークを追加または削除します。

  4. 「Finish」をクリックして、選択したネットワークをプロキシ・コントローラに関連付けます。

2.11.2 プロキシ・コントローラでのネットワークの有効化または無効化

プロキシ・コントローラについて特定のネットワークを有効または無効にすることができます。ネットワークはプロキシ・コントローラに関連付けられるとデフォルトで有効になります。

有効化されたネットワークは正常に使用されます。プロキシ・コントローラは、無効化されたネットワーク上のアセットを管理できません。アセットの管理に使用されているプロキシ・コントローラについてネットワークを無効にしようとすると、ネットワークを無効にする前に、それらのアセットを別のプロキシ・コントローラに移行するように求められます。

ネットワークを有効化または無効化する手順

  1. 「Administration」ペインでプロキシ・コントローラを選択します。

  2. 「Actions」ペインで「Enable/Disable Networks」をクリックします。

  3. 矢印ボタンを使用して、「Enabled networks」リストと「Disabled networks」リストにネットワークを追加します。

  4. 「Finish」をクリックします。

  5. アセットの管理に使用されているネットワークを無効にしようとすると、アセットを移行するためのポップアップが表示されます。「Yes」をクリックすると移行のウィザードが起動されます。「No」をクリックすると、現在のプロキシ・コントローラと関連付けられているアセットが管理されない状態になります。

  6. 移行ウィザードを起動したときに、別のプロキシ・コントローラが使用可能な場合は、「Migrate Assets」ページが表示されます。アセットのために別のプロキシ・コントローラを選択して、「Migrate」をクリックします。

選択したネットワークが有効または無効になります。

2.12 強力な暗号スイート構成を使用するプロキシ・コントローラの構成

強力な暗号スイート構成を使用するアセットを検出する場合、2つのポリシー・ファイルをダウンロードして、それらをプロキシ・コントローラ・システムに移動する必要があります。

強力な暗号スイート構成を使用するプロキシ・コントローラを構成する手順

  1. インターネットに直接接続するシステムで、http://www.oracle.com/technetwork/java/javase/downloads/jce-7-download-432124.htmlにナビゲートします。

  2. 「Accept License Agreement」を選択します。

  3. UnlimitedJCEPolicyJDK7.zipリンクをクリックして、ファイルをダウンロードします。

  4. UnlimitedJCEPolicyJDK7.zipファイルを解凍します。

  5. local_policy.jarファイルとUS_export_policy.jarファイルをプロキシ・コントローラの/usr/jdk/jdk<latest version>/jre/lib/security/ディレクトリに移動します。

  6. プロキシ・コントローラ・システムを再起動します。

2.13 OSプロビジョニングのためのDHCPとサブネットの構成

OSプロビジョニングを実行するには、プロキシ・コントローラでDHCPを構成していることが必要です。DHCPを直接構成することも、外部DHCPサーバーを使用するようにプロキシ・コントローラに指定することもできます。また、特定のDHCPサーバーと連動するようにサブネットを構成することもできます。

2.13.1 DHCPの構成

プロキシ・コントローラでDHCPサービスを構成して有効化することができます。DHCPの構成によってプロキシ・コントローラで基本のDHCPサービスを構成および有効化し、OSプロビジョニング操作をサポートします。OSプロビジョニングが機能するために、プロキシ・コントローラはターゲット・ホストと同じサブネットに含まれる必要があります。

「DHCP Config」アクションにより、選択したプロキシ・コントローラ上でOracle Solaris DHCPサーバーまたはInternet Standards Consortium (ISC) DHCPサーバーが構成および有効化されます。

「DHCP Config」アクションでは、プロキシ・コントローラがDHCPサービスを提供するイーサネット・インタフェース(たとえばbge0)を指定する必要があります。プロキシ・コントローラのすべてのイーサネット・インタフェース上でDHCPサービスを確立できます。指定するプロキシ・コントローラのイーサネット・インタフェースは、OSプロビジョニングのターゲット・システムが接続しているネットワークに接続する必要があります。同様に、Provision OSウィザードの「Boot Network Device」フィールドで選択するイーサネット・インタフェースは、プロキシ・コントローラがDHCPサービスを提供しているネットワークに接続する必要があります。

「DHCP Config」アクションと「External DHCP Servers」アクションは相互に排他的です。これらいずれかのアクションを使用して、OSプロビジョニング操作をサポートするDHCPサービスを構成します。「DHCP Config」アクションがよく使用され、単純に実装できます。

次の図に基本的なDHCP構成を示します。

Provision OSウィザードは、ユーザーがプロキシ・コントローラ上に確立する基本のDHCPサービスを使用して、ターゲット・システムが要求する特定の識別情報を提供します。

図2-1「基本的なDHCP構成」に、基本的なDHCP構成を示します。

図2-1 基本的なDHCP構成

図2-1の説明が続きます
「図2-1 基本的なDHCP構成」の説明

DHCPサービスを構成する手順

  1. 「Administration」ペインで、DHCPサービスを構成するプロキシ・コントローラを選択します。

  2. 「Actions」ペインで「DHCP Config」をクリックします。「DHCP Configuration」ウィンドウが表示されます。

  3. 「DHCP Configuration」ダイアログ・ボックスに次の情報を指定します。

    • DHCP Server: Internet Standards Consortium (ISC)参照DHCPサーバーまたはOracle SolarisネイティブDHCPサーバーを実装するために、ISCまたはOracle Solarisを選択します。通常、ISCサーバーをお薦めします。

    • Interfaces: 矢印ボタンを使用して、正しいプロキシ・コントローラ・インタフェース(1つまたは複数)を選択したインタフェースのリストに追加します。選択したインタフェース(1つまたは複数)にDHCPサービスが提供されます。DHCP構成は、プロキシ・コントローラ上の複数のイーサネット・インタフェースに対応できます。

    • Enable DHCP: このオプションを選択して、選択したDHCPサーバーを有効にします。

  4. 「Configure DHCP」をクリックして、指定したDHCP構成を保存します。

  5. DHCP構成の既存のサブネットが削除されることが警告によって通知されます。「Yes」をクリックしてアクションを受け入れ、操作を続行します。

  6. DHCP構成ジョブが発行されたことがメッセージによって通知されます。「OK」をクリックしてメッセージを閉じます。ジョブが完了すると、DHCPサービスを使用できるようになります。


注意:

プロキシ・コントローラ上にDHCPサーバーを構成して、複数のイーサネット・インタフェースをリスニングするようにできます。たとえば、プロキシ・コントローラの次のネットワーク構成があるとします。
e1000g0  10.0.0.2
e1000g1  192.168.1.2
e1000g2  172.16.12.2

DHCPサーバーがe1000g1とe1000g2をリスニングするように構成する場合、ターゲット・システムのIPアドレスは192.168.1.0/24または172.16.12.0/24の範囲に含まれる必要があります。


2.13.2 サブネットの構成

OSプロビジョニングに加えてプロキシ・コントローラ上のDHCPサーバーを使用するようにサブネットを構成できます。または、外部DHCPサーバーで使用されるサブネットを定義できます。

外部DHCPサーバーを使用している場合を除き、サブネットの構成は、OSプロビジョニングで必要な基本のDHCPサービスを確立するためには必要ありません。

サブネットは次の理由で構成します。

  • IPアドレス、DNSサーバーおよびルーターの情報をシステムに提供します。システムは、プロキシ・コントローラがOSプロビジョニングのために基本的なDHCPサービスを提供しているのと同じネットワーク上でこれらの情報を要求できます。

  • プロキシ・コントローラ上でDHCPサーバーを構成するかわりに、外部DHCPサーバーを構成する場合は、リレーされたDHCPリクエストを受信する可能性がある各ネットワークのサブネットを構成する必要があります。

IPアドレス範囲の指定

「Subnets」アクションを使用して、DHCPサーバーがシステム(アドレスを要求するシステム)への割当てに使用できるIPアドレスの範囲を指定します。サブネットの「Low IP Address」フィールドと「High IP Address」フィールドに指定するIPアドレスによって、IPアドレス範囲の境界が定義されます。

指定した範囲に含まれるIPアドレスは、OSプロビジョニング操作には使用できません。たとえば、192.168.0.64と192.168.0.128を下限と上限のIPアドレスとして指定した場合、下限と上限のアドレスを含め範囲内のすべてのIPアドレスは、Provision OSウィザードの「IP Address」フィールドまたは「IP Address Ranges」フィールドの値として使用できません。

サブネットを構成する手順

  1. 「Administration」ペインで、DHCPサブネットを構成するプロキシ・コントローラを選択します。

  2. 「Actions」ペインで「Subnets」を選択します。「DHCP Subnets Configuration」ウィンドウが表示されます。

  3. ドロップダウン・リストからサブネットを選択します。新しいサブネットを作成するには「Create New Subnet」を選択します。既存のサブネットを変更するには、ドロップダウン・リストから既存のサブネットを選択します。「Refresh」ボタンを使用するとサブネットのリストが更新されます。

  4. 「DHCP Subnets Configuration」ダイアログ・ボックスに次の情報を指定します。

    • Subnet Name: DHCPサービスを確立または変更するサブネットの名前を入力します。

    • Network IP: ネットワーク・アドレスを入力します。

    • Network Interface: ネットワーク・インタフェースを選択します。

    • Netmask: ネットワークのネットマスクを入力します。

    • Gateway IP: ゲートウェイIPを入力します。

    • IP Range: このサブネット上のシステムが使用するIPアドレス範囲の上限と下限として使用するIPアドレスを入力します。

    • Name Server: システムが使用するDNSサーバーのIPアドレスを入力します。

    • Domain Name: システムがホスト名を解決するために使用するDNSドメインの名前を入力します。

  5. 「Create Subnet」をクリックして、指定したサブネット構成を作成します。または、「Save Subnet」をクリックして、変更内容を既存のサブネットに保存します。サブネットを作成するジョブが発行されたことがメッセージによって通知されます。「OK」をクリックしてメッセージを閉じます。

2.13.3 外部DHCPサーバーの構成

プロキシ・コントローラの外部にあるDHCPサーバーを使用して、OSプロビジョニング操作で必要とされるDHCPサービスを提供することができます。

「DHCP Config」アクションと「External DHCP Servers」アクションは相互に排他的です。これらいずれかのアクションのみを使用して、OSプロビジョニング操作をサポートするDHCPサービスを構成します。「DHCP Config」アクションがよく使用され、単純に実装できます。

図2-2「外部DHCPサーバーを使用するDHCP構成」に、外部DHCPサーバーを使用するDHCP構成を示します。

図2-2 外部DHCPサーバーを使用するDHCP構成

図2-2の説明が続きます
「図2-2 外部DHCPサーバーを使用するDHCP構成」の説明

scinstall_ext_dhcp.plスクリプトを外部DHCPサーバーで実行して、プロキシ・コントローラと外部DHCPサーバーの通信を確立します。「Subnets」ペインに、DHCPリレー・トラフィックが予期されるサブネットを定義できます。「External DHCP Servers」ペインは、Provision OSウィザードが提供するDHCP構成情報をリレーするようにプロキシ・コントローラを構成します。Provision OSウィザードは、ターゲット・システムが要求する特定の識別情報を提供します。ターゲット・システムがDHCPリクエストを作成し、外部DHCPサーバーにリレーされます。外部DHCPサーバーをプロキシ・コントローラに接続するルーターまたは他のネットワーク・アセットは、DHCPリレー機能を有効にしておく必要があります。

外部DHCPサーバーの要件

「External DHCP Servers」アクションはOracle Solaris DHCPサーバーとのみ互換性があります。ISC DHCPサーバーには対応しません。

始める前に

外部DHCPサーバーを構成するには、前提条件として次のタスクが必要です。

  • ネットワークを構成するネットワーク・ルーター、スイッチまたはシステムで、DHCPのリレーまたは転送サービスを確立します。必要な手順はこれらのコンポーネントのマニュアルを参照してください。

  • scninstall_ext_dhcp.plスクリプトを使用して、プロキシ・コントローラと外部DHCPサーバーの間の通信チャネルを確立します。scninstall_ext_dhcp.plスクリプトによって、パスワードを必要とせずにDHCPサーバーへのsshアクセスが有効になります。

scninstall_ext_dhcp.plスクリプトを外部DHCPサーバーにインストールする手順

wgetを使用して、プロキシ・コントローラのscninstall_ext_dhcp.plスクリプトを外部DHCPサーバーで取得する必要があります。

  1. 外部DHCPサーバーで、次のコマンドを実行してscninstall_ext_dhcp.plスクリプトをプロキシ・コントローラから取得します。

    # wget http://proxy_ip:8004/pub/scninstall_ext_dhcp.pl
    

    proxy_ipはプロキシ・コントローラのIPアドレスです。

  2. スクリプトの実行権限を付与します。

    # chmod +x scninstall_ext_dhcp.pl
    
  3. rootユーザーとしてスクリプトをインストールします。

    # ./scninstall_ext_dhcp.pl install
    

    これによって次のアクションが実行されます。

  • scnospadminユーザーを設定します。

  • プロキシ・ディレクトリからSUNWscnosp-extdhcpパッケージをダウンロードします。

  • scnospadminユーザーが実行できる限られたコマンドのための構成ファイルを設定します。

  • SSHキーを設定して、プロキシ・コントローラから外部DHCPサーバーへのSSH/SCPコマンドがパスワードなしで許可されるようにします。


注意:

wgetを使用して、プロキシ・コントローラのscninstall_ext_dhcp.plスクリプトを別の外部DHCPサーバーにコピーしてください。

外部DHCPサーバーを構成する手順

  1. 「Administration」ペインで、外部DHCPサーバーを構成するプロキシ・コントローラを選択します。

  2. 「Actions」ペインで「External DHCP Servers」を選択します。「External DHCP Servers Configuration」ダイアログ・ボックスが表示されます。

  3. DHCPサーバーを選択します。選択したプロキシ・コントローラ上で新しいDHCPサーバーを作成するには、「Create New DHCP Server」を選択します。既存のDHCPサーバーを変更するには、ドロップダウン・リストから既存のDHCPサーバーを選択します。「Refresh」ボタンを使用するとDHCPサーバーのリストが更新されます。

  4. 「External DHCP Servers Configuration」ダイアログ・ボックスに次の情報を指定します。

    • DHCP Server Name: DHCPサーバーの名前を入力します。

    • DHCP Server IP: DHCPサーバーのIPアドレスを入力します。

    • Network IP: DHCPサービスを確立または変更するネットワーク・アドレスを入力します。

    • Network Interface: ネットワーク・インタフェースを選択します。

    • DHCP Type: Internet Standards Consortium (ISC)参照DHCPサーバーまたはOracle SolarisネイティブDHCPサーバーを実装するために、ISCまたはOracle Solarisを選択します。

    • Netmask: DHCPサービスを確立または変更するネットワークのネットマスクを入力します。

    • Gateway IP: ゲートウェイIPを入力します。

    • IP Range: このサブネット上のシステムが使用するIPアドレス範囲の上限と下限として使用するIPアドレスを入力します。

    • Name Server: システムが使用するDNSサーバーのIPアドレスを入力します。

    • Domain Name: システムがホスト名を解決するために使用するDNSドメインの名前を入力します。

  5. 「Create DHCP Server」をクリックして、指定したDHCPサーバー構成を作成します。外部DHCPサーバーを作成するジョブが発行されたことがメッセージによって通知されます。「OK」をクリックしてメッセージを閉じます。

2.14 WANブート用のエンタープライズ・コントローラの構成

Oracle Enterprise Manager Ops CenterがOracle Solarisオペレーティング・システムにインストールされると、エンタープライズ・コントローラはWANブート・サーバーになるように構成されます。

WANブートはOracle Solaris 11プロビジョニングのデフォルト接続です。Oracle Solaris 10プロビジョニングではDHCPまたはWANブートを使用できます。

2.14.1 WANブート・ステータスのチェック

  1. 「Navigation」ペインの「Administration」セクションを展開し、エンタープライズ・コントローラをクリックします。

  2. 「Configuration」タブをクリックします。

  3. 「Subsystem」メニューで「OS Provisioning」を選択します。

    • Oracle Solaris 11の場合は、usesS11WANBootというプロパティが表示されます。

    • Oracle Solaris 10の場合は、usesS10WANBootというプロパティが表示されます。

2.14.2 WANブートの有効化または無効化

  1. 「Navigation」ペインの「Administration」セクションを展開し、エンタープライズ・コントローラをクリックします。

  2. 「Configuration」タブをクリックします。

  3. 「Subsystem」メニューで「OS Provisioning」を選択します。

    • Oracle Solaris 11の場合は、usesS11WANBootというプロパティが表示されます。

    • Oracle Solaris 10の場合は、usesS10WANBootというプロパティが表示されます。

  4. WANブートを有効化するには、プロパティの値をtrueに変更します。

  5. WANブートを無効化するには、プロパティの値をfalseに変更します。

WANブート接続の使用方法の詳細は、『Oracle Enterprise Manager Ops Center機能リファレンス・ガイド』を参照してください。

2.15 HTTPプロキシの変更

エンタープライズ・コントローラがHTTPプロキシを介してインターネットにアクセスする場合は、HTTPプロキシ情報を編集できます。

HTTPプロキシを変更する手順

  1. 「Navigation」ペインの「Administration」セクションで「Enterprise Controller」をクリックします。

  2. 「Actions」ペインで「Change HTTP Proxy」をクリックします。

    Change HTTP Proxyウィザードが表示されます。

  3. 次のようなHTTPプロキシ情報を入力します。

    • Server: HTTPプロキシ・サーバーのアドレスを入力します。

    • Port Number: HTTPプロキシ上でアクセスするポート番号を入力します。

    • User Name: HTTPプロキシが認証を必要とする場合は必須です。

    • Password: HTTPプロキシが認証を必要とする場合は必須です。

  4. 「Update」をクリックします。HTTPプロキシ情報が更新されます。