Oracle® Fusion Middleware Oracle Directory Server Enterprise Editionデプロイメント・プランニング・ガイド 11g リリース1 (11.1.1.7.0) B72436-01 |
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ソリューションのライフ・サイクルのビジネス分析フェーズでは、ビジネス上の問題を分析することによってビジネス目標を定義します。次に、これらの目標を満たすためのビジネス要件とビジネス上の制約を特定します。
この章は次の項で構成されています。
ビジネス分析では、まずビジネス目標を記述します。次に、解決する必要があるビジネス上の問題を分析し、ビジネス目標を達成するために満たす必要があるビジネス要件を特定します。目標の達成能力を制限するビジネス上の制約を考慮します。ビジネス要件と制約の分析の結果は、一連のビジネス要件のドキュメントになります。
完成した一連のビジネス要件のドキュメントは、技術要件フェーズで、技術要件を導出するための基礎として使用します。ソリューションのライフ・サイクル全体で、ビジネス分析フェーズで実行した分析に従って計画およびソリューションの成果を評価します。
ビジネス要件を簡単に特定する方法はありません。ビジネス要件は、アイデンティティ管理ソリューションが要求される利害関係者との連携、ビジネス領域に関する知識、および適用される創造的思考に基づいて特定されます。第2章「Directory Server Enterprise Editionのビジネス分析」では、ビジネス・分析プロセスについて詳細に説明します。ビジネス要件および制約を定義するときに考慮する要素も含まれています。この項では、堅牢なディレクトリ・サービスのニーズが発生するビジネス要件について概説します。
企業では、次の状況において、堅牢なディレクトリ・サービスが必要となります。
常に拡大および変化するユーザー基盤に対して、重要なビジネス情報およびアプリケーションを利用できるようにする必要がある場合。
これらのユーザーには、内部の従業員だけでなく、顧客、ベンダー、その他のビジネス・パートナなどの外部ユーザーも含まれる場合。
ディレクトリ・サービスでは、効果的なアイデンティティ管理インフラストラクチャのための可用性、スケーラビリティ、管理性、統合性およびセキュリティの高い基盤を提供することによって、これらのニーズに対応します。このサービスによって、ユーザーのアイデンティティ・データを管理し、Webサービス・アーキテクチャのデータをサポートするための集中管理データ・ストアを提供する一連の機能が提供されます。
効果的なアイデンティティ管理インフラストラクチャを提供することで、ディレクトリ・サービスは、ユーザーおよびユーザーによるジョブの実行に役立つアプリケーションへのサービス提供に関連する主な企業の要件に対処します。
これらの要件には次のものがあります。
大規模で常に変化するユーザー・グループへのアクセスの解放
情報を適切に使用および共有し、機密情報を保護するためのセキュリティの向上
常に信頼できるアクセスおよび高いサービス品質をユーザーやアプリケーションに対して提供すること
ビジネス・ニーズの変化やユーザー要件の拡大に関係なく、情報およびサービスを効率的にユーザーに提供すること
可用性、信頼性およびセキュリティの高い、高パフォーマンスのディレクトリ・サービスは、主なビジネス要因(セキュリティ、サービス品質およびコスト効率)に対応します。