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Oracle® Fusion Middleware Oracle Directory Server Enterprise Editionデプロイメント・プランニング・ガイド
11g リリース1 (11.1.1.7.0)
B72436-01
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13 SolarisでのLDAPベースのネーミングの使用

この章では、Solarisオペレーティング・システム(Solaris OS)に用意されているLDAPネーミング・サービスの概要を示します。Solaris OSでサポートされているネーミング・サービスの詳細は、『システム管理 (ネーミングとディレクトリサービス : DNS、NIS、LDAP編)』の第I部「ネーミングとディレクトリサービスについて」を参照してください。

この章の内容は、次のとおりです。

13.1 LDAPベースのネーミング・サービスを使用する理由

ネーミング・サービスは中央の場所に情報を格納するため、ユーザー、マシンおよびアプリケーションはネットワーク上で通信できます。この情報には、マシン(ホスト)の名前とアドレス、ユーザー名、パスワード、アクセス権限、グループ・メンバーシップ、プリンタなどが含まれます。中央のネーミング・サービスがない場合は、各マシンでこの情報の独自のコピーを保持する必要があります。ネーミング・サービス情報は、ファイル、マップまたはデータベース表に格納できます。すべてのデータを集中管理すると、管理がより容易になります。

Solaris OSでは、次のネーミング・サービスがサポートされています。

ただし、オラクル社では、LDAPベースのネーミング・サービスに移行する方針です。

LDAPネーミング・サービスには、他のネーミング・サービスと比べて次の利点があります。

LDAPネーミング・サービスには、他の制限があります。

Solaris OSでは、LDAPネーミングとOracle Directory Serverおよび他のLDAPディレクトリ・サーバーの組合せがサポートされています。Oracle Directory Serverを使用することをお薦めしますが、必須ではありません。

13.2 NISからLDAPへの移行

NISからLDAPへの移行は、データ移行とクライアント移行の2つの手順で構成されています。Solaris OSは、両方の手順を実行するNISからLDAPへの移行サービス(N2Lサービス)を提供します。

N2Lサービスによって、NISマスター・サーバー上の既存のNISデーモンが、NISからLDAPへの移行デーモンに置き換えられます。また、NISからLDAPへのマッピング・ファイルも、N2Lサービスによってそのサーバー上に作成されます。マッピング・ファイルでは、NISマップ・エントリとLDAPの対応するディレクトリ情報ツリー(DIT)エントリ間のマッピングが指定されています。この移行を通過したNISマスター・サーバーは、N2Lサーバーと呼ばれます。

NISスレーブ・サーバーは、通常どおり動作を続けます。スレーブ・サーバーは、N2Lサーバーが通常のNISマスターである場合と同様、N2Lサーバーからデータを定期的に更新します。inityp2lスクリプトは、これらの構成ファイルの初期設定に役立ちます。N2Lサーバーが設定されると、構成ファイルを直接編集してN2Lを保守できるようになります。

N2Lサービスでは、次の操作がサポートされています。

NISからLDAPに移行する方法の詳細は、システム管理ガイド: ネーミングおよびディレクトリ・サービス(DNS、NISおよびLDAP)の第15章「NISからLDAPへの移行(概要/タスク)」を参照してください。

13.3 NIS+からLDAPへの移行

NIS+データとLDAPの同期を維持できますが、以前は、このような同期には外部エージェントが必要でした。ただし、現在はNIS+デーモンにより、LDAPサーバーをNIS+データのデータ・リポジトリとして使用できるようになりました。この機能を使用すると、NIS+およびLDAPクライアントで同じネーミング・サービス情報を共有できます。したがって、メイン・ネーミング・サービスとしてNIS+を使用する状態から、同じロールでLDAPを使用する状態への移行が容易になりました。