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Oracle® Identity Manager Concurコネクタ・ガイド
リリース11.1.1
E85882-02
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1 Concurコネクタについて

ConcurコネクタはOracle Identity ManagerをConcurターゲット・システムと統合します。

この章の構成は、次のとおりです。

1.1 Concurコネクタの概要

Oracle Identity Managerは、オンプレミスまたはクラウドにあるアプリケーションに対してセルフ・サービス、コンプライアンス、プロビジョニングおよびパスワード管理サービスを提供する集中アイデンティティ管理ソリューションです。Oracle Identity Managerコネクタは、Oracle Identity Managerと外部のアイデンティティ認識アプリケーションの統合に使用されます。Concurコネクタにより、Oracle Identity Managerのアイデンティティ・データの管理された(ターゲット)リソースとしてConcurを使用できます。

Concurコネクタは、Concurへの接続とユーザー認証の実行にOAuth 2.0セキュリティ・プロトコル(ネイティブ・フロー)を使用します。

Concurコネクタは、アカウント管理(またはターゲット・リソース管理)モードで実行するように構成できます。コネクタのこのモードでは、Concurで直接作成または変更したユーザーの情報をOracle Identity Managerにリコンサイルできます。このデータは、Oracle Identity Managerユーザーに割り当てられたリソース(つまりアカウント)の追加または変更に使用されます。また、Oracle Identity Managerを使用して、Oracle Identity Managerユーザーに割り当てられたConcurアカウントのプロビジョニングまたは更新を行うことができます。

ノート:

このマニュアルの一部では、Concurをターゲット・システムと呼んでいます。

1.2 Concurコネクタの動作保証済コンポーネント

コネクタをインストールおよび使用するために必要なソフトウェア・コンポーネントおよびそのバージョンは次のとおりです。

表1-1 動作保証されているコンポーネント

コンポーネント 要件

Oracle Identity GovernanceまたはOracle Identity Manager

Oracle Identity Managerの次のリリースのいずれかを使用できます。

  • Oracle Identity Governance 12c (12.2.1.4.0)

  • Oracle Identity Governance 12c (12.2.1.3.0)

  • Oracle Identity Manager 11g リリース2 PS2 BP09 (11.1.2.2.9)

  • Oracle Identity Manager 11g リリース2 PS3 BP06 (11.1.2.3.6)

ターゲット・システム

Concur

コネクタ・サーバー

11.1.2.1.0

コネクタ・サーバーJDK

JDK 1.6以上

1.3 Concurコネクタの動作保証済言語

コネクタでサポートされている言語は次のとおりです。

  • アラビア語

  • 中国語(簡体字)

  • 中国語(繁体字)

  • チェコ語

  • デンマーク語

  • オランダ語

  • 英語(アメリカ合衆国)

  • フィンランド語

  • フランス語

  • フランス語(カナダ)

  • ドイツ語

  • ギリシャ語

  • ヘブライ語

  • ハンガリー語

  • イタリア語

  • 日本語

  • 韓国語

  • ノルウェー語

  • ポーランド語

  • ポルトガル語

  • ポルトガル語(ブラジル)

  • ルーマニア語

  • ロシア語

  • スロバキア語

  • スペイン語

  • スウェーデン語

  • タイ語

  • トルコ語

1.4 Concurコネクタのアーキテクチャ

Concurコネクタは、アカウント管理(またはターゲット・リソース管理)モードで実行するように構成でき、Integrated Common Framework (ICF)コンポーネントを使用して実装されます。

このコネクタでは、次の操作が可能です。

  • プロビジョニング

    プロビジョニングでは、Oracle Identity Managerを使用して、Concurでユーザーを作成および更新します。Oracle Identity Managerユーザーに対してConcurリソースの割当て(または、プロビジョニング)を行うと、Concurにそのユーザーのアカウントが作成されます。Oracle Identity Manager関連では、プロビジョニングという用語は、Oracle Identity Managerを使用したConcurアカウントに対する更新(有効化または無効化など)を意味する場合にも使用されます。

  • ターゲット・リソースのリコンシリエーション

    ターゲット・リソース・リコンシリエーションを実行するには、Concur Reconスケジュール済ジョブが使用されます。コネクタは、Concurからユーザー属性値をフェッチします。

図1-1 Concurコネクタのアーキテクチャ

図1-1の説明が続きます
「図1-1 Concurコネクタのアーキテクチャ」の説明

図1-1に示されているように、Concurは、Oracle Identity Managerのターゲット・リソースとして構成されます。Oracle Identity Managerで実行されるプロビジョニング操作を通じて、Oracle Identity ManagerユーザーのアカウントがConcurで作成および更新されます。

リコンシリエーションを通じて、Concurで直接作成および更新されるアカウント・データがOracle Identity Managerにフェッチされ、対応するOracle Identity Managerユーザーに対して格納されます。

Concurコネクタは、ICFコンポーネントを使用して実装されます。ICFコンポーネントは、すべてのOracle Identity Managerコネクタに共通の基本的なリコンシリエーションおよびプロビジョニング処理を提供します。さらに、ICFには接続プーリング、バッファリング、タイムアウト、フィルタリングなどの一般的な機能も用意されているため、開発者がこれらの機能を自分で実装する必要はありません。ICFはOracle Identity Managerに同梱されています。したがって、ICFを構成したり変更する必要はありません。

プロビジョニング中に、アダプタがICF操作を呼び出すと、ICFがConcurコネクタ・バンドルで作成操作を呼び出し、バンドルがOAuth APIを呼び出します。OAuth APIは、OAuthメソッドを(ネイティブ・フロー)を使用してConcurに接続します。Concurは、バンドルからのプロビジョニング・データを受け入れ、操作を実行し、バンドルにレスポンスを返します。バンドルは、それをアダプタに渡します。

1.5 Concurコネクタでサポートされるユースケース

Concurコネクタには、Oracle Identity Managerを介してConcurのユーザーとそのアカウントを管理するのに役立つユーザー管理機能が用意されています。

Concurコネクタを使用できるシナリオを次に示します。

組織は、出張経費(T&E)情報の管理にConcurを使用します。管理者は、Concurポータルで該当する従業員にログイン・アクセス権を作成して付与する必要があります。従業員が退社した場合、管理者はその従業員がConcurアカウントを使用して機密情報にアクセスできなくなっていることを確認する必要があります。こうしたタスクを従業員ごとに手動で行うのは煩雑であり、間違いも起こりやすくなります。Concurコネクタを使用すると、Concurのユーザー・アカウントのプロビジョニングとプロビジョニング解除を自動化できます。新しい従業員が入社したときは、Oracle Identity Managerで定義されたアクセス・ポリシーに基づいて、適切なアクセス権限を使用してその従業員に対してConcurアカウントが自動的にプロビジョニングされます。同様に、退社するときは、そのアカウントが自動的に非アクティブ化されます。これにより時間が節約され、手動の作業がほとんどないため、セキュリティも強化されます。

1.6 Concurコネクタの機能

コネクタの機能には、コネクタ・サーバーのサポート、完全リコンシリエーション、制限付きリコンシリエーション、および削除されたアカウント・データのリコンシリエーションが含まれます。

1.6.1 完全リコンシリエーション

完全リコンシリエーションでは、すべてのレコードがターゲット・システムからOracle Identity Managerにフェッチされます。

完全リコンシリエーションと増分リコンシリエーションの実行の詳細は、完全リコンシリエーションを参照してください。

1.6.2 コネクタ・サーバーのサポート

コネクタ・サーバーはICFによって提供される機能の1つです。コネクタ・アーキテクチャでは、1つ以上のコネクタ・サーバーを使用することで、アプリケーションと外部にデプロイされたバンドルとの通信が可能になります。

このコネクタのインストール・オプションの詳細は、インストールを参照してください。

関連項目:

コネクタ・サーバーのインストールと構成、およびコネクタ・サーバーの実行の詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle Identity Managerのためのアプリケーションの開発とカスタマイズのアイデンティティ・コネクタ・サーバーの使用に関する項を参照してください。

1.6.3 制限付きリコンシリエーション

指定されたフィルタ基準に基づいて、ターゲット・システムからレコードをリコンサイルできます。リコンシリエーション実行時に、Oracle Identity Managerにフェッチされるレコードを制限またはフィルタ処理するために、リコンサイルが必要な追加または変更されたターゲット・システム・レコードのサブセットを指定できます。

ユーザー・リコンシリエーション・スケジュール済ジョブのFilter Suffix属性の値としてリコンシリエーション・フィルタを設定できます。Filter Suffix属性は、ターゲット・システムからのフィルタ済レスポンスを取得するベースとなるAPIにフィルタを割り当てるのに役立ちます。

制限付きリコンシリエーションの詳細は、Concurコネクタの制限付きリコンシリエーションを参照してください。

1.6.4 アカウント・データの変換および検証

リコンシリエーションおよびプロビジョニング時にOracle Identity Managerとの間で移動または送信されるアカウント・データの検証を構成できます。さらに、リコンシリエーション時にOracle Identity Managerに移動されるアカウント・データの変換も構成できます。

詳細は、次の項を参照してください。

1.7 コネクタ操作時に使用される参照定義

リコンシリエーションおよびプロビジョニング時に使用される参照定義は事前構成されます。コネクタをデプロイしたら、事前構成済参照定義がOracle Identity Managerで自動的に作成されます。これらの参照定義には、値が事前移入されるか、コネクタのデプロイ後に値を手動で入力する必要があります。

1.7.1 Lookup.Concur.Configuration

Lookup.Concur.Configuration参照定義には、ターゲット・リソースのリコンシリエーションおよびプロビジョニング操作時に使用されるコネクタ構成エントリが含まれます。

表1-2に、この参照定義のデフォルト・エントリを示します。

ノート:

この参照定義のエントリは変更しないでください。

表1-2 Lookup.Concur.Configuration参照定義のエントリ

コード・キー デコード 説明

Bundle Name

org.identityconnectors.genericrest

このエントリは、コネクタ・バンドルの名前を保持します。

Bundle Version

1.0.1115

このエントリは、コネクタ・バンドルのバージョンを保持します。

Connector Name

org.identityconnectors.genericrest.GenericRESTConnector

このエントリは、コネクタ・クラスの名前を含みます。

customAuthClassName

oracle.iam.connectors.concur.auth.ConcurNativeAuth

このエントリは、ターゲット・システムへのユーザー・アクセスの認証に使用されるAuth Classの名前を含みます。

customParserClassName

oracle.iam.connectors.concur.parser.ConcurResponseParser

このエントリは、標準JSON形式ではないコネクタ操作のレスポンスの解析に使用されるParser Classの名前を含みます。

customPayload

"__ACCOUNT__.CREATEOP=<batch xmlns=\"http://www.concursolutions.com/api/user/2011/02\"><UserProfile><EmpId>$(EmployeeID)$</EmpId> <FeedRecordNumber>1</FeedRecordNumber><LoginId>$(__NAME__)$</LoginId><FirstName>$(FirstName)$</FirstName><LastName>$(LastName)$</LastName><Password>##$(__PASSWORD__)$##</Password><CtryCode>$(CountryofResidence)$</CtryCode><LocaleName>$(Locale)$</LocaleName><CrnKey>$(ReimbursementCurrency)$</CrnKey><Custom21>$(EmployeeAdministrationCountry)$</Custom21><Active>$(__ENABLE__)$</Active><EmailAddress>$(EmailAddress)$</EmailAddress><LedgerKey>$(Ledger)$</LedgerKey><Mi>$(MiddleName)$</Mi><ExpenseApproverEmployeeID>$(ExpenseApproverEmployeeID)$</ExpenseApproverEmployeeID></UserProfile></batch>",<UserProfile><EmpId>$(EmployeeID)$</EmpId><FeedRecordNumber>1</FeedRecordNumber><LoginId>$(__NAME__)$</LoginId><FirstName>$(FirstName)$</FirstName><LastName>$(LastName)$</LastName><Password>##$(__PASSWORD__)$##</Password><CtryCode>$(CountryofResidence)$</CtryCode><LocaleName>$(Locale)$</LocaleName><CrnKey>$(ReimbursementCurrency)$</CrnKey><Custom21>$(EmployeeAdministrationCountry)$</Custom21><Active>$(__ENABLE__)$</Active><EmailAddress>$(EmailAddress)$</EmailAddress><LedgerKey>$(Ledger)$</LedgerKey><Mi>$(MiddleName)$</Mi><ExpenseApproverEmployeeID>$(ExpenseApproverEmployeeID)$</ExpenseApproverEmployeeID></UserProfile></batch>","__ACCOUNT__.__PASSWORD__.UPDATEOP=<UserBatch xmlns=\"http://www.concursolutions.com/api/user/2011/02\"><User><LoginID>$(__UID__)$</LoginID><Password>##$(__PASSWORD__)$##</Password></User></UserBatch>"

このエントリは、標準JSON形式ではないすべてのコネクタ操作のリクエスト・ペイロード形式をリストします。

httpHeaderAccept

application/json

このエントリは、ヘッダーの、ターゲット・システムに対して期待する受入タイプを含みます。

httpHeaderContentType

application/xml

このエントリは、ヘッダーの、ターゲット・システムが予期するコンテンツ・タイプを含みます。

jsonResourcesTag

"__ACCOUNT__=Items"

このエントリは、リコンシリエーション中に単一ペイロード内の複数のエントリの解析のために使用されるJSONタグ値を含みます。

nameAttributes

"__ACCOUNT__.LoginID"

このエントリは、このコネクタにより処理されるすべてのオブジェクトの名前属性を含みます。たとえば、ユーザー・アカウントに使用される__ACCOUNT__オブジェクト・クラスの名前属性はLoginIDです。

opTypes

"__ACCOUNT__.CREATEOP=POST","__ACCOUNT__.UPDATEOP=POST","__ACCOUNT__.SEARCHOP=GET","__ACCOUNT__.__PASSWORD__.UPDATEOP=POST"

このエントリは、コネクタでサポートされる各オブジェクト・クラスのHTTP操作タイプを指定します。値はカンマ区切りで、次の形式です: OBJ_CLASS.OP=HTTP_OP

この形式において、OBJ_CLASSはコネクタ・オブジェクト・クラス、OPはコネクタ操作(CreateOp、UpdateOp、SearchOpなど)、およびHTTP_OPはHTTP操作(GET、PUT、またはPOST)です。

passwordAttribute

Password

このエントリは、OIMのコネクタの__PASSWORD__属性にマッピングされるターゲット・システム属性の名前を含みます。

relURIs

"__ACCOUNT__.CREATEOP=/api/user/v1.0/users","__ACCOUNT__.UPDATEOP=/api/user/v1.0/users","__ACCOUNT__.__PASSWORD__.UPDATEOP=/api/user/v1.0/users/password","__ACCOUNT__.SEARCHOP=/api/v3.0/common/users/$(Filter Suffix)$"

このエントリは、このコネクタでサポートされている各オブジェクト・クラスの相対URLおよびこれらのオブジェクト・クラスで実行可能なコネクタ操作を含みます。

たとえば、__ACCOUNT__.CREATEOP=/api/user/v1.0/users値は、/api/user/v1.0/usersが__ACCOUNT__オブジェクト・クラスで実行されるすべてのプロビジョニング作成操作の相対URLであることを示します。

statusAttributes

"__ACCOUNT__.Active"

このエントリには、アカウントのステータスを含むターゲット・システム属性の名前がリストされます。たとえば、ユーザー・アカウントに使用される__ACCOUNT__オブジェクト・クラスのステータス属性はActiveです。

uidAttributes

"__ACCOUNT__.LoginID"

このエントリは、このコネクタにより処理されるUserオブジェクト・クラスのUID属性を含みます。

デコードの値"__ACCOUNT__.LoginID"は、__ACCOUNT__オブジェクト・クラスのコネクタの__UID__属性(つまりGUID)が、ターゲット・システムのユーザー・アカウントの対応するUID属性であるLoginIDにマッピングされることを示します。

User Configuration Lookup

Lookup.Concur.UM.Configuration

このエントリは、ユーザー管理操作中に使用される構成情報を格納する参照定義の名前を保持します。

1.7.2 Lookup.Concur.UM.Configuration

Lookup.Concur.UM.Configuration参照定義は、ユーザー・オブジェクト・タイプに固有の構成エントリを含みます。この参照定義は、ターゲット・リソース・モードでのユーザー管理操作中に使用されます。

表1-3に、この参照定義のエントリを示します。

表1-3 Lookup.Concur.UM.Configuration参照定義のエントリ

コード・キー デコード 説明

Provisioning Attribute Map

Lookup.Concur.UM.ProvAttrMap

このエントリは、プロセス・フォーム・フィールドとターゲット・システム属性をマッピングする参照定義の名前を含みます。この参照定義は、ユーザー・プロビジョニング操作の際に使用されます。

Recon Attribute Map

Lookup.Concur.UM.ReconAttrMap

このエントリは、リソース・オブジェクト・フィールドとターゲット・システム属性をマッピングする参照定義の名前を含みます。この参照定義は、リコンシリエーションの際に使用されます。

1.7.3 Lookup.Concur.UM.ProvAttrMap

Lookup.Concur.UM.ProvAttrMap参照定義は、プロセス・フォーム・フィールドとターゲット・システム属性のマッピングを含みます。この参照定義は事前に構成されており、プロビジョニングの際に使用されます。

プロビジョニングのために新しいターゲット・システム属性をマッピングする場合には、この参照定義にエントリを追加できます。プロビジョニング用のユーザー属性の追加を参照してください。

表1-4に、この参照定義のデフォルト・エントリを示します。

表1-4 Lookup.Concur.UM.ProvAttrMap参照定義のデフォルト・エントリ

コード デコード

Country of Residence

CountryofResidence

Email Address

EmailAddress

Employee Administration Country

EmployeeAdministrationCountry

Employee ID

EmployeeID

First Name

FirstName

Id

__UID__

Last Name

LastName

Ledger

Ledger

Locale

Locale

Login ID

__NAME__

Manager

ExpenseApproverEmployeeID

Middle Name

MiddleName

Password

__PASSWORD__

Reimbursement Currency

ReimbursementCurrency

Status

__ENABLE__

1.7.4 Lookup.Concur.UM.ReconAttrMap

Lookup.Concur.UM.ReconAttrMap参照定義は、リソース・オブジェクト・フィールドとターゲット・システム属性のマッピングを含みます。この参照定義は事前に構成されており、リコンシリエーションの際に使用されます。

ターゲット・リソースのリコンシリエーションのために新しいターゲット・システム属性をマッピングする場合には、この参照定義にエントリを追加できます。リコンシリエーション用のユーザー属性の追加を参照してください。

表1-5に、この参照定義のデフォルト・エントリを示します。

表1-5 Lookup.Concur.UM.ReconAttrMap参照定義のデフォルト・エントリ

コード デコード

Email Address

PrimaryEmail

Employee ID

EmployeeID

First Name

FirstName

IsActive

IsActive=__ENABLE__?'Y':'N'

Last Name

LastName

ID

__UID__

Login ID

__NAME__

Middle Name

MiddleName

Status

__ENABLE__

1.7.5 Lookup.Concur.BooleanValues

Lookup.Concur.BooleanValues参照定義は、ターゲット・システムの一部のフィールドで使用されているブール値をOIMユーザー・フォームのフィールドに表示される対応するブール値にマップします。

表1-6に、この参照定義のデフォルト・エントリを示します。

表1-6 Lookup.Concur.BooleanValues参照定義のデフォルト・エントリ

コード デコード

N

False

Y

True

1.7.6 Lookup.Concur.Locale

Lookup.Concur.Locale参照定義は、ターゲット・システム・アカウントでサポートされているロケール・コードの情報を含みます。この設定は、日付と時間、ユーザーの名前、住所、および数字のカンマとピリオドの表示形式を決定します。

これは静的な参照定義です。この参照定義のエントリは手動で移入する必要があります。

この参照定義のコード・キー値とデコード値の形式は次のとおりです。
  • コード・キー: ターゲット・システム・アカウントでサポートされているロケール・コード。

  • デコード: 対応するロケールの名前。

表1-7に、この参照定義のサンプル・エントリを示します。

表1-7 Lookup.Concur.Locale参照定義のサンプル・エントリ

コード デコード

en_US

English (United States)

1.7.7 Lookup.Concur.CountryofResidence

Lookup.Concur.CountryofResidence参照定義は、Oracle Identity Managerで作成したターゲット・システム・ユーザー・アカウントの居住国として割当て可能な国の情報を含みます。これは静的な参照定義です。この参照定義のエントリは手動で移入する必要があります。

この参照定義のコード・キー値とデコード値の形式は次のとおりです。

  • コード・キー: 国を示す2文字のISOコード

  • デコード: 国名

表1-8に、この参照定義のデフォルト・エントリを示します。

表1-8 Lookup.Concur.CountryofResidence参照定義のデフォルト・エントリ

コード・キー デコード
US UNITED STATES

1.7.8 Lookup.Concur.Currency

Lookup.Concur.Currency参照定義は、ターゲット・システム・ユーザー・アカウントの償還通貨として割当て可能な通貨コードの情報を含みます。

Lookup.Concur.CountryofResidence参照定義でユーザーに対して構成した国に基づいてデフォルトの通貨コードを割り当てるか、この参照定義の値を選択することで通貨コードを更新します。

これは静的な参照定義であるため、この参照定義のエントリは手動で移入する必要があります。

この参照定義のコード・キー値とデコード値の形式は次のとおりです。

  • コード・キー: 通貨を示す3文字のISOコード

  • デコード: 対応する国と通貨名を示す2文字のコード

表1-9に、この参照定義のデフォルト・エントリを示します。

表1-9 Lookup.Concur.Currency参照定義のデフォルト・エントリ

コード・キー デコード

USD

US, Dollar

1.7.9 Lookup.Concur.EmployeeAdminCountry

Lookup.Concur.EmployeeAdminCountry参照定義は、ターゲット・システム・ユーザー・アカウントに選択した従業員を管理する国の情報を含みます。

特定の国のすべてのポリシーが従業員に適用されます。たとえば、カナダの従業員にアメリカ合衆国を指定すると、アメリカ合衆国のポリシーが従業員に適用されます。

これは静的な参照定義です。この参照定義のエントリは手動で移入する必要があります。

この参照定義のコード・キー値とデコード値の形式は次のとおりです。
  • コード・キー: 従業員を管理する国の2文字の国コード

  • デコード: 国の名前

表1-10に、この参照定義のデフォルト・エントリを示します。

表1-10 Lookup.Concur.EmployeeAdminCountry参照定義のデフォルト・エントリ

コード デコード

US

United States

1.7.10 Lookup.Concur.Ledger

Lookup.Concur.Ledger参照定義は、ターゲット・システム・ユーザー・アカウントに対する承認済アカウント・コード台帳の値を含みます。

ノート:

この参照定義にエントリを追加することや、値を変更することはできません。

表1-11に、この参照定義のデフォルト・エントリを示します。

表1-11 Lookup.Concur.Ledger参照定義のデフォルト・エントリ

コード デコード

DEFAULT

DEFAULT

1.8 ターゲット・リソースのリコンシリエーション時に使用されるコネクタ・オブジェクト

リコンシリエーション・ルール、リコンシリエーション・アクション、スケジュール済ジョブなどのコネクタ・オブジェクトは、ターゲット・システムからOracle Identity Managerにユーザー・レコードをリコンサイルするために使用されます。

Concur Target Resource User Reconciliationスケジュール済ジョブは、リコンシリエーションの実行開始に使用されます。このスケジュール済ジョブの詳細は、Concurコネクタのリコンシリエーション・スケジュール済ジョブを参照してください。

関連項目:

コネクタ・リコンシリエーションの汎用情報は、Oracle Fusion Middleware Oracle Identity Managerの管理のリコンシリエーションの管理に関する項を参照してください。

この項には、コネクタ・オブジェクトに関連する次のトピックが含まれます。

1.8.1 ターゲット・リソース・リコンシリエーション用のユーザー・フィールド

Lookup.Concur.UM.ReconAttrMap参照定義は、リソース・オブジェクト・フィールドとターゲット・システム属性をマップします。この参照定義は、ターゲット・リソース・ユーザー・リコンシリエーションの実行に使用されます。

この参照定義のエントリは次の形式です。
  • コード・キー: リソース・オブジェクトのリコンシリエーション・フィールド

  • デコード: ターゲット・システム属性の名前

表1-12に、この参照定義のエントリを示します。

表1-12 Lookup.Concur.UM.ReconAttrMap参照定義のエントリ

コード・キー デコード

Email Address

PrimaryEmail

Employee ID

EmployeeID

First Name

FirstName

IsActive

IsActive=__ENABLE__?'Y':'N'

Id

__UID__

Last Name

LastName

Login ID

__NAME__

Middle Name

MiddleName

Status

__ENABLE__

1.8.2 ターゲット・リソース・リコンシリエーションのリコンシリエーション・ルール

ターゲット・リソース・リコンシリエーションのリコンシリエーション・ルールは、Oracle Identity Managerがターゲット・システムで新たに検出されたアカウントを割り当てる必要があるアイデンティティを特定するためにリコンシリエーション・エンジンで使用されます。

ユーザーのプロセス一致ルールを次に示します。

ルール名: Concur User Recon Rule

ルール要素: Email Equals Login ID

このルール要素の意味は次のとおりです。
  • Emailは、ユーザーの電子メールアドレス属性です。

  • Login IDは、Concurアカウントの一意のID属性です。

1.8.3 ターゲット・リソース・リコンシリエーションのリコンシリエーション・ルールの表示

リコンシリエーション・ルールは、Oracle Identity Manager Design Consoleを使用して表示できます。

ターゲット・リソース・リコンシリエーションのリコンシリエーション・ルールを表示するには、次のようにします。

  1. Oracle Identity Manager Design Consoleにログインします。
  2. 「開発ツール」を開きます。
  3. 「リコンシリエーション・ルール」をダブルクリックします。
  4. Concur User Recon Ruleを検索して開きます。

1.8.4 ターゲット・リソース・リコンシリエーションのリコンシリエーション・アクション・ルール

リコンシリエーション・アクション・ルールでは、ユーザーに対して定義されたリコンシリエーション・ルールに基づいてコネクタが実行する必要があるアクションが定義されます。

表1-13に、ターゲット・リソース・リコンシリエーション中に実行されるルール条件および対応するアクションを示します。

表1-13 ターゲット・リソースのリコンシリエーション用のアクション・ルール

ルール条件 アクション

一致が見つからなかった場合

なし

1つのエンティティ一致が見つかった場合

リンクの確立

1つのプロセス一致が見つかった場合

リンクの確立

1.8.5 ターゲット・リソース・リコンシリエーションのリコンシリエーション・ルールの表示

Oracle Identity Manager Design Consoleのリソース・オブジェクトのオブジェクト・リコンシリエーション・タブで、リコンシリエーション・アクション・ルールを表示できます。

ターゲット・リソース・リコンシリエーションのリコンシリエーション・アクション・ルールを表示するには、次のようにします。
  1. Oracle Identity Manager Design Consoleにログインします。
  2. 「リソース管理」を開きます。
  3. 「リソース・オブジェクト」をダブルクリックします。
  4. Concur Userリソース・オブジェクトを検索して開きます。
  5. 「Object Reconciliation」タブ、「Reconciliation Action Rules」タブの順にクリックします。
    「Reconciliation Action Rules」タブに、コネクタに定義されているアクション・ルールが表示されます。

    図1-3 ターゲット・リソース・リコンシリエーションのリコンシリエーション・アクション・ルール

    図1-3の説明が続きます
    「図1-3 ターゲット・リソース・リコンシリエーションのリコンシリエーション・アクション・ルール」の説明

1.9 プロビジョニング時に使用されるコネクタ・オブジェクト

アダプタなどのコネクタ・オブジェクトは、ターゲット・システムでプロビジョニング操作を実行するために使用されます。これらのアダプタは、プロビジョニングの参照定義で定義されたフィールドに対してプロビジョニング機能を実行します。

この項では、次の項目について説明します。

1.9.1 プロビジョニング機能

コネクタでサポートされるプロビジョニング機能と、これらの機能を実行するアダプタを示します。

表1-14のアダプタ列には、機能が実行されるときに使用されるアダプタの名前が示されます。

関連項目:

プロセス・タスクとアダプタの汎用情報は、Oracle Fusion Middleware Oracle Identity Managerのためのアプリケーションの開発とカスタマイズのアダプタのタイプに関する項を参照してください。

表1-14 ユーザー・プロビジョニング機能

機能 アダプタ

ユーザーの作成

adpCONCURCREATEUSER

ユーザーの更新

adpCONCURUPDATEUSER

ユーザーの有効化

adpCONCURENABLETASK

ユーザーの無効化

adpCONCURDISABLETASK

パスワードの変更またはリセット

adpCONCURPASSWORDUPDATE

1.9.2 プロビジョニング用のユーザー・フィールド

Lookup.Concur.UM.ProvAttrMap参照定義は、プロビジョニング用のユーザー・フィールドを含みます。この参照定義は、プロセス・フォーム・フィールドとターゲット・システム属性のマッピングを含みます。

表1-15に、この参照定義のエントリを示します。

表1-15 Lookup.Concur.UM.ProvAttrMap参照定義のエントリ

コード・キー デコード

Country of Residence

CountryofResidence

Email Address

EmailAddress

Employee Administration Country

EmployeeAdministrationCountry

Employee ID

EmployeeID

First Name

FirstName

Id

__UID__

Last Name

LastName

Ledger

Ledger

Locale

Locale

Login ID

__NAME__

Manager

ExpenseApproverEmployeeID

Middle Name

MiddleName

Password

__PASSWORD__

Reimbursement Currency

ReimbursementCurrency

Status

__ENABLE__

1.10 Concurコネクタのデプロイおよび使用に関するロードマップ

これは、コネクタのデプロイと使用についてこのマニュアルに記載されている情報をまとめたものです。

このガイドの残りの部分は、次の章で構成されています。